平成29年6月30日(金)知事定例記者会見

司会:
 お待たせいたしました。おはようございます。
 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日の発表案件は4件です。知事からご発表よろしくお願いいたします。

※以下、『地方消費税の清算基準の見直しについて』で発言の資料については、こちらからご覧ください。


地方消費税の清算基準の見直しについて
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 4点です。最初は、地方消費税の清算基準の見直しについてです。

 このような資料で、一昨日に、東京でありました、全国知事会の地方税制を考える研究会で発表させていただきました。その後、同日の午後に、全国知事会の地方税財政特別委員会にもこの資料が配付されました。知事会で国への要望事項をまとめる会議でした。簡単に、その発表した内容とその反応を申し上げたいと思います。

 この資料は詳細なので、省略いたしますが、奈良県が言いたかったのは、一つは、なぜこういうことを言ったかということのきっかけです。何年も前から言ってますが、奈良県の1人当たりの消費額は全国3位か4位だったと、今もそうだと思います。一方、県民の消費をもとに清算されると思っていた、1人当たりの配分額が全国46位ぐらい、今45位になってるようですが、大変低い。何か清算基準そのものがおかしいのではないかと国へ言ってきました。

 そのやりとりの中で、消費に着目して、地方消費税なので、最終消費地で消費された額をもとに清算するのが原則ですが、消費についての統計が不存在である。今もそうですが、販売の統計から類推している。すると、いろいろと問題が出てきて、大阪で販売したが、奈良で消費する、耐久消費財。最近では通販で長崎で販売したものが新潟で消費されるというのは乖離をしてることは間違いないわけで、乖離している分は消費額の清算の基準の対象から外して、人口代替にしようと、こういう手法があったが、すると、基本的に販売統計依拠が地方消費税の根拠として脆弱じゃないですかということを繰り返し言ってきたということです。

 すると、どこまで脆弱さが強いのかという議論に移ってきたわけです。通信販売なんかは脆弱でしょうと、違うのだからというところまで来て、除外、人口代替というように進んできた。耐久消費財も東京のヨドバシカメラや秋葉原で買って、物流が発達しているので、奈良にでもすぐに来る。冷蔵庫も買いやすいところ、見本が多いところに行って、冷蔵庫を買って、手で持って帰る人はいないわけですから、消費地と販売地が違ってる。県でくくればどうかという、それが実態なのです。ネット販売が増えてきたので、どんどん乖離してきているというのが基本で、それをいろいろ調べてみると、販売統計依拠が今後とも大変難しいですよということを更に強く言うようなことになりました。販売統計にかわる消費統計というのは存在しないし、これからも難しいので、では、どういうふうにするかということを繰り返し言ってきました。

 最初の取っかかりは、奈良が消費をしてるのに配分が少ない。おかしいと思ったから勉強をし始めたということですが、奈良の配分を増やすというだけではない、全体的に地方消費税がこれから上がっていく、社会保障費に充てるという中で、このような根拠が薄い販売統計に依拠してると、地方消費税自身が危うくなってしまうのではないですかと言い続けてきたわけです。販売統計依拠は、根拠が大変薄くなる。それは販売の実態が、販売と消費がますます乖離する実態が生じていますということが一つです。

 もう一つは、販売統計自身が大変大ざっぱだということが分かりました。大ざっぱだというのは、例えば消費額では、小売と卸売というのは分けなくてはいけないが、統計のデータの集め方を見ると、卸と小売が同じように書けるようになっている。なぜ分けなくてはいけないかというと、最終消費地と卸売は中間消費地と、消費税の清算では最終消費地と中間消費地が厳然と分かれてないと、税制の配分ができないということですが、統計上、卸売と小売がいい加減にしか分かれていないということが調べるとわかってきたので、よくこんな統計に依拠して清算してましたねと、こういう感情で申し述べるまでなった。それを根拠を示して言ってきたということです。

 さらに、その中間消費と最終消費が混在してるのは、卸と小売だけでなく、これは大きなことですが、医療などの非課税品目は卸で最終的に課税の見立てをして、診療報酬を払う。それは最終消費は、その最終消費地のお医者さんの診断という最終消費ですが、それ自身は非課税であるが、それまでに検査機器等は課税されて病院にたどり着いてる。検査機器のような課税をどのように最終消費地を判断するかという統計そのものも存在しない。テクニックが存在しない。そのようなことをよく非課税取引の地方消費税の配分をしたなと、そんな感じがしてきたので、それも言いました。それは理屈の分かる人たちが多かったので、そうですねということは、知ってて見逃していれば大きな罪だぞと、こういう感じで言いたかったぐらいですが、そのようなことを言ってきています。

 また、販売統計自身がいい加減で、販売統計としては良いが、清算基準に使う統計としてはとてもいい加減だということが、さらに清算基準には使えないようなぐらいにサンプル調査になってきている。今は母数も少ないのに、さらにサンプル調査になる。清算基準を依拠してると大変ですよということと、世界の笑い物になりますよと、そういう気持ちで発言したというようなことです。

