薬用植物見本園

このページでは、当センターの薬用植物見本園で見られる薬用植物を中心に紹介しています。

当センターの建物周辺には約200種類の薬用植物が育っています。

薬用植物見本園の見学について

薬事研究センターは耐震工事が必要になりましたので、令和2年4月1日より一時的に移転しました。

移転中は、薬用植物見本園(御所市)の見学はできません。

(春・秋に行っていた、休日公開も行いません)

現在、再開は未定ですが、決まり次第お知せします。


アカヤジオウ
アケビ
アマチャ
アミガサユリ
イカリソウ
イブキジャコウソウ
ウイキョウ
ウコン
エビスグサ
エンゴサク
オウレン

カミツレ
カリン
キキョウ
クコ
クズ
ゲンノショウコ
コウホネ

サジオモダカ
サフラン
シオン
シャクヤク
スイカズラ

テンダイウヤク
トウキ
ドクダミ
トチバニンジン

ノイバラ

ヒキオコシ
フジバカマ
ホソバオケラ
ボタン

ミシマサイコ
ムラサキ


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春に咲く花(3月~5月)
アケビ(アケビ科)
Akebia quinata Decaisne

山野に自生するつる性の落葉性低木。葉は、楕円形の小葉5枚が手のひら形に付く。花は、3~4月に淡紫色の雄花と雌花が同じ木に咲く。雄花は数が多く、雌花は少ないが少し大きい。果実は、長楕円形で薄紫色になり、成熟すると裂ける。果肉は半透明で甘い。

生薬名:木通(モクツウ)
花の咲く時期に、木化したつる性の茎を採取し、日干しで乾燥させる。

【適用】
消炎、利尿、鎮痛、通経
加味解毒湯、消風散、通導
アケビ
アミガサユリ(ユリ科)
Fritillaria verticillata Willdenow var.thunbergii Baker

多年生草本で、りん茎により増える。高さ50cm前後。花は、3~4月に上部の葉の付け根から下向きに咲く。淡黄緑色で約3cmの釣鐘形をしており、内側には黒紫色の網状模様がみられる。花後、広い翼を縦に付けた六角柱状の実を付ける。地下のりん茎は、2個の白いりん片が合わさったような球形。

生薬名:貝母(バイモ)
りん茎(地下茎の一種)を、5~6月頃の茎葉が枯れる前に収穫して、乾燥させる。

【適用】
鎮咳、去痰、排膿、消炎
貝母湯、滋陰至宝湯、当帰貝母苦参丸料、桔梗白散、清肺湯、など
アミガサユリ
イカリソウ(メギ科)
Epimedium grandiflorum Morren var. thunbergianum Nakai

4~5月頃に4弁の花を下向きにつけ、花の色は白色、薄クリーム色、淡紅色、淡紫色があり、その花の形が「錨」に似ることからイカリソウと名付けられた。丘陵や山すそなどの木陰に自生する多年生草本。茎は数本束になって生え、高さ15~25cm。冬には葉は枯れる。

生薬名:淫羊カク(インヨウカク)
地上部の葉茎を刈り取って日干しにし、乾燥させる。

【適用】
漢方では補精薬で強壮、強精薬として、インポテンツ、不妊、腰膝軟弱、倦怠感、健忘症などに用いる。二仙湯、羊カク桑寄湯など
イカリソウ
エンゴサク(ケシ科)

草丈は10~20cm。花期は3月~4月。

生薬名:延胡索(エンゴサク)
5~6月頃に塊茎を掘りあげ、水洗い後、蒸してから日干しにする。

【適用】
鎮痛、鎮痙、ただし妊婦の服用は避けること。
エンゴサク
カミツレ(キク科)
Matricaria chamomilla L.

