令和2年5月29日(金曜日) 第10回新型コロナウイルス感染症対策本部会議・知事定例記者会見



《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)
司会:
 ただいまより第10回奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開会いたします。

 本日は、今後の奈良県における対処方針について議題といたします。

 それでは、本部長、知事より、新型コロナウイルス感染症にかかる奈良県対処方針、5.29方針についてご発言いただきます。

知事:
 それでは、奈良県の対処方針5.29を本部会議に諮りたいと思います。

 目次にありますように、現時点での対処の項目です。それと第2波への備えがテーマです。

 現状の認識ですが、新規感染者の判明は、皆さまのおかげで低水準に推移しています。感謝を申し上げます。近隣の緊急事態宣言が解除されてきています。この時点での対処方針を明確にいたします。先日の対処方針でもお諮りしましたが、感染拡大防止措置と経済社会活動活性化・正常化の取組、出口戦略を実行する段階に入ったという認識です。

 また、国の補正予算も出ましたし、県では6月補正を予定しています。6月補正に向かっての政策の確立ということで、新しいステージに入り両立を図るという観点からの新規の取組、また6月補正への対応を略称で表すようにしています。また、国の2次補正への対応になりますが、2次補正が最近出たばかりですので、分かっている話は県の6月補正に入れましたが、国の直接実施なのかなど、今日の時点ではっきりしない部分は入れていません。来週もう一度対策本部会議をして、国の補正で入れるべきものを確定したいと思っています。

 また、来週の対策本部会議では、6月補正に向けた額も確定できたらと思っています。

本日は、項目とその仕組みについての対策本部会議へのお諮りですが、予算額などについては来週の対策本部会議で確定をしていきたいと思います。

 対処方針の内容の第1項目は、感染拡大防止対策の徹底・継続です。感染拡大防止のための奈良県の方式は2つです。感染者の早期発見と早期隔離の徹底、これは世界中共通しているところですが、それをスマートに、賢くしようというのが奈良県の方針です。そのために、PCR検査の対象の拡大と検査能力の拡充を引き続き図ります。検査対象の拡大、8ページになりますが、今までのPCR検査は、重症化予防のために感染者を判明させて、予防措置を取るというのが主たる目的でした。そのために日本ではPCR検査の対象が絞られていましたが、さらに対象を拡大、徹底をします。

 対象の拡大の具体的なものは、これまでの症状の有無の基準を、症状の有無にかかわらず、感染リスクのある方は検査対象にします。感染リスクのある方というのは、次の4項目になります。(1)検査前2週間以内にコロナ感染判明者との接触があった人。県内での感染判明に限らず、大阪で感染判明者と接触していた方も対象になります。

(2)検査前2週間以内に感染リスクのある場所に滞在した、大阪や他の地に行って、感染リスクがあったようだという申立てがあれば、奈良県民の方は検査の対象になります。

(3)勤務先や学校や自宅などで発熱等の有症状者が存在している、PCR検査前で発熱の症状があり検査に行かれる方などが、感染リスクの高い方だと分かってきていますので、陰性でもうつるかもしれないというようにリスクを判断して、PCR検査を受けたいという奈良県民を対象にします。

(4)医療従事者、福祉施設従事者は、日頃接触が多い、発症はないけど定期的なPCR検査をしてもらう。クラスター発生の危険性が高い、被害の甚大性が予想されるという方々については、検査の対象にします。

検査対象判断者にこのような内容を指示、お願いしていきます。

 検査能力の拡充、維持ですが、検査能力あるいは量の拡大と迅速性が要求されます。そのために容易化、迅速化させるために、新しく6月補正で入れたいと思います。また、発熱外来認定制度というのを6月中旬を目処に付け加えたいと考えています。

 このようなPCR検査のスキームは、次のページにあります。まず、検体採取の判断主体は、当初の時期は帰国者・接触者相談センター、保健所だけでしたが、それにプラスして県独自で発熱外来、認定医療機関を創設します。検体採取の場所は病院、ドライブスルー、発熱外来クリニック、一般医療機関、保健所までになりましたが、新しく認定医療機関でもできるようにします。検体採取ができた後の実施場所ですが、保健研究センター、奈良市、民間検査機関、医療機関です。

 どの程度まで検体採取、判定が可能になるかについては10ページ目ですが、現在の採取は142検体まで可能です。11ページ目に、これまでの検体採取の推移を掲載しました。5月12日は102件です。その後、減少傾向ですので、現時点では142あれば十分かと思います。今後は増嵩の程度に応じて判断していきます。検査、判定ですが、1日215件の検体対応ができることになっております。これまでの実施数ですが、5月13日の108件をピークに減少傾向にあります。現在では十分ですが、今後の対応も関係しますので、検査体制を維持していきます。

 14ページ目は、内容になります。ドライブスルー外来は現在、この(会見資料14P)ように行われており、これを維持することになります。5月27日、発熱外来クリニックとして、西和医療センターで開業しました。引き続き実施していきます。橿原地区は5月11日に開業されましたが、橿原市と医師会でしていただいており、引き続き実施することにしていただいています。また、5月21日に開業した奈良市のドライブスルーによる地域外来の検査も、引き続き実施しています。また、第2波に備えてのPCR検査の判定能力拡大が必要となる場合もあり、意欲的な市町村の取組を支援するための補正予算を組みたいと思います。

 発熱外来認定制度、奈良県独自制度は、6月補正に持込みたいと思っています。帰国者・接触者外来と同様の機能を有する医療機関を認定する制度で、身近なところで検査を受けられる環境整備です。発熱患者の診察と検査を実施するということで、クリニックや病院が想定されますので、感染対策が必要です。動線の確保あるいは医療器具などは県が支援しています。脱衣場所などでクラスターにならないような配慮が必要になりますので、実態確認をした上で認定します。防御とともに、検査体制ができているかどうかというのも必要条件です。その検査件数の結果報告していただく、このような条件を整えていれば認定をします。この発熱外来の認定医療機関は、従来の認定機関と同様に自己負担なしの認定医療機関ということです。

 また、PCR結果判明までの間、ご家族含めての宿泊を希望される方には、現在募集中でありますが、家族宿泊施設の確保も図っていきたいと思います。

 医療提供体制の見直しの面です。第2波への備えは必要ですが、同時に通常医療の機能回復も必要です。3点考えております。コロナ専用病床の縮小、第2波に備えた予備病床の確保、医療従事者への支援ということを行っていきます。縮小ですが、コロナ専用病床を318床から156床へ、重症対応12床を含めて156床に縮小します。第2波に備えた病床確保ですが、予備病床も含めて最大415床、うち重症対応を23床を、確保します。6月補正でこのような対策を確定します。

