平成28年6月21日(火)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日の発表案件はございませんので、ご質問等ある方はよろしくお願いいたします。


質疑応答
参議院選挙において知事の期待するところ

時事通信:
 明日から参議院選挙が始まりますが、参議院選挙の議論で期待されることなどありましたら教えてください。

知事:
 参議院選挙は国政だし、地方と直接関係ないですけれども、消費税増税が延期された後の選挙だということ。それがどのように、投票の中身はいろんな要素で投票されますので、どのように反映されるか結果についてのインパクトというのはよく分析できませんけれども、この時点で問われていることは何だろうかという、私の立場から見たらどうかというようなご質問を受けたと解釈いたしますと、1つは、消費税増税を先送りされたことにどのように有権者は判断されるのかということ、これは政権与党に対する一つのテストというようなことが参議院選挙では当然あります。それと、消費税増税の先送りのもとになったと言われます経済情勢が、アベノミクスの総括と言われておりますけれども、これを冷静に分析するか、感情的に反応するかというのは大いに違うわけです。できれば冷静に分析していただいて、それを判断していただくのが参議院選挙のような時期が決まっている選挙にはいいのかなと思います。項目としては、消費税先送り、それから与党の経済政策の成果というものが関連いたしますので、それをどのように冷静に判断されますかということですね。

 普通は野党が対案を出されると争点になるわけですけれども、同じ方向だと争点になりません。与党も野党も消費税先送りだと言われると、本当は大事なんだけれども、政党間の対立候補間の争点にならないのかなと思います。しかし、先送りは同じなんですけれども、アベノミクスは成功したといって先送り、一方、アベノミクスは失敗したといって先送りという点をどのように有権者に判断してもらうのかといったようなことがあるように思います。

 経済政策、アベノミクスの評価はやはり問われるべきだと思いますけれども、それが消費税先送りになると、成功したから先送り、失敗したけれども先送りはオーケーというのは、争点になっていないような、ならないような気がするんですけれども、では消費税の先送りと切り離してアベノミクスの評価というのは、ある面一つ成功か失敗かということで争点になり得る。

 すると、成功か失敗かという要素は何だろうかということで、地方から見ると特に関心があるのは、雇用とか、GDPとか、成長とか、生活との関係とか、賃金とかいろいろありますけれども、雇用については、奈良県にとって有効求人倍率は1を超えて久しいですので、アベノミクスの成果かどうかは別にして、いい状況だと思います。だから、成長もそこそこというのを、高齢化、人口が減少している中でそこそこじゃないかと私は思いますが、奈良もシャープ、松下などの非常にGDPに寄与していた大企業が激変したので、GDP自身は落ち込んでいますけれども、それでもそこそこいっています。あとは、賃金もそこそこ上がってきているので、これも今までにない結果だと思います。

 大きなのは、デフレと消費の低迷というものがあると思います。デフレは、そんなに大きな物価の上昇にはなかなかならないと思いますけれども、消費が弱含みだということ。私は、消費が伸びないので、賃金を上げろということのその背景には企業が金融資産をため過ぎじゃないかと思っています。これは個人的な感覚ですけれども、企業はお金をため過ぎてもしようがないので、何か使わないといけないと思います。使うのは、賃金に回すか、投資に回すか、配当に回すか、あるいは社会貢献に回すかということですけれども、グローバル化の中で配当しなさいという圧力は強くなっていますけども、景気対策では賃金に回しなさいと。日本企業は、借金経営のときでも賃金を回していたわけなんですね。それが金融が不安定な時期が、バブル崩壊のときに金融崩壊があってため込む癖がついてしまって。私はもっと企業が投資か、賃金か、配当もいいですけれども、バランス上は賃金、投資、社会貢献、それに配当と、その順番でため込んだ資産をもっと使っていただくのが今の日本の経済には一番いいかと思います。

 アベノミクスがそれをどのように達成したのかというので、努力はされているように思いますが、企業の資産をためていいよと誰も言っていない。早く企業はそういうことをして、金融機関でも家計でもないんだから、使ってほしいなというふうに思います。それは個人的な見方ですけれども、それが参議院選挙の争点になるのかならないのかは、これは皆様の考え方にもよりますけれども、今の時点で大事な政党の判断でも必要なとこだと私は思います。それが第1であります。