晩春から初夏にかけて茎頂に頭花を一つつける。頭花は初め扁平であるが、開花が進むにつれて花床が盛り上がり、最頂部の管状花の開花時にはほぼ円錐形となって舌状花が垂れ下がる。

生薬名:カミツレ
花を採取し、乾燥させる。

【適用】
発汗、駆風、消炎剤
カミツレ
カリン(バラ科)
Chaenomeles sinensis Koehne 

高さは5~10mになり、樹皮が鱗状にはげ落ちるため幹には雲紋状の模様がある。花期は4月。短枝の先に3cmほどの淡紅色の花をひとつ付ける。果実は卵形で10cmほどあり、初め緑色をしているが、11月頃には落葉した枝に黄色く熟してぶらさがっている。成熟した果実は表面にロウ状のテカリが出て甘い香りを放つが、味は渋くて酸味が強く、また堅いため生食はされない。

生薬名:木瓜(モッカ)
成熟した実を採取して縦割り又は輪切りにし、乾燥させる

【適用】
利水作用、鎮咳、鎮痛
鶏鳴散加茯苓など
リキュール漬けなどにして、疲労回復にも用いられる。
カリン
シャクヤク(ボタン科)
Paeonia lactiflora Pallas

日本各地で薬用、観賞用に古くから栽培される多年草。草丈50~80cm。茎は数本が直立して無毛。花期は5月。茎の頂に紅色、白色など、多種の大形花を1~3個つけ、しばしば八重咲きとなる。

生薬名:芍薬(シャクヤク)
9~11月頃に根を堀り上げ、水洗い後日干しにする(赤芍)か、コルク層を除いて蒸し、日干しにする(白芍)。

【適用】
収れん、緩和、鎮痙、鎮痛
当帰芍薬散、加味逍遙散、四逆散、芍薬甘草湯、葛根湯、小青竜湯など
シャクヤク
テンダイウヤク(クスノキ科)
Lindera strychniforia F.Vill

中国原産で、日本でも暖地で野生化している常緑低木。樹高は3mほど。花期は3~4月。葉の付け根に淡黄色の小さい花を多数付ける。テンダイウヤクは秦の始皇帝が徐福に命じて探させた不老長寿の霊薬と言われている。

生薬名:天台烏薬(テンダイウヤク)

【適用】
芳香性健胃作用、鎮痛作用があるとされる。
テンダイウヤク
ノイバラ(バラ科)
Rosa multiflora Thunberg

日本各地の原野、川岸に自生する落葉低木。野生バラの代表種である。樹高は2m、枝には鋭いとげがある。花期は5月。ほのかに香りのする純白の5弁の花が円すい状に集まって咲く。花径は約2cm。満開時には、みごとである。

生薬名:営実(エイジツ)
秋、実が深紅色に熟する一歩手前、多少青みがかかったものがある頃に採取し、日干しする。

【適用】
利尿、下剤としては服用し、おできなどの腫れ物には、塗布する。
ノイバラ
ボタン(ボタン科)
Paeonia suffruticosa Andrews

観賞用および薬用に各地で広く植栽される落葉低木。樹高50~180cm。幹は直立して分枝し、枝は太い。葉は有柄で互生し、2~3中裂し鋭頭。花期は4~5月。枝先に大形の花が単生し、花色は品種によって紫、紅、白色などがある。

生薬名:牡丹皮(ボタンピ)
根の木部を抜き去った根皮

【適用】
消炎、駆於血薬として鎮痛、浄血、鎮痙、通経に使用される。
桂枝茯苓湯、八味地黄丸、牛車腎気、温経湯など

備考
八重咲きのものが多いが、一重咲きでは花弁は5~10数枚で、色は紅、白、紫と変化に富む。特に一重の赤紫色の花で根が良く発達して良く太る品種で、中でも大和(奈良県)において、古くから受け継いで栽培されているのが、1700年代から続く「大和牡丹」と呼ばれる優良品種で、生薬の外面が紫褐色で切面や内面にペオノールの白色の結晶を付け、ペオノールの独特の香気のあるものを良品質として扱う。
ボタン
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夏に咲く花(6月~8月)
アカヤジオウ(ゴマノハグサ科)
Rehmannia.glutinosa Libosch. Var. purpurea Makino

薬用として栽培される多年草。肥大した根があり地中を匍匐する。根出葉は根ぎわに互生し、長楕円形、表面にちりめん状のしわがある。花期は5月~。葉の間から15~30cmの花茎を出伸ばしながら、淡紅色の大形の花を数個開く。