 宿泊療養施設については、現在108室、東横INNに確保していますが、引き続き継続していきます。医療従事者の勤務環境の良好化ですが、1つ目は、6月補正で防護服や高性能マスク等の安定供給を補正予算で諮ります。2つ目は、医療従事者の激励金でございますが、寄附金を募って基金の寄附金が入ってますが、支出は議会の議決が要りますので、6月補正で激励金の支給の議決を求めます。また、医療従事者の宿泊費の補助を継続していきます。医療従事者の特殊勤務手当の支給に対する補助は6月補正で新規に盛り込みます。医療従事者に対する慰労金ですが、国の2次補正にも入っていますので、6月補正で対応します。感染症対策基金の寄附金、6月補正で議決を求める件ですが、現在239件、3,500万円程度入っています。医療従事者に、直接医療される方の激励金として支給することを考えています。

 3つ目の項目は、社会活動正常化の取組です。正常化に向けての取組を全力で支援します。社会活動を回復してもらうことは、健康・子育て・教育・福祉などの分野で大変重要です。積極的に正常化に支援します。1つ目は、健康な生活の維持、27ページ目にですが、身近な施設へのお出かけなどは積極的に奨励をします。運動不足解消が大きな目的です。地域の公園で新たなイベントを開催して、外出奨励をされる方への支援を6月補正に盛り込みます。また、自転車での周遊など、サイクリングコースを近隣で推進される方の支援をします。

 子育て支援につきましては、家庭、子供食堂の多様な取組を補正で実行します。

 教育活動の新しいスタイルの取組ですが、今後も休校の可能性もあり、学校での授業短縮など、学習保障が求められています。人的体制を強化するための6月補正、国からの2次補正の活用を図っていきます。学校再開に伴う感染症対策を十分にしていくために、物資の供給など必要な経費を6月補正に計上します。なお、私立学校につきましては、国が直接交付される予定だと聞いています。

 在宅教育の充実ということになりますが、オンライン教育の拡充、内容の充実等に対して予算を組みます。内容の充実は教育関係者に頑張っていただくわけですが、その施設、オンライン能力を拡充する機具などが要ります。積極的に環境整備を図っていきます。情報端末の整備も6月補正で入れていきます。

 福祉サービスの場合ですが、感染症に強い社会福祉施設、事業所づくりということをテーマにします。施設における感染拡大防止のための設備整備の支援ということです。一時的に隔離する等のための簡易陰圧装置や換気設備の整備に対して補助を行います。障害児の方が入院されたときに、障害特性に応じた看護師を派遣する予算を組みます。また、社会福祉施設のクラスター発生防止と発生時の対応能力向上のためのクラスター発生事例の研究をします。奈良県では幸いに福祉施設のクラスター発生はありませんが、他府県におきまして発生しております。どのように発生したのか、また、その発生を防止するにはどのようなことが考えられるのか、クラスター発生した県では研究が進むと思いますので、それを奈良県では学習し、現場での適用につなげる研究と研修に支援していきます。

 福祉施設の事業所の職員のケアをする窓口を臨床心理士等の相談を行えるようにます。また、介護・障害者福祉事業所の職員に慰労金の支給をします。国の2次補正にも入っておりますので、2次補正対応ということになりますが、対応職員に慰労金20万円、接触サービスに関わる職員に5万円の慰労金を支給するという内容で6月補正に入れます。危険手当ですが、危険手当を支給される施設・事業所に対して補助を実行します。

 生活困難者への支援ですが、従来の生活福祉資金、住宅確保給付金を継続していきます。

雇い止め、内定取消しについて、県が直接雇用する予算を20名分組みましたが、その採用も引き続き継続をし、追加募集を実施します。現在、11名を採用になったと聞いています。また、このような募集が多くなれば、またそれに対する量的な対応もします。

 コロナ感染症に関わって、生活困難が進行したという方に、効果的な対策という検討が必要です、実態調査を行います。そのほか国の2次補正にいろんな項目が含まれておりますが、国の補正予算が出て、閣議決定されたばかりです。健康な生活の維持、子育て支援、教育、福祉サービス、生活困難者という5項目について、国の2次補正を適用できるかどうか、引き続き研究して、できる限りこの6月補正に入れたいと思います。来週のこの対策本部会議では、6月補正に入れる項目と額を確定をしていきたいと思っています。

 経済活動活性化の取組ですが、活性化と感染症対策の両立です。どこの地、どこの国も経済活動大変落ち込んでいるわけですが、県で取り組みますが、当面の取組は県民による県内消費の喚起ということを一つのテーマにします。2つ目は、事業者の感染拡大防止対策と、新しい生活様式を踏まえた事業者の取組の支援です。6月議会で関係の予算を提案します。

 1つ目は、県民による県内消費の喚起ということですが、工夫をいたしまして、市町村が市内の飲食とか商品販売とかにプレミアム商品券などいろいろ工夫されていますので、県は市町村が発行されるプレミアム商品券などに対して県が同額を上乗せして支援するという方式を、アナウンスします。市町村がされるのはプレミアム商品券やクーポン券、地域商品券等もあると思います。ずいぶん出てきておりますが、まだ出しておられない市町村もあります。このような方式ですと、市町村が実行されないとその市町村民の方にはこのような県内消費喚起のボーナスは行かないということになりますので、ぜひ市町村の方々は県の財源も活用して、我が町でも消費喚起を実行するよと踏み切っていただきたいと思う次第です。同額を上乗せして、倍額まで実行できるということです。全ての市町村が市町村内消費事業をされるとは聞いておりませんが、実行されるような意向が伝わってきていますので、市町村が実行される場合に県が上乗せ支援をするという方法で実行していきたいと思います。市町村が実行されない場合は県の補助金が残念ながら使えないことになります。

 また、県内宿泊の割引キャンペーンですが、県民に向けてということになります。奈良県の宿泊は圏域を越えた行動自粛というステージでもありますので、県内での観光振興、県内観光に行くというスキームを、割引キャンペーンを使って県内観光地を発見していただきたいと思います。県民が宿泊や日帰り観光で宿泊施設をご利用される、昼食をホテルで食べるということも入るはずですが、料金を大幅に割引くキャンペーンを実施して県が補助するというスキームです。県内周遊を促進する旅行商品を開発したいと思います。45ページ目になりますが、消費が低迷している県産牛、大和肉鶏などの食材を学校給食で提供する取組を支援します。46ページになりますが、事業者の方の創意工夫が今、出始めているところです。新型コロナウイルス感染症の影響から差益を図る事業者を支援するための補助金ということで、間口を広く設定します。新商品の開発とか、新サービス、新規販路開拓など、製造業に対しては1,000万円、非製造業に対しては500万円を上限に補助金を6月補正で新設します。

