出会う 奈良県歴史文化資源データベース

旧長壽會細菌研究所工場、製品庫 きゅうちょうじゅかいさいきんけんきゅうしょこうじょう、せいひんこ

記入年月日 2021/04/19

長壽會細菌研究所
所在地
奈良市芝辻町543-11
区分
建造物 | その他(近代)
指定内容
国登録有形文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
奈良長壽會は、大正3年(1914)に喜多芳治郎が設立し、ヨーグルトなど菌類を利用した健康食品の製造販売を行いました。東大寺焼門東側に建物が残っており、設計・施工は大木吉太郎とみられます。
工場は大正末頃の建設で、コの字型に4棟を配置します。外観は下見板張りで、妻面は白壁と束のハーフティンバー風の意匠です。トラスで屋根を支え、研究室、醗酵室、瓶詰室などの作業場を設け、機器類も多数残されています。
製品庫は昭和前期の建設で、工場向かい側にあります。外観は縦板張りで、妻面は工場と同様ハーフティンバー風です。内部は間仕切のない広い空間で、一部2階を設け、トラスで屋根を支えます。
令和2年(2020)に国の有形文化財に登録されました。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
工場は、建物と機器類がほぼ完全な形で残り、稼働当時の様子が大変よくわかる近代の食品工場として価値があります。製品庫も、工場と一体となって敷地景観を形成し、かつての様子を伝えています。
また、保存・活用の取り組みはとてもユニークで、きたまち地域におけるさまざまな歴史的建造物の活用事例の中でも、注目されるもののひとつです。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
喜多芳治郎:明治16年(1883)添上郡若槻村(現大和郡山市若槻町)の生まれで、大阪農学校を卒業後、農事試験場の技手をつとめた後、大正3年(1914)、乳酸菌を利用した健康食品の製造販売を手掛ける奈良長壽會を設立。昭和25年(1950)没。
大木吉太郎:明治20年(1887)に大和郡山の大工の家に生まれ、東京の日本工芸学校で建築を学び、和歌山県と奈良県で文化財建造物の修理に技手として参加した後、大正10年(1921)頃から本格的に建築設計を始めた。代表作は昭和5年(1930)の日本聖公会奈良基督教会(奈良市登大路町、重要文化財)。昭和46年(1971)没。
他地域の関連する歴史文化資源
日本聖公会奈良基督教会(奈良県奈良市登大路町、重要文化財)
問い合わせ先
奈良市教育委員会事務局教育部文化財課
電話番号
0742-34-5369

掲載されております歴史文化資源の情報は、その歴史文化資源が地域にとって大切であると考えておられる市町村、所有者、地域の方々により作成いただいたものです。
見解・学説等の相違については、ご了承ください。