令和元年8月7日(水曜日)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。

 それでは、ただいまより知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日は、奈良公園周辺での夏イベントに連動したバスターミナルの取り組みについて発表させていただきます。

 それではよろしくお願いいたします。


奈良公園周辺での夏のイベントに連動した奈良公園バスターミナルの取組み

知事:
 夏でお盆前ですので、奈良公園バスターミナルでのビアガーデンの開設などのお知らせです。お手元の資料ですが、この夏いろいろと奈良公園近辺で行いますイベントのご紹介、ご報告です。

 まず、バスターミナルの東側から見ますと、知事公舎の壁をライトアップいたしました。8月1日から3月末まででございます。8月は、午後7時から午後10時まで、9月以降は午後6時から午後10時までの点灯です。東京の桜田門にこのような壁のライトアップがあります。公園の中での白壁のライトアップということですが、これがもし評判がよければ大宮通りの民間の白壁などを利用してライトアップにつなげたいと思っています。

 それから、バスターミナル東側2階で、知事公舎にある「御認証の間」に関するパネルを展示しています。このような写真が残っています。これは日米安全保障条約、サンフランシスコ講和条約を参議院で承認された明くる日に、剱木(けんのき)官房副長官が知事公舎を訪れられまして、御認証された批准書だと思いますが、それをお持ち運びになっている写真が残っています。サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約、昭和26年の批准書です。これを展示しております。歴史的な意味があるということですが、「御認証の間」はなかなか公開できませんでしたので、これもなかなか展示の機会がなかったんですが、バスターミナルができて知事公舎のゆかりを展示する一環で、このようなことも行っています。

 現地では4点ほど展示しています。もう一つはちょっと恐れ多いことですが、これは当時の奥田知事でして、これは当時の陛下、昭和天皇陛下を、お見送りされている場面でございます。知事公舎を出られる、これは朝だろうね、朝出られるということはお泊まりになったのかなと思います。正面ですが、ご案内のようにこちらが古い公舎です。私邸でずっと50年間住んでいたので、どこにお泊まりになったのかなと思うほど古びた公舎でしたが、朝にこのようにお出ましになられたというのは、どうもお泊まりになったようなご様子だと。まだお泊まりになったということは公式には発表されていないですが、お出ましになられたというのは、そういうことを含めるととても貴重な写真だと思われますので、このような写真を、吉城園周辺、知事公舎周辺の写真として、このバスターミナルができたことによって展示をさせていただいています。

 あと二つは何だっけな。

担当課:
 すずりの写真と記帳の写真です。

知事:
 はい、これは歴史的にご興味ある方もおられるということで、展示をしています。

 それから、2つ目は、なら燈花会と大文字の送り火がございますので、それに合わせた形で8月5日から15日までの10日間、屋上ビアガーデンを実施をしております。ラストオーダーが9時ですが、ビールが飲み放題1,500円。初日に行きましたが、大変おいしいビールでした。いつもビールは飲まないのですが、すごく飲んでしまってふらふらになりました。バスターミナルの運営協議会に入っている店舗が主催をされています。

 それから、3つ目ですが、県内の特別支援学校の生徒さんの作品を130点ほど、東棟の1階で展示しています。あのような展示は、にぎわっていていいような感じがしました。

 それから、ぐれーとさまぁーふぇすたがならまちを中心にありますが、そのような情報提供をして、このバスターミナルを使った周遊を、暑いときですが、周遊していただくための情報提供をしています。

 以上でございます。

司会:
 それでは、発表案件に関しましてご質問ございましたら、よろしくお願いいたします。


質疑応答

奈良公園周辺での夏のイベントに連動した奈良公園バスターミナルの取組み

時事通信:
 恐らくこれはまた夏場、お客さんが落ち込みがちな奈良観光のてこ入れという側面があると思うんですが、そのあたり含めて、夏の奈良観光に力を入れていく、また、お客さんに来てほしいというようなご所見をお願いします。