 農産物の生産確保の強靱化ということで、施設整備を行われる方への助成をします。観光関連事業者への感染対策を支援するための補助金を6月補正で入れ込みます。早期の売上げ回復などを行われる中小企業に対しての積極支援ということで、6月補正で補助額50万円をいろんな事業をされる方に提供します。

 また、飲食事業者の方、テイクアウト、デリバリー、新しい商売のやり方を新たに導入しようとされる方への支援を予算措置に入れたいと思います。

 49ページ目ですが、商工団体が実施されるオンライン経営相談体制の支援を行います。また、オンラインによる合同企業採用説明会を開催します。また、本県の経済・労働情勢をよく見ていきたいと思いますが、解雇や雇い止め、また今後の進展がどのようになるか、なかなか深刻なことも予想されますので、業種別、規模別に把握して分析するための実態調査を実施しています。現在、事業者の動向で、県の制度融資が大変増えてきています、その業種別の実行額、件数などを注視して判断をしています。制度融資については、来週の6月補正対応で全体的なことをお諮りするときに、引き続きの対応を明示していきたいと思います。

 また、経済対策は以上に限るわけでもないと思いますので、6月補正に向けて、国の2次補正をどのように活用するか、さらに研究を深め、来週の対策会議に図りたいと思います。雇用調整助成金が、国の2次補正では抜本的に上限がアップされましたので、どのように使うのか、また休業支援金、休業する妊婦のための助成制度も創設されていますが、このような事項を洗い出して、6月補正にどのように盛り込むかを急遽検討して、来週の対策会議にかけたいと思います。このような取組を、経済活性化検討部会を設けていますので、そこに諮って、追加の知恵をいただきます。また、新しい生産方式・サービス提供方式・働き方についても考えを深めていきたいと思います。6月補正に入る事項は、来週お諮りをしたいと思います。なお、経済活性化部会に対しては、当面の経済回復と今後の経済活動の在り方について意見照会をしたいと思っています。6月の第一週中に意見照会をして、6月補正に反映できるところは反映をしたいと思います。

 市町村支援を通した取組は、今後の対策の一つの特徴になっていますので、再掲も含めて項目を設けました。市町村が発行するプレミアム商品券の同額上乗せ支援は、再掲です。倍額実施を奨励します。2つ目ですが、市町村のアイデアは豊富でして、社会活動正常化、経済活動活性化のいろんな取組があると思いますので、それに対して単価の拡充もしくは対象期間、範囲等の拡大を行いたいという場合には、県が上乗せ補助をする仕組みを作りたいと思います。

 外出自粛・休業要請の緩和措置です。57ページ目ですが、6月1日以降、残されていました緩和措置についてのお計らいでございます。6月18日までは首都圏、北海道、緊急事態宣言がまだ出ているところからの不要不急の移動は、国において制限するように、第2波クラスターが北九州、北海道などで起こっています。また、首都圏も不安定な様子だと思います。先ほど申しましたように観光振興というのは観光地について大きな課題ですが、まず県内からの観光振興を当面したいと思います。全面解除になって世の中が落ち着いてくれば、修学旅行も含めて、県外からの観光もプロモーションしたいと思います。訪問されたときに、うつさない・うつされないということの徹底も必要かと思います。

 それから、休業協力要請ですが、全ての施設について解除したいと思います。これまで少しの施設について解除保留がございました。残りについても全ての施設の休業協力要請を6月1日午前0時に解除したいと思います。その際、業種ごとに感染拡大予防ガイドラインが設定、実践されることが望ましく、それまでは業界団体の自主的な判断が望ましいわけですが、県としては、このような業種におきましては、次のガイドラインに留意してくださいということをお伝えしたいと思います。また、感染拡大の温床になるクラスター発生の施設になる可能性が高いということで留保されていましたので、今後発生が確認された場合には、再度の施設使用制限もあり得ると思っています。

 休業要請を解除する施設の個別的な留意事項を59ページ以降に並べていますので、業界、事業者の方に参考にしていただきたいと思います。

 63ページ目に飛びますが、イベントです。開催制限を段階的に緩和したいと思います。6月18日までは人数の制限をいたしますが、6月19日以降はおおむね3週間ごとに段階的な緩和を考えています。その際も、イベントで感染があるとクラスター化する危険性がありますので、感染拡大の防止のための留意を十分していきたいと思っています。64ページ目からは、段階的緩和の目安を提示をしていますが、第2波の感染拡大がいつ起こるか分かりませんので、その都度慎重に判断をしていきたいと思っています。

 66ページ目に飛びますが、感染拡大防止協力金の受付の締切りを6月30日まで延長したいと思います。67ページ以降は行動規範です。いろんなことが分かってきており、日本は行動規範の徹底で随分と感染拡大が抑止されてきたように思いますので、地域的に閉鎖することをしないで、個々の行動規範の徹底を行ってまいりました。外出自粛という全面的な外出自粛一辺倒で感染拡大を防止する段階から、限定自粛という、このような場合は自粛しようということが、感染経路が判明してくるとだんだん分かってくると思いますので、感染経路の判明、探索と、抑止の限定自粛の対応をもう少し賢くできたらと思っています。基本的には手洗い、接触しないことなどがどのような場合でも基本になるわけですが、ここに書いておりますのは基本的な行動規範になります。しばらくこのような行動規範を実行していただくと、感染拡大抑止になると思います。

 70ページ目ですが、皆さんストレスがたまっておられると思いますので、SNSなどの誹謗中傷などの人権侵害が発生しています。不当な差別、偏見、いじめなどはこの際、振り向かないようにお願いを重ねてしたいと思います。

 最後に、第2波への備えになります。72ページ目ですが、医療提供体制の温存と第2波への備え、先ほど申し上げましたように、早期発見・隔離というのが、次に備えた対応の中心です。また、通常医療の復帰、復活を、もう回復もしなければいけませんので、感染拡大病床の縮小と通常医療の復活もしたいと思っています。また、拡大防止期に備えた予備病床も含めた将来の病床確保もしたいと思います。また、第2波はどのように来るか。奈良県の第1波分析をしていますが、第1波の場合は、大阪が増えてくると、兆しがあると奈良に移ってくるということが分かっています。同じような兆しが早期判断できるように注視を、レベル判断の仕組み、仕方あるいは能力を上げていきたいと思います。

