平成30年7月24日(火)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 まず、初めに、1件発表案件がございます。
 奈良県サテライトオフィスの設置について、知事から発表いただきます。


奈良サテライトオフィスを開設します!

知事:
 サテライトオフィスの開設のご報告でございます。

 資料のとおり、橿原サテライトオフィスを作りましたが、利用が思ったほどは進まなかったと報告を受けております。そのような中ですが、奈良サテライトオフィスを県文化会館に設けます。県庁のそばなのに、なぜサテライトオフィスを作るのか、ということになるんですけれども、出先の職員が県庁に出張して、会議があります。報告を作成するのに、出先へ戻らなければいけない。出先へ戻って、復命を書くか、後日、紙で書いて復命するということが通常ですが、サテライトオフィスでワープロで打って、メールで送っておくと、復命行為になるといったような構想をしております。そうしますと、出先の職員が県庁で会議があったら、メールで復命しておくと、もう帰宅できるといったような構想のサテライトであると聞いております。奈良県庁の出先事務所には職員が1,500名ぐらいおられるんですけれども、600名ぐらいが県庁の会議に来て帰ることができる。南のほうの出先の職員が県庁で会議をすると、奈良市などに自宅があるという人も結構おられます。県庁勤めだから、生駒だとか、奈良に自宅を求められた方が多いと聞きますので、すると、メールで復命をすると、帰ってもいいとなります。出先1,500名おられる中で、そういう会議の利便ということを想定したものです。そのようなサテライトオフィスを整備いたします。

 このようなテレワークと言われるような分野が県庁の仕事でどのぐらい進むか、実験をしながらやっている状況でございます。橿原のサテライトオフィスは、最初の29年度7月から3月までですが、48回利用がありました。30年度は、4月から6月ですが、3カ月で14回と聞いております。そんなに伸びているという感じではないと聞いておりますが、無理して行けというわけにもいきませんので、その利用の環境、実態が良いのかどうかということ。もう一つは、そういうものに職員の意識が慣れていなくて、やはり復命でも会議でも部屋に戻って、タコ部屋に座らないと仕事が終わった気にならないという意識があり、記者の皆様のような独立自尊の思考のワーキングメンタリティーとちょっと違うところがあるかもしれない。タコつぼでやるよりもタコ部屋が好きなのかって、冗談を言っておりますが、タコ部屋志向があるのかもしれない。それは日本人の群れをなして働く習性と裏腹かもしれませんので、そういう観察をしながら、仕事の仕組みが日本人も変わってくるかもしれません。最後はカルチャーとかメンタリティーにも関係するところがあると思いますが、そういうことも意識しながら、実験を進めたい。まだ実験と言ってもいいような段階だと思いますけれども、その試みの一つとして、県庁のそばでありますが、出先の人の便宜のためのサテライトオフィスを、今日開設することをご報告させていただきます。

 また、民間の人が来られて、民間の人も同じことだと思うんですけれども、民間の人と一緒に会議をされる時に、この県庁の中でモバイルをされる方もありますけれども、これは県庁のサテライトオフィスですが、県庁職員だけが利用するのではなく、これはまだ報告を受けていませんが、民間の人も利用しても良いのかなと。一般の人にするか、県庁で会議があった人とか、文化会館利用者で、会議される人に利用を拡大するかどうか、まだこれからの話で、サテライトオフィスとまたちょっと違う意味が入ってくるかもしれませんが、そのようなことをしてもいいかなと思います。文化会館という公の施設で会議の場を提供しておりますので、その会議の施設の一環として、そういうサテライトオフィス兼務のモバイルオフィスの提供をしてもいいかなと、今内心思っておりましたので、ちょっと思っているだけの披露でありますが、以上、報告です。

司会:
 ありがとうございました。それでは、発表案件に関するご質問よろしくお願いいたします。

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質疑応答

奈良サテライトオフィスを開設します!

時事通信:
 最後おっしゃっていたアイデアのところで、それは県庁の会議に出た民間人がここを使っていいのか、それとも、単純に全く関係なく民間人が普通に使っていいかというとどちらですか。

知事:
 もとは県庁のサテライトオフィスなので、県庁職員が利用してという県庁のこの部屋の一画だけですが、実態を見ると、県庁だけの会議もあるし、官民一緒の会議もあるので、どうぞということで、今その発想を伸ばしてもいいかなと思い始めているということです。実験の段階なので、今日のご報告は県庁職員のサテライトオフィスという名前をつけています。サテライトオフィスでも県庁で、ここで持ってきたワープロを使ってはいけないというのではないので、民間でも、オフィス機能を県庁とか、公の施設で、そのようなミーティングをして、そこで仕事をされてもいいんですよと。オープンにすればいいのかなと思ったりしてるんですけれども、例えば、婦人会館とか、NPOの会館。すると、そこは占有される傾向があるんです。私たちのオフィスだといって、ほかの人が入ってはだめだと民間の人が使う傾向がありますが、会議場みたいなのだったら、オープンで、登録制は要るかもしれないけれども、誰でも今日は使わせろというような仕組みか、あるいは、皆さん共有のオフィスで使いなさいというので管理をするというやり方もあると思います。我々の公のファシリティーを提供しているもののあり方を、このテレワークの世の中になってきた時の展開の仕方というのも知恵が出るような気もいたしますけれども、まだ県庁の部屋の延長だというような段階のようにも思いますが、今展開をして、段階的には県庁の会議で帰った人などを想定いたしますけれども、例えば文化会館で会議をした人、県庁の人が入ってなくても使っていいよ、あるいは、そういうことがなくても使っていいよというところまでいくと、いや、いつもそこに来て使うんだという人があると少し行き過ぎかなというところまでありますのでというような試行の段階であります。

時事通信:
 橿原のサテライトオフィスの利用者があまり伸びていない状況で、県庁のすぐ隣に作って、そんなに効果があるのかなという気もします。

知事:
 そうですね、少し様子を見てみないとわからないです。橿原もサテライトでやることについても、まだカルチャーが続いているのかなと思ったりもしますが、ワークライフスタイルの進展があるかもしれません。若い人が使いたいと思っても、年配の人が何でそんなところに行ってるんだ、ちゃんと仕事してるんかと一言言われちゃうと、やっぱり嫌みに聞こえるので、皆さんはそう言われないですよね。姿は見えないですが、デスクが仕事してるのかという、紙を見ろといって送れば済む話だから。紙を見れば話が済むほうがいいかなと私は思いますし、この組織は要は物を見ると仕事のやりとりは物でわかるわけなんです。だから、座ってるだけで仕事しているというのは、時代遅れかなと個人的には思います。言葉を言ったり、議論をしたり、意思を伝えたりを重ねることで、仕事が進むと思いますので、そのコミュニケーションの仕方の流儀は日本の組織文化ではまだまだかなと思います。いろんな流儀があると思いますけれども、役所、組織文化というものもどうなるのかということも個人的には関心持って、やり方をこうと思って変えるほど流儀が固まってませんが、ICT時代にどのように仕事のやり方が変えられるかというのは、日本全体のチャレンジだと思います。このようなチャレンジは本当にささいなことでありますけれども、そのようなシチュエーションだなと思って受けとめております。