 要はそういうことを言って何を言いたかったのかということが最後のまとめというところにあります。販売統計に依拠していると、最終消費地がよく分からないということが調べるとわかってきた。 正確に都道府県別の最終消費を把握できないデータを除外して、それを統計のカバー率から引き下げる。それを人口代替にしたらどうかと言っています。すると、今人口比率が、最初のページでありますが、統計カバー率75%と、2ページ目の一番上に書いていますが、カバー外が25%ということですが、このカバー外がもっと増えるので、この25%は奈良県の試算では、最後の12ページ目の3つ目の括弧で、60%以上に大幅に引き上げるべきということを申し上げてきました。さらに、今後、販売統計がさらに粗っぽくなるということを踏まえると、更なる提言と最後に書いていますが、人口比率を80%以上に引き上げてもいいと。もとに戻りますと、2ページ目、統計カバー外と、あるいは統計の不存在という量がもっと増えてきて、これが25%が80%以上になるということを言ってきたというのが筋道です。このときの従業員基準、2ページ目の一番右の従業員数というのは、経緯はありますが、理論的根拠がないから外したらどうか、それを言ってきました。ちょっと複雑ですが、大ざっぱに言うとそういうことです。

 それを税制、知事会の研究会、神野先生がヘッドで、石井地方税制特別調査委員長も一緒で同席されました。その後の地方税財政特別委員会でこの資料が配付されて、ほかの議論と一緒に、他の項目と一緒に議論されました。そのときの反応、先生方の反応ありますが、先生方の反応はあまりなかったが、理屈っぽく言っています。他県の知事も、何人か来ていて、電話対談で参加された方もいます。大変大胆な提言になっているので、人口比率をこんな一挙に引き上げて大丈夫かというような感じの反応があったように思います。理屈面では、詳細だし、なるほどなというような反応が多かった。賛成された都道府県もありますし、個別的には、この奈良県税制調査会の資料を、各県に配っていますので、よくわかるという反応は個別には来ていますが、税財政特別委員会においては、従業員基準は経緯があるから、全部廃止するのは困るというような意見が多少あったというような感じです。知事会でも、全体のパイの分け方なので、減るところと増えるところがあるので、減るところは反対、増えるところは賛成というふうに心情的にはなるが、税制は理屈だから、納得のいくようにしてくれと、こう奈良県が叫んでいるわけです。理屈的にはなかなか言えなかったのかなと思います。知事会では、今までどおり、人口基準を軸にしていくという方向でまとめらることになろうかと。それは今までもそのようになっていますので、人口代替基準を増やす方向で見直していくべきだとまとめられると思います。それは今までもそうなってるので、それをこんなに内容的に激しく言ったというふうな状況だと認識をしています。

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第28回紀伊半島知事会議の開催について
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 長くなりましたが、次の報告案件です。紀伊半島知事会を例年どおり開催します。和歌山県で行われます。7月6日ということです。

 3県知事が出席いたしますが、いつも議題を持ち寄って議論するわけでございますが、今年は、ニューフェースというか、新しく出たのは、奈良県の提案で林業振興というのが出てきています。それから、大規模災害、熊野川の紀伊半島大水害があったので、堆積土砂、あるいは土砂崩れ防止などの災害対応についての話です。道路、交通対策は、アンカールートといっています。アンカールートは、京奈和自動車道があって、その2つのアンカーが、168と169が、斜めですが、出ているので、それはアンカーの軸で、紀伊半島の南のほうの横がアンカーの底辺といったようなイメージでアンカールートと、こう呼んでいますが、その整備ということで、アンカールートの整備がいつものことながら整備促進を要望しようということです。三重と奈良は関係が深いが、和歌山も一緒になってリニア中央新幹線三重-奈良ルートの早期実現ということに口を揃えてもらえるというので、道路、交通対策というのは、そういうことです。

 林業振興につきましては、税財政特別委員会で、清算基準のほかに、特に話題になりましたのは森林環境税です。そこでも発言いたしましたが、森林環境税の創設をしようという動きがあります。できたときには、どのように環境税を使うのか、どのようにというのは、誰が使うのか、市町村か、地方に配分されるような感じですけど、地方が使うのも、市町村が使うのか、都道府県が使うのか、市町村がある面、大きな間伐の実行とかということになるので、間伐の実行をしているところとしていない市町村がありますので、森林面積で配ると、実行してないところは森林の間伐を実行しないで、基金に積み上げるといったようなことも議論になってしまうので、これからどう設計するかということが課題になります。奈良県としては、スイスのフォレスト・アカデミーのようなものを3県合同でつくりませんかということをこの紀伊半島知事会議でも言おうかと思っています。そのような人材育成ということについて、あるいは森林環境管理制度を条例でつくろうということについて、紀伊半島3県知事で今まで事務的には打ち合わせしています。去年もそういうこと、頭出ししましたが、今年の知事会議でも言うことになるので、森林環境税の都道府県重点配分という例があるということを税財政特別委員会では申し述べてきました。森林環境税と、この紀伊半島知事会議のテーマであります林業振興が今年は少し重なることがあるということを申し添えておきたいと思います。

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「第32回国民文化祭・なら2017」「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会」公式ガイドブックを発行!
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 次の報道資料ですが、国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の公式ガイドブックができましたので、ガイドブックの紹介をさせていただくものです。