 あとの争点は、与党と野党で随分違いますけれども、安保法制の是非というのは、国会であれだけ議論になりましたから、当然あのようなことをした安倍内閣に対して、デモもありましたし、おかしかったじゃないかというのと、あれはよかったというのは当然争点になろうかと思います。安保法制の是非というのは争点になろうかと思います。

 今思いつくのはこのぐらいで、まだほかにもあるかもしれませんが、それがアメリカやヨーロッパの選挙戦と違って日本は落ちついていますので、冷静に判断するような議論が進めばと願います。冷静にということは、客観的にということですね。政党は、主観的に主張されるのは当然でありますけれども、右から見て、左から見る。政権から見てみるのと野党から見るのと当然違う角度になりますので、同じ事項であっても評価が違うのは当然で、その評価がどちらが正しいんだろうかと思って有権者は材料を求めておられますので、その材料をこの選挙期間中、集中的に提供されるのがうれしい、ありがたいことかなと思います。

 どういう材料かなということで、どういうものが争点かというので、望ましい争点というようなことでしかありませんけれども、繰り返しになりますが、今思いつく観点で、経済、アベノミクスと消費税先送り、安保法制かなと。抜けているかもしれませんが、そのように思います。

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東京都知事選について

時事通信:
 参議院選挙の後に都知事選がありますが、秋田の佐竹知事はいろいろと望ましい都知事像みたいなことを会見でおっしゃっているのですが、知事の場合はどうでしょうか。

知事:
 同じ知事ですけれども、都知事と、奈良みたいに田舎と言ったら悪いですけれども、規模も違いますし、選挙の規模も雰囲気も随分違いますので、私の立場から望ましい都知事選とか都知事候補というのは正直想像がつかないですね。

 今までの都知事の中で出色というか、よく僕は知事は仕事せないかんと思っていますので、それは都知事であっても仕事せないかんと思っていますので、そういう意味で出色だったのは鈴木俊一さんかなと思います。だから望ましいとか、これからということを言う立場にありませんが、過去のことを、知事の立場では何かというと、やはり仕事をされる人というのが知事としてはうれしいことで、今までの知事を振り返って、ずっと記事でもこういう人がいたということ出ますけれども、鈴木俊一さんがよく仕事されたのかな、あの時期とても安定したのかなと思います。

 あと横浜市で、その前かもしれませんが、高秀さんという市長がおられて、この人も新横浜をつくったり、鶴見川の遊水地をつくって、日産スタジアムをつくるとか、大きな仕事をされたなというのが印象的です。

 仕事をされた知事は尊敬いたします。しかし、どんな人が選ばれるかというような角度での意見は持ち合わせておりません。選挙はまた違うと思いますので。

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砂防に関するマニュアルの内容と運用について

NHK:
 知事、例の掘削に端を発しての砂防の業務マニュアルが一通り完成して、これからいよいよそれをどう運用していくかという段階になりましたが、ちゃんと運用しないとまた同じことになってしまうわけで、マニュアルの中身についての知事のお考えと、それをしっかり運用していくぞという気持ちを改めて教えてください。

知事:
 月ヶ瀬、西松ケ丘、いろいろ問題とされた事案がございました。一方、砂防指定地内の違反行為、行政管理についての、一つは罰則とか規制という面で、この7月1日から折しも強化されますので、これは大変大きなことだと思います。それに合わせてその条例の精神をちゃんと実行できるようにというのが、いろいろ事案が起こったタイミングでもありましたけれども、行政監督をどのようにするかということは、やはりマニュアルは必要不可欠だったと思います。

 そのマニュアルの内容は、条例の精神をちゃんと生かすためということが一番大事なことでございますが、今度いろいろな事案についていろんな要素がありましたので、それを明確化して一体的に、かつ具体的にしてくださいよと、こういうふうにお願いをしてできたマニュアルでございます。

 まだいろいろ実行する上で、いや、こういうように決めたらいいぞということがあるかもしれませんが、それはマニュアルの進化ということで行政手続はいつも事案に沿って進化しなくてはいけない、マニュアルができたらそれをかいくぐろうとする知恵が出るケースもありますので、またそれを上書きして、そういうことしてはいかんということの行政マニュアルも変更する、それは将来のことですけれども、当面罰則強化に伴ってマニュアルができましたので、その精神は、条例の精神を明確に実行するというのと一体的に、一部だけやるんじゃなく抜け落ちのないようにするということを一体的にやる。それと具体的に決めておこうよというのが特徴になっているように思います。