時事通信:
 このサテライトオフィスの働き方を普及させるためには、職員の意識を変えないといけないと思いますが、特にタコ部屋に入って仕事しないと仕事をした気にならないとか、そのあたりを変えないといけないと思います。知事、どのように意識を変えてもらうように働きかけられるおつもりですか。

知事:
 そうですね、ちょっと話が深くなってきましたが、大事な点だと思います。仕事の仕方は、コミュニケーションと言いましたけれども、役所や組織は、上司がいますので、上司が何をして欲しいのか、ミッションと呼んでますけれども、ミッションが明確になっていないと、何していいかわからないと。今までどおりやれということかといって、人事異動があっても、あまりミッションを明確にしない風潮が日本の組織はあるように思います。すると、年配の人は、自分たちがさせられたように若い者がしてくれればと思って続いてるかもしれない。そういう組織は結構あるようです。その時に、いや、今はこのようにしないといけないと思う上司もいて、まだらになってきています。若い人は、どちらの上司に従えばいいんだろうか、わからないまま佇むといったような組織文化もあるかもしれない。それを打破するといいますか、明確にするには、コミュニケーションがとても大きいと思いますが、こういうミッションだからこうしてくれよ、それを個別に出すのは大事かと思います。

 もう一つは、ミッションはこちらから、上司が、デシジョンメーカーが自分でデシジョンをしないといけない役目をもらっているという自己ミッションの認識がないといけないわけなんです。それをこのデシジョンメークをするから、こんな調査、情報を集めてくれというミッションを出して、その周りのいる人たちは、そのバトルフィールドのインフォメーションをできるだけ分析して、デシジョンメーカーに渡す。これが組織の、軍隊ですけれども、大きな強い組織の一つのパターンだと私は思っていますが、そのコミュニケーションがスムーズに楽しくできるというのは、組織のカルチャーと思います。そのコミュニケーションであれば、酒を飲んでとか、面と向かってしか日本人はコミュニケーションできないのかと思われているところがありますけれども、もう少し言いたいことを言い合ってというコミュニケーションのパターンはあろうかと思いますので、そのようなコミュニケーションのパターンが日本で進展するか、その中で、ICTが利用できるかどうかというのは、働き方の改革の大きな要素だと私は思っていますが、この知的な情報で仕事をするような組織は特にそういうことがあるのかなと思います。

NHK:
 イメージを伺いたいのですが、ほかの人がサテライトオフィスを利用するというのは、パソコンまで貸し出すのか、料金を取るのか、そのあたりはどう考えてらっしゃいますか。

知事:
 それもあると思いますが、パソコンはコネクションというか、ネットに入り込めるパソコンもあると思います。だから、パソコンはパソコンというだけで、パーソナルなものであるのが本質的なところもあろうかと思います。一方、モバイルで、例えば電話機というのは、通信ツールだけです。通信ツールとしてだけなら、パソコンを貸しても別にいいと思いますが、パソコンの機能にはネットワーク機能もあります。アプリの中で、怪しげなものを置いておくと、いや、ここに植えつけておこうと、見えないところでとにかく電源をオンにすると何だかやってることが全部流れてくるという仕組みをされると困ります。僕、素人ですが、そういうことぐらいまでは想像つきますので、ちょっと慎重にしないといけないという感覚はあります。

NHK:
 ネット回線を提供するみたいな、フリーWi-Fiとか。

知事:
 そうです。まず、そういうイメージがあります。

NHK:
 無料開放のフリーWi-Fiですか。

知事:
 無料開放のフリーWi-Fiだと思えば、街でもやってるから、オフィスでフリーWi-Fiであると。すると、フリーWi-Fiは街でやるのにすると、今の話の延長だったら、サテライトオフィスから随分離れてきますが、ここだとフリーWi-Fiが使い放題だと、クーラーのきいた部屋でとなってくると思いますが、それが県庁でそういうことをしても別にそれはおかしくないような気がします。すると、フリーWi-Fiだけだったら、ネットワーク機能のある人たちと、県庁はネットワーク機能で、県庁のネットワークの中でのデバイスだとそれはそれでいいんですけど、ちょっとそこの境が今みたいな発想をすると、オープンになって、逆に侵入があるかもしれないというようなことも懸念になりますが、私の発想が行き過ぎているかもしれないので、まだそれは決めておりません。まだサテライトオフィスの公表の段階ですけれども、しかし、施設の利用の仕方というのは必ず話が進むだろうからと思って、ちょっと思いつきを申し上げて大変失礼しましたけれども、いずれそのような時代になってくると思います。通信をどのように一般利用するかということです。

司会:
 よろしいでしょうか。
 それでは、その他の案件も含めまして、ご質問をよろしくお願いします。


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IR法案成立について

時事通信:
 先日、国会で統合型リゾート、IR法案が成立しました。まず、それに対する受けとめと、以前の定例記者会見で、奈良にはカジノはそぐわないというようなことをおっしゃってたと思いますが、そのお考え、まだ変わらずでしょうか。

知事:
 そうですね、IRを解禁すると、賭博法の例外という形の法規制の解除だと思いますけれども、賭博法の規制解除は、今まで公営ギャンブルという形でされておりました。競馬、競輪、競艇ですけれども、あとはパチンコもギャンブルだと思いますけれども、そのようなものを制限して解禁ということでありました。今度はカジノという形の解禁をIRというのに、総合型、ほかのリゾートもあるように、リゾート施設もあるという条件、環境条件をつけて解禁するということだと認識をしています。これは、多分ラスベガス等、カジノ中心だったのが、今ファミリーカジノといいますか、あれをイメージされてると思います。家族が行きやすいリゾートで、カジノのまちから発展したのがラスベガスですけれども、カジノがあるということの本質はどこかに入っている、それが危惧されていると思います。

 そのような認識はあるということでありますけれども、それと、IRは、そもそもどうかという議論があるという見解をおっしゃっていますが、IR自身について、今そういう認識の上でやってよかったのか、やらないほうがよかったのかというほどのことは、まだちょっと自分自身はわからないです。IR議連、自民党の政調でIRの検討の小委員会を作る時に、小委員長になれといって岩屋先生に言われた。観光でやっていて、しかし、僕は郵政の民営化で棄権をしたから、処罰を食らって、そういう役職につけない時期だった。おもしろいですね。考えないといけないと思っていた時で、あまり考えが変わらないうちに、もう流れ流れてしまったので、あまり考えが深まっていないということが足元の実情なんですが、考えないといけないかな、ご質問があれば考えたようなそぶりはしないといけない、あまり正直、考えが進んでいないということが実情です。IR、流れとして、ラスベガスのようにカジノ中心からファミリー化されてきたのが世界の流れだなという感じはします。そのような流れの中だったら緩和されてできるんかなという感じはありますが、依存症があるというと、公営ギャンブルもありますが、どういうふうに考えるんだろうかって。その事例をパチンコは民営ギャンブルですけれども、それをどう考えるかということも含めて、IRだけの話じゃないなというのは感想です。考えということにはなりません。

