平成29年11月7日(火)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、これから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、女性活躍推進トップフォーラムの開催に関する発表案件1件です。
 よろしくお願いいたします。


「女性活躍推進トップフォーラム」を開催します
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 なら女性活躍推進倶楽部を創設するキックオフイベントです。お手元の資料ですが、チラシを見ていただくとわかりやすいと思います。ディー・エヌ・エーの南場会長と、損保ジャパン日本興亜の西澤社長に来ていただいて、フォーラムで勉強しようということです。「なら女性活躍推進倶楽部」をつくって女性活躍に一緒に取り組みましょうということです。報道への報告はトップフォーラムですが、その背景に女性活躍推進倶楽部をつくります。

 3枚目に、活躍倶楽部というのはどんなものかということを書いていますが、登録会員を募集して倶楽部をつくって支援団体と力を合わせて取り組もうということです。

 トランプ大統領のお嬢さんであるイバンカさんが来日し、同じような女性活躍の力を合わせようという動きがありましたが、そのように盛り立てようというようなことです。

 統計が出ておりますが、奈良県は、女性の就業率は全国最下位です。一方、過去5年間の伸びは全国1位と、最近の特徴が出ております。

 女性の活躍、就業率低いのが活躍してないことかどうかということについても議論はあり、近畿ブロック知事会でも議論しましたが、専業主婦はいけないのかといったような議論にもつながります。働きたい方が働けない環境というのがよくないということ、日本は労働力不足ですので、女性も働いてもらいたいというような労働政策、社会政策が背景にあるというふうに見ています。そのような経済社会の背景があります。結婚、出産、特に出産、育児のときは途切れますので、出産、育児を放棄して働くというようなことを強いてはいけないというのは社会的な強い要請だと思いますので、そのようなことが実現でき、女性のご選択で自律的に働く環境をつくるというのが望ましいと私は思っています。だから就業率に一喜一憂するのではなく、何か事情があってこういうことになっているので、就業率が低いと奈良の女性は不幸だとか、逆の意見として専業率が高いのは幸せだとかという、そういう見方の意見がありますが、それはそれとして議論はしていただくにして、女性で働きたいと思われる方に就業の場が奈良は少ないことは事実ですので、それを改善しようというのが、女性活躍推進倶楽部の基本的な目標、意図です。

 女性の活躍の場について、最近は官僚とか管理職、政治家の割合が百何十位とか、極めて低いという資料が出て報道されていますが、近畿ブロック知事会でも内閣府の審議官が来て、その資料を提出されました。そこで意見を申し上げたが、女性の政治家が多いのは、トップはアフリカの国なのです。それが1位だとしても全体を見なくてはいけない。アメリカも百十何位、日本は140、そのぐらいなので、140ですよと言われても実はぴんとこなかった。そのような数字で問題だという言い方は私には、ちょっと違和感がありましたので、アメリカが百十何位じゃないですかということを、アフリカの国がトップじゃないですかと、それはアフリカを目指すんですかと、そういうことじゃないでしょうといった言い方をコメントをしましたが、バランスをとって見なくてはいけないと思います。ここで狙っていますのは、女性が働きたい、あるいは社会で活躍したいと思われている方が増えていることは確かですので、そのような方に活躍の機会がないと困る、また労働力として、また活躍をしていただく主体としての期待も大きくなっているということは確かであると思います。このようなトップフォーラムと倶楽部を作る活動をしたいという報告です。

司会:
 ありがとうございました。
 それでは、本件に関するご質問をよろしくお願いいたします。

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質疑応答

「女性活躍推進トップフォーラム」を開催します

共同通信:
 なら女性活躍推進倶楽部のことですが、事前申し込み受け付け中とありますが、既に申し込みされている企業は何社かあるのでしょうか。

担当課:
 本日、ホームページにアップして、本日から開始しておりますので、本日から受け付けるということになります。

時事通信:
 改めて奈良県の女性の就業率が低いことは、どういうところが背景にあると知事は分析されていますか。

知事:
 奈良県の女性の活躍度、例えば女性の政治家とか管理職とかという見方もあるのですが、そもそも県内に企業が少ないという事情があります。逆に女性の社長比率は全国5位と高い。それは女性の社長というのは後継者がいなかったり、保育園など、女性経営者が多いところがあって、全国同じです。奈良は女性の社長比率というのは抜きん出て高いといった統計もある。奈良の女性の就業率が低いということは、これは歴然たる事実ですが、就業率が低いのはどのように解釈するのか。解釈というのは、その現象が大変困ったもんだと思うのか、何か違う解釈があるのかという点。もう一つは、どうしてそうなるのかという今の質問になると思いますが、どうしてそうなのかという点。女性の活躍全般になるとちょっと広くなりますが、就業率ということでいえば、女性の就業は近くて時間が短いと、通勤の時間も働く時間も短い、正規パートのようなものを希望されることが多いように調査でわかっております。そのような場が少ないのではというふうに、一つはマーケット的にこう見てます。企業活動が少ないのではないかということです。

 企業の募集をしていますと、葛城市にできたロートの会社の化粧水会社だったと思いますが、女性が8割、80数%、もう9割近い。奈良は、正規パートでありますけれども、大変労働の質が高いといってロートの山田さんが感心されていたので、そのような奈良の女性、潜在的労働力というのは埋もれているといったように見ています。

 ところが、現実に少ないのは、一つは外的な要因として、女性を雇用する企業の進出が少ないということが一つ推察されるが、これは企業誘致でやってきておりますので、企業誘致の割合は、平成29年の上半期では全国1桁までになった。7位か、ぐらいの件数です。小さな企業が多いが、7位まで上がって、それは雇用の場を発生させるということの積み重ねをまだまだしなくてはいけません。