 この事案のことをケースとしてよく分析して、特に明確にすべきだと私自身思いまして、そのように具体的な指示もいたしましたけれども、条例の罰則がなかったこと、テレビの方は法のたてつけが悪いと言っているのかとおっしゃって、まあそういうことだったかもしれません。言いわけに聞こえてはいけないですけれども、法のたてつけが十分ではなかった面もあったと思います。それは言いわけになっちゃいけないので、今度は罰則強化がされるというのが大変大きなことだということを繰り返し言っている。それがなぜ行政マニュアルにどう反映されるのかというと、許可内容とか条件を明確化しないといけないという要請があります。明確化しないと罰則がどういうことをしなければ、あるいはしたら罰則になるかということになりますので、当然許可内容と条件を明確化しないといけない。こういう条件に違反すると罰則になるよということをはっきりしなきゃいけない。今までは弱かったように思います。

 それから、その行為要求がありますが、報告をしろとか、期限内にしろとか、勾配を切り取ってはいかんとか、それを許可で条件にしたら、それを守ってくれるかどうかというのはわからなかった事案なんですね。これは守らない人がいるということを前提にすると、その情報管理とパトロール、監視というのがやはり重要だということがよくわかりました。常日ごろから大事だと、情報管理と監視というのが重要だということを強調されて、はっきりとされているように思います。

 それから、今度のケースは行政指導しても聞かれなかったということですので、聞かない場合どうするのかというのが四苦八苦してたみたいにも見えますけれども、指導、指導の繰り返しであったにすぎなかった面もありますので、今度は命令とか、罰則を背景にして命令を出すとか、場合によっては行政代執行すべき事案があればするとか、あるいは告発するとかという手順を明確にしたと。相手の顔を見て、やってくれそうだから待つよと、こういうこともやっていたと思うんですよね。それは相手がやるよと言ったら待つよと、こういう行政の対応であったということで、それはそれでそういうことだということは確認できている。それは結果的に甘いことにつながらないかということを今度の事案でわかりましたので、その手順を明確にして、標準化をして、告発にするまで、あるいはその後の行政処分をするまで、一体的に手順を決めたということに特徴があると思います。

 そのように手順を決めて実行するということがこれからの話でありますので、条例の施行に合わせてきっちり実行しなさいよということをお願いしていきたいと思います。

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大和川治水条例の現在の状況と今後の方向性

NHK:
 知事、もう1点、大和川の治水条例を今、検討されていますが、本来この6月の議会に提案というようなスケジュールも当初あって、それが延びていますが、その状況をどう知事として捉えていらっしゃるのかということと、今時点での何か具体的な方向性、最終的にこうしたいというお考えがあれば教えてください。

知事:
 大和川の治水は大事なことでありまして、とりわけ亀ノ瀬という、すぼまっているところがあるので、上流ではためるというのが大きな対策になっております。それで、本来なら河川は海まで流すのが、堤防を強化してできるだけ流せるようにしようというのが基本だったんですけれども、それは当然基本ですけれども、狭まっていますので半ダム効果があって、上にたまってしまうと。それは引き受けてためようと、減災しようというのが今度の治水の直轄遊水地の大きなことであります。

 そのときに、総合治水と言っていますけれども、その周りで大きな直轄遊水地をつくるだけでなくて、ちょっとずつためていこう、あるいは災害が、浸水になりますけれども、浸水が来るようなところは控えようと、住まないようにしようということを明確にしようという、治水の方針がそのようになっています。

 条例事項といいますか、そのような方向を決めるという意味の条例でもありますけれども、控えるというのは、地区指定してそこは控えてもらうという、多少強制権が伴うあるいは勧告権が伴う条例事項が入っていますので、それはこの地区は家を建ててはいけないのか、控えないといけないのかという区割り、地区割りの話もありますので、その調整に時間がかかっていると聞いております。

 大和川治水の方向性については、関係市町村も理解をしていただいていると聞いておりますけれども、自分のところは控えないといけないのか、あるいは自分のところの田んぼはいざというときにため池効果を出さないといけないのかという個別の調整に、条例ができますと、そういうことになりますので、それがまだ地区ごとの調整があるということです。しかし大事な話ですので、こういうような総合治水条例をつくるのは初めてのことであり、意義のあることだと思いますので、やはり念入りにしたほうがいいと思います。

