ロタウイルス感染症

ロタウイルス感染症とは

ロタウイルス感染症は、急性胃腸炎の一つで、5歳までにほぼすべての子どもが一度は感染するとされています。

水のような下痢と嘔吐を繰り返すため、ひどい脱水症状を引き起こし、点滴や入院が必要になることもあります。一度の感染では免疫が不完全で、繰り返し感染することがあります。

原因と症状

【原因】

ロタウイルス感染症は、感染力の非常に強いロタウイルスにより引き起こされます。

ロタウイルスは、環境中でも安定なため衛生状態が改善されている先進国でも感染予防は難しいとされます。

【症状】

米のとぎ汁のような白っぽい水様便と嘔吐を繰り返します。また嘔気、腹痛、発熱を伴うことがあります。

合併症は、けいれん、肝機能異常、急性腎不全、脳症、心筋炎などを引き起こし、死に至ることもあります。

感染経路

ヒトとヒトの間で起こる糞口感染が主な感染経路とされています。

患者の便には多量のウイルスが排泄されています。

ロタウイルスに感染した子が使用したトイレの後始末やおむつの交換などを誤ると感染拡大に繋がります。

子ども同士もウイルスの付着した手で触ったもの(タオル、おもちゃなど)を共有することで感染が拡がります。

予防方法

2種類のワクチン(1価と5価)があり、任意で接種できます。

ロタウイルスワクチンは、感染した際に重症化することを予防する目的のワクチンです。

接種期間は、1価ワクチン(2回接種)の場合は、生後6~24週の間、5価ワクチン(3回接種)の場合は、生後6~32週の間です。詳細については、医療機関へご相談ください。

ワクチン接種以外には、手洗いをこまめに行うことや、おむつを適切に処理することも感染拡大防止に繋がります。

また、汚染された衣類等は次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)でつけおき消毒した後、他の衣類とは分けて洗濯してください。

治療方法

特別な治療方法はありません。

何度も繰り返される下痢・嘔吐により脱水症状になることがあるため、点滴や経口補液を投与されることがあります。

登園・登校について

症状がある間が主なウイルス排泄期間ですが、回復後も数週間にわたり便からウイルスが排泄されることがあります。

症状が軽減した後、全身状態が良ければ登園・登校可能ですが、排便後の始末、手洗いの励行は重要です。

お問い合わせ

奈良県感染症情報センター  (奈良県保健研究センター内)

〒633-0062 桜井市粟殿1000
電話番号 0744-47-3183