 もう一つは、専業主婦で家を離れないようにというふうに社会なり男性が思っておられるんじゃないかという、これは意識調査ですが、固定的性別役割分担意識と言われる、男性は社会、職場、女性は家庭というような、その役割分担意識が奈良県は比較的強いというふうに調査統計では出ています。それも割と強い要素になっているのかと思います。しかし意識というのは社会が変わってきて、見方が変わるとだんだん変わってくるものでありますので、合理的な、働きたい女性に働く環境をつくるというのは、これは行政の一つの切り込む分野であります。そのように努めて、役割分担意識が社会の変化に合うように変わっていくことを期待します。原因ということであれば、固定的性別役割分担意識が強いというのも大きな歯どめになっているというふうに見ています。

日経新聞:
 この女性活躍倶楽部の企画委員の中に大学連合や市の組織が入っていますが、これは県だけではなく、県内の大学や市とも連携していくということでよろしいですか。

知事:
 そうです。特にと言ったら悪いですが、奈良女子大学については、国立大学の女性の就業を地元で10%以上するようにと文科省の通達、指示が国立大学系に出ているそうです。それで、奈良女子大の学長が飛んでこられて、奈良で就職させないといけないので県も協力してくれということがこの1年近く前にありましたが、すると卒業時だけ奈良に就職してどっかに行かれてもいいのかというと、せっかくの育てた学生さんですので、女性だけでなく男性も地元で就職してほしいというのは地域の願いであります。

 最近よく言われますのは、安倍首相が言っている面もあるし、地域で1人育てるのに1,500万円、地域の資源を投入していると。あるいは福井県知事は、「福井県では3,000万かけているんですよ」と、「それがぽっと高校を出たら県外へ行ってしまわれ、地域の人材力にならない」と。これは地方の嘆きなんですが、もちろん教育の費用とか、国からも来るんですが、地域が手塩にかけたお子さんが外へ行ってしまわれるというのは、日本の一つのアンバランスの象徴だと私は思います。女性も同じことだと思いますので、女性が地域で定着されるのは、働く場があるということも大きなことであろうかと思います。そのために大学の卒業のときに地域で就職できたら、地域で活躍できたら活躍してくださいということを大学と協力して進めようかという気持ちは強くあり、そのあらわれでもあると思います。

朝日新聞:
 数値目標は設定されているのかということと、どれぐらいの予算規模でされているのかというのを教えてください。

担当課:
 登録企業、事業所さんにつきましては、今年度から3年間程度で500事業所の登録を目標に頑張っていきたいと思っています。

 予算につきましては、今年度から新規事業でやっておりますが、400万円です。

朝日新聞:
 これは登録事業者数だけが目標なんですか。

担当課:
 もちろん最終的な目標は女性の就業率を高めていくということになっていますが、この取り組みだけではなかなか難しいと思いますので、このほかの取り組みも含めて就業率を上げていくということを目標としては考えています。

知事:
 ご質問は、この倶楽部の目標を超えて、女性活躍の目標値があるのかというご質問だったと思いますので、KPI(key performance indicator:重要業績評価指標)ということですが、それをどこに求めるのかということになります。女性の活躍のKPIは、重要事項の中にそういう類いも入っていたかな、ちょっと記憶だけではいけないので。私の記憶でぱっと出ないということは重要KPIになってないのかもしれませんが、先ほど多少うざったく言いましたが、女性の活躍度というのは何ではかるのかということになりますので、就業率というのも一つのKPIであろうかと思いますが、女性のさっきの社長比率というのも、並ぶかどうかは別にして、もう一つのKPIであります。

 内閣府が最近言っています「女性の政治家の割合などが世界的におくれているよ」というのもKPIですが、私はそれを本当に日本がKPIにするかどうか、先ほど多少そんなニュアンスで申し上げましたが、地域のKPIというのは、ああいうのとちょっと違うKPIがあるのかなと思います。各地域との日本の中での比較は、就業率というのはもう非常にわかりやすいわけです。あと女性の活躍度と因果関係があると、最近言われる出生率ですね、活躍して所得が高いほど出生率が高いというのが正しいかどうか、正しそうに思えるんですけれども、そういうようなのもKPIをつくって、そのKPIを達成する次の行動目標をつくるというのが県の今のスタイルです。成果目標、行動目標と、こう言っていますが、女性の倶楽部のメンバーをいくつにするというのは行動目標で、成果目標というのはその奥にあるわけですが、さっきのご質問は成果目標はないのかと、こういうご質問だと理解いたしましたが、その奥の目標というのは、いわゆるKPIと同じように思います。ちょっと奥深い目標になるので、というのは、先ほどちょっと煙幕的に申し上げましたが、女性の活躍度を何ではかるのかというのは、アフリカ、アフリカと言って恐縮ですが、内閣府がアフリカの政治家比率が世界ナンバーワンだと。日本は140何位だと。あれじゃちょっとKPIにしたくないなというようなのもあって、内閣府でもそうだから、女性の活躍度を何ではかって、行動目標・成果目標をつくっていけばいいのかというのは、また検討途中で、正直でき上がっているかというと、まだしっかりでき上がってないという印象を持っています。だから、どこかにあるのかというと、まだないんじゃないかというのが私の感覚ですが、これはつくり上げていった方がいいと私は思っております。

 この女性活躍推進倶楽部は行動目標で、その成果は500社ということで、ご質問は繰り返しになりますが、成果目標はやはり作らないといけないと思います。明確なものはまだちょっとでき上がってないというふうに申し上げねばならないですが。

朝日新聞:
 県の中で何か目標は設定するということですか。

知事:
 できればしたいですね、成果目標的なものはね。就業率アップというのも一つなんですが、女性の活躍で出生率が上昇すると言えるのかどうか、これまた議論がありますよね。そういうネーミングで入れるのはおかしいんじゃないかという議論もあり、非常にセンシティブだと思いますので、それはよく練って目標をつくらないといけないと思いますが、総論的に女性が活躍してもらったらよい社会になるということは確信していますので、そういう方向に向けての行動目標、成果目標とつながるようにその目標をつくれたらとは思っています。それも今ご質問ありましたように、つくる気があるのかということでしたら、つくりたいと思っています。