 繰り返しになりますが、本日発行ということになります。オープニングは9月2日です。期間中に開催する103事業を紹介しています。国文祭、障文祭を一体開催するのが全国初めてということですので、公式ガイドブックも1冊にまとめました。両方あわせた一体的なガイドブックも、全国初の特徴です。それから、奈良は、社寺と連携した事業でお楽しみいただけるという内容的な特徴があります。このガイドブックは、15万部発行予定です。間もなく、7月上旬よりお手元に、目につくところに配布されることになろうかと思います。

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6月29日(木曜日)より(株)モバイルファクトリーとのコラボイベント開催!駅メモ!で巡る記紀・万葉
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 最後の発表案件ですが、昨日、6月29日より実施しています、「駅メモ!」で巡る記紀・万葉です。

 これはGPSを利用した、駅のスタンプラリーです。スポットでチェックすると、そこに来たよということが記録される。「ステーションメモリーズ!」でスポットのテーマを記紀・万葉でやろうというのがこの内容です。次のページに書いてますが、チェックイン対象スポットというのが書いていて、例えば東大寺、春日大社、駅では奈良駅、京終駅などで、奈良市周辺と橿原、飛鳥周辺と天理、桜井周辺で、これだけの多くの「駅メモ!」スポットを作って、そこでスマホスタンプラリーを実行してもらおうということです。関係の社寺は、上のほうに書いてますが、23件で、近隣の鉄道駅が20駅です。これに連動して奈良県のウエブサイトもアクセスが増えていると聞いています。

 報告案件は以上です。

司会:
 ありがとうございました。
 それでは、まず、発表案件に関するご質問をよろしくお願いいたします。

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質疑応答

地方消費税の清算基準の見直しについて

時事通信:
 1件目の地方消費税の清算基準の見直しに関する質問です。まず、こちらは、以前の2月か3月に出されたものの、さらなるバージョンアップの提言ということでよろしいですか。

知事:
 そうです。バージョンアップになっているとも思います。その後の統計の動きがあったり、調査が広がってきましたので、それを盛り込む努力をしましたので、若干情報が新しくなってきています。特段申し上げる情報は、統計がさらにサンプル化されるというようなことは新しく出てきた話です。

時事通信:
 それは、サンプル化というお話は資料10ページ目のところですか。

知事:
 そうですね。

時事通信:
 5年間に2回の調査が、毎年実施になりますか。

知事:
 簡素化されるということです。資料の10ページ、11ページ、物販が商業統計ですが、年次統計、速報化する代わりに簡略化しますというのが今回の統計改革です。経済センサスのサービスは品目が大ざっぱになって、余計に、そもそも把握しにくいサービスが、より難しくなりますよといったことを最近発する情報で言っています。そのページの上のほうに書いていますが、対象企業社数が175万社ですが、法人税申告社数が262万社もある、こういうことも、調べてよくわかってきたということを掲載していることがバージョンアップ的なところかと思います。何でこうなっているのか、解明しているわけではないが、依拠するには少し問題があるという、先ほど言葉強く言いましたが、依拠する、清算基準ということで依拠するには、当時の清算基準の依拠と今の依拠では随分根拠、足元がゆらいでいるのではないですかということを強く意識して申し述べたような感じです。

時事通信:
 そうすると、極端に言ってしまうと、今回の統計の改革によって、商業統計も経済センサスも割と粗っぽくなってしまうので、地方消費税配分の起因するには適さないということになりますか。

知事:
 極端に言えばそうなります。今依拠するものは、販売統計しかないわけですが、学者の先生と政治家の先生の中には、みんな人口基準にしたら良い、とおっしゃる方が出てきている。逆に、そのようなことをすると、今の配分よりも随分変わるから大変だという意見も、慎重な意見もあります。

時事通信:
 それを踏まえた今回の新しい提言の分、12ページの一番下のところですけれども、小売販売額の統計利用そのものを廃止し、その分、人口の比率を80%以上に引き上げるということになってますけれども、残り20%弱というのは、どのようなものが入っているんでしょうか。

知事:
 商業は物販ですので、販売額のうち小売(額の把握は)難しいでしょう。実は(資料の)途中で書いていますが、事業所が小売、卸の割合を(調査票で)書きます。それは、資料の3ページ目で、商業統計調査票というものがあるんですけれども、右に、商類、分類番号って、その会社が売っているようなものも商類、商品分類表、卸売、小売、2つ入れて販売額から多い順にして、そこでの卸、小売の別を丸で囲んでくださいと、そんな調査ですので、この丸で囲んで何%ということは根拠がない統計だなと思います。統計表まで、今度は、初めてあたったんですけれども、こんな統計で清算してたのかということが少し言葉が過ぎるかもしれないが、そのような感じです。みんな知らなかったのか、誰が知ってて、こんな調査票でしてたのか。その(資料の3ページの)ところで、ガソリンスタンドと左に書いていますが、これは小売ということになっているが、例えば卸というのは中間財で、会社が買ったときは、まだそのガソリンは仕入れであるので、中間財です。