知事:
 日本は四季折々ですけど、観光は四季を楽しむのはとてもいいのですが、その季節だけということになりがちなので、観光地の産業構造としてはつらいですね。通年観光のほうがいいので、奈良は夏枯れ、冬枯れと言われる、冬の温泉がないのと夏が暑いということでハンディがありました。それを冬のイベント、夏のイベントで回復しよう。どの地域でもやっていることなんですけれども、冬は奈良のうまいもので、夏は燈花会とか、冬は瑠璃絵ですけれども、燈花会とかをやり出してくれました。花火が上がるのも夏枯れの対策であります。

 奈良は、夏枯れ対策として燈花会を中心としていろいろやって、イベントですね、特に夕暮れイベントで客足が伸びているのですが、日中の暑いときはなかなか大変ですので、夕暮れのイベントで伸びて、燈花会自身も最近は100万人来られる。10日で100万人ですから大きな集客イベントです。多くの方が、来られるイベントになってきました。今年で燈花会は21回目ですか、そのように続けて定着するということ。それにだんだんいい方向でこの上乗せをしていこうという一環であります。

 夏イベント、最近いたしましたのは、ぐれーとさまぁーふぇすたというならまちの夕暮れイベントです。猿沢池を中心としたイベントですが、各地でやっておられる努力と同種ですが、奈良はハンディがあるということと、ちょっとイベントをやるのが遅れていたと自覚をしています。できることをいろいろやっていこうという一環です。

司会:
 ほかにご質問はよろしいでしょうか。

 それでは、その他の案件も含めましてご質問ございましたら、よろしくお願いいたします。

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奈良新「都」づくり戦略案について

時事通信:
 先日、知事が弊社の内外情勢調査会で公表されました新「都」づくり戦略案について、各自治体、県内の市町村に供されていると思うんですが、県内の自治体からの反応とか進みぐあいはどうでしょうか。

知事:
 はい、新「都」づくりは、おこがましいんですが戦略という名前をつけました。地域振興戦略ということで、戦略というのは目標を決めて作戦を作ろうということで、奈良県全体としてはそういう作戦マインドがあんまりなかったなと自覚をしています。それで、戦略を作ろうと呼びかけて、一つの呼びかけの動きは、地域フォーラムというのを先日、明日香村で、橿原市、高取町、明日香村が参加し、実施いたしました。そのテーマは地域戦略を出し合おうよということで呼びかけました。それなりといいますか、地域で市町村がまちおこし戦略を作っているのかいないのかわからないような、形だけはあるんですれども、戦略というのは目標と実行のプログラムですが、ないような感じもありましたので、呼びかけると出てきて、それを一緒に議論しました。宇陀での開催予定だったのは台風接近のため中止となりましたが、各地域でそれを、地域フォーラムでやろうかというのが一つの動きです。市町村でも作って一緒にやろうよという呼びかけをしております。

 その参考として、県の「都」づくり戦略は、今、一枚一枚の議論を県庁の中で始めています。これまで、これからの戦略ペーパーを、また上書き、上乗せをしていただくような担当課との議論を始めております。これがなかなか楽しいです。いろいろなことを、その項目についての作戦会議です。さらに作戦をどう進めようかという会議をしています。そのような県の中での動きのさらに延長として、国への陳情というものがあります。

 国への陳情で、明日、明後日、中央へ行きます。この前、県と市町村の陳情を説明会で披露して、市町村の具体的な陳情案を出してもらいました。それを協働して実現しようと。やっぱり陳情というのは大事です。陳情は願いをまとめるという意味があります。市町村でも県でも、戦略をまとめると、特に今の日本の国は、地方創生総合戦略をもとに、いいことをやる、やる気のあるところには地方創生交付金を出すよというタイプになっています。各所の予算もそのように手挙げ方式ですね。全部これをしなさいと一律に配るのではなく、手を挙げて申請したものに交付金をつける、補助金をつける。手が挙がらないところには何も起こらないというのが今の地方の状況ですので、手を挙げるようにということを促しています。そのような、手を挙げる元手になるのが県では戦略であり、市町村と戦略合戦をしようという動きにしております。