 もう一つは、それでは、奈良にIRを誘致する。3つしかないという中で、奈良というのは観光地とか、地区のイメージがあると思います。IRというインテグレート(統合)するものの、インテグレートするほかの要素はどういう要素かというと、奈良はあんまりそういう要素がないです。カジノのあるところ、ラスベガスみたいな砂漠の中で、ほかに何もなくて、劇場とか、すごいショーとかが一緒になったホテルとか、大ホテルがあるというのは大きな大規模IRというようなもの、そこからヨーロッパにあるように、カンヌとか、南仏のリゾートにカジノ、重厚な建物があることが多いです。カジノで、そこ、ああいう高級リゾートを訪れる人は、ヨーロッパの金持ちの年寄りみたいなものがあるんです。そういうところで、ヌーディストビーチで裸になったり、カジノをしたりというようなものがファッションです。それも日本でそこまでいくかどうか、あまりまねしても、そんな日本人らしい、あるいは世界の人を楽しませるやり方、だから、日本人がどれほどか、外国人はどれほどかということが議論されている面があります。奈良はあまりそういう雰囲気のIRというものにはふさわしくないのかなと。しかし、奈良にもパチンコ屋があるじゃないかと言われたら、そのとおりだと思いますけれども、インテグレートする要素は低いんじゃないかなと思っています。それは変わりません。

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災害報道の氏名公表について

NHK:
 西日本豪雨で、今回200人を超える方が犠牲になっています。この方々の実名を公表するかどうかで、県によって対応が違っています。奈良県は今回残念ながらお一人亡くなりましたが、今後同じような大災害が起きたときに、奈良県としてはどのように公表するのかという基準づくりも含めて、お考えあればお聞かせください。

知事:
 基準づくりが要るかと思います。しかし今のところ、奈良、実例の数は多くありませんが、西日本の災害で議論が発生していることを承知しています。「行方不明者」には、『行方不明者』と『安否不明者』の二つの意味が含まれているようです。『行方不明者』は、行方不明になったことが確かである、『安否不明者』は、行方不明として探索する必要があるかどうかまだ不明だという意味です。どこかへ旅行しているかもしれないという違いがあるということです。多少この後でどうするか、影響があります。「行方不明者」は死亡が確認されない段階の行方不明者ですので、この段階の氏名公表については、西日本の豪雨のことをいろいろ勉強するようにと指示しております。この行方不明者についても防災統括室が今のところ調べて、対処の相談を受けております。

 今の時点での考え方にすぎませんが、氏名の公表はメリットもあるし、デメリットもあると考えております。氏名公表することで、探索しやすくなるのがメリットと聞いております。またデメリットは、ご家族の意向が個人情報とも言われますが、その個人情報の意味は公の意味という面とのバッティングという、個人のご家族の権利をどのように守るかが内在されているように思います。ご家族の意向というのが大きな意味を持つ分野と思います。

 行方不明者の探索で、意向が分かれておりますのは、ご家族の意向に沿うか沿わないかという点が大きなポイントだと思います。その点では、奈良県の今のところの考え方は、ご家族の意向に沿うというほうがいいのでないかと思っております。おっしゃるように、対策の要綱、氏名公表についての考え方を明確にする必要もあろうか思っております。ただこんな考えを述べるだけでなく、明確にする必要があろうかと思っております。今、西日本でいろいろ議論が進んでおりますので、それを注視はしております。

 話戻りますが、氏名公表についての今の時点での考えは、ご家族の意向に寄り添うのがやはり大きなポイントと思っております。そういうことであれば、ご家族の行方不明者の探索としてメリットがあるけれど、氏名公表して探索するのは控えてほしい、見つかれば知らせてほしいというようにご家族の意向であれば、それに寄り添うしかないと今のところ思っております。

 ただ、氏名公表するとわかりやすくなると言われております。じゃあ、具体的にどのように何がわかりやすくなるのでしょう。探索しやすくなる感じは受けます。生きておられるかもしれません、もしくは生きてる姿を見たよと、その名前だったら、ということにつながるメリットがあるかもしれません。メリットの実際をフォローしないといけないかなと指示をしています。

 すると、ご家族の意向が探索してほしいという人と探索してほしくないという人の割合はどんなものなのか、その理由はどんなものなのか、わかる範囲で調べるようにと指示をしています。そのメリット、氏名公表したときのメリットの増加、効果の増加はどんなふうに発生してるのかを、わかる範囲で調べてくれと言っております。逆に氏名公表のデメリットは、具体的にどういうものが発生したのかは、実際の発生がどのようにするか、わかりにくいところもあるんですけど、わかる範囲で調べてくれと言っております。

 これは先行事例が西日本で今進んでいますので、それを受けて、奈良県の意向を確立していきたいと思っております。しかし、基本的にはご家族の意向を尊重するというのを、今のところ基本にしたほうがいいと思っております。

NHK:
 今のお話、念頭にあったのは多分行方不明、あるいは安否不明ということだと思うんですが、亡くなられた方に関してはどういうふうに考えますか。

知事:
 同じことです。亡くなられた方についての氏名も、この大災害だけでなく、自殺も同様です。

 奈良県でも最近自殺者がおられましたが、自殺者の方の氏名公表差し控えてくれとおっしゃられ差し控えた事例がございます。やはりご家族の意向は尊重するというのが、それも含めて、基本かなと今思っております。それを上回る公の理由があるかどうかということにかかってると思います。

 亡くなられた方と行方不明者、生存者は皆喜びだから、公表いいでしょうと言えると思います。みんなで喜ぶ、生きてたことを知りたい人も多いので、デメリットよりメリットが大きいと思います。

 行方不明者の段階の氏名公表のメリット、デメリットというのは具体的にもう少し考えないといけないと思います。亡くなられた方の氏名公表は、本人よりもご家族の意向があると、それに従ってるのが実情であります。災害の安否不明者、行方不明者についてもご家族の意向に従うのが基本かなと思っております。もう少し調べて、確立をしたいというふうに思います。

NHK:
 そのメリット、デメリットを考える際に、ぜひちょっと含みおいていただきたいのは、報道機関が実名で伝えることの意味という部分が我々はあると思ってやっているので、その部分もぜひ防災統括室に考えていただければありがたいなと思っています。

知事:
 突っかかるようで悪いけど、個人的にはあんまりないように思っています。

NHK:
 そういう議論になるんだろうなと思いつつ、ちょっと言いたいのは再発防止につなげるですとか、風化させないとか、いろんな意味を、気持ちを含めて我々は伝えております。

知事:
 だから、メリットを具体的に証明されたほうがいいと思います。報道機関発表にはこういうメリットがあるから氏名公表を、ということです。たとえば、こういう事件があると、こういうタイプがあるから、二度と起こさないようにという報道は、おっしゃるようにすごくメリットがある。氏名公表のメリットは、かくかくあるということをぜひメリットを証明してください。

 また、あらぬことを探索されるのは嫌だというご家族のデメリットをどう尊重するかというのと、もう(デメリットが)随分あるじゃない。すごく大きな焦点だから、僕はあんまり(メリットが)ないように思っております。憲法21条になると思いますが、集会、結社及び言論、出版、その他の一切の表現の自由は、これを保障すると書いてあるね。これは、今言ったみたいに、デメリットを直接書いてないんだけども、その他というところで、そういう今の話が入るかどうかということかなと思っております。これ、条文から……。

NHK:
 表現の自由というよりは、知る権利に応えたいということです。

知事:
 知る権利というのは何ですかという。その憲法の根拠はこれじゃないですかということを今言っているから、憲法以上の根拠はないわけなんだ。表現の自由というけどね。これを保障すると書いてる、これは政治的なマニフェストです。

