奈良県産業振興総合センターと奈良先端科学技術大学院大学は、既存の清酒酵母から、清酒中にオルニチンを高生産する酵母を分離することに成功しました。(平成30年1月12日付け 特許登録済み)
◆特許第6268544号
◆発明名称:オルニチン高蓄積酵母及びその取得方法並びに当該酵母を用いた酒類その他の食品の製造方法
オルニチンは、肝臓の働きを改善するアミノ酸で、シジミに多く含まれることが知られています。
本酵母『オルニチン高蓄積酵母』を用いて、産業振興総合センターでの清酒小仕込み試験と奈良県酒造組合による清酒製造試験を行ったところ、オルニチンが市販の清酒の約3倍(36㎍/㎖)含まれる、機能性アミノ酸を多く含む非常にユニークな清酒ができました。
(オルニチン量:清酒720㎖中、シジミ約200個分(可食部))
なお、この酵母を用いたオルニチンを多く含む清酒は、八木酒造株式会社より商品化され、昨年(平成29年)10月から販売を開始しています。
今後は、オルニチン高生産メカニズムを遺伝子レベルで解明し、さらに多くのオルニチンを高生産する酵母の分離を目指します。
◇平成28年度製造者
八木酒造株式会社(奈良県酒造組合 組合員)
住所:奈良県奈良市高畑町915番地
TEL:0742-26-2300
※ オルニチン蓄積酵母を用いた清酒は、1本(720㎖)1,188円(税込)で販売されています。
※ 製造事業者は、奈良県酒造組合を通じ、当該酵母の使用を希望する酒造会社を公募しました。

問い合わせ先
◇奈良県産業振興総合センター 生活・産業技術研究部 バイオ・食品グループ
TEL 0742-31-9088(直通)/0742-33-0863(研究支援室)
◇奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科
◇奈良県酒造組合
TEL 0745-51-3388