活かす 歴史を活かす地域の取組

歴史を活かす地域の取組

廣瀬大社

675年、天武天皇の時代に祭りを行ったことが日本書紀に記載されています。奈良盆地の交通(水運)の要衝にあり、水の神を祀っていることから、「廣瀬の水神」と称されました。五穀豊穣を祈る奇祭「砂かけ祭」で有名です。

大塚山古墳等

河合町の北東部に位置する合計8基からなる古墳群です。築造は5世紀後半から6世紀初頭。最大の大塚山古墳は全長197mと、築造当時の馬見古墳群の中では異例の大きさです。このことから、百舌鳥などに巨大古墳を造った豪族との関連が指摘されています。

北葛城郡河合町

祭りをとり入れた「ゆるキャラ」で、町をアピール 祭りをとり入れた「ゆるキャラ」で、町をアピール

町民大学の講師として遺跡の魅力を伝える 吉村公男氏に聞く
河合町教育委員会事務局生涯学習課課長補佐。遺跡発掘をはじめとする町の文化財調査事業などを担当。河合町の町民大学「遺跡学セミナー」の講師として、遺跡の魅力を多くの人々に伝えるとともに、観光ボランティアガイドの育成にも力を入れている。
2017年2月
廣瀬大社「砂かけ祭」

河合町の認知度が廣瀬大社の砂かけ祭によって、
アップしました

廣瀬大社では、毎年2月11日に砂かけ祭が行われます。これは、五穀豊穣を祈願する祭で、人々が雨に見立てた砂を激しくかけ合います。水の神を祀る廣瀬神社ならではの祭りですね。毎年、町内外から4,000人前後の方が訪れ、リピーターも多くなっています。河合町はどちらかというと認知度が低く、この間までは「斑鳩町の隣の河合町」などと紹介されていましたが、この祭のおかげで「砂かけ祭の河合町」として認知されるようになりました。まさに、歴史文化資源の活用効果といえますね。 

廣瀬大社 一の鳥居

ゆるキャラ「すな丸」が、町のアピールに
一役買っています

2013年に、河合町のイメージキャラクター「すな丸」が誕生しました。これは、砂かけ祭をモチーフに、町民の方がデザインされたものです。「すな丸」の誕生日は砂かけ祭と同じ2月11日で、この日には廣瀬大社に登場し、町のアピールに一役買っています。また、「すな丸」にはテーマソングがあり、地元の合唱団がレコーディングをしています。このように、町と住民の方々が一体となって、歴史文化資源ひいては町全体を盛り上げていこうという方向で進んでいます。 

大塚山古墳群 現地学習

大塚山古墳群では、遺跡に親しんで
もらえるような施策を検討中です

公有化を進めている大塚山古墳群では、3年後をめどに整備委員会をつくって、史跡整備を具体化していく方向で検討中です。発掘調査に入れば、その現場を公開して、皆様に親しんでもらえるようにしたいと思っています。また、古墳群の東側には宮堂遺跡があり、そこでは土器が出土しているので、将来的には発掘体験の場として活用できればと思います。

九僧塚古墳と大塚山古墳

町民大学のセミナーで、町内の歴史文化資源に
関心が集まっています

今、河合町が力を入れているのが、町民大学です。その講座に「遺跡学セミナー」というのがあり、遺跡についての座学や、現地学習を行っています。このセミナーを卒業すると、観光ボランティアガイドになることができます。また、小学4年生から中学3年生までを対象とした「寺子屋教室」でも、廣瀬大社や大塚山古墳群をとり上げています。子どもたちが歴史文化資源に関心をもつことにより、一旦は町を離れても、将来は町に戻ってきてくれるといいですね。