はじめての万葉集


県民だより奈良
平成26年11月号

紅葉と時雨


 秋といえば、「読書の秋」「食欲の秋」「秋の夜長」などさまざまな決まり文句がありますが、とりわけ、色づいた木々が目を楽しませてくれる「紅葉の秋」が思い浮かびます。
 『万葉集』に詠まれた季節に関わる歌の中では秋の歌がもっとも多く、紅葉を詠んだ歌だけでも八〇首以上あります。
 現代では「もみじ」と濁って発音するのが普通ですが、古代には「もみち」と濁らずに発音していたようです。葉が紅や黄に変色するという意味の動詞「もみつ」から生まれた名でした。ただし、それらは現代でいうモミジやカエデといった特定の植物を指すのではなく、赤や黄に色づいた秋の木の葉をひろく指すことばでした。
 さらに、現代では「紅葉」が一般的ですが、『万葉集』ではほとんどの場合「黄葉」と書かれています。これは、古代には黄色い植物が多かったということではなく、お手本とした中国文学の書き方の影響だと考えられています。
 この歌は、そうした万葉歌の中では珍しく紅葉を詠んだ歌です。「仏前唱歌」(ぶつぜんしようか)と題されていて、旧暦十月(現在の暦の十一月頃)に平城宮で行われた法会(ほうえ)で合唱された歌だと書き記されています。
 「時雨」は晩秋に降る冷たい雨のことで、多くの歌で、それが木の葉を色づかせ、散らすものと表現されています。一雨ごとに秋が深まり寒くなる現象を、古代の人はそんな風にとらえたようです。

(本文 万葉文化館 井上さやか)


iOS

Android
 平城京には、復原された大極殿や平城京歴史館など見所がたくさんあります。また、県では、そんな平城京を更に楽しんでいただくために「なら平城京歴史ぶらり」というアプリを左記QRコードから無料配信しています。このアプリでは、歴史上の人物が語り部となり1300年前の平城京を楽しむことができます。このアプリを使って平城京探索をより楽しんでみてはいかがでしょうか。
問 県広報広聴課 TEL 0742-27-8326 TEL 0742-22-6904
※「県民だより奈良」は県内の各家庭にお届けしています。
 市町村窓口、県の施設などにも配置しています。
※点字と声による「県民だより奈良」も発行していますので、必要な方は県広報広聴課へご連絡ください。
 県では、経費削減のために、「県民だより奈良」の裏表紙に有料広告を掲載しています。
 広告の申込・お問い合わせは、株式会社キョウエイアドインターナショナル大阪支社(TEL:06-4797-8251)まで

お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道係 TEL : 0742-27-8325
広報制作係 TEL : 0742-27-8326 / 
FAX : 0742-22-6904
デジタル広報係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100

ナラプラスバナー
   ↑
スマホアプリ「ナラプラス」でも電子書籍版がご覧になれます。
詳しくはこちら

マチイロロゴ画像
   ↑
スマホアプリ「マチイロ」でも電子書籍版がご覧になれます。
詳しくはこちら