 奈良県はそういう方面の戦略が欠けていましたので、一生懸命やろうと思っています。

時事通信:
 今の陳情活動も一つだと思うんですが、その「都」づくり戦略ですけれども、大体いつぐらいまでに形にしていこうというのが見えてきましたか。

知事: 
 そのプログラムのサイトがありますよね。リニアのこととか、五條の大規模広域防災拠点とか、その一つ一つの戦略の旬というか、ピークがあるんですね。ずっとではなくて、ピークで上がって、盛り上がってずっといくとゴールというのが、色々なプロジェクトの性格なんです。その長い、盛り上がるのが大きな山であると、盛り上がるのに時間がかかるということがあります。そのようなことは、各地域で、今までの知事が戦略家である地域はそういうことをされて、すごく大きなことが発生しているということはわかっていますので、大きなことも小さなことも、その戦略を立ててしようと。148あります。まだまだ増えると思いますが、すぐにできるというわけではありませんけれども、プログラムに乗って、今年基本計画をつくって、来年、再来年ぐらいから工事をしようというような戦略アイテムもありますので、それにも国の補助金をいつもらうのか、アイデアが固まっていないと交付金は出ませんので。工事のときは、交付金くださいねといったときに、その案を持ち出しておかないと、先ほど言ったバスターミナルも、あれ45億ですが、半分は国の公園の補助なんです。公園の補助をいただくのに何年も練って持ち出していただいて、いただくときに工事をしようというのでやった工事ですので、同じようなことになると思います。

 ものによって、その進捗で、できるだけ前倒し、前倒しと願っていますが、大きなものはどうしても遅くなる可能性がありますし、予定どおりいかないことも多いわけで、戦略とはそのようなものでありますので、努力をしていきたいと思います。

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積水跡地の今後について

産経新聞:
 奈良市役所の庁舎が移転しないということに決まりまして、その後、あそこの積水の跡地というのはどうされていくか、朱雀大路を生かしたまちづくりというのは、移転しないということでもうなくなってしまうのか、それとも何か新たな戦略を立ててやっていくのか。

知事:
 跡地の県の立場の戦略は、朱雀大路を南まで広げるということをまず願ってまして、その積水のほかの用地は民間投資になりますので、朱雀大路まで広げるには、あそこを公園事業の対象にしてほしいという陳情を、あしたから陳情で国交省に行きます、都市局長ですけれども。

産経新聞:
 いつ行かれるんですか。これから行かれるんですか。

知事:
 うん、もう陳情案をご披露しました。この前の国会議員への陳情報告会でもうご披露いたしましたので、朱雀大路を広げるのと、北のすき間をつくる、それは県でやりたい。それを公園事業として認定してほしいという、これは新規の陳情ですね。大宮通り南は国営公園事業に入ってないんですね。朱雀門の南のほうは県がやっている、遣唐使船のあるのと、今やってます東のほうのあれは、公園事業の対象になると半額出るんですよね。大きいですよね。東のほうのところの公園事業、体験学習施設をつくるというのも約50億の事業費ですけども、それに半額出してもらうというのに陳情を重ねるわけですね。南のほうも、朱雀大路まで延ばす、買収して朱雀大路のたたずまいを、塀をつくったり家並みをつくったり、今の西側だけですけども、国の半額補助が出ると大分違いますよね。というのを陳情案件に入れてますので、それを具体的に持ち込むのは今度が初めてです。

 積水化学には、事例があったときも、そういう構想がありますよということで、ほかに売るにしても東側は残しておいてくださいねということは申し入れております。北のほうも、近鉄の西大寺駅から来るときの朱雀門前駅の候補地でありますので、県が北のほうを駐車場用地として確保しとこうということをお願いして、積水化学さんには、県のそのご当地での構想にはご理解をいただいております。

 残地に民間投資ということでありましたけど、その中で奈良市役所の移転というのもおさまりがいいですよと、こう申し上げた次第でありますが、嫌だとおっしゃったので、それはご破算にして、またもとに戻って民間投資ということになります。それはこちらの朱雀大路を広げるということを前提で、さらにその西の空き地に民間投資というのに、もとに戻るということになります。