朝日新聞:
 これは検証する段階でPDCA、Cの段階で、必ずこれは絶対議会でも聞かれると思うんですよね、お金もつけていますので。400万という規模ですけど、目標は何ですか、これ達成目標は何ですかと。実際にこのお金は有効に使われたのかというのはセンシティブで目標設定が難しいからこそ、何か設けたほうがいいのかなと思った次第です。

知事:
 そうですね、おっしゃるとおりだと思います。ちょっと女性の活躍という範疇よりも、場合によってはちょっと解釈というのはずれるかもしれない。奈良県の平成28年の合計特殊出生率は全国41位で、大変低位です。ずっと40位台で、出生率は上げようと、いっとき人口減少に対応することがあり、平成27年の出生率は全国に比べて倍の伸び率でした。先ほどの就業率は最下位ですが、伸び率はトップであるなど、そういう現象が奈良では起こっています。出生率を上げるというのはなかなか難しいですが、なぜ出生率が全国伸び率の倍あったのかはわかりません。しかし、今度は女性活躍推進倶楽部や、婚活応援をすることで総合的に関係しているのかなという感じがいたします。やらないよりやったほうが絶対いいと思います。しかし、そのときにこの予算の効果はいかにと、こういう質問もあるわけです。それに対しては、いろいろやらないと効果は出ないんですと言うしか政治的にはないように今感じております。やらないとそんな成果も出ない、また全く成果が出ないなど、逆に振れていると問題ですが、いろいろやっているおかげで、成果は出ておりますというのが、一応の答弁ポジションになると今思っています。私の立場から見ると、いろいろ職員がやってくれるので、いい成果の数字が出てきているなというふうに思います。

答えにはならなかったかもしれませんが、救急搬送でも、複合的なことをやって、そういう大事なKPIが達成、いい動きになっているというふうに最近感じております。

産経新聞:
 この活躍推進倶楽部の目的ですが、生き生きと働き続けることができる職場づくりということですが、具体的にはどういう取り組みをしていたり、制度を持っていたりするというようなことが理想の姿に当たるのか、それに対して奈良県の企業の現状というのはどうなのか、教えてください。

担当課:
 理想の姿というのは、まだ提示はしておりません。ただ基本的にはやはり女性が自身の働き方、働きたい仕事に就ける、それから働きたい働き方が選択できる、そしてキャリアアップを望まれる方が、それが実現できる職場というのが理想的な姿ではないかと思っております。それができるようにバックアップする取り組みとして、企業、事業者さん向けのセミナー開催や、企業間の皆様の交流、情報提供、相談支援などをやっていきたいと思っております。

産経新聞:
 働き方が選択できるということは、具体的には例えば時間が選択できるとか、そういうことですか。

担当課:
 例えば育児休業が取得できるというのも目標の一つです。また短時間勤務、あるいはテレワークといったいろんな働き方が出てきておりますので、多様な働き方の中から選択できるように用意をしていただくというのも一つの目指していただきたい姿と思っております。

産経新聞:
 奈良県の企業は、そういう多様な働き方ができるところはまだまだ少ないということですか。

担当課:
 そうですね、かなり子育て後の就業継続率が落ち込んでおります。企業の数値はお示しできませんが、多様な働き方がしにくいために子育て期の就業率も落ち込んでいるのではないかなと思っております。まだまだそれが増えていかないといけないかなというふうに現状としては思っております。

知事:
 奈良の企業は働きにくさがあるんじゃないかということが伏線にあると思います。就職の場が少ないというのと、プラスで就職の場があっても女性が排除されているわけではないですが、働きにくいのではないかという感じがいたします。現在、求人倍率はものすごく上がっています。奈良県では過去最高、就業地別の有効求人倍率1.53ですから、数年前の0.5の時代から求人がぐんぐん上がって、男女両方多いわけです。働く場というのはどんどん有効求人倍率で提供されています。しかし実現しないかどうか、これまたフォローしないといけませんが、そのときの女性の就業を妨害しているのは何か、働き方が女性に向いてないのではないかということが推察できるわけです。その働き方に育児休業というのが一つのポイントであります。短時間正規というようなパートというものが定着するかどうか、あるいは近くの就業の場など、働き方というのはとても大事なことです。それを達成したいと思いますが、その裏にあるのが、さきほど質問された、原因は何ですかという中で、男女の役割分担意識がとても大きいと推察しております。実はセミナーとかシンポジウムは、役割分担意識を変えようというのがメインターゲットであると思っております。このぐらいで変えられるかわかりませんが、こういうことをやっていると少しずつ変わる実績がほかの分野であります。またこれも一つのポピュレーション・アプローチと言われるやり方ですが、こういうことをたかがシンポジウムかもしれませんが、されどシンポジウムというところがあると実感しております。

 フォーラムには株式会社ディー・エヌ・エー会長の南場さんが女性で出てきておられますが、南場さんは東京でお会いしたことがあります。何かいろいろ目の前の仕事をこなしていると、企業家というよりも社会奉仕家と、社会活動家、こんな社長になっちゃったという感じでした。そういう女性のこういうパターンの活躍、企業家、ごりごり全然してません。そういう方でもこういう球団のオーナーになれるというような時代、そういう局面もあるので、一つのロールモデルになり得るような人が、そういうコネで来ていただいた面もあります。またそれが励ましになればという意識の改革がメインターゲットであると思います。