 それが大体今の統計でガソリンで小売の部分は98%になってるということも分かった。実際は、社用車で行くときは、中間財なんです。卸売に入るべきガソリン購入なのです。それを、この商業統計では卸、小売の別というのはそう大きな意味がないので、卸売、小売、合計を総じて小売業というというようなことになっている。そういう統計を利用してきたということです。消費税の清算基準で卸売と小売の額というのは、大きな意味がある。卸売はまだ最終消費ではないから、奈良の事業所が、皆様の事業所が買っても、消費しても、皆さんの会社の最終消費は新聞の販売とか、広告の徴収とかですので、その仕入れ額がガソリンスタンド、ガソリンの購入額なので、営業経費として控除すべき額で、仕入れ額控除の対象で、消費税の性格上、消費額に乗せてはいけないものである。それを混在して一緒に計上してるという、その統計表を利用してるというのは、税制では、少し世界に知れると恥ずかしいのではないかとまで言いたくなるような実態である。それを少しあからさまに奈良県は、最初のきっかけは、全体の統計上、おかしいのではないかといって、やっとここまで調査をして、申し述べてきたということです。

時事通信:
 そうすると、この80%にした後の姿というのは、商業統計は使わないし、経済センサスも……。

知事:
 サービスで、経済センサスは少し使う。例えばサービスは即時性が強い面があります。そこでサービスを受けて、そこで食事を口に入れるといったようなものは、その個人消費というふうに(即効性の)強いものがあります。それでも飲食品を持ち帰って、大阪で弁当買って、家で食べると、どこが消費地かと、現実的にはいろいろある。大阪でラーメンを食べたら消費地は大阪で、販売統計と一致するでしょうが、その差別もない。とりわけ、東京都に、出張に行っても、出張は最終消費ではない。その最終消費かどうかという領収書も分けて、ホテルとか、申告されるときに、販売額を申告されるときに、これは領収書を出したから、個人ではなく、中間消費だと。帰ってからそれを控除されるというふうに統計が出てくるわけではないということがわかってきていますので、資料の5ページ目になりますが、(経済センサス活動調査の)調査票ですが、収入を得た相手先で、これは個人と民間、官公庁の団体とか、団体は中間財の販売ではないかと、最終消費ではないという、これはサービスの意識はあるが、その収入額は割合と書いてある。合計は100になる。個人の割合、民間の割合というの、その割合の根拠は示さない、1年間の割合なので、これですといって報告される人はないでしょうというような感じがします。

 それぞれどんな割合を出してるかといった事を聞きたかったが、それは出てこなかった。この経済センサスの主管官庁から出てこなかったがどのような割合で出して、法人で領収書、何々会社、仕事で東京に行かれると、個人で行くのか、社務で行くのか。そのとき東京は社務で行くと、地方消費税の清算は最終消費ではない。それを分けるような統計になっていないということを言ってますが、なかなか、そんな根拠でやってたということも認めたくないだろうし、なかなか難しい面も、慎重に考えようという面もありますが、だんだんこういう実態が知られてきているので、去年の税調の意見の中には、100%でいいということを言われた国会議員もいますし、学者の先生にも、このような統計に、販売統計に依拠すること自身は大変なことだったんだと。ドイツがそうですけども、もう100%人口(基準)にしたほうがいいんだということを言われる先生も出てきている。

 奈良県は今までの販売統計に依拠するが、依拠できない部分は外して人口統計にしたらどうかという、全国知事会が言ってきたものの割合が大幅に増えるという言い方でしてるということなので、最終的な80%以上というのも、100(%)というふうには言ってないが、厳密に言うと100(%)に近くなるかもしれないと内心思います。80(%)以上に引き上げることも視野に入れるべきということ。それまでは計算上わかってたのは60%以上になるでしょうというところまでは、その3月時点では計算上わかったので、それを引用してきた。そのバージョンアップというより、さらに提言の内容が少し進んできたというのが、資料12ページ目のさらなる提言という部分であると思います。

日経新聞:
 全国知事会で、奈良県と同じように1人当たりの消費額は多いけれども、配分の少ない、今後共同できそうな都道府県ありますか。

知事:
 全部調査したわけではありませんが、感触で出てるのは、この地方税財政常任委員会で発言されたのは神奈川県。この奈良県意見に賛成ですと発言されました。似たような状況にあるということかと思いますが、あとは、島根県も去年からそう言っている。資料4ページ目ですが、例えば関東地方の小売、耐久財、半耐久財の各県販売額というのが出ていますが、これは差が大きい。東京都が142になっていて、最小は神奈川県の80ということで、神奈川県の方の耐久消費財の消費額はこれだけ少ないのかというと、神奈川県のほうが多いかもしれません。部屋の間取り、スペースも大きい。奈良県も同じことだと思うが、耐久消費財は場所をとるので、家が広いほうがたくさん使っているかもしれない。こう想像ができる。ところが、販売額はこうだということは、埼玉、千葉、神奈川もそうですが、地元のヤマダ電機で買うよりも、秋葉原とかヨドバシカメラでカタログを見て、それを買って、配達。大体配達網が発達してますから、冷蔵庫を近くの上新電機へ行くよりも、東京出張のときにカタログをもらって、家で調べて、今度東京に行ったときに、これを注文する。もうすぐ届きます。上新電機でも、家でも、どっかから物流が来るから、同じような形態なんだけど、どこで注文するかというだけの話です。

