第29回紀伊半島知事会議の結果概要について
本日、開催されました第29回紀伊半島知事会議の概要については、以下のとおりでした。
開催日 平成30年7月5日(木)
開催場所 いつきのみや地域交流センター(三重県多気郡明和町)
参加者 奈良県知事 荒井 正吾
三重県知事 鈴木 英敬
和歌山県知事 仁坂 吉伸
1 議事
【林業振興】
〇 奈良県から提案のあった新たな森林環境管理制度については、森林が有する「生産・防災・生物多様性」等の機能が最大限に発揮され、森林が適正に管理されるよう、引き続き、3県で情報共有し、研究を進めていくとともに、森林管理・林業の人材育成について、3県それぞれが行う研修において、受講生の受入・交流や講師人材の共有等、連携を具体的に進めていくことで合意した。
【観光振興】
〇 来年7月に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」が登録15周年を迎えるため、3県が連携して、国内外への情報発信や誘客促進に取り組むことで合意した。
【大規模災害対策】
〇 奈良県における広域防災拠点については、まず奈良県が具体化を進めつつ、オペレーションの研究において三重県・和歌山県が協力することで合意した。
〇 熊野川流域の総合的な治水対策及び土砂災害対策について、引き続き、3県が連携して取り組んでいくとともに、3県で国へ要望(国の主導による対策の推進)することで合意した。
【道路・交通対策】
〇 地方創生、国土強靱化に資する紀伊半島アンカールートの整備推進について、引き続き、3県で国へ要望していくことで合意した。
〇 リニア中央新幹線は紀伊半島の発展に重要な役割を担う交通基盤であることから、その効果が遺憾なく発揮されるよう、三重・奈良・大阪ルートの早期実現に向けて、今後も連携して取り組んでいくことで合意した。
【医療体制の構築】
〇 紀伊半島の医療体制の充実・強化を図るため、ドクターヘリの広域連携について、奈良県と三重県、奈良県と和歌山県が速やかに相互応援協定を締結することで合意した。
【その他】
〇 6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震により、大阪府を中心に大きな被害が発生したことなどをふまえ、災害に強い紀伊半島をつくるため3県が一丸となって孤立地域支援など防災・減災の取組を国等の関係機関・関係団体とも連携して強力に推し進めること、今後想定される巨大災害に備え、早期復旧復興の支援制度のさらなる充実を求めることを内容とする「大阪府北部を震源とする地震をふまえた紀伊半島知事宣言」を採択した。
大阪府北部を震源とする地震をふまえた紀伊半島知事宣言
本年6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震は、大阪府を中心に4名の尊い命を奪うとともに、多くの負傷者や住家の損壊を出す等、甚大な被害をもたらした。また、今回の地震では、ブロック塀の安全確保等の課題も明らかになった。
我々は、今回の被災地の早期復旧復興に協力して取り組むとともに、今後、南海トラフ地震など国難レベルの巨大災害が想定されるなかで、紀伊半島地域の住民の生命・財産を守り、この地域の持続的発展を実現していくためには、今回の地震で得られた教訓等を生かし、防災・減災対策を一層強化していく必要があるとの認識で一致し、以下のとおり宣言する。
一. 災害に強い紀伊半島をつくるため、「想定外」という事態が繰り返されることのないよう、過去の災害や復興対策から得られた教訓等を生かし、3県が一丸となって、孤立地域支援、救援物資支援など防災・減災の取組を、国等の関係機関・関係団体とも連携して強力に推し進める
一. 今後想定される巨大災害に備え、早期復旧復興のための支援制度のさらなる充実を求める
平成30年7月5日
紀伊半島知事会議
三重県知事 鈴木 英敬
奈良県知事 荒井 正吾
和歌山県知事 仁坂 吉伸