第37号(平成14年)

平成14年度


奈良県保健環境研究センター年報


No.37


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b006lis 論文 

1.奈良県における河川の酸性化調査(第2報)       P.39-P.43

     松本光弘・浅野勝佳・氏家英司・岡田弘
 平成13年4月から2年間にわたり、奈良県内の4水系(大和川水系,淀川水系,紀の川水系,新宮川水系)で年4回計8回、河川の酸性化調査を行った。この結果、pHについて4水系では酸性化は見られなかったが、導電率と緩衝能を示すアルカリ度より、淀川水系と新宮川水系において酸性雨の影響を受けやすい地点が見られた。

2.蛍光検出高速液体クロマトグラフィーによる血清及び心筋中タウリンの迅速簡易測定       P.44-P.46

     田中健・大前壽子・森居京美・山本徹・大橋正孝・北田善三
 血清及び心筋中タウリンの迅速定量法を開発した。添加回収率は血清にタウリンを5μg/ml添加(n=5)した場合は94.5%、50μg/ml添加(n=5)した場合は96.7%であった。心筋に1,000μg/g添加(n=4)した場合は97.3%、5,000μg/g添加(n=4)で103%であった。本法を用いてストレスを負荷したラットの血清及び心筋中のタウリン濃度の変化を見たところ、血清では対照群に対しストレス負荷群は有意な増加が認められたが、心筋では両群に差はなかった。  

3.奈良県におけるA群ロタウイルスのG血清型別発生状況(1999-2003)       P.47-P.49

     井上ゆみ子・北堀吉映・井上凡己・田口和子・竹部久勝
 奈良県で1999年から2003年に発生した146例のA群ロタウイルスについてG血清型解析をELISAおよびRT-PCR法で行い、発生状況を検討した。その結果124例のG血清型識別が可能で、1から4型および9型の5種が検出された。シーズン毎の検出結果は、1999年が1型(91%)および9型(9%)、2000年と2001年が1型(79%、67%)および2型(21%、33%)、2002年と2003年は1型(53%、20%)、2型(17%、4%)、3型(11%、24%)、4型(19%、48%)および9型(0%、4%)であった。発症年齢とG血清型との関連からは、0歳から5歳までの乳幼児では圧倒的に1型優位(62%)であったものが、6歳以上の学童児ではむしろ2型が高頻度(46%)となる傾向が観察された。以上の結果から、本県では多種類のG血清型が混在し、シーズン毎に変化に富む発生状況であることが明らかとなった。また、乳幼児と学童児では発症する血清型が異なる可能性が示唆された。

4.カフェイン飲用習慣及び喫煙が血清中カフェイン濃度に及ぼす影響       P.50-P.52

     田中健・大前壽子・森居京美・山本徹・大橋正孝・北田善三
 ノンカフェインコーヒーにカフェイン180mgを加えたものを飲用し、血中カフェイン濃度を測定した。カフェイン飲料の飲用習慣のあるグループは、飲用後約20分で血中カフェイン濃度はピークに達し、飲用習慣のないグループより短時間であった。また、喫煙習慣のあるグループの血中カフェイン濃度は非喫煙グループの1.3倍であった。

b007lis 業務調査報告

1.奈良県における自動車排ガスによる揮発性有機化合物の大気汚染について       P.53-P.62

     植田直隆・岡田作・足立修

2.飛鳥川の現況について       P.63-65 

     兎本文昭・桐山秀樹・伊吹幸代・梅林清志・中山義博・澤井藤市・青木喜也

3.奈良県水道水質外部精度管理調査結果について(第1報)       P.66-P.71  

     中山義博・兎本文昭・伊吹幸代・荒堀康史・桐山秀樹・北田善三

4.奈良県水道水質外部精度管理調査結果について(第2報)       P.72-P.78  

     中山義博・兎本文昭・梅林清志・伊吹幸代・桐山秀樹・澤井藤市・青木喜也

5.イオンクロマトグラフィーによるゴルフ場排水中のホセチルの分析について       P.79-P.80  

     梅林清志・伊吹幸代・兎本文昭・青木喜也

6.大和川水系藤井地点の最近10年間(1992-2001年度)の水質について(第2報)       P.81-P.84  

     米田正博・武田耕三・岡田弘

7.イミノクタジンの固相抽出による分析の検討       P.85-P.89  

     伊吹幸代・梅林清志・兎本文昭・青木喜也

b009lis 短報

1.大気中の粒子状物質に係る環境調査       P.91-P.92

     吉岡浩二・下村惠勇・松浦洋文・足立修

2.奈良県における環境放射能調査(第11報)(2002年4月~2003年3月)       P.93-P.94 

     岡田作・玉瀬喜久雄・植田直隆・足立修

3.キャピラリー電気泳動によるアジ化ナトリウムの分析       P.95-P.96  

     大橋正孝・田中健・大前壽子・森居京美・山本徹・北田善三

4.奈良県の2002/2003シーズンにおけるインフルエンザ流行疫学       P.97-P.98  

     北堀吉映・田口和子・井上ゆみ子・井上凡己・竹部久勝

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