 それは販売統計に出るわけがない。東京の販売統計に出てしまいますよというのが、こういうところが全体のブロックで、今の関東で142と80の差がありますけど、全体のブロック、全国とのブロックの格差見ると、103にすぎない。103.7にすぎないわけなんです。ブロック別に多少差がありますけが、このブロック的には東海が一番大きい。109.8も平均よりも上回って耐久消費財のタンスなど、愛知は物持ちで有名ですが、そのような傾向があるかもしれません。近隣の各県の販売統計に依拠すると、このとおりで、小売統計で、東京都142、例えば耐久消費財の地方消費税ということになれば、東京都が142で、神奈川県が80しか入らない。こういう清算基準になっているので、それは除去して、人口のほうがまだいいのではないかというのを主張しているわけです。

 ブロック別に分けるということもあるかもしれませんが、この点については、そのページで総務大臣が言っていますが、家庭用品など、持ち帰り消費についても検討の対象になりますということ、大都市周辺部での家庭用品の持ち帰り消費という言い方をしていますが、耐久消費財、冷蔵庫のほかにベッドとか、大塚家具を東京の新宿の展示場で見て、そこで注文して、神奈川県で配達してもらうというのは、通常あるパターンです。奈良は大阪勤務者が多いから、大阪の百貨店で注文をして、奈良に配達してもらうということは、同じようにあろうかと思います。近畿の分野を見ていただきますと、最大が京都の107で、東京ほどの上振れではないが、最小は奈良で80.2と、同じ傾向が出ています。奈良の人が耐久消費財、消費性向が低いのかというと、そうではなく、逆です。こういうようなところがあろうかと思う。家も広いし、お金持ちも多いしというと、逆振れになるのではないですかというふうに言って、統計はまだまだそういうことを言えるが、こういうやり方でこの各県の販売額に依拠してるのは、いかにもおかしいということを具体的に申し述べた面があります。

日経新聞:
 次に政府にこの提言を言うタイミングってどんな場面をお考えですか。

知事:
 全国知事会の中で、知事会提言をまとめられる文書が(地方税財政常任)委員会で上程されて、若干の修文の議論がありましたが、人口基準を増やす方向で見直していこう。それは従来からの文書にもなっているので、全国知事会で慎重派と行け行け派と、多少、今のように知事会の中で分かれますが、その文書がそのまま通れば、これは物を決めるのは中央の政府ですが、実際決めるのは政府・与党の税制調査会ですので、そこで最終判断されることになると思います。

日経新聞:
 全国知事会の意見として上げるのか。

知事:
 はい。

日経新聞:
 奈良県単独では何か政府に要望とか、陳情は。

知事:
 去年もしましたが、税制調査会の幹部の方などに要望、このようなことをより知ってもらって、判断してくださいということを要望することになると思います。年末近くなると思います。まだ最終ではないが、地方税財源の確保、充実等に関する提言といって、全国知事会での提言の取りまとめ案が一昨日の全国知事会地方税財政常任委員会というので、委員長が富山県の石井知事でしたが、その中で、人口を重視した地方消費税の清算基準の、文書は少し議論がありましたが、検討か、見直しかというようなとこで、人口を重視した地方消費税の清算基準というところまではあまり異論がなかったように思います。これは今までもそういう表現をしていますが、昨年度の税制改正大綱で、平成30年度には抜本的見直しをすると、こう税制改正大綱で書かれていますので、それに向けた清算基準の見直しのあり方というのはこれから議論が盛り上がっていくかと思います。地方の段階では、意見が、やはり得か損かという点では分かれると思いますけれども、予算の配分ではないので、税制の議論は理屈で立ってくださいというのが奈良県の主張です。それと、理屈を最終的に決められるのが与党の税制調査会ということに向けての動きはこれから年末、になろうかと思います。その地方レベルでの意見の交換というのは、一昨日にありましたということです。税制では、森林環境税も随分意見が出ていました。

奈良新聞:
 仮にこの80%になった場合、県の取り分というのは、現行より概算でどれぐらい増えるのか。

知事:
 余り正確にしてないが、多少増えるかとは思います。また、あまりそれを狙ってませんということを言っております。これだけ取れるから、頑張りますと、そういう政治姿勢ではありません。はい。理屈の立つようにしてもらわないと困りますということを中心に言ってきました。もし損をすることを一生懸命言ってるのかと聞かれたら、そこまで損ではないと思います、という程度です。

奈良新聞:
 それと、先ほどおっしゃっていた全国知事会で上げるということは、そういう方向性で決定ですか。

知事:
 毎年のことなんですけれども、地方税財源の確保、充実等に関する提言と、これぐらいたくさんのペーパーがあるわけなんです。この中のページで、1ページ分ぐらい、1ページ弱ぐらいで、今申し上げた人口を重視する地方消費税清算基準という項目が入っています。それがずっと、この原稿のページで23ページほど、これを全国知事会で一括して議論され、もっと重点的な、特に重点事項を前出ししたらどうかというような意見も知事さんの中からありましたので、前に重点事項として出てくる可能性はあります。それは編集だけでありますので、項目としてはこういうところに入ってきてるということになります。これは毎年、この時期に提言をまとめられますので、人口基準を重視した地方消費税の清算基準が奈良県にとっては大変大きなことです。