産経新聞:
 そのほかにも計画というのは、どこの部署で練っているんですか。

知事:
 県では、まちづくり推進局ですけども、課はどこかな。平城宮跡事業推進室というのがあります。それと産業・雇用振興部の企業立地推進課、2つですね。

 「都」づくり戦略は、戦略の部隊は、1小隊で進むんだったらとても楽なんだけど、小隊を抱き合わせで戦略活動をせないかんので、どの県も同じですけども、県の戦略をつくるというのは担当部隊を、何小隊と何小隊を合わせてこれにかかろうというのを決めるのがとても大きな戦略なんですね。今の積水化学の南地というのも、平城宮跡事業推進室と企業立地推進課と、これ部が違うから普通ならなかなか話ししないのが普通の組織なんで、社会部と経済部みたいなもんですけど、それを一緒に戦略をしようと。

産経新聞:
 その全体像をお話しできるのは、まちづくり推進局長さんだけなんですかね。

知事:
 いやいや、だから今、まちづくり推進のほうは、平城宮跡の担当のほうがされていると思います。その2つの部にわたっている特区は、別に部々で上に上がらなくても、課長同士がコーディネートすればいいと。だから今度戦略ではチーフコーディネーターとエグゼクティブコーディネーターというのを指名して決めるようにしています。チーフコーディネーターは誰、エグゼクティブコーディネーターは誰というのを特記してやるのが、奈良県戦略の大きな特徴だと思います。

産経新聞:
 朱雀大路を延ばすということは、平城京の全体像を意識させるという狙いがあると思うんですけど、どの辺まで、例えば羅生門のあたりまで延ばすのか。

知事:
 私の考えはそこまで行きません、三条大路まで。

産経新聞:
 三条大路まで。

知事:
 ええ、そうです。

産経新聞:
 そこから先の構想というのは、全くないですか。

知事:
 ありません。

NHK:
 今の関連なんですけれども、奈良市役所の移転がご破算になったことで、その部分に関しては民間への投資ということでもとに戻るというお話でしたけれども、商業施設ですとかホテルにというお話だったかと思うんですが、そのあたりの具体的なイメージですとか構想というのは。

知事:
 これは民有地ですので、県有地だとすごくごりごりと、今のコンベンションセンターとホテルとNHK、NHKよく来ていただきました。あれ大変だった、NHKにあそこに移ってもらうのに工作するのが大変だったです、実は。随分時間がかかりました。かかったというか、古くからそういう戦略作戦立てて、よく来たと思いますよね。

 余計なことを言いましたけど、その構想をどうするかというのを、ホテルとコンベンションと商業施設と駐車場とNHKという組み合わせの複合性がある、これは結果的になったんですけど、それを当たりながらつくっていったというのが実情なんですね。だから積水もね、いろんなアイデアはありますけども、県が勝手に絵を描いてというような、県有地でもなかなか描けないんだから、民間投資がある場合は、こういうアイデアはどうでしょうかって当たりながらつくっていくというような手法になると思います。作戦で言えば、戦略のまず斥候を出して、どの地域が当たりがいいかということをやる。その斥候を出す対象は、一つは民間施設で、商業施設とか宿泊施設などがあろうかと思います。そこに個別に当たるのと、ああいうプロジェクトを開発されているところにも当たりかけてというようなことをしております。具体的に名前出すと差しさわりありますけども、大手不動産とかコンサルなんかに当たりながら可能性を探っています。

 ほかもそんなことですね。ほかの企業誘致も、今、各地で一生懸命されている宿泊所誘致、企業誘致、商業施設誘致など、まちづくりと一緒にその誘致活動をする。二面あるのが大きなことで、丸ごと何かというふうに、工場でもいかないのが普通です。絵を描いて、あの地域にふさわしい絵のアイデアはいろいろありますので、積水化学さんがじかに売るときに、まちづくりのアイデアと協調したものに協力しますよということを言っていただいています、これはありがたい話で。しかし、誘致活動は、じゃあ積水化学さんのものだからやってくださいというだけではいかないと思いますので、県が率先して誘致活動をしていこうかと。このときには絵を描いて誘致活動、アイデアとしてにぎわう場所、朱雀門前ですので、朱雀門前にふさわしいいろんな施設という程度になろうかと思います。

