世尊寺太子堂 せそんじたいしどう
記入年月日 2016/08/10
- 所在地
- 奈良県吉野郡大淀町比曽762
- 区分
- 建造物 | 宗教建築
- 指定内容
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- 歴史文化資源の概要
- 太子堂は、世尊寺本堂の南西に東面して建っています。高さは礎石から棟まで約7.8m。方三間(一辺7.9m)で寄棟のお堂(法堂)の後ろに入母屋の張り出し部(角屋)がつく、奈良県内でも珍しい造りの建物です。創建年代はわかりませんが、建物の軒丸瓦には、後醍醐天皇(1288-1339年)から賜った寺名「栗天奉寺(りってんほうじ)」の「栗」の字が残されています。
また角屋の鬼瓦には享保7年(1722年)の銘、棟の鯱瓦には寛政8年(1796年)の銘があり、同年の修理札も見つかっています。平成16年3月に縁側の修理が行われ、今日に至っています。
なお、世尊寺では毎年4月29日(かつては4月22日)、聖徳太子の会式「おたいっさん」が行われます。当寺に残る聖徳太子孝養像は、鎌倉~室町時代に制作されたもので、太子堂の創建と聖徳太子の信仰が、江戸時代以前に遡ることを示しています。平成元年3月10日、太子堂は、寛政8年の修理札とともに県指定の文化財となりました。
- 地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
- 4月の会式は、世尊寺の仏教行事からはじまったものですが、今では地元(上比曽区)の伝統的な祭りとして欠かせないものとなり、「おたいっさん」の心をつなぐ行事として、地域ぐるみで継承されています。
- 「記紀・万葉集」との関連とその概要
- 世尊寺は、『日本書紀』欽明紀14年条に記す「吉野寺」の法灯を継ぐ寺院です。寺蔵の文化財にも、飛鳥時代創建寺院・史跡比曽寺跡、本堂本尊・阿弥陀如来坐像(放光樟像)など、記紀との関連を物語る宝物をみることができます。
- 当資源と関連する歴史上の人物とその概要
- 聖徳太子(厩戸皇子)
- 当資源と関連する文献史料
- 『現光寺縁起絵巻』(世尊寺所蔵・大淀町指定文化財・江戸時代)、版木(世尊寺所蔵・江戸時代)などがあります。
- 当資源と関連する伝承
- 当寺は現在曹洞宗ですが、4月29日の聖徳太子の会式や、本堂裏に「聖徳太子お手植えの桜」などもあって、聖徳太子信仰の伝承が色濃い寺院です。しかし、それがいつ頃まで遡るかはまだ研究の途上にあります。
- 他地域の関連する歴史文化資源
- 町内には、聖徳太子絵像を所蔵する弘願寺(越部)や、町外でも、吉野町吉野山の金峯山寺蔵王堂など、聖徳太子像をまつる寺院もいくつかあります。これらを聖徳太子にまつわる歴史文化資源としてつなぐ作業はこれからの課題です。
- 問い合わせ先
- 世尊寺
- 電話番号
- 0764-32-5976
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