奈良印良品

自由に意見を言い合える風通しの良い社風。そこから新商品のヒントも生まれます。



　当社はもともと「蚊帳」をつくっていたのですが、今ではほとんど需要がなくなり、現在は、蚊帳の染織（せんしょく）技術を応用したいろんな製品をつくっています。メインの製品は「寒冷紗（かんれいしゃ）」（虫や光から農作物を守る粗目織りの覆い）などの農業用繊維資材ですが、自社オリジナルブランドを立ち上げ、ラッピング材や生活資材などの企画から製造・販売まで一貫して行っています。

さまざまな織機を稼働して商品を製造している本社工場



　秘訣なんてありませんよ（笑）ただ、どんな製品にも商品寿命というものがあるので、多角的に物事を見て、切磋琢磨（せっさたくま）すること。そして、社員ともフラットに会話して、新しいものを生み出していく。やはり、日々の意識や使命感が一番大切ですね。


社長オススメ、丈夫で吸水性のある「夢ふきん」



　昨年初めて、ニューヨークギフトショー（展示会）に出展しました。欧米は日本と文化が異なるので、日本で販売している製品をそのまま売るのは難しいと思いますが、ニーズをしっかりと捉え、良質な製品を企画・開発すれば、世界に向けた販路拡大の可能性もあると考えています。

蚊帳と同じ粗目素材でできたふすま地を使用した「ふすま地ブックカバー」。温かみのある手触りが特長です。


　無理に会社の規模を大きくしようとは考えていないんです。身の丈にあった生産・営業活動をしながら、新しい商品を開発していきたい。若い人には、奈良の伝統産業、技法や技術を継承する作り手になって、奈良をもっと活性化してほしいなあという思いもありますね。