 そういう意味で、できれば早く完結して出したいと思っておりますけれども、一方、住民の方の納得を得るということも大事なことであります。それと関係市町村の方々が流域治水という概念がありますので、その支川において上から下までちゃんとためてくださいよというのが、57年災害後の治水対策でしたわけです。上のほうがあんまり進んでないんですね。たまるのは下のほうだと、それを防止するのが上のほうだというような気持ちがあったのかどうか、支川の上流のほうの市町村では、ため池をつくる、治水をするのがあまり実行できてないということがわかっておりますので、できれば上のほうから下のほうまで、自分のところが水がつくかどうかにかかわらず一体的にしましょうよということです。

 大きな直轄遊水地が国中心で、これは県が3分の1を負担しますけれども、内水対策は県が直接負担してポンプをつけたり、内水の調整池をつくったりと。それと民間の人は、危ないところには家をこれから建てないよとか、あるいはため池でも田んぼでも役に立つ小さな貯水池になるようなものは協力しようよと。それが、総合治水というか総力治水というようなことになろうと思います。この57年災害程度のレベルでも大和川が内水も外水も氾濫させないという、今度の意気込みはそういうことでございますので、それを実現するための、条例だけではもちろんできませんが、条例が一つの大きな旗だと思っています。したがって、念入りにしたいと思いますが、9月、12月、2月になりますが、年度内の議会で条例を成立させていきたいと思います。

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既におこっている砂防法違反事例への対応について

記者(関西テレビ):
 知事、先ほどのマニュアルのお話に戻るんですけれども、今後起こり得るそういった違反事例に対してどう対処するかというところは、非常に今のマニュアルと条例でわかるんですけれども、片方で、月ヶ瀬と西松ケ丘含めて現在進行中の5件の事案というものに対してはどのようにこのマニュアルを適用されるんでしょうか。されなければ、どういった形の今後指導というようなことを進めていくお考えでしょうか。

知事:
 マニュアルで、もう今もやっていることでもありますけれども、監視という部分はこのマニュアルの適用で初めてすることではなくて、マニュアルの内容としても当然することになると思います。西松ケ丘とか月ヶ瀬について、これまで掘られてしまったり盛られてしまった事案にどうするのかということが、これはマニュアルがあってもなくても対処しなきゃいけないことかと思います。具体的にはどのように是正されるかということになると思いますので、是正されるのが行為者、原因者がやるのが世の中の基本になっていると思いますが、是正されないときのマニュアルというのは、今度の罰則強化は遡及適用は基本的にないと思いますので、罰則を適用して、このマニュアルがあるから、過去の是正がされない案件に新たに是正命令を出してということは、法律上ないと、条例上もないと思います。すると過去の事案で、もう行為は一応終わっていると、盛り土にしろ切り土にしろ終わっているとしたときにどうするかという課題は、マニュアルを超えてしなきゃいけない課題は残っておりますので、具体的に本人が是正するか、しない場合には県ができるのかどうか。行政代執行なり公共事業の条件に合うのかどうかということを吟味しなきゃいけない。

 それと、それにあるのは危険性の判断です。公益の所在ということをはっきり、単なる隣地同士の争いなのか、公益が関与するかという、ちょっと法的にもはっきり書いてないのでその適用は難しいですけれども、判断しなきゃいけない事項は間違いありません。公益があれば、許される手法で、予算も議会に要求して実行するということになると思いますけれども、そういう公益上の要件に合うかどうかと判断いたしますが、そのときは公益的な危険が発生したか、発生しそうかというのが大きな判断の基準だと思いますので、その監視ということは継続して今行っておりますが、その結果にもよると思いますが、この今おっしゃった既存の案件については、マニュアルの適用ができるところもあると思います。

 それは監視とか行政手続を明確にするという意味では、これからの何か起こったときの民間行為にも当然適用いたしますが、過去の事案については、今申し上げましたように罰則の遡及適用はないと思いますけれども、是正をどのようにするかというのは、マニュアルがなくても解決しなきゃいけない事案だと思っております。しかし、そのマニュアルができて、その対処の体系がはっきりして曖昧さがなくなってくると思いますので、これから対処する事案についても工法体制も含めて曖昧さなくご説明できるように思います。

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フォレストアカデミー構想等について

奈良新聞:
 一つだけ。県会の代表質問で出ていましたけれども、県のフォレスト・アカデミー。知事、おっしゃっていましたけれども、イメージ的には農業大学校の林業大学校版というようなことで、高・大・職の連携ということでおっしゃっていまして、その技術を生かしていくということなんですけれども、農業大学校の場合はNAFICのほうへ結実もしたりしていますけれども、今度のそのイメージという、フォレスト・アカデミーというものについては、いつごろのめどがあるかとか、それからどういうところへ、NAFICのような一つの実際の職のとこへ結びつけていく場合に、どういう具体的なイメージというか構想をお持ちなのか、もしわかれば教えてください。