 今は社会的なメリットとこう言っておられるので、社会的なメリット、新しく出てるので、知る権利というのはどういう権利ですかということはもっと探索されないと。具体的に言われたほうが僕はいいと思う。それがデメリットが大きいと僕はブロックせないかん立場にあると思います。

 表現の自由、知る権利ってオールマイティーではないです。メリット、デメリットの比較、憲法で書いてあるのがこの程度だから。これは政治的なマニフェストだと思います。

NHK:
 この議論は別途またさせていただきますが……。

知事:
 そういう議論はせないかんと思います。

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土砂災害警戒区域

NHK:
 土砂災害警戒区域の話で、今回広島で犠牲になられた方の多くが土砂災害警戒区域の中に住まわれていたと。奈良県ももうイエローがほとんど指定済んでますが、どうやってそこにいらっしゃる方にそれを知らせるかというところがすごい大きな課題になっています。何かこれを機にいま一度伝えるような何か取り組みができないものか、あるいはメッセージを何かこの場でいただけませんか。

知事:
 これを機にとおっしゃったので、この西日本の事情で、どうして生死を分けたのかということにすごく、もちろん立場もそう、関心があります。生死を分けるようなことになったのはどういうことなのか。災害の対応は、人災要素をできるだけ減少すると。わかりやすく言うと、天災だ、人災だと言われるじゃないですか。天災要素もあるし、人災要素もあると言われます。

 責任者(行政側)は天災要素を大きく言って、皆さん(報道側)は人災要素を大きく言う傾向はあることは間違いありません。ただ真実はどうなのかがとても大事なので、僕らの立場は人災要素を減少させる必要がある、義務を負ってると思ってます。だから西日本の大災害の人災要素はどこかにあるのか、それで人災要素の責任を問うというのに、もし人災要素があるなら再発を防止しようと、とても大きなことだと思っております。そのために、今の土砂災害警戒区域も含めて、今後の対策に役立つような研究をするようにという指示をしておりました。この機会にということでございます。きょう改めて指示をしました。彼は防災統括室長ですが、こういうふうに書いて指示をしたということにしております。

 「これを機に」とおっしゃったんで、これを機に何かできないかということを記者会見のときに内部報告受けると、それを機に指示すること結構あるんです。そのほかはあって、そのときに指示することもありますが、やっぱり記者会見のときは非常に進んでる、一番進んでることをご質問されるので、反応せないかんという思いでやってるので、ちょっと至らない、詰めが甘いところはもちろんあるかもしれないんですけども、指示は大事だと思っております。今回の防災対策に対する、これを機に考えてることは、警戒区域の見直しとかないだろうかというご質問のように思いました。

 今までは調査の指示をしておりましたが、これを機に、奈良県防災緊急対策大綱のようなものをできないかというまとめの指示をいたしました。

 まとめとは何かというと、一つは今の話で、今度の災害の原因になったのは、河川の水についてです。河川、ため池があふれたとか、不十分だったとか、土砂崩れがあったと、とりあえず見えてるのはその3つかなと考えております。

 河川があふれた、遊水地が十分じゃなかった、それから、土砂崩れがあったと、水関係です。そういうのがどこでどうしてそこであふれたのかということを検証すると、同じようなことが奈良で起こらないかというふうにつながるわけです。同じ雨が降ったら、正直あふれたり、壊れたりするんじゃないかと想像して、本当にぞっとしてるんです。

 だから、それを検証して、チェックをして、同じ雨が降ったら、奈良はどうなるのかということをチェックをして、整備を、対策を講じるというのは、これはとても大きなことです。それを指示してましたが、それを対策としてまとめられないかということを改めて今の緊急対策大綱という、もちろん仮称ですけれども、まとめられないかと指示いたしました。すぐに、調査なしにまとめろといっても、文章が上滑りするから、調査をして、約一月近くたちました。今後も調査しますが、秋の虫の声が聞くころにはまとめられないかというようなタイミング感でというところまで指示しました。

 それが一つの大きなことで、もう一つは、避難の仕方で随分生死を分けたというふうにも見えます。生死を分ける避難の仕方について、十分準備をされたところはセーフ、そうでない、安心してるところはアウトでした。

 奈良は安心をしてる、奈良は来ないんだと思っているそういうメンタリティーが強いので、とても心配してます。来ればどうなるのと、いや、来ないんだといわれます。もう怖い地域だと本当に思ってます。同じ雨が降ったらこうなるよということを、これは一生懸命力入れなければと思っております。気持ちの変え方、「災害来ないんだ」ということから、本当に広島も「災害来ないんだと思ってました」と言っておられるじゃないですかということを一生懸命言おうかと思っています。気持ちの準備が生死を分けたということにもつながるかもしれません。ただ、政治はそういうことを言いにくいと、市町村長の皆が思っております。だから先ほどの警戒区域の見直しとか、上の空なんですよね。「そんなの見直しても、うちには来ない」と思っている人を「本当に来るかもしれん」というところまでグレードアップするのは、どうすればいいかと考えております。本当に怖いと思って、どのように展開すればいいか、本当に躍起になってるんです。だから、警戒区域の指定の見直しだけじゃなしに、もう気持ちの見直しまでつながらないかと躍起になっております。

 それをどのようにすればいいか、主に大きな項目、ハード的なのと、ソフト、気持ちの持ち方、まだちょっと詳細に言うとできるかもしれませんが、とりあえず調査をして、実証的にわかることをまとめて、対策大綱という形でまとめられないかと指示しております。それをまとめて、虫の音が聞けるころには、県・市町村サミットにかけられないかと考えております。

 県・市町村サミットで市町村の意識を確立するというのが大きな仕事かなと、今物すごいおびえております。あんなに雨が降ると、奈良、大変だという、おびえの気持ちが強いから、そういうような気持ちが残ってるときに、奈良には来ませんよと言ってる人たちの気持ちと対峙しなきゃいけないというような気持ちで、こちらはそういう気持ちを僕らの立場、壊しちゃいかんと、学ばないかんということで、私自身は皆さんの記事が災害の事象報道から分析報道にちょっとずつ変わってきており、集めております。同じように、どうして土砂崩れが起こったのか、その原因対策までを僕らが行くよりも、余計、今の時期はマスコミの報道がすごく分析的になってきております。それを切り抜いたのを自分自身で集めています。

 土砂崩れについての報道は、どれだけどの紙が分析が深いということは言いませんが、それぞれ担当の人が熱心に調べてるのは、物すごい意味があると私は思っております。集めた記事をそれだけでもすごく意味があるので、同じような種類の記事を集めて、こういうふうに大ざっぱにでも観察できるんだなと思って、そんなことをして、僕の立場からの検討材料にしようと集めております。現実に担当が同じように調べてくれるんだけど、僕と競争して調べようよというようなスタイルで、僕はマスコミの分析記事を集めて、なるほどと、線を引いて読んでるんですよ、そういう意味でね。

NHK:
 防災緊急対策大綱は、これは西日本豪雨個別の対策をまとめるという意味ですか、それとも、災害に関して奈良県はいつもどう対応するかという手順を定めるものでしょうか。