生薬名:地黄(ジオウ)
根を堀とって日干しする。
【適用】強壮解熱薬として糖尿病、前立腺肥大症、老人性腰痛、白内障、インポテンツなどに応用する。八味地黄丸、四物湯、炙甘草湯など

備考
地黄は漢方において「修治」とよばれる加工処理によって薬効に顕著な変化が見られる生薬である。
「生地黄」:掘り取った根を日陰の砂地に蓄えたもの。別名鮮地黄。漢方における性味は大寒で、その目的は清熱涼血とされ、生地黄湯や炙甘草湯などに配剤されるが、その使用頻度は高くない。
「乾地黄」:掘り取った根を天日乾燥したもの。その性味は寒苦で、清熱涼血とともに滋陰養血を目的に八味地黄丸、当帰六黄湯などに配剤されている。
「熟地黄」:生地黄を砂から取り出して、水または酒とともに煮る、蒸すなどの処理をしてから乾燥させたもの。その性味は温甘で、補血、強壮、滋養などの目的で、十全大補湯、六味地黄丸、四物湯などのいわゆる補剤と称される処方に配剤される。
昔、橿原市地黄町で盛んに栽培されたことから地名となっている。
アカヤジオウ
アマチャ(ユキノシタ科)
Hydrangea macrophylla Seringe var.thunbergii Makino

樹高は1~2m。花期は7月。初め青く、徐々に淡紅色になる。ヤマアジサイとよく似ている。挿木と株分けで増殖できる。アジサイのうち甘味のある成分変異株を民間で発見して使用を始めたもの。昔から4月8日の灌仏会(釈迦の誕生日)に煎汁を仏像に注ぎ、また飲用する風習がある。

生薬名:甘茶(アマチャ)

【適用】
甘味料
丸剤などの甘味薬、口腔清涼剤の製造原料。また砂糖の代用として、糖尿病患者に用いられる。
アマチャ
イブキジャコウソウ(シソ科)
Thymus quinquecostatus Celak.

日当たりの良い岩地などに生える小低木。樹高は3~15cm。一応、樹木である。触れるといい香りがする。6月~7月に、枝先の花穂に薄紫の小さな花を多数付ける。伊吹山に多く分布しているので「イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)」と名付けられた。

生薬名:百里香(ヒャクリコウ)
花期に地上部を刈り取り、水洗いして陰干しする。

【適用】
発汗、収れん、利尿、強壮作用
イブキジャコウソウ
ウイキョウ(セリ科)
Foeniculum vulgare Miller

夏期、枝先に多数の黄色の小花を開く。 果実は卵状楕円形の双懸果で、長さ3.5~8mm、幅1~2.5mmで香りが強い。多年生草本で、茎は直立し高さ1~2m、上部で分枝する。全草黄緑色、独特な香りがある。

生薬名:茴香(ウイキョウ)
9~10月、果実が完熟する直前のやや緑が残っている頃に果穂ごと採集し、2~3日、日干しした後、果実を打ち落とす。

【適用】
芳香性健胃として胃腸薬の原料に、駆風、去痰、香辛料、ウイキョウ油原料に用いる。
安中散、丁香柿蒂湯など
ウイキョウ
エビスグサ(マメ科)
Cassia obtusifolia L.

草丈70cmほどになる一年草。花期は6~8月。葉の付け根に黄色の5弁花を付ける。和名のエビスグサ(夷草)は、「外国の草」という意味。

生薬名:決明子(ケツメイシ)
10月頃、細長いさやに入った種子を採取する。

【適用】
便秘、整腸、腹部膨満
民間では煎った種子を麦茶のように煮出して、ハブ茶と称して飲まれている。
エビスグサ
キキョウ(キキョウ科)
Platycodon grandiflorum A.DC.

