奈良新聞掲載記事集

令和6年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和5年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和4年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和3年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和2年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成31年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

大和寒熟ほうれん草

 皆さんは、奈良県でどのような農産物が生産されているかご存じですか。生産額上位5品目は順に米、柿、生乳、イチゴ、ホウレンソウとなります。そのなかでも今回はこれからの季節に特においしいホウレンソウについて紹介します。
 ホウレンソウは、県内で1年中生産出荷されていますが、12月下旬から2月に出荷されるホウレンソウの中で特においしいのが「大和寒熟ほうれん草」です。ホウレンソウは、栽培中に寒気にあてゆっくり生育させると、糖含量(糖度)が高まり、甘みが強くなる性質があります。この性質を利用して栽培したホウレンソウが「大和寒熟ほうれん草」です。「大和寒熟ほうれん草」は標高300m以上の宇陀市、曽爾村、御杖村など大和高原地域で生産されています。統一された栽培マニュアルに基づき、冷気を取り入れるためビニールハウスのサイドを開放して寒気にあて、また糖度が上昇しやすく食味の優れる品種だけを利用して、この時期の通常のホウレンソウより長めの2ヶ月以上かけて栽培されます。そして、収穫時に、実際に糖度を測定し、糖度がおおむね10%以上のものだけが「大和寒熟ほうれん草」として出荷されます。和え物やおひたしにして食べてみると、はっきりとした甘みを感じることができます。また、「大和寒熟ほうれん草」は奈良県が「大和野菜(大和のこだわり野菜)」に認定し、JAならけんが商標登録を取得したロゴマークのついた袋(写真)にいれて県内の量販店・直売所などで販売されています。
 これまで、大和野菜研究センターでは、糖度を上昇させる栽培管理方法や品種の検索などの研究を行ってきました。これからも、「大和寒熟ほうれん草」のような大和野菜の高品質化・高付加価値化を図り、生産量の拡大につなげることで、生産者のみなさんの経営改善や県産野菜の消費拡大につなげていきたいと考えています。

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    「大和寒熟ほうれん草」のロゴマークのついた商品

 

【豆知識】

「大和寒熟ほうれん草」は、和え物やおひたし、油炒めやオムレツの材料などいろいろな料理に利用でき、それぞれおいしく食べることができます。ここでは、比較的簡単にできる「大和寒熟ほうれん草」のスープを以下に紹介します。
(材料〈2人分〉)
「大和寒熟ほうれん草」:1月2日束、たまねぎ:1月2日個、バター:大さじ1、牛乳:400cc、コンソメ:適量、塩・こしょう:少々
(作り方)
(1)鍋にバターを溶かし、みじん切りにしたたまねぎを炒めます。たまねぎに十分火が通ったら、適当な大きさに切った「大和寒熟ほうれん草」を加え炒めます。
(2)火を止めて1月2日カップの水を加え、ミキサーにかけます。
(3)鍋に戻して、牛乳を加えて火にかけます。コンソメと塩・こしょうで味をととのえて下さい。
 寒い冬に体を温める一品です。みなさんも一度お試し下さい。

平成30年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」



奈良新聞で第2日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。