 効くかどうかであれば、やったほうがやっぱり効くと思います。

司会:
 それでは、その他の質問も含めましてよろしくお願いいたします。

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三郷町東信貴ヶ丘擁壁崩落事案ほかについて

奈良新聞:
 台風21号の三郷町の信貴ヶ丘の崩落の件で、県として今後の取り組みと対応をお聞かせください。

知事:
 昨日も住民の会議があって報告をうけています。昨日、いろいろと会議をして、これからどうするのかという対応について、概略を固めてきているので、今日の時点で固まった内容を申し上げたいと思います。

 まだまとまった資料にはなっていないのですが、ひとつは今後の、直後、すぐの対応ですが、住民の方からの要請がありましたが、原因究明調査。この調査を県の費用によって実施したい、県が主体的に調査をしたいと思います。今日、トップになっていただく予定の学識経験者、大学の先生ですが、県が今日の午後、面接に、お願いに行きます。名前はまだ言えませんが、お引き受け頂ければ、県の費用で、その学識経験者の方をトップに、そのアドバイスを受けながら、建設コンサルタント費用もいると思いますが、暫定の支出となりますが、県の支出で、至急調査を実施したい。

 調査は、県が開発許可をした、その許可がおかしいのではと言われているので、それも含めて造成工事は適切であったかどうかという調査、それから崩落の原因、これが一番大事ですが、原因の特定。そこから県の開発許可は適切であったか。書類は残っていないが、工事のあとを見ると多少フォローはできるので、開発許可は同じのパターンでかわらないので、それを前提に開発許可の内容が適切であったのかということを含めて、調査を実施していただきたいというお願いをします。

 ご了解がいただけたら、すぐにでも調査を開始、まず現地調査をしていただきます。目標は、造成工事が適切であったのか、くずれた原因はなにか、県の開発許可は適切であったのかという原因究明の調査がひとつ。もうひとつは、調査の中で、暫定復旧工事はどのようにすればいいのか、ということも調査していただきたい。本格復旧と暫定復旧は、こういう場合わけざるをえないかなと、費用負担の問題もあって、というのが今のところの状況です。

 住民の方はとにかく暫定復旧をしてほしいということですので、費用負担を別にして、危ないのを放置できない、すぐに暫定復旧工事をする必要があろうかと外形上思いますので、実施したいと思います。誰が実施するのかが、課題になっておりますけれども、近鉄は下の地面をもっておりますので上はしないと言っておられます。上は、法的なことをいうと、恐縮ですが、所有者がしないといけないと、今の法律ではなっている。しかし、それを言ってたら、危ないのを放置するというのは、看過できないと県としては思いますので、暫定復旧工事は、近鉄はある程度までしてくれればありがたいですが、誰もいなければ県が実施すると、県が費用負担するというふうに思っております。

 県が実施するのは、多少根拠があいまいなわけでありますが、その点は逆に西松ヶ丘でもおこったように、代執行に対する、反代執行の訴訟がおこったり、仮処分の申し立てもある。このケースでも、法律で所有者責任であると書いてあるが、県の暫定工事になります。暫定工事は緊急避難なので県ができるのではないかというように解釈をしている。緊急避難なので、危ないものを放置してはいけないということで実施します。主体は県がしても良いかと思うが、費用負担について所有者負担なのか、公的負担なのか、どうするのかということは、まだ解決していません。このケースは、他の府県に聞いても、なかなか難しいことが多い。費用負担は、今後協議・調整する。県が恒久的負担なのかは、未定であることを申し添えたい。

 調査をしてもらう中で、どこまで工事をしないと危ないのかとうことも、コンサルを使って判断してもらいます。誰も何もしないまま放置するわけにはいかない。周りを見て誰もしないのであれば県がするというところまで来ています。暫定工事の実施については、昨日・今日の会議で実施を決めました。

 次に本格復旧工事について、費用負担や主体は誰になるのかは、はっきりしていません。県が建築許可をしたから責任があるのかというと、そのような許可はたくさんしています。今回のケースでは、少なくとも県がコーディネートをする。どのようにするかは学識経験者に決めてもらいます。県の開発許可責任があるのかどうかも調査の対象になる。これも含めて協議・調整のコーディネートの主体にならせてもらいます。住民の方へ窓口的な安心を提供する基本的な行政動作であると判断しています。コーディネート対象は下の部分は近鉄、中の部分は施工業者。行政主体としては三郷町と県。それと住民との協議になるかと思います。国交省でも住宅のこういう事故は全国的にあるので、住宅局で奈良県におられた方にたまたま東京でお会いしたが、なかなか難しいと頭を抱えておられた。国交省も全国の事例があり、知恵もあると思う。住民説明会にも地方整備局の職員の方が来られていたと聞いているので、国交省の知恵も借りようかと。それは県が責任を持って、国交省とコーディネートさせてもらう。協議の仲間、ご相談の相手ということで国交省と県が連絡を取らせてもらうかと思う。

 もう一つは緊急時、「また地面が動いた、家が音を立てた」ということが雨が降るとあるかもしれない。そのときの緊急連絡体制を構築しておきたい。これも県がコーディネートするつもり。緊急連絡体制の主体は、県、三郷町、近鉄、住民の方になると思う。施工業者は現地はいないのでまた連絡は取るが、緊急連絡体制を構築したい。

 最後に概略的なことをバラバラ言って恐縮だったが、土砂崩壊がつづいている。西松ヶ丘、今回の三郷町、吉野の森林土砂崩壊もある。土砂崩壊は担当が分かれており、行政はそれぞれ事後対処が中心になるが、土砂の扱いは行政的に難しいことが分かってきた。土砂崩壊対策検討会議を県庁内につくって、緊急の対策、本格的な復旧、原因対策を固めていきたいと思っている。

 それぞれの種類別に対応するのではなく、土砂崩壊という、土砂が水を含んで流れ出すことに対する緊急対策・本格復興対策・原因防止対策というテーマで至急検討会議を今週中にも作りたいと思っている。以上です。