 いろんな大手の不動産とかコンサルに聞きますと、いろいろアイデアあるんですね。すごく立地としてはおもしろい立地だという程度であります。奈良県では余りそういう、まちづくりの動きは今までしたことなかったのですが、民有地でもそのような、まちづくりの一環としてどのようなものがいいでしょうかというのをマッチング作業を努力をしていきたいというふうには思っています。その中で、県の公園区画というので、朱雀大路南下というようなことは一つのアイデアとしてあります。

産経新聞:
 積水としては早く売りたいということだと思うんですけど。

知事:
 そんな感じだと思います。

産経新聞:
 県としては、いつまでにそういう決定を。

知事:
 相手次第ですね、環境の。そんなに民間投資の誘致というのは楽なもんじゃありませんので、コンベンションセンターとかホテルを誘致するのにやっぱり、リーマンショックも間に入ったけどね、かれこれ10年ぐらいかかってますですよね、大変ですよ。しかし、そんな努力をすると実るんだというふうに、JWマリオットとコンベンション施設では、努力をしないところは実らないけど、努力すれば実るんだというふうに思っています。

産経新聞:
 少なくとも数年はかかるという読みですか。

知事:
 それぐらいかかるのかな、意外と早く、民間投資というのは、ほかの事例で話しすると、ぱぱっと動くのとね、なかなか動かないのと両方ありますね。今、表面に出ないけど、ぱぱっと動いているのもありますしね。ぱぱっと動いてもう決まったというのも、ホテル、宿泊施設ですと、奈良公園の中にはあるんですよね。それはほかの民間の施設ですけど、そのあっせんには随分苦労しましたけども、うまくいったという例はあるんですよね。動いているのは随分あるんですけどね。余りご披露できませんけれども。

産経新聞:
 しばらく更地のままということもあり得るということですか。

知事:
 それはあるでしょうね。まだ、今、工場は壊したかもしれませんが、あと整地とか発掘調査があると思いますけどね。洗掘状況とかあると思いますからね、そんなにうまくいかないですよね。

産経新聞:
 次の計画が決まる前に発掘調査というのはやってしまうものなんですか。

知事:
 そうです。

産経新聞:
 やってしまうんですか。

知事:
 ええ。産経新聞はどうですか、あそこどうですか、一角に。何かこの後ろの、NHKの横のちょっとせせこましいところへお住みになるというのは。いや、悪口言ってすみませんですが、NHKの向こうを張ってどんと。その気にもしなられるようであれば。

産経新聞:
 ふさわしいと思えないですけどね。

知事:
 本社まで行きますよ、記者さんの意向を聞いた上だけど。

 

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リニア中央新幹線について

毎日新聞:
 今、品川-名古屋間で、地下の水脈あるいは水の流れに影響を与えるという形で静岡県知事が反発されて、27年の当初の完成が遅れるのではというのが現実味増しています。この動きに対して、静岡県知事を説得されるようなお考えがあるのかということと、あと一つ、いずれ西に来たときに、奈良に翻ってみても、木津川を渡らなきゃいけないと。普通に考えればまたぐのが一番いいのでしょうけど、地下を通すということもちょっと頭の体操が必要なのかなと思います。そこら辺どのようにお考えか、合わせて2点お願いします。

知事:
 静岡県知事には、富山での知事会で、割と仲のいい知事なので立ち話をしました。まだまだ頑張られるような感じでした。各地域の感じは、東が遅れることは東海も想定していませんが、遅れる可能性はありますよね。西のほうは遅れないでねとお願いしていきたいと思います。

毎日新聞:
 いや、でもそれは、(東が)できてからの話なので、(東が)できないことには西は進まないんじゃないですか。計画は進めてもいいんでしょうけどね。

知事:
 いや、まだ言いませんけど、大事なのは大阪開業の2037年を遅らせないでということになります。そのための戦略になります。東が遅れたら西も遅れるかどうかがポイントです。