 その際に、個別にこのようなケースが発生したら、そのようなケースを起こさないように注意喚起を個別具体的に行っていくようなやり方をしたいと思います。そのために感染経路の分析をさらに進めていきたいと思います。域内の2次感染防止が我々の最大目標でありますが、効果的に賢く行えるようにしていきたいと思います。第1次の感染拡大におきまして、大阪の勤務地での感染、またご家族への感染が多かったわけですので、大阪での拡大の兆しを予知して、通勤者への注意喚起、往来自粛の要請、また家族への感染防止など、ご注意をその際はしていきたいと思っています。奈良県はクラスター発生しておりませんので、県内事例の研究はできませんが、そのような対策に取り組むための1波の対応とクラスター事例の研究、他県の研究事例を研究して、奈良のクラスター発生防止につなげていきたいと思っています。また、第2波への備えは、今後とも県境を含めてこの対策本部会議に諮っていきたいと思っています。

 本日の対処方針の説明は、以上でございます。

 それから、前回か前々回でしたか、県議会の特別会議に説明をいたしましたら、メンバーの県議から「県民への周知徹底を十分心がけるように」というご指示がありましたので、その対応案として、臨時の県民だよりを発行し、お手元のような資料を作成して直接郵送を始めています。全戸に郵送配布をすることにしていますので、そろそろご家庭に届くようになっていると思います。

 説明は、以上です。

担当部局:
 ただいま知事からご説明のありました5.29対処方針につきまして、この場で承認をいただきたいと思います。よろしいでしょうか。(一同、「異議なし」と回答)
 ありがとうございます。

司会:
 それでは、以上で第10回奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を終了いたします。


質疑応答
  引き続き記者会見を始めさせていただきます。

 本日は最初に、新型コロナウイルス感染症に係る本部会議についてのご質問を受けさせていただきます。その後、一段落しましたら、その他の質問も受けさせていただきます。

 まずは、新型コロナに関連してのご質問をお願いします。


新型コロナウイルス感染症対策について

朝日新聞:
 17ページの発熱外来認定制度ですが、この奈良県独自制度について、改めてこれを導入しようと思われる狙い、またはそのきっかけと、どのぐらいの規模、何診療所が手を挙げてくれることを見込んでいるのかお聞かせください。

知事:
 独自と言うほどの制度でもなく、ありふれた制度かもしれませんが、既存の医療機関を活用しようということです。狙いは、今までの、最初の9ページ目にPCR検査のスキームがありますが、私は日本は割と、先ほど言いましたように、PCR検査を重症化予防に特化して絞っていたと思っています。県で独自でPCR検査を拡充してきたところもあるんですが、国の方針を誤解して発熱37.5度以上というように、割と国の方針に従い、方針ではないと後で大臣がおっしゃったんですが、やってきたような経緯がありますので、反省していますが、感染者を早期発見して隔離することが一番感染拡大防止につながり、クラスターも発生させない大きな手法ではないかと今とても強く思っています。

 そのためには、保健所に随分負荷がかかっていたように思いますので、保健所の負荷を軽減することも併せて、別のラインを作る。まず相談で帰国者相談センター、保健所中心でこうやって、それがこのような指定医療機関があると相談しやすいことになります。またこの指定機関ですと、相談したらそこで診察、検査をしてもらえるという、ワンストップ方式になります。ここにありますように判断主体、検体採取、検査、このように3段階、これは行政検査であることが特徴だと思います。感染症法の行政検査、あとは水際対策の検疫検査という行政検査、これが第三の道になるかどうか分かりませんが、行政検査からなるべく緩めて使おうという狙いはあります。

 どの程度するのかということになりますが、何かめどはありますか。

担当部局:
 県から医療機関にも説明していますので、現時点でどのぐらいの医療機関が手を挙げるかはまだ把握できていませんが、まず、しっかり説明をしながら、この制度の周知を図っていきたいと思っています。

知事:
 医療機関と接触しており、やってくれそうなところがあるということで、このような制度を作っていこうということだと思っていますが、どこでどのようにしていただけるのか、既存の医療の維持も大事ですが、このように感染症候補者というか、感染症のトリアージ、感染症の疑いのある人はこちらのラインで診るという別途スキームができますと、通常医療も温存されると思いますので、狙いの中にもちろん入っております。そのために医療機関も別途の外来を作ったほうが役に立つのではないかという判断が出ているように思います。そのような協力の話が進んでいることが背景にあるように思いますので、それが進んでいるということが独自だということかなと思います。発想自体は独自というほどではないかもしれませんが、もしできたら一つの検疫検査、行政検査、それと、協力検査というようなタイプになろうかというように、考え方としても多少独自の面があるのかなと思っています。

朝日新聞:
 ありがとうございます。基本的な捉え方としては、認定された診療所のお医者様が検査や検体を取ったりするということですか。

知事:
 検体の採取まではできると思います。PCR検査は、別の医療機関になる可能性もありますので、そこで検査、判定までしないといけないわけでもありませんが、もしかしたら検査までできる医療機関もあるかもしれませんので、9ページ目の図としては、右まで青い枠が延びるかもしれません。それは想定しなくて検体の採取までしていただければ、検体の採取までワンストップですよということです。

朝日新聞:
 なるほど。重なるかもしれませんが、今は小康状態で比較的検査体制に余裕があると思うんですが、第2波に備えて、ステップというか、キャパシティーを拡充しておこうという狙いもあるんでしょうか。

知事:
 そうですね、第2波がどのように来るか分かりませんが、必ず来るということで、その対処の基本は、まず感染者は判定したから感染者になるのではなく、未判定感染者というのは必ずいると。それをなるべく早く発見して隔離させてもらい、2次感染が域内で起こらないようにということを一番の命題にしたいと思っていますので、このように検査が身近にできるようになると、多少先ほどの検査対象の拡大というのと裏腹なものです。このような危険リスクがあると心配される方は、このようなところに行っていただきますと、身近でできるということは帰国者・接触者相談センターにはなかなか行けないし、一時あふれたわけですが、身近な医療機関でこのような発熱外来があるなら、先生のところに行って心配を解消してもらうと。PCR検査を受けさせてもらうということにつなげて、検査対象拡大とともに、このような場所を作るということは裏腹なような仕組みであると思っています。それは第2波への備えという面でも重要な仕組みだと思っています。

朝日新聞:
 分かりました。ありがとうございます。

共同通信:
 先ほどの質問に関連して、今回この外来制度の創設で、在宅や訪問診療が掲載の中に入っているのは、これまで寝たきりの方、高齢者の方や、車椅子の人が病院に来れなくて検査が受けられないという背景があったのかと思いますが、検査の拡大につなげたいという意味でしょうか。