時事通信:
 会議というのは、具体的にはどこの部署が入りますか。

知事:
 土砂対策はいろいろと種類があると言いましたが、西松ヶ丘のケースは砂防課がやっています。今回の三郷町のケースは建築課、吉野の崩壊は森林整備課がやっています。それぞれの課で格闘してくれています。連続して、腕を試されるかのように災害が起こっています。このことは、共通する原因があることは明々白々ですので、県庁内ですが、音頭をとって、有識者の助けも得て、暫定対策・復旧復興対策・根本対策を至急検討したい。根本対策には少し時間がかかるかもしれないが、暫定から復興まではこれまでのケース対応含めて、適切な方法かも検証しながら進めたいと思います。

時事通信:
 メンバーは、砂防課、建築課、森林整備課、有識者と知事ですか。

知事:
 まだ決まっていませんが、私も入ってもよいと思っています。言い出しっぺはこちらでありますので、対策会議は知事が入らないと進まないかというと、よく、本部長になってワーキンググループを進めてもらうこともあります。私は興味があるので、できるかぎり入りたいと思います。ただ、知事が時間が取れないから遅れるといけないという配慮はあると思います。先ほど、至急、対策会議をたちあげるから検討してくれ、第1回会議は今週金曜日だと、検討指示をしました。たちあげてくれると思います。

朝日放送:
 暫定復旧工事の件ですが、暫定復旧工事は元々近鉄が住宅の方もされると聞いていますが、今のお話では県が暫定復旧工事をするということでしょうか。

知事:
 近鉄が住宅もしてくれたらいいですが、それはそれでありがたいことですが、情報が錯綜しているかもしれませんが、近鉄はされない、負担もしないと近鉄はおっしゃっておられると聞きました。

担当課:
 今現在、近鉄が応急復旧工事として、建物のサポートと、のり面のモルタル吹きつけを行うと、それについては近鉄さん。その応急復旧工事と、知事が今言いました暫定復旧工事はちょっと違いまして、暫定復旧工事はこれからコンサル発注、調査委託するんですけれども、その間で暫定復旧が必要となる場合について行うということであります。コンサル委託して、その調査内容によって、必要に応じて暫定復旧を行うということで。

朝日放送:
 原因調査の後に行うのが暫定復旧ということか。

担当課:
 原因調査の途中、あるいは後に行うのが暫定復旧で、今回の近鉄が行うのは応急対策として建物の基礎のサポートの支持であるとか、のり面のモルタルの吹きつけを行うということでございます。

知事:
 ちょっとわかりにくかったかもしれませんが、イメージ的に台風でガラスが破れたときに、すぐに手に入らないため紙を貼っておく、ビニールを貼っておくというのが応急措置ですよね。ずっとそのままではなくというのが応急措置のイメージだと思います。近鉄がどう言っておられるのか情報が錯綜している面があるので、近鉄が暫定復旧工事までするとはおっしゃっておられないのではないか。近鉄を押しのけてということではありません。

 近鉄がしていただけるとそれはそれで、奇特なことだと思いますが、最終的な費用負担のあり方というのは基本的にもめる可能性がありますので、コーティネーターはさせていただこうと思います。住民の方は、誰の責任で崩れたのか分からないのに費用負担だけしろと言われても、と思われるのが普通でありますが、こういうことが連続して各地で起こっていますので、誰の費用負担で本格復旧していくのか、とても難しい課題だと思われているということが国交省やいろんなところで聞いて分かりました。コーディネーターしないと、誰もしない、住民の方もお困りでしょうということで、県がやりますよというのが基本的な気持ちですが、他がされるのに、特に暫定について、県が押しのけてということは全くありませんが、誰かしないといけない。

朝日放送:
 暫定復旧部分は、最終的に原因割合で住民の方にも求めるということですか。

知事:
 暫定復旧についてはこれからですね。とりあえず緊急避難的に県が支出いたしますけれども、議会の報告もして予算を認めてもらわないといけない規模になるかもしれません。議会はどうしてそういうことをするのかということにもありえる、かわいそうだからやるというのは、政治的にはあるかもしれません。法的な根拠がないと訴訟が逆に起こる可能性ももちろんありますので、恐れているわけではありませんが、正しいことだといいんですけれども、こちらも根拠を立てておかないといけない。

 本格的な費用負担はあいまいになってきていることが分かってきましたので、どう負担すればいいか、協議調整の場になってくるような予感がいたします。そのコーディネーターはさせていただく。これは誰もしておりませんので、押しのけてということはありません。

朝日放送:
 住民の方は、戻りたいということが願いだと思います。これ以上崩れないための応急処置は、崩れないための工事であり、住めるように戻れる工事ではないのではないですか。暫定復旧工事のイメージが湧きませんが、たとえば住めるようにする工事ということですか。

知事:
 住民の方が戻れるかどうかがポイントということですね。それは、誰が判断するのか、誰かしっかりとした方に判断してほしいというのが住民の方の願いでありますし、こちらもそうでないと、戻っていいよという解除は町の責任になるかもしれませんが、そのときに根拠がないと、戻ったら夜の内に落ちていたというのでは困りますので、客観的な安心度を測らないといけないということになると思います。そのために暫定工事、あるいは戻れるかどうかも調査チームに委ねるのがいいかなと思います。客観的な戻り方というのも調査の対象にしてほしいと思います。これはご相談のうえで、そんなことはできないよとおっしゃるかもしれませんが、してほしいと思います。

朝日放送:
 専門家、学識者の意見をもって、もしかしたら県が行う暫定復旧工事のほうで住民の方が戻れるかもしれないということですか。

知事:
 戻れたら一つのパターンですね。費用負担の方は残りますが、家に戻りたいと思うのは当然であります。福島の汚染地域で戻れるのか戻れないのかというのは、どこで判断するか、向こうも深刻ですけどこちらも身近で深刻でありますので、なにか客観的な判断がいると思います。

