1 平成12年奈良県経済の概要
平成12年奈良県産業連関表から本県経済の規模と循環構造を図式化すると、第2図・第3図のとおりになります。
第2図を供給側(タテ方向)から見てみると、平成12年の1年間に県内で生産された財・サービスの総額(=県内生産額)は7兆219億円となりました。県内生産額の費用構成の内訳をみると、生産に用いられた原材料・燃料等の財・サービスの中間投入が3兆1349億円、雇用者所得や営業余剰等の粗付加価値が3兆8870億円となりました。県内生産額に県外からの移輸入3兆921億円を加えた総供給は、10兆1140億円となりました。
次に、需要側(ヨコ方向)から見てみると、財・サービスの総需要は10兆1140億円となりました。このうち、生産に用いられた原材料・燃料等の財・サービスの中間需要が3兆1349億円、消費、投資及び移輸出の最終需要が6兆9792億円となりました。
第3図ではこれらの流れを示しています。
第2図 平成12年奈良県産業連関表からみた奈良県経済の規模
第3図 平成12年奈良県産業連関表からみた財・サービスの流れ クリック
2 県内生産額
平成12年の県内生産額は7兆219億円で、平成7年の6兆9191億円に対して1.5%の伸びとなりました。これを5年間の平均の伸び率でみると0.3%の伸びとなりました。
一方、平成12年の国内生産額は、958兆8865億円で、平成7年の937兆1006億円に対して2.3%の伸びとなっています。5年間の平均の伸び率では0.5%となっています。
本県の全国の生産額に占める割合は0.73%となりました。
第2表 県(国)内生産額の推移
県内生産額の産業別構成比をみると、第1次産業が1.3%、第2次産業が43.3%、第3次産業が
55.4%となり、平成7年のそれぞれ1.6%、49.0%、49.4%と比較すると、第2次産業の割合が低下する一方、第3次産業の割合が上昇しました。
また、産業別増加寄与度でみると、全体の伸び率1.5%のうち、医療・保健・社会保障が最も大きく寄与し1.7%、次いで電気機械1.4%、公務1.3%の順となっています。
第3表 部門別県内生産額(32部門) クリック
3 中間投入
生産のために必要となる原材料、燃料などの中間投入額は3兆1349億円で、県内生産額に占める割合(中間投入率)は44.6%となりました。平成7年の46.5%と比べると、1.9ポイント低下しました。
4 粗付加価値
粗付加価値額(=県内生産額-中間投入額)は3兆8870億円で、県内生産額に占める割合(粗付加価値率)は55.4%となりました。平成7年の53.5%と比べると1.9ポイント上昇しました。
第4表 県内生産額項目別内訳
5 総供給と総需要
総供給額は10兆1140億円となりました。内訳をみると、県内生産額が7兆219億円で69.4%、移輸入が3兆921億円で30.6%となりました。
平成7年の総供給額10兆681億円と比べると0.5%の伸びとなりました。
総需要額は10兆1140億円となりました。内訳をみると、中間需要額が3兆1349億円で31.0%、最終需要額が6兆9792億円で69.0%となりました。
6 最終需要
最終需要額は6兆9792億円となりました。平成7年の6兆8535億円と比べると1.8%の伸びとなりました。
総需要に占める最終需要の割合は69.0%となり、平成7年の68.1%に比べて0.9ポイント上昇しています。
最終需要を項目別にみると、民間消費支出が2兆8491億円で全体の40.8%となり、次いで移輸出が2兆2163億円で31.8%、県内総固定資本形成が9392億円で13.5%となっています。
第5表 総供給と総需要
7 県際収支
県内で生産された財・サービスを県外に移輸出した総額は2兆2163億円となりました。平成7年の2兆2097億円に比べると0.3%の上昇となっています。移輸出率(移輸出額/県内生産額)でみると、31.6%となりました。
一方、県外から供給された移輸入の総額は3兆921億円となりました。平成7年の3兆1489億円に比べると1.8%の減少となっています。移輸入率(移輸入額/県内需要額)でみると、39.2%となりました。
移輸出額から移輸入額を差し引いた県際収支は8758億円の移輸入超過となりました。
第6表 県際関係