白絖地菊水模様絞染小袖

奈良県立美術館 Nara Prefectural Museum of Art
40選 富本憲吉作品
コレクション
絵画
(江戸時代以前)
絵画
(近代・現代)
浮世絵 書跡 彫刻 工芸



「白絖地 菊水文様 絞・染 小袖
(しろぬめじ きくすいもんよう しぼり・そめ こそで)」

一領  江戸時代(17世紀)
丈156.0cm 裄66.0cm

白絖地菊水文様絞染小袖

 

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解説

 純白の絖地という絹の上質な織りは、ぬめっとした濃密な肌ざわりで、それでいて極めて軽いという高級な素材である。材質もさることながら、この文様にあらわされた軽快な線によって、水の躍動がいかにも涼やか。その流れに身を任せて大小の菊花が動いていく。今は淡く落ちついているものの、鮮明な朱色であった頃の配色は、想像するだに魅力あふれるものであったろう。数少ない江戸時代初期の寛文小袖(かんぶんこそで)の類品である。左肩に起点をおいて、右肩を経て下辺に文様を集中する、そして左辺の空間を残すことによって、絶妙の間を構成して、典型的な寛文の風を今に伝える。

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