知事:
 そうですね、容量拡大というのもありますし、目的の変更、拡大ということも含まれています。重症化になりそうだとなると、重症化だから行くんだということではなく、知らない間に人に、家族にうつすかもしれないから検査を受けようという方に間口を広めようということにもなります。奈良は特に大阪で勤務されてうつされた方が多いので、それは分からないですよね。だから、心配だ、うちの事務所でも発症者が出た。階が違うからうつっていないかもしれないというのもあるけども、場合によったら、トイレで一緒になってうつってるかもしれないというようにリスクを拡大化された方がなるべく、心配だったら地元へ帰ってこの外来に行ってくださいよということを、検査対象の拡大して受けてもらうということを今考えております。

奈良テレビ:
 58ページの休業要請についてお伺いします。先日の会見で、知事は、大阪が休業要請緩和したり解除したりすることと、各業界ごとによってガイドラインを設定する2つのセットがあったら解除しますよと発言されていたと思いますが、今回このような判断をされたのは、全ての業界からそういうガイドラインが出たということなんでしょうか。

知事:
 先日は、そのように申しました。大阪で同じように解除されないで、奈良の遊び場所が開いていると、実態は少ないようですが、パチンコがそうでしたが、大阪の人が奈良に来るというのは県民感情としてちょっと、ということを配慮して、大阪が解除すれば解除するというのを一つの要件にしておりました。

 もう一つは、パチンコ店などが自主的な感染防止ガイドラインを設定されているということです。今のご質問ですが、留意事項が確立しているのかどうかということです。必ずしもそうでもありませんが、このようなことをする意思は伝わってきています。感染拡大を防止しないと、やはり店でうつったということが判明すれば商売にも影響しますので、そのようなことを言っておられる方が多いように思います。国でもこのような業種についてガイドラインを奨励されて、国からその業種の団体を通じてガイドラインを策定するように計らっておられますが、このような業種は県レベルでの業界団体があるところばかりではありませんので、その点の確認は難しい面があります。工夫をして守ってもらえそうなところを判定していきたいと思っておりますが、今のところそのような意思がおありになると判断して、それを確認しながらになりますが、解除は6月1日午前0時で解除していきたいと思います。条件はおおむね満たされているのではないかと、甘いかもしれませんが、推定をしました。

奈良テレビ:
 実際にガイドラインが、バーテンダー協会とかいろんな各団体だと思いますが、そこから出たというわけではないですが、意思は伝わってきているので、おおむね条件はクリアできたということで、今回の解除に踏み切ったということですか。

知事:
 そうですね。

奈良テレビ:
 分かりました。

 あと、今の段階、フェーズについてお伺いしたいんですが、前回の会議の時点ではフェーズ2ということでしたが、今のフェーズも2のままでしょうか。

担当部局:
 先週と状況については概ね変わっていないと考えていますので、同じフェーズ2と判断している段階です。

奈良テレビ:
 ありがとうございます。あと1点お聞きしたいんですが、54ページの市町村支援に関して、プレミアム商品券に同額上乗せ支援しますということですが、今の段階でもう既に商品券を発行されている市町村も多いと思います。6月の補正予算で県の補助が決まるとすると、既にもう発行されている市町村はその支援、補助を受けられないんでしょうか。

担当部局:
 既に発行されているところがあるかどうか、そこまでは確認ができておりませんが、例えば5月に市町村で発行されて、第2回目をまた発行する場合についてどのようにするか、詳細を詰めていきたいと考えています。

奈良テレビ:
 ありがとうございました。

毎日新聞:
 先ほどの休業要請の全面解除の件ですが、今ガイドラインが策定されていない業界もあると。その際には、ここに書いてある留意点に注意するということなんですが、この留意点、例えばライブハウスだと、2m客と客との間隔を開けるなど、これは県が独自で作り上げた留意点なんでしょうか。

知事:
 59ページ以降の留意事項ですが、この業界団体と詳しくお付き合いがないので、調べて、私の推察では独自というほどではないんじゃないかと思います。しかし、いろんな各地の事例を集めて、主体が業界団体か県か国かということになりますので、我々に解除する権能(けんのう=能力を行使する権利)がある場合には、県の立場でこの留意事項をお願いしなければいけない、県の立場での留意事項だと思っております。内容が独自かどうかというのは、それほど自信がないように思っています。

担当部局:
 ガイドラインに関しては、業界団体に対して国も策定を求めていまして、今回解除します関係の業界団体でも検討いただいていると、国のホームページでも紹介されています。策定に向けて今、動きが進んでいるという認識があるということと、既に大阪、京都、兵庫など同様の解除を検討している中で、それぞれのガイドラインも分かると思います。そういった、接待を伴う飲食店の集積のあるところでの知見も参考にさせていただいて、奈良県の留意事項としてまとめているということです。

毎日新聞:
 分かりました。それと観光の宿泊の割引キャンペーンについて、大幅に割引ということですが、現段階で想定しているのはどれぐらい割引したいというお考えですか。

知事:
 額は来週出しますけれども、割引率は今出ますかどうか。

担当部局:
 すみません、観光局長です。その辺りについても、内容を精査しまして来週やろうと思っていますが、率について、一定のインセンティブがつくような規模感として想定したいと思っています。

毎日新聞:
 大体どれぐらいという。

担当部局:
 その辺りについて現在精査中ですので、また改めて正式な形でご報告ができればと思います。

知事:
 私の希望としては、額も割引率もできるだけ効果があるように、これは県内の人が県内に宿泊するという、県内の宿泊者というのは少なかったんですよね。県内消費の拡大、拡充というのも大きな目的にしたというのが奈良県の特徴だと私は思っていますので、できるだけ割引率も額も効果のあるように大きなものを希望しています。あまり吹いているようだと、思ったほどじゃないと来週おっしゃると困るんですが、気持ちとしては、そのように思っています。県民による県内消費の拡充、宿泊においてやるということですので、今まで奈良県の人は、消費は多いんだけど県外で消費される方が多かったので、今度は県内消費ですよ、ということを県民に向けて宿泊、飲食なども提示したいと思います。これは宿泊を伴わないホテル、宿泊施設での飲食も入っていますので、いいホテルができたから、そこで食事をしたいというような方も入ります。ですので、県民の方でそんないい施設には関係ないなと思われている方に、「いや、この際行ってみようか、県内の事業者を助けることにもなるし」と思っていただけたらというのが、私の気持ちです。それが制度と額に反映されるかどうかということは、まだ正直確定してませんので。