奈良新聞:
 最後に、先月、姫路で行われた近畿ブロック知事会議で、一部、大阪府は早急にという話は出ておりました……。

知事:
 まだ調整中です。大阪府が、人口基準を使うこと自身おかしいと反対しております。大阪府の知事の反対があったということ、それはその場で目撃いたしました。まだ調整中です。

奈良新聞:
 調整中。反対しているのは大阪府だけですか。

知事:
 大阪府だけです。ほかの知事さんは、たしなめておられました。

時事通信:
 確認ですが、この方向性で全国知事会として与党の税調に提言していこうという方向であるが、そこまではいっていないということですか。

知事:
 案だから、公表されてるかどうかわかりませんが、全国知事会に出ると、こういう案が出ると思いますが、発表もされると思いますけれども、こういう手元の案資料では、23ページぐらいある中の1ページ弱で、地方消費税の清算基準というのが入っているような状況で、たくさんの項目が入ってるわけです。

時事通信:
 当事者の知事さんたちが賛成しているとしたら、それに反対する、仮に政府や、国の人たちの理屈、理論構成というのは、どういうことでこれは止めたほうがいいという意見なのか、どう思われますか。

知事:
 去年の税制調査会の編成の時に大分訴えに行きましたので、その感触でありますけれども、総務省は、地方消費税という独自税だといって出発したので、地方消費税は言ってみれば固有の税源だということを堅持したいというお気持ちがあると思います。それを役所的な確執といいますか、総務省と党税調です。その配分の実態が変わりますので、地方消費税がどんどん大きくなって、3%から5%、8%になってきて、今度10%になるかということでありますので、その配分の公正さ、理屈、根拠が十分かという点に奈良県はアピールしているわけですけれども、それは税制ですから、理屈のあるようにしてもらうことが一番でありますが、経緯でふにゃふにゃっとした、販売統計依拠の経緯でやられるのは敵わないということを、世論喚起をしたいということも一つあります。こんな販売統計依拠では、もうもたないのではないかと言っております。今までだって、こんなことをよくしたなという、調べてようやくこんな単刀直入な言葉が出るようになって、今までおかしいなと思ったんですけれども、ここまで調べが進んでおりませんでしたので、ここまで調べると、よくこんな調査票に依拠して清算していたなという感じはするんですけれども、そういう言い方も感情的ですので、いや、今度はさらにこれから消費税が上がって、地方消費税の額も上がるのだから、それを社会保障に充てるということなんだから、公平さを十分担保してやってくださいねということが、一言で言えば、そういう気持ちが強くなってきております。

 バトルは、損得のバトルは知事会ではいつもあるわけですが、損だから反対ということは皆おっしゃる面もあるし、得だから賛成ということは、あからさまではないが、やっぱりそういう賛成、反対が得、損で分かれてしまう面がありますが、知事さんの中には得、損を超えて、先ほどご質問あったように、得なのか、損なのかと地方で言われてしまうと、損なことをいいよとなかなか言いづらいという政治的な状況は普通ありますが、税制は知事会は得、損が中心の議論なのですが、中央は得、損を超えて、こういう理屈で立ってくださいというのが奈良県の願いですと。損なのをわざわざ言いに来ないんだろうと、こう言われて冷やかされる。それはそうですと。損なのを見え見えなのを、わざわざ言いに行くと、新聞社さんに、何言ってるんですかと言われてしまいそうでありますけれども、理屈の立つようにしてくれということがより大きな気持ちになってきてるということ。

時事通信:
 中央としては、制度を変える以上は、理屈が立っていれば別にいいよというか、変える以上は理屈が必要だという反論に尽きるわけですね。

知事:
 そうですね。だから、総務省もそういう言い方はされています。納得感のある、納得性のある理屈を立てるのが第一ですねと、そういう言い方をされております。省益というわけでもない、地方消費税だから、地方に配分が多くて、消費税の国税と地方消費税の配分基準とは、前回1.7ということで、地方に厚く決まりましたので、清算基準はその地方間の配分ということになります。全体、地方消費税の配分というのは額としてはもう決まります、決まっておりますので、その地方間の配分の基準ということに、清算の基準ということになりますので、じかにこれから得する、損するが見えてくるわけでありますが、それはこれから率が上がる可能性が十分あるのに、公正な配分でしょうということを言ってくださいと、このほうが良いのではないですか、という具体的な提言を奈良県はし始めていると思っています。

司会:
 では、その他の質問につきましてもよろしくお願いします。

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第28回紀伊半島知事会議の開催について

奈良新聞:
 今の案件の中ですが、紀伊半島の知事会議の関係で、以前の知事会議でも出ていたと思いますが、フォレスト・アカデミーの話です。紀伊半島、関係者間、担当部局間でこれまでもお話は進めてきたと思いますが、今回の知事会議でどこまで詰めようと思っておられますか。

知事:
 はい。フォレスト・アカデミー、いいんじゃないですか、と前回の知事会議で発言しました。すると、フォレスト・アカデミーというのは、今の制度は林業大学校になりますが、三重県は林業大学校がなく、林業大学校を作ることは三重県の鈴木知事が公約にしてるというので、もし一緒にコンソーシアム的に作られたら、参加します、というのが前回の紀伊半島知事会議の感触でありました。和歌山県は、農林大学校に林業研修部というものをつくったばかりで、コンソーシアム的に、教師の交換、生徒の交換、カリキュラムの調整等、人材育成の共同化ができればという感触でした。だから、フォレスト・アカデミーをどう3県で作ろうかということが前回の知事会議の中心です。それは今も続いております。