 行政的な体系から言えば、三郷町になるんですけど、土の判断はなかなかできないので、三郷町も一緒になって相談しようと水を向けたいと思います。県がコーディネーターとして、戻れるか戻れないかの判断も一緒に頼もうよということで水を向けたいと思います。今日、学識経験者にお願いするばかりでありますので、どこのスコープ、どこまで検討してもらうのか、住民の不安を解消してもらうには、戻れるか、戻れないのか、足場はどうするのか、費用負担はとにかくこれからに置いといて、これまでは足が止まっていたように思いますが、とにかく戻れるまでにはしようよというような姿勢を取りたいと思っております。三郷町とこれからのご相談でもありますけども、どうすれば戻れるんですかということも聞いていきたい。県の責任かどうかということになると複雑になりますので、主体的に、その判断をより客観的にしてもらえるようにコーディネートをするところまでは指示しました。

朝日放送:
 建物に入れない、赤紙判定と言ったら少し表現が悪いですが、玄関口の判定をされたのは県だったかと思うんですけれども、戻る判定は三郷町になるんですか。

担当課:
 応急危険度宅地判定において、危険、要注意、調査済宅地があるが、赤紙は危険宅地ということで判定として貼らせていただいた。判定においては拘束力はありません。建物に入れる入れないのを誰が言ったのかは分かりません。

知事:
 私の答えは一般的で、避難勧告や指示は市町村がされるので、類推して同じようなことをされたのかと思っただけで、アクションの根拠はなかったのですが。いま担当が言ったようなことだと思います。

奈良新聞:
 暫定的な恒久対策のスケジュールを教えてください。いつ着工を目指しますか。

知事:
 調査の結果ですが、危ない場合はすぐに暫定工事をせないかん。応急と暫定とあいまいなところがありますが、戻れるように暫定的な復旧措置をしたのかがメルクマールで、年越しをしても安心して住めるのか、本格的工事になると思いますが、本格的になるとどのくらいの費用がありどれくらい負担するのか、必ず起こってくると思いますので、こちらから主体的に協議調整の必要がある。どのようなことをせないかんかということは調査の結果で分かると思いますので、至急固めて頂く。どのような調査をせないかんのかということは、場所は特定されていますので、調査費用は暫定的ですが県が費用負担させてもらおうというところまで、昨日今日で指示しましたので、何をすればいいのか確定しないと帰宅につながらないと思います。今後、安全だということをどのように構築するのかということは、対策はすぐに出るかもしれませんが、費用負担の面で協議に時間がかかる可能性があると予感しますけれども、なるべく早く、どれくらいの費用でやりましょうということがでればいいんだけどなという希望は持っております。

とにかくなにをせないかんのかということを確定せないかん、ほったらかしにはできないということが今日の時点で県の意向でございます。

毎日放送:
 先ほど応急復旧工事と暫定復旧工事が出ましたが、奈良県のスタンスとしては、近鉄は応急復旧工事までは協力するが、それを押しのけるという形ではなく、すぐに調査して、何か応急復旧も包括するような形で暫定復旧をやっていくというスタンスですか。要は、3段階あるということですか。

知事:
 近鉄は宅地造成をされたわけではないので、下の地面の法面を持っており電車が走っているという、地主であります。境界があるという関係。上から崩れたのか下からくずれたのかは原因究明の一つのポイントですけれども、下から崩れたなら上まで戻せよということですが、あいまいだから近鉄さんは躊躇されておられるように、正確かどうか別にして、伝わっております。応急か暫定かあいまいなところもあろうかと思いますが、とにかく土がこれ以上くずれないようにするのが応急、暫定というのはとりあえず帰宅できるまで工事をすると、仮に定義しておきますと、戻れるようにというところまで責任はないよと近鉄さんはおっしゃっておられるというように聞こえます。さきほど、そこまでされると言っているのに県が上乗せしてそこまでやるのかということですが、費用負担まで協議するのか、とにかくそこまでだれかしてくれたらいいんだけれども、誰もしないのであれば、帰宅できるまでの工事は、手法が分かってからのことになりますけども、誰かせないかんじゃないのと言うことに対して、踏み込みました。下の法面を取ると近鉄さんは応急か暫定かという区分よりも、境界で、下のほうの工事はするよとおっしゃっているのは確かと思いますが、上の方までするということは聞いておりません。上の工事と下の工事をどうマッチングさせるのかが大事、応急でも暫定でも同じと感じております。コーディネートも大事なポイントだと考えております。上の方でしなければならないのか、下の方でしなければならないのか、下の方は自分の敷地だからされるということだと思います。上の方は誰がするかということはこれからの協議でございますけれども、県の方はコーディネートをさせていただきたいということと、コーディネートの中で誰がなにをしないといけないということを、協議の中でしっかりと至急確定するというのが目標になってくると思います。

毎日放送:
 その暫定復旧工事に向けて県が調整されて、仮に知事もおっしゃったように県が暫定的に実施するということになるかもしれないとおっしゃったと思いますが、その場合、シビアな言い方をすれば、本来は所有者がやるべきことです。その場合、暫定復旧工事を県が行うに当たって、その法的な根拠や制度的な根拠はどうなりますか。