根は太くて多肉、淡黄白色、茎は高さ1m以上にもなり、ときに上方分枝、円柱状で傷つくと白液を出す。8~9月頃枝上部に青紫色あるいは白色の鐘形5裂の花を開く。

生薬名:桔梗(キキョウ)
根を6~7月または秋に地上部が枯れた頃堀りあげ、水洗い後、皮を除いて日干しにする。

【適用】
鎮静、鎮痛、解熱作用のほか、抗炎症、鎮咳、血圧降下
防風通聖散、柴胡清肝湯、十味敗毒湯など
キキョウ
クズ(マメ科)
Pueraria lobata (Willd.) Ohwi

茎は基部が木質で著しく伸長して葡匐し、長さ10mに達する。葉は長さ10~15cm、花は7~9月に紅紫色花を多数、総状花序に密生する。

生薬名:葛根(カッコン)
晩秋に貯蔵根をとり上げ、コルク皮を除いて縦割りにするか、約5mmのさいの目に切って日干しにする。

【適用】
解熱、鎮痙
葛根湯、参蘇飲、桂枝加葛根湯
葛の花を乾燥させたものを葛花(カッカ)と称し、二日酔いに良いとされる。
クズ
コウホネ(スイレン科)
Nuphar japonicum DC.

水辺に生える多年草。花期は6~9月。直立した花茎に黄色花ひとつ付ける。
コウホネ(河骨)は地下茎が骨のように見えることから。

生薬名:川骨(センコツ)
秋~春に根茎を掘りあげ、日干しする。

【適用】
利尿、浄血鎮静薬として浮腫、月経不順、血の道症、産前産後に用いられる。
実母散などに配合される。
コウホネ
サジオモダカ(オモダカ科)
Alisma plantago-aquatica L. var. orientale Samuels.

浅い水中に生える多年草。葉が匙のような形になる。花期は8~9月。花茎を高さ50~70cmにのばし、枝分かれしながら多数の白色花を付ける。

生薬名:沢瀉 (タクシャ)
11月頃、根茎(塊根)を掘りあげ、日干しにする。

【適用】
利尿、止渇、駆水作用があり、頻尿、口渇、むくみに用いられる。
茯苓沢瀉湯、五苓散、猪苓湯など
サジオモダカ
スイカズラ(スイカズラ科)
Lonicera japonica Thunberg

山地、丘陵地に普通に生えるつる性の常緑低木。5~6月にかけて白色の花が2個並んで咲き、後に黄色に変わり金(黄花)と銀(白花)が入り乱れて咲いているように見えることから金銀花と呼ばれ、花の奥には密があって口に含んで吸うと良い香りの甘い味がするのでスイカズラ(吸蔓)の名がついた。

生薬名:忍冬(ニンドウ)
葉(忍冬)は2日ほど日干しした後陰干し、花蕾(金銀花)は通風のよい場所で陰干する。

【適用】
解熱、消炎、利尿薬として化膿症、浄血、関節炎
スイカヅラ
トウキ(セリ科)
Angelica acutiloba Kitagawa

芳香性の多年草。草丈60~90cm。根は肥厚する。茎は直立、分岐し、葉柄とともに帯紫色葉は2回3裂複葉、小葉は卵状皮針形で鋭尖頭、鋭きょ歯縁。花期は6~9月。枝先の複散形花序に白色の小さな花を多数つける。

生薬名:当帰(トウキ)
根を掘りあげて日干しする。

【適用】
補血、強壮、鎮痛、鎮静を目標に冷え性、貧血、血行障害など各種の婦人科疾患に広く用いる。
当帰芍薬散、加味逍遙散、補中益気湯、四物湯

備考
 栽培品種では、日本産当帰の基原植物であるヤマトトウキとホッカイトウキの2系統があり、ヤマトトウキの根を用いた「大和当帰」は古くから大和(奈良)に産する当帰の優良品種であるといわれている。中でも奈良・和歌山県境に近い大深地方及び富貴地方で生産される当帰は「大深当帰」といわれ、独特の香りと赤褐色の飴色に仕上がったものが良品とされている。 生薬名の当帰は、民間伝承によると、出産のために実家に帰った嫁が産後に当帰を服用して元気になり、無事婚家に帰宅(当に帰る)できるようになったということからついている。また、中国の民話にも薬草を採りに出かけた夫が薬草を見つけて家に帰って病気の妻を治したことから、当に帰るという意味で当帰とついたという話がある。いずれも当帰は古くから婦人病の治療に用いられてきたことを物語る民話である。
トウキ
ドクダミ(ドクダミ科)
Houttuynia cordata Thunberg