 もう一つ、今年は、スイスの森林環境管理制度を勉強しますと、びっくりするような、立派な制度だということが分かってきましたので、この制度を紀伊半島の3県の条例にするのはどうかということを奈良県では提言してみたいと思います。条例だと、このようなスイスの国法とカントン法という州法と2つ重なってあります。それを今勉強して、勉強の材料としては提供したいと思っています。その紀伊半島の森林環境管理制度を条例で作るという発想は、スイスの国法、条例は、目的が複合的というか、包括的になっています。それは木材の生産というのが日本の林業、森林の大きな政策の目標であったわけでありますけれども、間伐をしないと治水上だめだということをはっきり言う官庁は中央ではありません。防災といいますが、流れた後の第二次的な始末を、堰堤を作るという防災工事をするのが現実で、森林がそういう土砂が流れないように保水を十分するという手当てをする官庁がないと私は思いました。だから、治山治水がスイスの国法の大きな目的になっていますが、それを条例でうたえないか。

 それから、3つ目は、動植物の環境維持がスイスの国法の目標になっているということ。日本の場合は、里山があって、奥山があって、その間に「外山(とやま)」という山があります。それが動植物と人間とのバッファーゾーンになっていたということが最近分かってきております。その外山がなくなったのが大きな動植物の被害が発生する根拠にもなってきているということが分かってきたので、外山復活ということが一つの目標になるんじゃないかと私は思いますけれども、動植物の生態系維持がスイスの森林環境管理制度の堂々たる目標に入ってきている。日本はそのようなこと、これは環境省がやっておりますが、そういう国法はできないのではないかと、こう見ています。もう一つは、レクリエーション、森林に人が入り込むというのは禁止しません。それから、入り込み方をうまくしましょうというようなことを国法の目標にしています。

 木材生産、治山治水、動植物の生態系維持、レクリエーションと4つが連邦法と州法の目的になっております。そういう類いの条例ができないかということを提言してみたいと思っています。これは分権の世界を超えて、創権の世界です。国で包摂的な法律はできない、と思いますので、国でできないことを地方でしようかといった類いのことになると思います。

 そのタイミングにたまたま合って、森林環境税を用意しようという税制の動きがありますので、その税制の使途、使い方の対象にこの森林環境管理制度の、これは広域的になって、都道府県の業務として使えるように森林環境税が配分されないだろうか、陳情案件になりますけれども、そのようなことを知事会議で、他県の知事に訴えたいと思っています。だから、去年はフォレスト・アカデミーで人材育成、共同でしましょうということを発言し、それにはいいねというところまで来ましたが、今度は森林環境管理制度まで共同で作りませんかということを提言してみたいと思っています。

読売新聞:
 その件は、紀伊半島大水害もありましたし、いわゆる同じような環境を抱えているからこそ、この3県会議で伝えるということでよろしいですか。

知事:
 そうですね。場所も隣接しています。森林環境税が入ってくると、既に近畿ブロック知事会議で滋賀県も、滋賀県は森林、林業基金(林業公社)で大変痛い目に遭ったので、(本県が)そういうものを考えています、と言ったら、滋賀県も一緒に、フォレスト・アカデミー等、一緒に乗れないかなと、隣で三日月知事が言っておられましたので、少し離れてますけれども、どこまでそういう森林環境、フォレスト・アカデミー、また、森林環境管理制度の同調、仲間が出てくる可能性もあろうかと思いますが、どこまで広げるかということを目論む以前に、紀伊半島3県で仕組みを確立できたら、同じように同調される県も出るんじゃないかなと思います。とりわけ森林環境税が導入される時には、各県とも聞いてみると、そういうことをしたかったんだと、こう言っておられる知事さんが結構多いわけです。スイスの森林法では皆伐(全ての木の伐採)を禁止するという法律であります。紀伊半島ではあまりないんだけれども、四国では、中国から、この山全て買って全部伐採するぞといって、売れ筋がいいから、そういう皆伐をするととても搬出が効果的なんです。しかし、山の後の維持が大丈夫かという点が言われておりますけれども、スイスの連邦法、カントン法では、皆伐禁止ということまで書いてあることが勉強して印象的ですので、そういう皆伐禁止を条例で入れられるのかといったようなことも議論になりますが、国法で皆伐禁止ということを言ってくれたら、それもいいんですが、林業はほとんど政治的な動きがありませんので、紀伊半島で条例でどこまでスイス森林環境法に寄り添っていけるかということは、3県知事で相談してみたいと思っています。

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ホテル誘致について

毎日新聞:
 奈良市内で、オリンピックまでに新しくホテルを作ろうという話が約10件ありますが、今日もJRの奈良駅前で1つオープンして、後は、高畑や、吉城園なども、現状変更の許可が認められて、地元の経済にとっては非常に明るい方向性なんじゃないかと思います。近く路線価も発表されますが、そのあたりを反映したもので上昇傾向だということなんですが、今後のホテルの誘致について、2020年までに約10のホテルができるので、どんな期待を持たれているのかということと、さらに、誘致を図るために県としてどのような取り組みをお考えなのか教えてください。