毎日新聞:
 具体的に静岡に対して何か働きかけすることは、特にお考えはないですか。木津川のことについては何か、木津川の水に影響を与えるかもしれないんですけども。

知事:
木津川への影響については、環境アセスの中でJR東海が検討されると思います。そういうことがないようにと思います。木津川の水、どこで影響を与えるんだろうな。

毎日新聞:
  普通に越えればいいだけの話ですけども、場合によっては何か地下を通るような話だと。

知事:
 大深度になると、川も余り影響が無いように思います。向こうは、フォッサマグナ(東北日本と西南日本の境目となる大きな亀裂帯)の山の中だからやっぱり大分違うのかな。そういうご説明されていました。あの辺は日本列島で最難関地帯ですから。

 
 

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日韓関係悪化等に伴うインバウンド観光戦略について

読売新聞:
 インバウンドに関することですが、県がフランスとか、戦略的に地域を絞って観光のPRとかいろいろされたりされると思います。今回韓国との関係で、地域も及ばない、国と国との関係でインバウンドの影響が受けてしまうというところがあって、地域を絞っての戦略というと効率がいいような気はするんですが、奈良県だけの手に負えない問題のときに地域を絞っていると何らか影響を、観光を柱にするとちょっと受けてしまうという面があると思います。そういった意味で今後、インバウンドの戦略というのは、こういう国際情勢とか考えてどのように進めていくのか教えてください。

知事:
 インバウンドの誘客は国際情勢、病気の発生や政治的な情勢などいろいろな要素が需要の発生に対し、非常に影響を受けやすいです。そのような観光マーケットですけど、インバウンド、誘客戦略は大変重要なポイントです。

 奈良への誘客戦略は、まず国内は、比較的その揺らぎが少ないマーケットです。奈良のポイントは宿泊客増とそのためのキャパシティー増が必要な点です。宿泊で奈良に来られるお客さんの3分の1は関東からの方です。このことから関東に的を絞ってプロモーションをずっとかけました。これはすごく安定して支えになっていると思います。東京に行きますと、奈良の人気は物すごく高いです。それはずっとやってきた戦略というよりも、もとから奈良への興味が関西の人よりも関東の人が関心が高く、関西の人よりも奈良の人が奈良への関心が少ないためです。奈良市に橿原、中南和の人は来ず、大阪に行く傾向があります。だから奈良のマーケットとして、橿原や高田の人が奈良や十津川に泊まるのはちょっと難しいです。十津川へは関東からあるいは中国地方から来て十津川に泊まるというマーケットになっています。だから誘客はターゲットを絞ることが基本動作です。奈良の着地のデスティネーションの特徴として、関東というのはすごく大事なマーケットになります。

 今度はインバウンドですが、インバウンドはその都度揺らぎますので、実は全方位でやらないといけません。ただし同じことを全方位で言っても効果はありません。フランスへのアピールは、奈良はこういうテイストがありますからいいじゃないですかということで、この後ろのポスターの右から2つ目ですけど、エスカパード・スピリチュエルというのを訴えました。マーケットを調べると、フランス人はスピリチュエルで奈良の人気が高い。だから、それを訴えるというのが基本戦略です。イギリスも、彼らは観光地にたくさん行って目が肥えているので、その人たちに訴えるユニークな戦略をせないかんとなりました。それもターゲットを絞らないと訴えたことにならないという基本的な考え方で誘客をしたところ、韓国、中国からいっとき観光客が来ませんでした。そういうふうに近隣で大きなところが揺らぐ可能性があります。それはリスクになりますが、リスクを乗り越える観光地は多方面のお客が来る観光地です。

 こちらが、例えば日本の国内でも東北方面から観光客が来ているところは、東日本大震災以降、東北からの観光客がとまったことがあります。だから東北にはもうお客を呼びに行けないというのがありました。すると西のほうから行こうか、北陸に行こうかというふうに知恵を働かすのが観光地の普通の戦略であります。日本全体もそうですけど、奈良も、韓国がしばらくだめだったら、ほかをどこにするかと知恵を回すのが観光面での戦略です。するとそれは、それまでにターゲット、マーケットを絞ってやってきた戦略を余計に厚くするとか、そういう観光以外に厚くすると。韓国も主要ターゲットでしたので、やってきていた面もございますが、恨みを言わないでほかにバランスとって、リスクは観光ではしょっちゅうあると思うのが、普通の商売人です。奈良もそうなろうかと、奈良県としてはそう思っています。  
 