毎日新聞:
 ありがとうございます。

産経新聞:
 また17ページに戻りたいんですが、県の独自制度の画期性がどの程度のものなのか、いまいちぴんとこないというか。一つは保健所や行政の負担が減るというのは分かるんですが、これは結局PCR検査をするかどうかの判断を一般の医療機関でもできるようになりますよと。意味合いとしてはその辺りが大きいんでしょうか。

担当部局:
 今現在出回っていないですが、9月になれば抗原検査のキットが流通するようになります。今、抗原検査のキットを使える場所は帰国者・接触者外来でしか使うことが事実上できない状況になっていますので、こういったフレームを作ることによって、いわゆる救急告示病院でも抗原検査キットが活用できるようになりますし、また、在宅医療の場面でも活用できるようになりますので、検査の裾野が広がると思っています。そういった意味で、この認定制度を行うことによるメリットがあると認識しています。

産経新聞:
 なるほど、これまでの状況だったら従来の方法で賄えたけれども、そういう新たな状況に対応するということですかね。

担当部局:
 はい、新たなものに対応するのもありますし、あとは医療機関と話をしていますと、民間の医療機関でもPCRの機器を購入しようかどうか考えているというところもありますので、そういったところにも、こういう認定制度ができると検査機器を導入しようというインセンティブが働きますので、県内で検査できる医療機関が増えるということが効果としては期待できます。

産経新聞:
 こうやってPCR検査を行政以外のところが判断するというのは、全国的にはもう行われていることなんでしょうか。

担当部局:
 17ページの下、小さい字のところで5月10日通知と書いておりますが、国は、帰国者・接触者外来と同様の機能を有する医療機関を県が認めれば、そこも診療報酬の適用にしますということを宣言はしているんですが、多分今、この枠組みを使っている都道府県、このような形で大々的に打ち出しているのは奈良県が初だと思います。

産経新聞:
 なるほど、しっかりここに目をつけたということで、分かりました。ありがとうございます。あと、一般医療機関とは、これは民間医療機関というイメージですか。

担当部局:
 帰国者・接触者外来をやっていない医療機関という意味で使っていますので、多分病院も診療所も両方含む概念ではあります。

産経新聞:
 公立も含めてですね。

担当部局:
 そうですね。

産経新聞:
 分かりました。それとあともう1点、46ページの新たな対策なんですけど、新型コロナウイルス感染症の影響から再起を図る事業者を支援するための補助金を新設とあります。これも既にこういう取組をしている事業所もありますが、過去に遡って補助するのか、それとも今後始めるところに補助するのか、どちらでしょうか。

知事:
 当然ですが、もうやったからくれというのではなく、これからもやるよということが狙いです。そのときに、過去からやってきた分を排除するのか、例えば10するのに過去で5やってしまったので、あとの5しか対処できないとするのか。多少手続チックな話になると思いますが、この程度の額ですので。取組というのは再起を図るということで、多分産経新聞さんのおっしゃるように、過去の分というのはあまりないように思うんですよね。このような時期に、やっと再起を図ることを一生懸命するように。しかも対象はすごく広くなっていますので。

産経新聞:
 結構あるように思うんですけどね。例えば、靴下を生産している会社がマスクを作ったりとか。

知事:
 もう要らないならやめてもいいんだけども。今までやってきたよと言うんだったら、もうそれで済むんだったらやめてもいいんだけど、まだ不足しているからやるということだから。

産経新聞:
 いや、だから過去にやっているところもこの補助の対象になるのかどうか。

知事:
 対象にするかどうかは、今までやってるとおっしゃったから、もう要らないのかと聞こえたということなんだけど、補助金は全部これからやる人に支援するというのが普通ですけどね。

産経新聞:
 その辺の方針は、まだ定まってないということですかね。

担当部局:
 詳細はまた詰めますが、基本的には予算が成立しなくてはいけませんので、その後と考えています。

産経新聞:
 分かりました。今回出てきた新たな経済対策といったものは今考えている現段階のもので、きちっとしたものを来週出すという、そういう捉え方でいいんでしょうか。

知事:
 今日、このように額を入れないで発表するのは、例えば市町村への上乗せ補助というのは、やはりアナウンスしとかないと、「ああ、それならもっと考えておくのに、もっとやるのに」と。あるいは今までやってない、やるかどうかまだ分からない市町村も多いわけで、「県が上乗せしてくれるならやはり少しでもしてないと、住民が困るんじゃないか」ということを誘導するためにアナウンスしようというのが1つの大きな狙いです。もう一つは、国の補正予算が出て額を確定するのには、県の6月補正の期限が来週ぐらいになりますので、それと併せて額を確定して、来週もう一度出しますよということですので、今日制度のほとんどを言っているところもあるし、そう十分言っていないところもあって、ばらばら感が多少あるかもしれませんが、現時点で言えることは全部言う、アナウンスしますよということです。

 だから対策本部会議にこのような方向で経済活動活性化を図りますよということを確認し、通りましたので、これを出口戦略会議とか経済活性化検討会議にかけます。そこでまたアイデアが出てくるかもしれませんし、額についてもいろんなことをおっしゃるかもしれませんので、そのように段取りを図っていきたいなと思っています。ですので、最終的には来週のこの対策本部会議で確定する内容が多いと思います。

産経新聞:
 前回、国の臨時交付金の第1次は1兆円規模だったと思います。今回は2兆円規模になるような話かと思うんですが、そうなってくると、まだ多分、1兆円規模の第1次分も県は半分ぐらいしか使い切ってないような状況だと思うんですが、もし2兆円が出るのを使えるとなると、こんなレベルではない、もっとすごい経済対策が出てくることになるんでしょうか。

知事:
 知りません。もっとすごいのがあれば教えてください、参考にしますので。こんなのすごいとは言ってないんですがせめてもの知恵なので、もっとすごいのがあるとおっしゃるのは……。

産経新聞:
 すごいって、額的にですね。

知事:
 意味が分かりませんけれども、もっとすごい効果的なのがあれば教えてください。

産経新聞:
 ごめんなさい、ちょっと言い方があれですが、要するに、これはどれぐらいの規模になるかという額が分からないですが、第2次の臨時交付金が使えるかどうかが決まった時点で、例えばさっきの割引率もどのくらいいけるとか、そういう判断になるんでしょうか。