知事:
 それが大事だと思います。

 それを検討しながら、余計なことを、法でしてはいけないことをして、お金まで出して求償されてはかなわない。自分の給料から払うことになってはかなわないと、正直思いますけれども、公的な事務としてできるのかどうか固めなければならない。しかしそういうことを言っていて住民の方の不信感がでたり、不安が出たりする。暫定工事は誰かせないかんということまでは、私は政治的判断でやらなければならないといかんのではと思う。暫定工事の費用負担もまだあいまいです。だから、暫定工事の実施は緊急避難的ですので、危ない人を救うのは、たとえは良くないですが線路に落ちた人を救う法的責任は誰もないわけですね。誰がするのか、目の前にいたら救いたくなるでしょうというということ。法的な義務があるから、目の前にいる者を救えと法律に書いてあれば、しない人がまたおかしなことになる。そうではないようになっていますので、大変難しいケースであると思います。西松ヶ丘でも、県が余計な代執行をしたのではないかと執行停止の仮処分まで、前の会見の後、裁判にいってますので、仮処分の解除、棄却されるまで工事できないということになると思いますが、今回は代執行ではないですが、誰の費用負担かはあいまいですので、それは協議調整にしましょうということまでしか決まっていない。誰かが音頭を取らないとほったらかしになるのはおかしいじゃないか。政治的な判断をしたわけでございます。法的な足場があるかどうかは、心配ではあります。それも固めながら進まないといけないと思います。緊急的な措置はありえると思うんですけどね。本格的なところまで、県が全部負担して踏み込めるかどうかは大変検討を要することと思います。住民の方に言わなくても、我々の行政の課題だと思います。住民の方に真摯に対応することで、課題もあるということを理解していただきたいと思いますが、だからなにもしないというわけにはいかないでしょうと思いましたので、にわか仕立てで、昨日今日でとりあえず今日の会見があるから、言おうということでまとめた概略でございますので、ちゃんとペーパーになっていませんけれども、またまとめて緊急措置はこのような段取りでしたということを固めておきたいと思います。

毎日新聞:
 西松ヶ丘の件ですが、今月上旬に専門家視察という話でしたが、まだされていなかったと思います。スケジュールを教えてください。また、何か遅れている原因があるのか。

担当課:
 専門家の調査の予定でございますが、11月9日の午後に現地調査をしていただく運びで、改めて本日午後に報道資料を提供させていただきたいと思います。2人の専門家に、11月9日午後調査していただく予定です。

知事:
 ここで言ってもよかったんだけれども、直後に報道発表いたします。

毎日新聞:
 今後は西松ヶ丘も含めて、県庁内の対策会議でどうしていくかを協議して進めていくというわけですか。

知事:
 県庁内で担当が分かれていますので、土砂防止を、今は事後処置をどうするかということですが、私のところくるのは共通の課題と思います。共通の課題をどう対処していけばいいのかということを体系だって固めていこうと思います。当面、のように考えていこうというのを、今まで事後措置の体系がはっきりしていなかったと思いますので、それを至急固めたいと思います。今週会議して、来週にでも、西松ヶ丘も、三郷も、吉野もそうですけれども、土砂対策の緊急対策としては県の姿勢はこうですよということを分かりやすいように言えたらいいなと思います。それがまず第一でございます。対策会議ということで大げさなことでありますけども、当面共通した姿勢がはっきりわかるように、担当がみな違いますので、最初に直面した課と、最近直面してる課と、ニュアンスがあるかもしれませんので、統合的な体系で進めるようにしようというのが、会議の当面の目的です。

NHK:
 知事、その部分の確認なんですが、民民の土地にどう行政が入っていくかということが西松ヶ丘でも問題になりましたし、今回の三郷町も当初から住民がそれを求めていて、それを含めた検討を対策会議でするということでいいですか。

知事:
 そうですね。それは根本的なことですね。民民の不始末、斜面の土砂崩れの不始末をどのように対応するか。法的な始末体系はあまりないんですね。木が生えてきた境界紛争は判例にしたがい法律が整備されてきたのが実情ですが、土がある境界問題ととらえることもできますし、民地造成責任というとらえ方もできますし、瑕疵責任は10年で切れますので、法的にははっきりしていない。法を創る権能はありませんので、ケースに対応する現場に近い行政の責任分野と認識しております。みな法的な根拠があってできるのか、法的な根拠はあいまいな分野と認識しておりますが、緊急対策は行政の分野ではないか。とりわけ人命や生活に影響がある結果になっている分野は、行政責任、行政の役割分担があるのではないかと認識して、それは町か県かということになりますが、それは些少して、とにかく即応的にしなければならないというのが姿勢でございます。体系的に整理されておりませんけれども、民民の境界問題という要素もありますので、それも検討して、どのように考えればいいのかという程度かもしれませんが、国の基礎的な立場をしきっておられるところのアドバイスも得ていかないといけないと思います。全国でもあるわけです。このまえ近畿ブロック知事会で、奈良は大変ですねと、鳥取県知事も難しくて大変でしたという感想を述べておられた。難しいからといって尻込みはできない、生活をないがしろにできないというように思ったというのが今の状況、行政姿勢でございます。

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地方消費税清算基準の見直しについて

日経新聞:
 先週の財務省の財政制度審議会で消費税の配分基準の見直しで、人口基準の比率を大幅にあげるという提言が出まして、今後、知事は全国知事会等でどのように推進していかれますか。

知事:
 そうですね、これから政府・与党の税制大綱が、今日の記事だったかな、45日後と書いてありましたが、12月何日かに税制大綱を決める、そのことで今年の税制はみんな決まってしまうわけですので、それに向けてどのような動きがあるのか、中央の動きということになると思います。この消費税の清算基準は中央の権限でありますので、中央への働きかけということで意見を申し述べさせていただいてきましたが、これからは中央でどんなふうに、財務省の財政審があのような意見を表明されて、これから中央の政治的な決着までどのようになるのかなと、意見のかけらでも通ればいいなと見守っていきたいと思っております。

日経新聞:
 ほかの知事と共闘するとか、そういうお考えはありますか。

知事:
 我々は、感じとして外なんですよね。その中でもだんだんインナー的になっていくわけですから、今、財政審もインナーではないですからね。結局、デシジョンメーカーの中にずっと絞られていくわけなんです。だからその絞られていく過程で、我々は財政審よりまだ外に立って、利害関係者であることは間違いないわけで、利害関係者の利害が周りの外縁の北に立っていることと南に立っていることと随分違う、大都市は南に立って太陽がよく当たってましたと、私どもは日陰で北に立っているから損してましたと、そういう損得の状況もありますが、しかし地球はちゃんと回ってくれないと困りますと、いつも北では困りますといったようなことを制度的に言ってきたような気がいたしますので、その販売統計で依拠していると不公平が生じていたではないですかということをやっと聞く耳を持ち始めてくれたのかなと感じます。