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日韓関係悪化に伴う影響

時事通信:
 日韓関係の件で、また今年も11月ですか、東アジア地方政府会合がございまして、韓国からも含め30都市ぐらいが参加地域で、「今のところ中止の申し入れとかはない」というふうに、この間伺っているんですけれども、イベントへの影響とか懸念はありますか。

知事:
 まだそういうふうには出てないんですよね。東アジア地方政府会合に韓国はよく来ていただいています。一つは、マルチということがありますよね。中国ととても仲が悪くなったときにずっと減ったんですけど、それでも中国の地方政府が来てくれましたよ。当時、中国が軒並みだめだったとき、山東省が来てくれて、よく来てくれましたねと言ったら、「中国の場合、中央政府に一応許可をもらって、行くよと言って来ました」とか仰っていたですね。それでもマルチで議論するのに、そのときは高齢化対策の議論だったかな、省としては関心がありますといって来ていただいた面があります。

 韓国がこれからどうなるかわかりませんが、この8月31日に「韓日文化キャラバンin奈良」というのがあるんですよね。これは今のところ行われる予定なんですよね。急遽中止になるかもしれませんけれども、それはご事情があると。しかし今のところこれでもう募集しておりますし、入場無料で、なら100年会館大ホールでありますので。これは相互の、前の交流というんじゃなしにキャラバンなので。

 奈良は何といっても韓国ゆかりです。当時の奈良の都、あるいは飛鳥の都は韓国、とりわけ百済が滅びた後、韓国の優秀な人がどっと日本列島に来られました。35万人が来たと言う学者さんもいる。国が滅びて逃げていくところは、中国に行ってないし、熊本と奈良に来たのではないかという説があります。35万人も来たことで日本の人口が何割も上がった、しかも韓国の人は優秀だった。(かつて)百済(があった地域)の人とよく話しをするんだけども、「日本は得したね」と言われ、そのとおりというふうに思います。すごく優秀な人が来て、そのときの人の流れがずっと続いているですよね。明日香、高取などに来られる人も、そのころ来られた人、とても優秀な人の系統がずっと続いておられるような気がいたします。技術をいただいたこともありますけども、そういう人が来られるというのはすごく大きなことだと、それは歴史として、私自身はとても感謝しています。そんな歴史もあったんだよと。韓国の人にとってみれば、「そんなこともあったな、それを知っているのか」とこういうふうにおっしゃる方もおられる。いや奈良は知ってますよ、すごくいいことをしていただいたのは奈良はしっかり覚えてますよと、だから感謝しているじゃないですかというのがいろんなことで、東アジアもそうです。

 お盆明けには東アジアサマースクールというのもやっているんですよね。韓国、中国、日本の若い学生さんが来て、2週間ほど滞在してサマースクールをするんですね、日本語で。サマースクールはとても人気が高くて、その開校式と閉校式に行って挨拶するんですけど、それは遣唐使とかいろいろお世話になったせめてもの、何万分の一かのお返しのつもりでしてますよと言って、とても優秀な学生さんに来ていただいています。講師がとてもいいので人気が高いんですね。そのサマースクールで来た生徒さんで、結婚された方もおられます。サマースクールで出会った中国人同士の方ですね。そんな思い出ができるようなことを奈良県はやっています。小さなことですけれども。

 いろんな時代が変わるときに余りかっかしないことだなと、私は(思います)。かっかしない。韓国語でケンチャナヨという言葉がありますね、ご存じですか。ケンチャナヨ、気にしないよということ。だからいつもケンチャナヨだなと、ケンチャナヨでね、言ってますけどね。長い歴史ですから、奈良なんかは、奈良だからちょっと言える面もあるかもしれませんけどね。奈良から見ると、お世話になってばっかりじゃないのと本当に思っていますけれどね。

時事通信:
 ありがとうございます。

知事:
 余計なことをまた相変わらず言いました。

司会:
 ほかにご質問はどうでしょうか。よろしいですか。

 幹事社さんはよろしいですか。

 それでは、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

知事:
 ありがとうございました。

                             以   上

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