知事:
 奈良市内でホテル誘致について、いろいろ進んできているのは、大変うれしいことだと思います。インバウンドへの期待が各地であって、外国から来る人は必ず泊まります。日本へ日帰りという人は、釜山から博多に来て帰るというような人ぐらい、ほかにもいるかもしれませんが、あまりありません。ほとんど100%の方が泊まられるということなので、インバウンドという需要が今一番増えてきている面から考えると、宿泊客を作ることが一番インバウンドを取り組む大きな要素だということに、各地域ひたひたと気づいて努力をされてきているということであります。競争になっています。その宿泊客の整備の内容が、新規もあるし、リニューアルもあるし、バラエティーも、高級ホテルもあるし、中級ホテルもあるし、民泊のような新しいホテルの形態がどんどん出ているというのが日本の宿泊産業の実態であります。

 それに対して、奈良県、奈良市は十分反応してこなかった、長い歴史でいえば反応してこなかったと思いますが、やはりその努力をしないまま負けてしまうのは嫌だからということで、始めたのが10年前、知事になったすぐでした。それでもなかなか、奈良市の、奈良県のホテル立地の評判は悪かったから、なかなか動かなかったです。これは個人的な思い。ただ、だんだん奈良もホテルが作れそうだということで、徐々に投資の動きが出てきたと感じています。これがそのまま続けばいいなと思っています。まだまだホテルが立地する余地があると思います。

 よくホテル開発ありきだと言われますが、そうではなく、奈良らしいホテル開発の工夫をしてこなかっただけではないかと私は思います。似たような里山中心の山合いのところでも随分工夫をして、ホテル、旅館を建ててこられた観光地が多いわけですが、大仏商法とよく言われますように、大仏さんがあるから、来て帰ればいいんだという商売、世界的に有名でありますけれども、それを脱却するということが大きな目標でありました。それは土産物だけでなく、飲食業、施設業もそうであります。知事になってすぐに韓国へプロモーションに行ったら、韓国の旅行、観光業界の人が珍しいことをし始めたね、ほかはみんなやってるんだけど、奈良は大仏さんは立たないもんだと思ってたと、そういう言い方されました。そういうマーケットの認識だったんですね。プロモーションについて、大仏様がやっと歩いてきたかみたいな言い方をされて、励ましていただいたんだなと思いますが、それは誘客のプロモーションをした時に、情けなかったのは、なかなか奈良に泊まるという商品を提示できなかったこと。それでも誘客のプロモーションから始めて、ホテルの誘致は、随分時間がかかりましたけれども、ちょっとずつ動いてきたというのが感覚であります。

 その高級ホテルだけではなく、昔の日吉館という立派な、安くて親切なというブランドがイメージとして残っております。今、多少、ならまちの中で松前さんとか、日吉館のブランドが残って、その筋では世界的に有名なわけですけれども、それは奈良の誇りではあるんですが、逆の悪い評判の、修学旅行をぱっと閉じ込めて、ぱっと帰らすといったような商売がまだ残ってるかもしれないということを心配しています。どんどん京都は転換して、個室化とか、ホテル化してきたので、奈良に来た修学旅行生がどんどん京都に泊まるようになってきたという事情があろうかと思います。そのようなマーケットの需要に対抗して、奈良は、バラエティーをいろいろやりながらのホテル整備は今後も必要と思います。その時、奈良らしいホテルというブランドを立てていくというのは必要であろうと思います。

 その抵抗勢力は、いつもどの地域にもあるんですが、奈良は俺たちが機嫌よく商売してるんだから、余計なよそ者来るなと、こういうことがあって、京都の人は、奈良はそれでよろしおますやないかと、京都はちゃんと入れて、とめられもしないから、どんどん入れて、商売繁盛にしますと、これは京都市が中心になっています。京都市はすごいです、もう何度も感心します。奈良の努力よりももっと大きな努力されて、市の公共団体が努力されてるから、すごいなと、もう感心することが随分あります。そんな状況なので、奈良も小さな産業規模ですが、努力は必要と思います。同じようなまちで、抵抗があるのは、鎌倉です。鎌倉はそういう風情だと聞いていますが、奈良は少しよくなってきたかと思います。奈良らしさにこだわって今後も誘客していきたい。

 その資本も新しい資本が、資本というか、奈良で育たれた方が、中級の山のホテルをたくさん作って、流行っていましたが、奈良にもホテル、ふるさとにつくりたいという引き合いがあって、よく知った人だったから、うれしかったですが、奈良は難しいらしいなと言うから、いやいや、昔はそうだったですが、だんだん良くなってます、ということをこのホテルをお勧めする時にも言わなければいけないですが、2つ目の質問に十分に答えれなかったかもしれませんが、そういう奈良らしい立地をしていただけるような努力を県としてもしていきたいと思いますし、奈良市もそうしていただければありがたい。各地もそうしていただければ、南のほうですね、ありがたいなと思います。

司会:
 ほかにはよろしいでしょうか。
 それでは、これで本日の知事定例記者会見を終了させていただきます。
 ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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