知事:
 フォレスト・アカデミーの今の時点での構想のような体系ということでありますが、スイスのフォレスターに来ていただきまして話を聞いたのが大きなきっかけになったと思います。

 スイスは、人件費は日本の2倍にもかかわらず、林業生産効率は日本の4倍ある。どうしてだろうかということから、フォレスターに来てもらって、奈良県の森林を視察してもらって、アドバイスをいただくことにいたしました。

 スイスのベルン州と交流ができましたので、ベルン州のフォレスト・アカデミーから来ていただいたんですが、おっしゃったことは、やはり搬出の効率化ということ、スイスも大変急峻な山でありますのと、民間の山が多い。にもかかわらず、そういうことが効率的に行われているということに大変感銘を受けました。おっしゃったことは、機械化を進めることと、作業道をちゃんとつくること。これは公共投資ということ。民間の山にもかかわらず、そういう公共投資をしてきてますということです。それともう一つおっしゃったのは、何といっても教育です。教育の大事なのは、作業員の作業教育じゃなしに、森林環境管理教育だということでした。これは森林の持ち主とか施業者、あるいはその山に住んでおられる人々、あるいは関係の人々も含めて、作業員も含めて教育が大事だと。山をどのように管理するかという教育です。

 焦点がいつも当たるのは、奈良県の森林条例では、生産林と環境林と2つに分けています。生産林は収益があるから、生産林をどうするかということに注目が集まりがちですけれども、鹿やイノシシがすんでいるのはどちらかというと環境林で、環境林で生物生態のことも考えて森林環境を管理するといったセンスがスイスにはあるようでございます。森林環境管理についての教育というのはどのようなものであるのかということが関心の的でございます。

 この11月に、ベルンにそういうことをじかに学びに行きたいと思いますのと、できればスイスの森林環境管理ノウハウを奈良に持ってきていただきたいと思いますが、具体的にはフォレスター、あるいはフォレスト・アカデミーのようなものが、大学校のイメージですけれども、大学校ができますと、そういう教育の指導をしていただく人が来ていただければと思います。折しも、そういう話は紀伊半島全体に関係するかと思って、三重県知事と和歌山県知事に電話をいたしましたが、三重県知事は、2期目の選挙公約で林業大学校をつくるということを公約しています。和歌山県は、農業大学校の中に林業科を設けたばかりですということです。こういうことで、奈良県は林業大学校はありませんが、林業大学校ということにもなるかもしれませんが、フォレスト・アカデミーという形で今の申し上げたような教育制度ができたらと思います。そこを卒業した人は、作業員になるだけでなしに、森林管理のマネジメントのノウハウを持つことができれば良いなと思います。それが奈良県の山の中で職業として定着するような、大・職の接続が行われたらというように、これは我々地元の話ですけれども、そのようにイメージといいますか、構想を持っています。

 すると、高校の中の林業科。高校は普通科へ行って、大学は林業大学校へ行って、森林の関係のところへ就職するというようなイメージ、高校からそういう関心を持ってもらって、高・大・職の実学教育の接続といった観点からも大事なフィールドだと思っていますので、この夏の3県知事会での議論と、11月のスイスの折衝を踏まえて、奈良県でフォレスト・アカデミーといったような、林業大学校ですけれども、つくれるかどうかの判断を次の年度の予算時期までにできたらと思います。

NHK:
 知事、今のところ、結局その3県で何をやるかとかいうのは、電話でどんなお話をして、何がまとまったんですか。

知事:
 (三重で森林の育成や林業を担っていく人材の養成を協力していきましょう等)それは、例えばいい教師が来られたら3県共有の教師にするとか、いい教育マニュアルができたら、奈良県が率先してとりに行きますが、共有のマニュアルとして勉強しましょうかといったところまでは賛成であります。では具体的にどのようにしようかというのは、この夏の会議でもう少し議論をしようということになっています。

時事通信:
 今の担当課はどちらですか。

知事:
 農林部ですが、農林部の……。

担当課:
 森林整備課です。

知事:
 森林整備課です。

司会:
 ほかにご質問はございませんでしょうか。
 幹事社の方、よろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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