知事:
 奈良県の防災は、吉野、紀伊半島であった土砂崩れ、深層崩壊みたいなもの、そこから大和川の水害、それと、直下型の地震、その3つが大きなターゲットだと思ってました。しかし今度は主に水ですよね。水を中心に、地震といってもまだいきませんので、この西日本の教訓を集めて、奈良県の対策に役立てようというだけのものです。

NHK:
 水に関してということですか。

知事:
 水が中心です。広域になると、津波とか来ないが、どれだけ救援できるかということも含めてです。救援をどんなふうに体制をつくっておくか。

受援ができるのは、救援できるからだというふうに思ってます。受援体制と救援体制とは裏腹だと思ってますので、できるだけ奈良県でなくても、津波とか、どう救援できるのかということも考えております。

 これは水関係ということで、水が大和川からさかのぼってくるとか、大阪湾にあふれるとか、さあ、どうするのかと。いや、うちまで来ないよ、さすが大和だなんて、そんなメンタリティーじゃ困るなというのを言いたいんですよね。

 人を助けないと助けてくれないよというようなメンタリティーにならないと、ちょっと余計なことですけど、そういうのが、実はそういうメンタリティーが遊水地の整備の土地を手放さないとか、そういうのにつながってると思います。

 もうそれはじかに話しするとよくわかったから、もう罰が当たりますよと、水が来るかもしれないじゃないですかと言っても、来ませんからというのは困ったもんだと思っております。

 それと対峙せないかん奈良県の事情があるので、これはいい機会だと思って、こんな雨が降ると大変ですよと。みんな油断しててああなったんだからと、こう言いたいです。

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熱中症対策及び学校への空調設備設置

NHK:
 今熱中症が非常に猛威を振るっていて、一つの災害ですというような話で、一部報道だと、この3日間で100人近い犠牲者が出られていて、奈良県も死者の公表とかされてますけれども、例年と変わらない注意喚起になっていますが、何かもう1個トーンを強めて、警報を出すとか、何かしらの注意喚起のメッセージを出せないものかなと思うんですが、いかがでしょうか。

知事:
 大事なことであります。

 熱中症対策ですが、報告を受けましたら、この最近までの統計、熱中症の緊急搬送人数ということで出ております。被害、緊急搬送人数ということで出ています。最近、暑くなってから7月22日までの報告で775人と聞いています。とりわけ先週1週間の搬送人数は426名と、すごい人数で、この平成23年以降、熱中症の搬送という統計を取り出して、最も多いということで、こんなに起こってるということは、奈良県でも数字で裏づけをした次第ですが、そのとおりでございます。その結果、死者が2名、重症者27名、中等症254名、軽症492名、これは775名の内訳ということで報告を受けました。

 重大な事態になっていると思っております。さらに重大な事態の特徴は、775名のうち高齢者が374名で48%と報告を受けています。その熱中症発生の場所が、住居が42%、4割が住居の中で、屋外に出てて、パブリックで出入りできるところが18%、それから、教育機関が約10%、との報告を受けています。

 その対策というのは、緊急の対策が必要かと思いましたが、自宅の場合は、やはり注意をしてもらうということが大事ですので、その注意を促すことをさらに重ねていきたいと思います。

 それから、もう一つは、学校です。10%程度ですが、課題になっているエアコンの設置です。それもこういう熱中症があるからエアコンの設置についても、緊急にというか、対策が進むようにと、緊急整備対策のようなものができないかと思っています。学校であるのは10%だけども、ご家庭にエアコンもつけろと言わない、エアコンを節約しないようにとか、水を飲むように、エアコン切って亡くなった方もおられますので、エアコンを利用してというようなことを言うからには、学校のほうでも、10%だけども、小・中学校でのエアコン整備というのも課題だと思います。

 ご案内のように、県立高校では、地方消費税の清算基準の配分が増えたことをきっかけに、緊急対策をしようということで、県立高校では32年度で2校を除いてエアコンの設置が完了します。これはもう今まで申し上げた。2校が残るのは、改築と一緒にやるというので34年度まで残る学校が2校あります。山辺高校と大宇陀高校だと聞いています。2校を除いて、県立高校はそうしましたが、小・中学校には、同じように、緊急にやってくださいと。市町村も消費税がある、もう一つ言ったのは、教育予算の未就学児の教育予算は、国が無償化に向けてやりましたので、市町村がやっておられたお金が空くじゃないですかと。それを使われたらどうですかと、おせっかいまで言って促している。県は、市町村振興資金の貸し付けはしますと言ったが、聞いてみると、あまり進んでいないようです。促しても進まなかったという状況なので、それでどうしようかと。

 市町村の小・中学校のエアコン設置をどうするかということが課題に、県は、直接課題ではないが、奈良県の課題というふうに見えています。そのために、今日ちょっと指示したのは、市町村が整備しないのは、県もそうだったけど、財政事情というのが大きなことなので、促すだけでは難しいというので、財政の市町村振興資金の貸し付けだけでは弱いと思われている。

 教育の代替もあるのだが、まだ目の前にならないと、ほかでも使いたいからということかもしれないので、事情は、詳細はちょっとわからないところがあります。そうすれば市町村、小学校のエアコンの整備についても、例えば緊急整備対策の財政支援スキーム、これは県の財政支援緊急整備対策、市町村小・中学校エアコン緊急整備対策への財政措置スキームの検討ということはしてくださいと、先ほど指示しました。

 それは、市町村でやってくださいよというのは、教育委員会なんでね。教育委員会はお金がないから、これを使ってやってくださいよというところまで言えないでしょうと、そういう会話はしています。すると、県の組織として財政支援、市町村振興が絡む。市町村振興課に、きょうは間接的だけども財政支援スキームの検討を、市町村振興課に具体的な名前までミッション上げて検討をしてきました。どのような財政支援のスキームなのか、ちょっとわかりませんが、熱中症対策については、官房長官が小中のエアコンに補助検討と、緊急の課題と言っていますので、そう指示したのは同じラインだなと思って、よかったなと思ってその記事を見ました。

 改めて公でできること、ご家庭の症状、緊急搬送という、統計でとる限り48%がそういう事例がある、高齢者が48%というようなことでありますので、ご家庭の対策というのは大宗を占めるわけですけど、10%の緊急搬送にならなくても、生駒市でありましたように、教育機関の熱中症対策マインドが低い可能性があります。エアコンもそうかもしれないが、マインドが低い可能性あるので、こういう整備を促すのは、そういうマインドを促すという面もあろうかと思って、どんな助成ができるのか、これからですけれども、緊急財政措置の検討を指示しました。

NHK:
 国の話はありましたが、国とは別のラインで県独自でっていうお考えを最初持って・・・。

知事:
 そういうことです。

NHK:
 国からお金が回されればますますという話し。

知事:
 そういうことですね。国が補助するならやるよっていうのが少し貧乏な公共団体の構えです。だから、市町村も、手が回らないという、財政的に手が回らないといつも二口目におっしゃるので、緊急の場合は何か県でできるかどうかっていうことを検討しました。国が出てくれば未就学児の場合と同じで、未就学児の補助は町村やっていたので、国が出ればそれは助かる。地方がやって国が後追いしてくれれば、その分助かる、ほかのこともできるというような最近の様子になってきた。それも一つです。地方で積極的にやっていると、国が出るのを待ってやるか、地方が先に出て国の支援を促すかどうかっていうのと、違いはあっても、地方が出てもいいよと。国が来るかも、来ればいいんだけど、来ればやるよっていうのではなく、来なくてもやるぞという気概があると、ものが進むということは色々な小さな事例でわかってきていますので、今回も大事だと思ったことは、県ができる範囲になりますが、何か助けることはできないかという、ため池もそうです。緊急内水対策事業も、そのように思っています。

