出会う 奈良県歴史文化資源データベース

達磨寺出土石塔及び舎利容器 だるまじしゅつどせきとう、しゃりようき

記入年月日 2016/06/30

達磨寺出土石塔
合子
水晶製五輪塔形舎利容器
所在地
奈良県北葛城郡王寺町本町2丁目1番40号
区分
彫刻 | その他
指定内容
県指定有形文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
 平成18年(2006年)3月29日付けで王寺町指定文化財に指定され、その後、平成26年(2014年)3月28日付けで県指定文化財に指定されました。平成14年(2002年)の本堂建替えにともなう発掘調査で、石製の宝篋印塔形石塔が本堂基壇に築かれた小石室から出土しました。石塔塔身部には土師質の合子が納められており、合子内には水晶製五輪塔形舎利容器が納められていました。舎利容器は地・水・火輪と風・空輪で2部材に分かれ、内部に幅2.8mmの仏舎利が納められていました。仏舎利は石英片岩です。これらは、13世紀前半に達磨大師の墓とされる達磨寺3号墳が整備され、寺院として開基されるときに納められたと考えられます。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
 達磨寺が開基された頃の遺物と考えられ、太子信仰・達磨信仰・舎利信仰のそれぞれとどう関係しているのかが注目されます。また、通常は地上に建てられる石塔が地下に埋納されている事例としても貴重です。
「記紀・万葉集」との関連とその概要
 『日本書紀』推古天皇21年(613年)12月条に、聖徳太子が飢人と出会い、助け、埋葬したところ、その飢人の遺体が消えてなくなったとされる飢人伝説があります。のちに飢人が達磨大師の化身とされて達磨寺が開基されました。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
 達磨。インドに生まれ中国で禅を広めました。達磨寺の本堂下に所在する達磨寺3号墳が達磨大師の塚であると認知されるようになり、達磨寺が開基されました。本出土遺物も達磨信仰との関わりが想定されます。
他地域の関連する歴史文化資源
 石塔内に水晶製五輪塔形舎利容器を納める事例として、奈良市・般若寺の十三重石塔などがあります。
問い合わせ先
王寺町 地域整備部 地域交流課 文化資源活用係
電話番号
0745-72-6565

掲載されております歴史文化資源の情報は、その歴史文化資源が地域にとって大切であると考えておられる市町村、所有者、地域の方々により作成いただいたものです。
見解・学説等の相違については、ご了承ください。