知事:
 2次交付金の方は、国が県に使わせるというのがあれば、それは県の差配でこちらに回す、こちらに回すということができますので、国から来る助成金をアテにしてやる分も多少あります。国が直接やるよというような仕組みもありますし、県で予算化してこのとおりやれという規則性の強いものもありますので、それは規則性の仕組みを判断してそのとおりやりますよと言わないと、国の補助要綱に合わないので、国の要綱が確定したところを確認して次にのせる、それで遅れで今日出せないという面もあるわけですが、もう少し自由に使えるところはアイデアを出して、このように前広にアナウンスしていこうということです。これは数で驚かすというのは、あまり考えていません。量がたくさんあれば回復するかどうか、量があっても回復しないかもしれませんので、やはり効果的に使えるかどうかというのを我々地方政府は工夫をしなきゃいけないと思っています。工夫がもし足らんと思われたら、工夫の仕方を教えてもらえばいいだけだと考えて諮りたいと思いますし、大都市とまた違いますので量で驚かすというセンスはありません。

産経新聞:
 西村大臣が、今度2次では、コロナ対策というだけではなくて、そこからさらに地方創生につなげてほしいというようなことを言っていたと思うんですが、そうなってくるとやはり規模感がね、大臣が言っている規模感とか、額とか、もっとすごい対策が必要になってくるのかなという気が。僕もそんなにアイデアがないんですが。

知事:
 必要かどうかも分からないと思います。繰り返しになりますが、規模で勝負するよりも知恵で勝負したいなと思っています。

産経新聞:
 いや、ただ、国から規模が示されると思うので、その分は県としては使い切るということですよね。

知事:
 いえ。

産経新聞:
 そうでもないですか。

知事:
 はい。

産経新聞:
 分かりました。

NHK:
 ちょっと細かい話なんですが、発熱外来認定医療機関の件で、スキームのフロー上、一般の医療機関というのが例えばこの発熱外来認定医療機関になった場合なんですけど、フロー上のこの最後の検査も発熱外来認定医療機関がやるとなったら、採取の判断から採取をして検査をするところまで認定医療機関でやるというようなことになるかどうか。

担当部局:
 発熱外来医療機関で採取するかどうかを判断し、検体を採取します。ここ自体がPCR検査を持っていればここでもできますし、持っていなければ民間の機関に検査を出す人があるということです。

NHK:
 そうすると、医療機関側が、これまででも保健所のルートではできたものが、全部自分の判断でやって、最後までできるということができるようになるという、そういうことですか。

知事:
 そうですね。保健所がすごく混雑して、行政検査だから保健所がしてという建前でこうやってきたんですが、今度は保健所は重症化予防というのは感染症法の基本命題になっておりましたので。しかし、発見して隔離しようということになれば、それも保健所の業務ではあろうかと思います。そのようなことのために保健所は用意されて量的に拡充されてきたわけではないので、保健所の業務をもっと拡充しようかという動きもありますが、このようなバイパスも作って目的を達成しようと。しかも、先ほどありましたように、国のメッセージにも、こんなことをしてもいいよというのが入っていますので、それに県は目ざとく目をつけたと思っています。それは感染者を発見して隔離するという大きな目的があるからと、重症化ということは当初心配だったのですが、重症化して死亡された方も結構おられるんですが、奈良県の場合はその重症化率が大変低かったということもありますので、感染拡大防止を主力のPCR検査にしていこうかという、繰り返しになりますが、そのような意図を実行しようという仕組みだと考えています。

NHK:
 分かりました。そうすると県民の側から見ると、検査を受けようかなと思った場合に、従来の2つの入り口に加えて、もう一つ新たにできるわけですが、どれにするかというところはどう考えたらいいのでしょうか。

担当部局:
 はい、案内します。

 基本的には、コロナの不安のある方は帰国者・接触者相談センターに電話していただければと思いますし、発熱がある方は緑の枠のところの医療機関を受診すれば検査もしていただけますので、こういったことをしっかりと県として広報のほうも取り組んでいきたいと思います。

知事:
 当初、これまた反省材料なんですが、各地ともそうだったんですけど、かかりつけ医に行きなさいと、こう言ってたんですよね。ところが、かかりつけ医で断られた方もあるということが、3月か4月かの調査で分かりました。かかりつけ医も、発熱者とか感染疑いのある方を処理するという仕組みもありませんでしたので、やはり慎重に、うつされたら困るというので構えられた。これは各地とも同じだと思うんですけどね。すると、かかりつけ医に行きなさいという仕組みが、伝統的な仕組みだけれども、ちょっと考えないといけないかなと私は思っていました。かかりつけ医に代わる新しい仕組みというふうにも解釈できますので、身近なところで行きやすくするというのが大きな目的。うまくいけばそのようになってくると思います。

NHK:
 ありがとうございます。57ページの外出の自粛の緩和なんですが、1日から18日までは、この一部首都圏、北海道を除くところに関しては、もう自粛は要請しないという状況ですか。

知事:
 そういうことですね。国が往来自粛を大きく打ち出しておられますので、地方としては、例えば昨日の近畿ブロック知事会議では、三重県の知事が、三重県の宿泊は9割まで県外だから、県外からも来てほしいんだけどもとおっしゃっていましたが、首都圏等からは行かないようにと国が言っていますので、なかなかそうもいかないけどもと言っておられます。奈良県は、首都圏からの宿泊者は3割ですが、やはりうつされるリスクもありますし、自粛をするようにと、こう国が言っている中でのプロモーションはあまりしないほうがいいかと思います。

 県では、それに加えて、県内の宿泊というのがなかなか進まなかったので、この際、宿泊券を出してでも定着できればいいなということを、経済活動活性化の一つの目的にしています。

NHK:
 分かりました。19日から全面緩和というのは、国の動きに合わせてということでいいですか。

知事:
 18日までと書いたのは、国がそう言っていますからということです。それが外れますと、一応来てもらっても大丈夫ですよというのが建前というか、大っぴらにはなると思いますが、その程度のことだと思います。

NHK:
 分かりました。ありがとうございます。

日経新聞:
 PCRの発熱外来の認定制度なんですが、今、かかりつけ医に代わるっておっしゃったのでもう一回確認なんですが、新しく認定される医療機関というのは、個人の診療所も含むイメージなんですか。それとも、総合病院のようなワンストップでPCR検査ができるような病院を想定されているんでしょうか。

 それと、これから病院を募集するときに、病院のインセンティブはあるんですか。

知事:
 病院のほうは、能力はあると思いますが、ほかの外来の人もおられるので、感染リスクが高いのであまり望ましくはないと私は思いますが、しかし、病院を外すのかどうかというのは、病院でもちゃんとできるよというのは、医療機関の申出によりますので。

担当部局:
 今の状況でいきますと、病院でも発熱トリアージ外来を設けている、通常の患者さんと発熱患者さんを分けている民間病院が結構あります。恐らくそういったところは手挙げしてくる可能性が高いんじゃないかなと思っています。