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土砂災害警戒区域

奈良新聞:
 土砂災害警戒区域のお話が出てましたが、1万何カ所、レッドゾーン、イエローゾーンの分け方をやってて、今、基礎調査とかも進めて、時々、各市町村の経過を報告もしていただいていますが、期限区切ってその基礎調査と、それからレッドゾーンの特別警戒区域の指定を進めている。それこそこういう機会があって、急がせるべきではないかとか、その辺はいかがですか。

知事:
 西日本の災害で、土砂崩れに襲われたのは古い家だけではないように見えます。最近建った家が、土砂が流れて押し流されたような気がする。すると、どうしてそういう危ないかもしれないところに家が建ったんだろうかと、奈良で同じことがないだろうかということが一つの探索の道です。レッドゾーン、イエローゾーンといったら後で分かるが、前から分かっていれば、そこに家を建てなかったかもしれないということは、今の事情です。せっかく買ったのだからレッドゾーンと言われては困るというのが、買われた方の実情なのです。正直に言うと、危ないことは誰かが知っていたのに安いからっていって買わされた、買わされたっていう言い方は変だが、買ってしまわれたっていうことじゃないですかと、露骨にいうとそういうことになる。広島でもそういうことがあったのかということが検証する一つのポイントであります。

 原因はそういうことであったにしても、ではどうするかというのはまた困難です。レッドゾーンだと言ったら解決するかっていうわけでもない事情にありますので、あのような大雨が来ると、とにかく家は流されると、買わされたと言ったところでもう仕方がない話になってしまう。すると、これから対策は、想像ですが、レッドゾーン、イエローゾーンになったら、あとどういうことになるんかっていう道筋もある程度想像で、これは公にそういう対策は出るのかどうか、民の話だからなかなか出ないが、そういうところに家を建ててしまったっていうのは古い話だから、なかなかもう、西松ヶ丘とか三郷でわかって10年もたつと設置者責任はもうなくなってしまうので、時効になってしまうんですね。10年たつとなくなってしまう。

奈良新聞:
 それはわかるんですけども、だから、今、私がちょっとお聞きしたかったのは、そういう調査がまだ、県の調査も1万900何カ所の調査が今、途中段階なので、その調査自体はもっと急がれるのかどうなのかということをお聞きしたかったんです。

知事:
 調査の阻害要因は、うちはそんなことはしてほしくないという気持ちの話だと私は思います。せっかく買って建てたのに、赤だなんて言ってくれるなと、こういうのがすごく抵抗ある。端的に言うとそういうことです。それを乗り越えて赤だというと、まあ、どうなるのかということです。

 そういう気持ちとの勝負というか、前にこんなところでどうして建てて売ったんだってことにも気持ちは遡りますよね。後でレッドゾーンなんて言ってくれるなっていうのが気持ちの進まない大きなこと。

奈良新聞:
 既にレッドゾーンが3,000カ所ぐらいでしたっけ、県内で指定されてるのが。まだ基礎調査やってて判定を待ってるところもあるとか、その作業というのは、基本的にいろんなことを、そこが危ないのか危なくないのかって判断する基準になるとこですから。

知事:
 大きなのは、基準は相当できている。住民の人との折衝で時間がかかってる。端的に言うとそういうことですよね。嫌がっておられるという、レッドゾーンの指定を嫌がっておられる。

奈良新聞:
 いや、調査のほうにばっかりちょっと・・・、ため池のほうでも、県内の防災拠点ため池114カ所のうちの、今のところ29年度段階ですけども、ハザードマップの作成は39カ所しかできていない。それから、ハザードマップも県内では1カ所しかできていないっていうようなことも含めて、いろんな基礎調査的なことっていうのは、できるだけ早くしたほうがいいんじゃないかなと思って。

知事:
 調査は早くできますよ、調査は早くできる、奈良県は特に、調整が遅い。

奈良新聞:
 調整が。

知事:
 よくご存じじゃないですか。奈良県はすごく難しい。

奈良新聞:
 そうです。

知事:
 災害も、この間からとおっしゃると、それで危ない危なくないの判断がとまってしまうので今とても、焦るほど恐れてるっていうのは先ほどの気持ちです。すると、危ないぞと言ったら済むのかっていう点まで考えなければならず、危ないぞと言ったところで、さてどうするのかっていうとこまで考えないとその調整が進まないのではないか。調査は進んでいるが、調整が進まないというのが私の感じです。

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電力供給状況について

奈良新聞:
 電気のほうですが、今年はまだ節電協議会とか何にも立ち上がりませんが、大丈夫なようなんですか。

知事:
 そうですね。節電協議会はないですね。

奈良新聞:
 静かだなと思っていたのですが。

知事:
 供給ではなく消費が伸びるからですか。その情報は全然来てないから大丈夫かな。

奈良新聞:
 何か関電も静かだなと思ったのですが。

知事:
 いや、おっしゃるとおりです。供給ではなく消費のほうが伸びるから、供給の予備率が3%以上か、ちょっと調べます。まだ報告は来てない。

奈良新聞:
 何かこれまで、もうちょっと早く節電協議会の立ち上げがあったように思うんですけども。

知事:
 いつもやってますからね。今年の節電協議会はする必要がないのかどうかを調べます。すぐ折り返します。多分大丈夫ではないのかな。

 原発が稼働したから余力ができた、いろんな余裕ができて、節電協議会って名前じゃないんだけど、協議会は残ってるんだけども、節電っていうことはなくなりましたということで、そういう名前の会議はしなくなったんです。だけど、する必要があるんじゃないのというご指摘だから。

奈良新聞:
 わからないので。

知事:
 あっ、そういえばそうかもしれないというのがちょっと今、とっさの反応です。ちょっと調べて、電力不足になりそうだという報告受けてないから、うかつでしたが、大丈夫かなと思ってたっていうのが今のところですけども、ちょっとチェックいたします。

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熱中症対策及び学校への空調設備設置

毎日新聞:
 市町村の小・中学校の分の財政的なスキーム、支援のスキームをつくられるのは大いに結構ですが、県立高校のほうも前倒しで整備することはお考えですか。

知事:
 ああ、32年度までにですね。2年でやるのを1年でできないかということですね、前倒しで。前倒しできるかどうか考えてみます。緊急エアコン整備といったら、改築の大宇陀と山辺は34年度ですが、それも前倒しするには、ちょっと費用が余計にかかるから。改築してからエアコンつけるのが普通だから、改築する前にエアコンつけるとまた壊さないかんかもしれんと。そのほかは2年でやるのを1年か1年半でできないかっていうのは、ご指摘ありましたことを受けて、前倒しの可能性を検討します。財政的なことだと思いますが、緊急といえば、県ももうちょっと前倒しを研究していいんじゃないかということはご指摘どおりだと思います。