草丈15~35cm。茎は直立で分岐する。葉はまばらに互生し広心臓形で先は短くとがり、暗緑色。花期は6~7月。花は淡黄色で小さく短い花穂につき、4枚の白い花弁状の総苞片に保護されている。果実はさく果で、全草に独特の臭気がある。

生薬名:十薬(ジュウヤク)
花期に地上部の全草を刈り取り水洗いをし、日干しにして乾燥させる。

【適用】
利尿、緩下
ドクダミ
トチバニンジン(ウコギ科)
Panax japonicus C.A.Meye

日本特産。草丈50~60cm。根茎は横臥してやや太く、白色で結節がある。葉は、掌状複葉で小葉は5~7枚。花期は5月。長い花茎を出し、先端に多数の小さい淡黄緑色花を球状につける。7月には赤い実がなる。

生薬名:竹節人参(チクセツニンジン)
根茎を掘りとった後、細根を取り除き、水洗。湯通しをして乾燥する。

【適用】
健胃、鎮咳・去痰
トチバニンジン
ホソバオケラ(キク科)
Atractylodes lancea DE Candolle

山裾の明るい低木林、草地などに生える多年草。日本では薬草園などで栽培される。草丈30~80cm。根茎は横走し、茎は単一で上部で少数分枝する。葉は互生し、革質で卵状皮針形か楕円形で長さ3~8cm、漸尖頭で細きょ歯縁。花期は8~10月。茎の頂に白色に頭花をつける。

生薬名:蒼朮(ソウジュツ)
根茎

【適用】
健胃、整腸薬、利尿薬
漢方では水分代謝不全に利尿、発汗を目標に用いる。
胃苓湯、香砂養胃湯、二朮湯
ホソバオケラ
ムラサキ
Lithospermum erythrorhizon Sieb. et Zucc.

山地、草原などに生える多年草。草丈30~60cm。花期は6~8月。葉の間に白色の小さな花を穂状につける。根は紫色をしている。
額田王の和歌「茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」に歌われていることで有名です。

生薬名:紫根(シコン)
根茎5月か10月に根を堀り上げ、日干しにする。乾いたら、土をたたき落とすようにして除き、水洗いはしない。

【適用】
抗炎症、抗浮腫作用、抗菌作用、肉芽形成促進作用、解毒作用

やけどに用いる紫雲膏(しうんこう)など
ムラサキ
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秋に咲く花(9月~12月)
ウコン(ショウガ科)
Curucuma longa L.
草丈40~50cm。根茎はショウガに似ているが、鮮やかな黄色をしている。花期は秋。葉の間から高さ20cmほどの花穂をだし、花穂に多数の花を付ける。

生薬名:鬱金(ウコン)
秋に肥大した根茎を掘り出し、乾燥させる。

【適用】
強肝利胆薬、芳香性健胃薬

備考
秋に花が咲くことから「秋ウコン」と称される。これに対して、春に花咲く姜黄(キョウオウ)は「春ウコン」、根茎が紫色のものを(ガジュツ)を「紫ウコン」と称される。
ウコン
クコ(ナス科)
Lycium chinense Mill.

低地の土手や溝縁に生える落葉低木。樹高は1~2m。枝に短いトゲがある。花期は8~11月。薄紫色の花を葉の付け根に咲かせる。

生薬名:枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、地骨皮(ジコッピ)
秋に赤く熟した実を採取して日干しする。葉は、夏に採取して日干しする。また、根(地骨皮)は秋に掘りあげ、水洗いの後、芯を除いて日干しする。

【適用】
枸杞子は血圧降下作用、枸杞葉は、利尿、強壮作用、地骨皮は血糖低下作用、解熱作用がある。
クコ
ゲンノショウコ(フウロソウ科)
Geranium thunbergii Siebold et Zuccarini

