脱炭素社会について
(1)脱炭素とは
脱炭素とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、植林・森林管理などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることです。
脱炭素の達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減と二酸化炭素吸収源の整備の両輪で推進していく必要があります。
(2)なぜ脱炭素社会を目指すのか
近年、世界の平均気温が上昇傾向にあり、この状況が続けば更なる気温上昇が予測されています。
気温上昇により世界では様々な異常気象が発生しています。
日本でも猛暑や豪雨などの自然災害が発生し、甚大な被害が生じています。
こういった異常気象により、農林水産業、水資源、自然生態系、自然災害、健康、産業・経済活動等への影響が出ると指摘されています。
気候変動の原因となっている温室効果ガスは、経済活動・日常生活に伴い排出されています。
国民一人ひとりの生活や移動といったライフスタイルに起因する温室効果ガスが日本全体の排出量の約6割を占めるという分析もあり、国や自治体、事業者だけの問題ではありません。
安心して暮らせる持続可能な社会を作るため、一人ひとりがこの問題に取り組む必要があります。
奈良県エコキャラクター
「な~らちゃん」
(3)奈良県の現状
本県でも過去50年間で平均気温が約1.0度上昇し、ソメイヨシノの開花の早まり、また、短時間強雨(1時間降水量30ミリ以上)の観測回数の増加など、私たちの身近なところにも影響が現れてきています。
本県では、2050年の温室効果ガスの実質排出量ゼロ(ゼロカーボンシティ)を目指すことを表明しています。
本県の豊かな「森林資源」や「自然エネルギー」を最大限活用しながら、「創エネ」、「蓄エネ」、「省エネ」(※1)の取組が相乗的に図られ、持続可能な脱炭素社会の仕組みの構築を目指します。
※1 創エネ…太陽光や風力、地熱などの自然エネルギーや火力発電から発生するCO2を減らす技術、水素エネルギー技術な
どの低炭素エネルギー技術を開発し普及させること。
蓄エネ…エネルギー貯蔵技術のこと。
省エネ…石油や石炭、天然ガスなど、限りあるエネルギー資源がなくなってしまうことを防ぐため、エネルギーを効率
よく使うこと。
家庭でできるいろいろなこと
本県の二酸化炭素の排出割合をみると、特徴的なのが家庭部門です。
全国が20.7%であるのに対し、本県は38.8%と非常に高い特徴があり、家庭での取り組みがとても重要となります。
日々の暮らしのなかで、私たち一人ひとりが環境に配慮した取り組みを実践することが重要です。
2050年脱炭素社会の実現に向け、力を合わせて取り組んでみませんか?
部門別二酸化炭素排出割合(2019(R1)年度データ)
(1)エネルギーの節約や転換
・節電、節水
こまめにスイッチオフ、エアコンの温度は夏場は28℃、冬場は20℃に設定、お風呂の残り湯を再利用、
水の出し過ぎに注意
・省エネ家電の導入
省エネ性能の高いエアコン・冷蔵庫・LED照明等の導入
より詳しい取り組みについては「資源エネルギー庁HP」をご覧ください。
(2)住宅関係
・太陽光パネルの設置
太陽光パネルを設置することで、住宅でのCO2削減はもちろんのこと、停電時にも一定の電力使用ができるため防災性の
向上にも繋がります。
また、太陽光パネルの導入を初期費用0円で行うことができる事業を紹介しています。
詳しくはこちら⇒太陽光発電設備の導入について
・ZEH
建て替えや新築時は、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにするネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)
詳しくはこちら⇒ZEHについて
・省エネリフォーム
窓や壁等の断熱リフォーム
(3)移動
・スマートムーブ
徒歩・自転車・公共交通機関の利用、エコドライブを心がける、カーシェアリングの利用
・次世代自動車(※2)の使用
二酸化炭素の排出を抑えた設計の次世代自動車を使用する
※2 電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車、
クリーンディーゼル車等の環境負荷の低い自動車のこと
(4)食品関係
・食品ロスをなくす
食べ残しをなくす、消費できる量の食材を買う、余った食材はフードバンク等に寄付する
(5)衣類関係
・持っている服を長く使う
洗濯表示を確認して洗濯する、服のケアをする
・環境に配慮した服を選ぶ
リサイクル・リユース素材を使った服を選ぶ
(6)省資源・資源化
・買い物時はマイバッグ
マイバッグの他にも、マイボトル、マイ箸、マイストローを使用する
・ゴミの分別
ゴミの分別を徹底し、資源化の取り組みに協力する
(7)家庭エコ診断
地球温暖化や省エネ家電などに関する幅広い知識を持った診断士が、各家庭の実情に合わせて実行性の高い省CO2・省エネ提案・アドバイスを行う制度のこと。詳しくはこちら⇒環境省HP