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ダムの放流について

毎日新聞:
 人災という点ではダム放水が今後焦点になっていくだろうと。水を流すタイミングですね。それは、今回広島とか愛媛で災害をより大きくした一因じゃないかっていう見方もあって、今後検証されていかれるんでしょうが、県としても大和川の流域の協議会で、その辺のことも含めたお考えはあると思うんです。ダムの放水、放流の仕組みづくりは必要だとお考えでしょうか。

知事:
 大きなダムは南のほうなんですよね。熊野川のほうへ流すダムは幾つもあります。これは発電ダムなんですよね。そのときの治水利用を調整していますが、それらは水をためることで発電するので、水をためるためのダムです。治水利用となると、雨が降りそうなときはできれば空にすると。それで放流ということになる。あふれるなら放流するというのが今のマニュアルですが、治水利用の一環で、基本的な治水マインドを上げることにもなりますが、南の熊野川の本格的なダムの放流、治水利用のマニュアル、仕組みは、国のダムがほとんどですので、熊野川に一斉放流されてはかなわないわけなんですよね、あふれてしまうので。そのための調整のお願いを、ずっと3県でしてるのが実情です。

 そのときの放流の仕組みというのに知恵が入っていますので、どういう放流の仕方が望ましいのかということが出てくれば、その知恵を拝借できるのかなと思ってるのが一つと、大和川には大きなダムはないんですがため池があります。ため池は利水ため池なんですが、利水ため池が決壊して自然に流れてしまうこともあるし、あふれそうだったら放流するよという、同じようなことがダムじゃなしにため池でも放流がありますので、そのときに今の土地改良区で、治水の危ないときはちゃんとしてくれるのかどうかは心配しています。これ、土地改良区に、利水だから任されてるんですよね。土地改良区は専ら水をためることをされているので。奈良は渇水対策だったから、まさかため池で治水をやれるようにとは思ってなかったのが実情です。これをちょっと研究せないかんのは、ため池が壊れないかどうか、先ほどの緊急対策大綱のチェックポイントは、一つはため池が壊れないかどうかというチェックをするのが大きなことで、今のは、そのため池が、治水のための管理ができるかというのもチェックのポイントだと思っています。だから、ダムの放流の仕組み、信貴山の大門ダムをつくった、ああいうようなときの放流の仕組みというのもあります。ため池のほうはたくさんあって、民家に近い、田んぼに近いから、ダメージは大きいかもしれない。大門ダムも割とダムとしては大きいんですね。あのそばにため池も幾つかありますので、それも含めた、壊れないかということと、放流の責任を誰が持つのか、そのときはどのようにすればいいのかということは検討課題だと思っています。

 今、申し上げましたように、ため池などの管理者との関係というのは大きなことですよね。南のほうは国の管理で、これは電源のための利水ダムですので、治水にどう運用するか、今、協議が始まってます。もう何年もしていますが、熊野川について協議が難航してるのを見ると、やっぱり利水と治水っていうのはなかなか難しいところあるのかなと思います。この身近なため池、また、あるいは小さな大和川関係のダムの利水と治水の関係というのは、大きな項目だと思います。検証項目に上げておりますが、ダムの放流で被害があったということで、放流の仕組みも大事かと。仕組みと誰が責任を持つのかというのは、ため池の場合、大きな課題だと認識をしています。まだ、このようにすればというところまで考えがまとまっていません。

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災害報道の氏名公表について

毎日新聞:
 これは意見なんですが、先ほど今回の豪雨の件で実名、匿名の話をされましたが、私は、それ以前の段階で、奈良県、非常に問題があるんじゃないかと。大和郡山市の行方不明の件、しっかり県として確認しないまま報道発表したということ。詳しく聞いても答えられないという、県として把握する必要がないんだと最初おっしゃられて、それはちょっとおかしいんじゃないかと申し上げました。ですので、1人、不幸なことに亡くなられたましたが、他県並みのことになったらとんでもない話になりかねないので、そこら辺をもう少し県としてしっかり対応していただきたいなと。県が代表して広報されたわけですから、きちんとね、どんな人、生年月日なども含めて、言う言わないは別、我々の立場としてはやはり実名ですべきものだと思ってますけども。

知事:
 意見が違うということは、さっき言ったとおり。

毎日新聞:
 ただね、そこの判断をしないまま報道しちゃってるということが今回大きな問題です。事実関係だとか、どういった属性の人だとかの事実関係を把握しないまま報道発信してると。

知事:
 それは氏名の公表とはまたちょっと違う、関係ない。氏名の公表は別に、意見が違うんだから、それはそれで議論しましょう。事実の報道の内容がはっきりしてなかったというご指摘かということを確認してるわけです。

 事実をちゃんと確認しないで公表、これはもう基本中の基本だから、氏名の公表がたまたま混じってたけれども、それと関係なしに大事だと。関係しないけど、事実は曖昧だとかいうふうに報道、特に災害報道はどこまで確認して、確かさを報道するかどうかいうこと、これは皆お互いさまなんだけれども、県だけが劣ってるとは僕は思わないんだけども、報道機関だって未確認のときは未確認とかいろいろ書いておられるから、わかんないまま発表されたらおかしいのか、速報性と正確性の拮抗というふうに思います。

時事通信:
 今回の大和郡山市の男性が流された事案については、県が代表して報道発表を対応したんですが、県庁に伺ったのと大和郡山市に伺ったのでは、情報がそれぞれちょっとずつ違ったりとか。

知事:
 それは大事な話です。事実確認の曖昧さもあると。報道の仕方が大事だと。複数の情報源があったときの調整がなかったってことが1つ課題だったと。

 ほかは。具体的に言ってもらわないと直せない。直せるところはいろいろある。そのときに、いや、奈良県だけが悪いと言われたら、レッテル張りじゃないかということを反撃した上で議論しないといけないんだ。

奈良新聞:
 例えば、生年月日。奈良県のほうでは60代で出しているのに、把握していないと。ただ、県警ではちゃんと言ってると。それ一つでも錯綜していたんで。

知事:
 このような事象、これから割と大事だと思う。それをこういうことがあったから、もうおかしな目に遭ったとか、そういう言い方じゃなくてもね。記者クラブで紙に書いてくれませんか。それを僕が、担当と市に検証して、これを直すにはどうすればいいかという、ちょっとした勉強会をさせます。具体的におっしゃってくださいよ。

毎日新聞:
 担当課には言いましたが、上がってませんか。

知事:
 上がってない。だから、こういうとこで言われるのはいいことなんだけど、具体的におっしゃってください。フォローしますから。

 報道の、報告姿勢が悪いっていうのは、これ気にしてるとこだから、それを具体的に直していきたいと思ってますから。改善策も含めて言ってくれるとありがたいんだけども、こういうふうに困ったというだけでもいいから、まず言ってください。

読売新聞:
 実際には担当課にはみんな伝えてるんですよ、ここはおかしいと。例えば、昨日の熱中症の例で、集合住宅で亡くなられたと・・
知事:
 報告が上がらないのは奈良県だけじゃなしに、どこも弊害だから、正直言うと。それが上がるようにっていうのはね。こういうとこも大事だと思って、引き出すように議論してると受け取っていただきたいんだけども。こう言ったけど上がらなかったということも、僕としては大きなことだから。次のためにも、災害報道と災害事実報道っていうのはものすごい大事だということを、具体的にこうすべきだということも含めて言っていただくのはとてもありがたいと、大歓迎しますんで。