日当たりの良い山野に見られる多年草。花期は7~10月。紫紅色の小さい花を付ける。果実は熟すると、種子をとばす。

生薬名:ゲンノショウコ
花期に地上部を刈り取り、水洗いして陰干しする。
春の新芽の頃には、他の有毒植物と見分けがつくいため、花を確認して採取するべきである。

【適用】
健胃整腸作用があり、また冷え性、しもやけなどに浴湯用にもする。
ゲンノショウコ(現証拠)は、三大民間薬のひとつ。
ゲンノショウコ
サフラン(アヤメ科)
Crocus sativus Linne

草丈15cm内外。葉は線形か狭線形で多数、開花期には短いがその後成長して長さ30~45cmになる。花期は10月~11月。花茎は極めて短い淡紫の花をつける。花柱は鮮橙赤色。

生薬名:番紅花(バンコウカ)
盛花期の10~11月に当日開花したものの花柱(雌しべ:赤い)を手で採取し、室内の通風の良い場所で陰干しにする。

【適用】
鎮静、鎮痛、通経
サフラン
シオン(キク科)
Aster tataricus L.f.

草丈1.5mにもなる大形の多年草。花期は8~10月。多数の淡紫色のを先端に付ける。
別名、鬼の醜草(しこぐさ)。

生薬名:紫苑(シオン)
10~11月に根と根茎を掘りあげ、日干しする。

【適用】
鎮咳、去痰、利尿作用。
紫苑散など
シオン
ヒキオコシ(シソ科
Isodon japonicus Hara

やや乾燥した山地に生える多年草。茎は直立し、高さ50~100cm。花期は9~10月。枝先に薄紫色の花を多数付ける

生薬名:延命草(エンメイソウ)
7~8月頃、全草を採取し陰干しする。

【適用】
苦味健胃薬

備考
和名「ヒキオコシ」は、その昔、弘法大師が腹痛に苦しむ旅人にこの植物の葉をかませたところ、たちどころに回復し、旅人を引き起こしたという故事による。また、生薬名「延命草」も起死回生の妙薬という意味から付けられたという。
ヒキオコシ
フジバカマ(キク科)
Eupatorium fortunei Turcz.

茎は円柱形で直立し、高さ1~1.5m。8~9月に枝分かれした茎の先に淡紅紫色の細長い頭花を多数付ける。万葉の秋の七草の1つ。

生薬名:蘭草(ランソウ)
花期に全草を採取して、日干しにし、香りが出たら陰干しにし、乾燥後は容器に密閉貯蔵する。

【適用】
利尿、解熱、通経剤とし、浮腫、発熱、頭痛、生理不順、黄疸に用いる。民間では糖尿病の予防と治療又は皮膚病に浴料とする。
フジバカマ
ミシマサイコ(せり科)
Bupleurum falcatum L.

草丈40~70cm。上部で分枝する。花期は8~10月。黄色の小さな花を枝先に5~10個付ける。

生薬名:柴胡(サイコ)
10~11月に根を掘りあげ水洗いして日干しする。多種の漢方処方に配合される。

【適用】
解熱、鎮痛、解毒、鎮静作用
小柴胡湯、補中益気湯、大柴胡湯など
ミシマサイコ
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冬から早春に咲く花(12月から3月)
オウレン(キンポウゲ科)
Coptis japonica (Thunberg)Makino(オウレン)

各地の山地樹林下の冷涼で湿った日陰に自生する常緑多年草。 2~3月に高さ10cm程の花茎を出し、その先に2~3個の白色花をつける。 直径1.2cm位。

生薬名:黄連(オウレン)
秋に根茎を掘り採り、葉やひげ根をむしり取り、水洗いせずに日干にする。こうして半乾燥の状態にした根茎をバーナーでひげ根を焼き、こすり合わせて焼け焦げたひげ根を取り去る。

【適用】
健胃、整腸、下痢止め、消炎
黄連湯、黄連解毒湯、温清飲、半夏瀉心湯など
オウレン
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お問い合わせ

薬事研究センター
〒 633-0046 桜井市池之内130-1
検査指導係 TEL : 0744-45-4500
研究推進係 TEL : 0744-45-4500