 あと、クリニックですと、やはりなかなか患者さんの動線を分けるのは難しいというのが実情です。ただ、このクリニックの先生方で往診等で発熱患者さんを診ておられる方がいらっしゃいます。往診の患者さん、在宅医療、在宅の患者さんですと、なかなか検査を受けに行くというところが難しかったりもしますので、そういった方々が自分たちも在宅の患者で、この方がコロナの可能性があるから検査したいというニーズがあると感じていますので、そういった方々も手挙げをされるんじゃないかなと思っています。

知事:
 身近に展開できたらというのが大きな目的ですので、身近な病院なり、クリニックは一番身近ですが、クリニックに先生1人がいて、看護師が数人いて、待合所も1人というようなことがクリニックの常態ですので、そうもいかないなというのがあれですが、あとは、このような場所でクリニックの先生が出向して順番にやるというようなことも考えられると思いますが、それは医療機関の体制ということになります。なるべく身近に展開できたらと思います。

日経新聞:
 その手を挙げてもらったときのインセンティブはあるんですかね。

担当部局:
 1つは、今までは検査した場合、診療報酬が請求できないところがありますので、検査した場合に診療報酬が請求できるというのが一つのインセンティブになりますし、また、患者さんを診るにあたって、感染防御をして対応する必要がありますが、いわゆるマスクや、フェースシールド、感染防護具などを県から提供して、安全に検査ができるということを整えたいと思っております。医療機関の直接的なインセンティブは、多分診療報酬が請求できるのが一番だと思います。

知事:
 18ページ目に、そのPCR検査の請求、診療報酬請求可能というところがみそだということを言っておられると思います。診療報酬がずっとほかでも請求できるんだけど、今までPCR検査は行政検査で診療報酬になかなかならない面もあって、そこら辺が曖昧だった面もありますが、診療報酬の請求ができますよという、しかも診療報酬請求できて自己負担分は公費で負担しますよということになっていますので、行政検査になると全部診療報酬なしでやっていましたが、これは診療報酬の保険適用にするという国方針から始まった話だと思います。そのように窓口を拡充して感染拡大防止にしようという、国もだんだんそうやって変わってきているように思いますので、それを受けて現場を作ろうというのは地方の大きな役目ですので、先ほど聞いていると、国の意思の変更を受けて現場適用第1号だと、こう言っています。考え方自身は独自でもないかもしれませんが、第1号適用ということなれば、このようなことは奈良県の方針にかなっていると、感染拡大防止の方針と身近な安心ということにかかっていると私は思います。

読売新聞:
 40ページ目なんですが、部活動の全国大会の代替地方大会の開催を支援とあるんですが、想定としては高校野球かなと思うんですが、これを6月補正で支援金として開催を前提に予算を盛り込んでいくということなんでしょうか。

知事:
 そうですね、部活動全国大会の代替地方大会の開催を支援、そうだと思っていますが、高校野球とかインターハイだったか、何か地方大会でやろうとしているのを歓迎ですが、その支援ということが入っているのか。

担当部局:
 国の2次補正予算で、先ほど知事もおっしゃいましたように、インターハイなど、そういう大会の代替のものについての予算が一応見込まれている状況ですので、それをどのように活用していけるかというのを検討していきたいと考えているところです。

知事:
 考えとしては、今、入っているということですので、来週には確定しますかね、そういうこともね。例示にしろ、そういうことも含まれるということは来週確定すると思います。

読売新聞:
 ここに現段階でメニュー出しされているということは、やはり知事としても開催してほしいという。

知事:
 そうですね、知事杯、知事賞を出さないかという話が来ております。

読売新聞:
 高校野球ですか。

知事:
 高校野球とかですね。私が出してもいいかな、それで励みになれば。もうめったにない、この年だけかもしれませんので、何かそういう賞を希望されているように伝わってきていますので、積極的に対応したいとは思っています。

読売新聞:
 分かりました。あともう1点、経済対策、今回様々メニューが盛り込まれているんですが、例えばプレミアム商品券の上乗せとか、割引キャンペーンとか、ここに補正で盛り込む財源はやはり主に国の臨時交付金を充てていくということなんでしょうか。

知事:
 そうですね、先ほど財源をどうするのかというご質問もありましたが、国の財政が心配ですけれども、県の財政としては、財源、財政の許す限り、できるだけ力水といいますか、元気取戻し補助になりますので、できるだけ使っていきたいといいますか、各内容を濃くしていきたいと思っています。お金を単にまくだけではなく、ちょっと変な言い方ですが、とにかく効果のあるように知恵をのせるのが我々のレベルの大きな仕事だと思いますので、いい補助金だと言われるようになるには、地域の実情が違いますし、地域で工夫しろよという面もありますので、地域の工夫がうまくのせられたらと思っています。今の時点でも、まだ1週間ありますので、地域の工夫がのるかどうか工夫してくれよと事務方にお願いをしているところです。内容についても来週、項目の追加という形で出てくる可能性もあると思います。財源は、国から来たのは当然ですが使い切りたいと思っています。

読売新聞:
 ありがとうございました。

毎日新聞:
 1件だけ確認なんですが、57ページの県民への外出自粛要請について、ようやく6月1日から府県間移動については解除するということでよろしいんですよね。

知事:
 そうです。


9月入学に対する所見について

日経新聞:
 9月入学にかねてから反対されていましたが、知事がおっしゃるようなことになりそうですが、改めて受け止めを。

知事:
 9月入学は、あまりこの際に進めないほうがいいという、いわゆる慎重論の立場をとってきました。改めて思いますと、私は9月入学問題で一番大事な、ほとんど唯一の課題だと思うのはプロセスですね。今ある教育という流れを阻害しないように9月に移行できるかどうか、移行プロセスにほとんど全てかかっているんじゃないかと。移行プロセスは乱暴にしてはいかんというのが基本的な考えですので、結果的にこのようなドタバタですべきじゃないと思い、そのように言ってきました。移行プロセスさえちゃんとできたら、4月でも9月でも本質的な違いはないように私は思います。9月入学か4月入学か、どちらが好きか、そんなことを言っていたら始まらないですね。移行プロセスが確立しているかどうかを、国の偉い人にも判断していただきたいと。現場は移行プロセスが大変だから、遺漏ないように、いろいろ出てこないと困りますよと今、叫び声が上がっているわけですので、このようにすれば移行プロセスがスムーズですよということは、やっぱり練らないと。9月が好き、4月が好きと、そういう議論とは違うということをつくづく思う次第です。我が国らしい波ではありますが、この際というのはあまり私は望ましくないと思っています。それは今までと同じことです。

(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集し、質疑テーマごとにまとめています。)

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