 今まで言ってきたことですが、今まではどうして聞いてくれなかったのかなと、今の私の心境だとそういう感じなんですけれども、販売統計のあやふやさというものがやっと議論の俎上にのってきたなと思います。だから人口基準のほうがよりましではないですかと、最終的な生産地というのは具体的に一品一品特定することは経費もかかるし大変だから、消費税自身も仕入れ控除だから、具体的に言うと何が付加価値かということを、インボイスが明確にないとなかなかできないわけでありますので、日本は仕入れ控除方式で外形的にそこそこ消費税をとれればいいやと、こういうことでありましたので、厳密に言うと付加価値税で、だからインボイスがないといけないので、この中小企業の手間が大変だからというので見送った経緯があるように記憶しておりますが、今度は清算基準が明々白々の少し消費地ではないところを消費地と認定するのは、販売統計でやるのはおかしいではないかといったクレームを出してきているわけで、それをどの程度聞いていただけるのかという、理屈立ては相当理解が進んでいるように感じます。インナーの人たちがどれだけ聞いていただけるのかなという点に注視して、祈っておきたいなと思います。やっぱり不公正だったのではないかと思いますけどね。

時事通信:
 今回の財務省の案で、奈良県の主張を取り入れたように思いますが、従業員の基準を廃止したりですとか、清算基準ですとか、その点に関してはいかがでしょうか。

知事:
 奈良県の意見というわけではないと思います。普遍的な意見だと思います。誰でも言えるような意見をたまたま奈良県が音頭をとって言ってきただけのことだと思います。奈良県が言ったからといって受け入れられるようなテーマの議題ではないと思います。理屈の世界だと思いますので、理屈を奈良県は得する損するでもう言わないでおこうと、こう決めてましたので、本当に損するならあまり言ったら県民の人に怒られますけれども、多少は得する、今までの不公平が是正されるという面で得をする面があろうかと思ってけしかけてきたわけですが、財務省の案のほうがすぐれていると思いますのは、奈良県が今まで言ってきた案よりも、人口を単なる人口ではなく、高齢者や若年者の世代間の人口を多少、地域別には構成の違いがありますので、それを反映させるというのは、より進歩した形だと思います。これは税制よりも受益のメルクマールになりますので、税制に受益を入れていいのかどうかという判断があると思いますが、消費税のアップは社会保障のために使うと、政治的な意向を言っておられますので、それは使途ということでありますが、使途を社会保障のために使うと、社会保障のために使う分野が地域によって違うのではないかと、それを税制の配分に反映させられるかどうかということを税制の議論としてあると思いますが、そこまで踏み込んだことは奈良県は、考えてはいたけれども言ったことはなかったんですけれども、より進歩した、考え方としては進んだ考え方を財政審はとっておられるように思います。

時事通信:
 東京都知事、大阪府知事、愛知県知事が反対を表明されまして、また総務省からも反対意見と、最終消費地に帰属するものなんだからこれはおかしいというようなことをおっしゃっていますが、そのあたりに関して受けとめは。

知事:
 みんな利害関係者なんです。デシジョンメーカーではないです。こういう時はデシジョンメーカーに利害関係者の意向も踏まえて公正な判断を税制ではしてもらう、日本政府の大変良い仕組みがありますので、そこの公正な判断を期待したいと思います。これは政治的だとか損得で決まる、政治的ということは地域の利害で決まるわけではないですね。利害は今のところ大都市、都市と地方の利害、あるいは総務省と財務省の利害、そういうセクターの利害を超えて税制としての理屈をちゃんと立ててもらおうということが奈良県の願いでありますので、それはインナーを含めたデシジョンメーカーの一番期待されるところだと思います。そのように期待して信頼したいと思うわけであります。

 利害が対立しているから止まるとか、そういう国柄ではいけないと思います。税制は理屈を立てないといけないということを知事会でも盛んに言っている。全国知事会でも、これは損得の話ではなく理屈の話ですねと言っていただいた知事も結構おられますし、そのように思ってきておられる知事も、損得で表現するのはもちろん自由でありますが、それは損得の意見ですねということだけの話です。損得を超えて理屈を判断するのが、日本の仕組みでいえば政府・与党の税制調査会ということになると思っております。今までの議論を公正に判断していただきたいなと切に願っております。

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台風21号被害状況について

知事:
 最後に、台風21号の被害額について簡単にご報告しておきます。結構多くなってきているのがわかってきております。県内の被害額は、現在わかっているだけで、最終的ではないですが、約130億と試算されています。結構大きな額ですので、少しびっくりしております。まだ不確定なところがありますが、現在のわかっている額で130億です。内訳として、県管理の公共土木の被害が83億、農林の被害が29億ということです。これはちょっと不確定です。現在の調査の段階でわかっている、公共土木の分野、これは復旧しなければいけないので、財政が大変です。昨日、報告を受けて、大変だなという感想を持っています。先ほど、ご質問があったので、この点だけ触れさせていただきたいと思います。

NHK:
 この額ということは、12月補正予算というような流れになるのか。

知事:
 12月補正でできるところはやるということです。補正だと思います。補正でどれだけ計上するのか、確定しないと計上できませんが、全額確定して12月に計上するのは一番きれいなので。昨日の報告を受けた現在で130億ですが、12月議会に提出するまでできるだけ確定して、12月議会補正に提出したいというのが財政課の報告だったと思います。

司会:
 よろしいでしょうか。
 それでは、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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