読売新聞:
 それは伝えてるけど、伝わってないのがどうなのかなという話であって。

知事:
 それは伝えた、このように伝えたというとこまでおっしゃっていただくとありがたい。

 誰に口頭でこのように言ったと伝えて、聞いて、どうして上げなかったのかと僕は聞きますから、そこまでやってんだということですね。それをフォローしたいと。事実をやりとりするっていうのはとても大事だと僕は思ってる。こういう会話、とても僕としてはありがたいと思っています。次に向けて、こういう具体的な不満があるという形でもいいから。それを直すのは僕の役目だから。担当に言ったから上がらなかったという言い方もあるけども、上に言ったけどもおりなかったというのもまた次に出てくるんですよね、それはこちらの責任だから。そういう会話のほうが僕としては有益じゃないかなと思っていますので、一緒にコラボできたらうれしいなというところです。

産経新聞:
 氏名の公表について、ご遺族やご家族の意向という言葉をおっしゃったかと思うんですが、その意向とはどのレベルなのかを知りたくて。

 例えば、災害でご遺族になられる。そのときに報道機関に発表していいですかと聞かれると思うんですね。自分がその身だったらどうかと考えたときに、家族を亡くして悲しくて、もう本当にそっとしておいてくださいって、大体の方そうおっしゃると思うんです、多くの方は。皆さんに知っていただきたいんですよ、発表してくださいっておっしゃる方ってなかなかいらっしゃらないと思うんですね、普通の感覚として。そっとしておいてくださいっていう、そういうものまで全てご家族の意向として、報道機関に発表しないということになるんですか。

知事:
 今のご家族の範囲ということになりますよね。するとね、ご家族の嘆き悲しんでる姿を映像に撮りたがられるじゃないですか、インパクトがあるから。自分の意見になるんだけど、ご家族は、発表すると、来られることを恐れておられるんじゃないかと想像するんですよね。だから、所在まで言わないでくれと、家族の氏名を言わないでくれっていうのが、家族の意向の一つの大きなことかなと思うんですよね。死んだ人に取材できないんから、ご家族に取材されるんだけど、そのときのどれだけ悲しんでますかみたいな取材があると、失礼だけども、レッテル張ってるわけじゃないんだけども、そういう報道がテレビで、顔映さないで下だけ映して、もう涙、もうすごく涙出されるとインパクトがありますよね。それでいいよと、パブリックでいいよとおっしゃる方と、その家族の氏名から遺族に取材と思っておられたら、その氏名の公表のメリットが何ですかということを問い返されてるわけなんでね。そういうことをしないから氏名公表してくれということなのか、そういうことをしたいために氏名公表してくれということなのかといえば、マスコミの矜持が問われてるケースでもあろうかと私は思うんですよね。それを具体的にはっきりすると、報道内容で遺族の気持ちを傷めないで報道ができるかと考えていかないかん事例だと、とても大事な事例だと思っています。

 今の家族の範囲というのがどこまでいいというのかは一つのポイントでありますけれども、取材対象になるかどうかというのが一つのポイントかというふうに思いましたので、そういうことも検討のフィールドに入ってくるのかなというだけのことで申し上げた次第でありますが、それも検討課題。

産経新聞:
 今、映像のインパクトってお話しされたんですが、私たちも災害報道のときに、別にインパクトのある報道、視聴率とれる報道とか画面を求めてるわけではなくて、お一人一人にお会いして、ご遺族にお会いして取材したいっていうことの意味、メリットっていうのは、私が思うに、数字ではあらわせないと思うんですよ。

 例えば200人今回亡くなりましたっていう報道がありましたが、大和郡山市の方だって、その200人分の1じゃないですか。ただ、その1っていう数字が出たとしても、200っていう数字が出たとしても、やっぱり私たちはそれを実感を持って感じることできないと思うんですね。初めてご遺族とかお友達とかご親戚とか、そういう方々から聞くその人の人となりとかエピソード、あるいはご家族の悲しみっていうのが報じられて初めて災害の悲惨さ、どういうふうに同じことを繰り返さないために対策をしていかなきゃいけないのかっていうのが浮かび上がると思うんです。そういう意味で、そのメリット、私はそういうことだと思います。

知事:
 おっしゃることはそのとおりなんです。逆に、これは災害の報道なんだけどね、遺族とか。戦争報道、戦争被害の報道、あれ、過去の戦争被害報道、中国で起こった、「ルック」とかの写真誌が出たときに、写真報道がすごくインパクトがある、日本のやり方がひどいということで政治利用された。あるいはアメリカの空爆はひどいと政治利用された。真実はそのどこかにあるんだけどね。これは政治利用なんだけど、この自然災害は政治利用はないんだけど、だから、家族のこの気持ちがどれだけ守れるかと、知りたいということの均衡だと、先ほどの議論の延長にありますので、ただ、インパクトがあるということのメリットかデメリットかっていうことを、私のことで、昔の戦争報道までいくのは、今の議論じゃないですが、インパクトがあることは確かなんですね。肉薄するときの、CNNでももう毎日ほど言ってるじゃないですか。タイの報道だって、ハッピーエンドだったけど、すごい報道あったじゃないですか、あの映像っていうのはね。ショーみたいに軍が公表してるように思ったところ、あの影でプーケットかどこかで被害に遭った、災害に遭った人の報道がとても抑えられたというのも、アメリカのメディアはそういうことも含めて報道してるんだよね。だから、それはバランスをとってよく見てないかんと、ズームアップで見る迫力と、ズームダウンで見る公正さっていうのも両方あればいいなと私自身は思ってるんですけども、おっしゃるように、ズームアップの報道っていうのは必要ですよっていうことはそのとおりだと思います。そのときの被害者とか関係者の権利というのはどんな立場になるのかっていうことも物すごい大事な奥深い議論なので、まだ議論が深まってない面もあろうかと。割と日本、外国もそうだけども、乱暴にわっと行っちゃう傾向がありますので、それはメディアの公表ということに対するセンチメント(感情、感傷)という、ご家族とかの感情の動き方がやっぱりいろいろ違うんだなと思うんですよね。日本人の感情に訴えるようにもちろん報道されるわけなんですが、これは報道の姿勢の話になりますが、ご自由な話なんだけども、事実に基づかない報道はだめなんだから、あるいは事実の中で、遺族の感情というのは大きな事実でもあることは間違いないということなんですよね。

 そこまでは同じなんだけど、さて氏名の公表ということについての議論は、まださらに進まなきゃいけないと思いますので、おっしゃることはそのとおりだと思います。その上で、どうするかっていう議論はまだ残っているようには思いますけれども。戦争被害の報道まで言ったのは余計なことでありましたが、昔からのインパクトがあるっていう点で、すごく気にしなければいかんことだと思っています。インパクトがあるのは、世界中、あっという間に流れますからですね。どんなインパクトかというのも知りながら、ちょっと考えたいなと、僕自身は思っています。受け取り方が、西日本水害の報道を関西で聞くのと東京で聞くのと東北で聞くのとアジアで聞くのとヨーロッパで聞くのと、随分違ってくるように思います。かといって、事実はもちろん変わらないんだけどね。そのようなことも関心の事項なんです。余計なこと言いましたが、それが災害報道なんですよね。

司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか、よろしいでしょうか。幹事社さんもよろしいですか。
 それでは、これで定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

知事:
 ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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