出会う 奈良県歴史文化資源データベース

奈良県の牛耕用具 ならけんのぎゅうこうようぐ

記入年月日 2017/09/15

犂(からすき)
くびき
カルチベーターと作条機
所在地
大和郡山市矢田町545番地
区分
民俗 | 有形民俗文化財
指定内容
県指定有形民俗文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
奈良県の農耕用具の内、牛を利用して田畑を耕作する用具544点の資料群です。
【内訳】
(A)牛耕時に牛に牽引させる農具類〈327点〉
Ⅰ耕土を掘り起こす道具(からすき)、Ⅱ耕土を細かくする道具(砕土機)、Ⅲ耕土を整地する道具(板馬鍬、培土機、作条機)、Ⅳ耕土を管理する道具(除草機、カルチベーター)
(B)牛に装着する道具〈186点〉
Ⅰ農具を牽引する道具(くびき、こぐら、ドロビキなど)、Ⅱ牛を操る道具(鼻輪、口かご)、Ⅲ牛を保護する道具(牛の背あて、牛のわらじ、牛の蚊よけ)、Ⅳその他(牛のどろよけ、牛のたすき)
(C)牛耕に使う牛の世話をする道具(31点)
Ⅰ牛に餌をあたえる道具(飼葉入れ、押切り)、Ⅱ牛小屋を清掃する道具(肥打ち、フォーク)、Ⅲ牛の体を掃除する道具(牛のくし、牛の爪切り鎌)

【時代】江戸時代末~昭和
【地域】奈良県全域
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
(1)明治~昭和中期に奈良県内の牛耕に使われた道具が本コレクションでほぼ網羅されています。
(2)各種道具は奈良県の一反あたりの稲の収穫量が全国トップクラスであった時期に使われていました。当時の奈良県の先進的稲作技術は「奈良段階」と称され、日本農業の近代化を考えていく上で注目されており、今後「奈良段階」と称される農業の実態や戦前日本の集約的な農業体系を解明していく上で貴重な資料といえます。
(3)各種の道具の形態差が奈良県内における牛耕の地域差と歴史的な展開を示しています。特に、くびき、こぐら、犂、馬鍬などは、民俗資料と考古資料との比較検討などを通して、奈良県の北西部(奈良盆地)と南部(吉野山地)における古代~近代に至る牛耕の地域性や歴史的展開を考えていく上で注目されています。本コレクションは、今後奈良県内だけでなく、日本列島や東アジアにおける牛耕の歴史的な変遷を解明していく上で、貴重な資料となっていくと考えられます。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
当資源と関連する文献史料
河野通明『日本農耕具史の基礎的研究』和泉書院 1994年
当資源と関連する伝承
奈良盆地と大和高原地域間の借り牛と預け牛の風習 野神祭り、牛滝祭りの風習
問い合わせ先
奈良県立民俗博物館
電話番号
0743-53-3171

掲載されております歴史文化資源の情報は、その歴史文化資源が地域にとって大切であると考えておられる市町村、所有者、地域の方々により作成いただいたものです。
見解・学説等の相違については、ご了承ください。