奈良県立美術館

 

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《開催中》

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開館50周年記念 特別展
田中一光 デザインの幸福

2023年4月22日(土)~6月11日(日)

■展覧会の趣旨
 グラフィックデザイナー・田中一光(1930-2002)は、奈良に生まれ、日本、そして世界を舞台にグラフィックデザイナーとして活躍しました。奈良市内に生まれた田中一光は、幼い頃から奈良の歴史と文化に親しんで育ちました。学生時代を京都で過ごし、大阪でデザイナーとしての出発を果たすと、その後は東京へと活動の場を移していきました。その経歴は日本のグラフィックデザインの黎明と発展に重なるような道のりでもありました。2022年には没後20年を迎え、その業績は現在もなお世界のデザインに影響を与え続けています。

 田中一光はグラフィックデザイナーとして、ポスター、書籍などのエディトリアルから、ロゴマークやCIといった企業、組織に関わるデザイン、更にはデザインを通じて文化を発信・紹介するディレクター・プロデューサーとしての高い手腕を発揮しました。そして仕事の垣根を越えた幅広い交流の輪から、デザインの枠を超えた文化創造の展開を目指していた一面もありました。

 本展覧会では、膨大な田中一光の業績の中から、ポスター・グラフィックアートといった作品を中心に、時代と共に歩んだクリエイティブな活動を紹介するものです。当館に所蔵された200点以上のコレクションから選りすぐられた代表作、更には田中一光と三宅一生のコラボレーション、ロゴマークなどのデザインと社会の密接な関係を示す業績を通じて、目にした人を刺激してやまない創造のエネルギーを感じて頂く機会といたします。

■展示構成
I. 田中一光の発想(1):顔・流水
II. 田中一光の発想(2):植物・文字
III. デザインと社会の幸福な関係:ロゴマーク
IV. 田中一光の「いろ」と「かたち」(1):ピラミッド・綱・ロープ
V. 田中一光の「いろ」と「かたち」(2):記号・文字・墨戯
VI. 特別企画 IKKO TANAKA  ISSEY MIYAKE

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(左)《Nihon Buyo》1981年、(中)《第5回産経観世能》1958年、(右)《写楽二百年》1995年


■関連展示(1階ギャラリー・入場無料)

[新ギャラリーオープニング記念]
「田中一光 デザインの幸福」関連企画
イッセイ ミヤケのポスター展
ISSEY MIYAKE/IRVING PENN/IKKO TANAKA

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会期:2023年4月22日(土)~6月11日(日)
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般1,200 (1,000)円/大・高生1,000 (800)円/中・小生800 (600)円
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保険福祉手帳(アプリ等を含む)をお持ちの方と介助の方1人、外国人観光客(長期滞在者・留学生を含む)と付添の観光ボランティアガイドの方は、無料でご観覧いただけます
●主催:奈良県立美術館、読売新聞社
●特別協力:公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
●後援:NHK奈良放送局、奈良テレビ放送、奈良新聞社、西日本旅客鉄道株式会社、近畿日本鉄道株式会社、奈良交通株式会社、公益社団法人奈良市観光協会
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【会期中のイベント】

特別対談「田中一光デザイン室の日々」
講師:太田徹也氏(デザイナー・元田中一光デザイン室勤務)
聞き手:当館学芸員
日時:5月7日(日)14時~(13時30分開場・約90分)
会場:レクチャールーム(1F) 定員:60名(要事前申込)
田中一光の初代アシスタントとして二人三脚でデザイン室を切り盛りした太田氏に、在りし日の田中一光の姿についてお話いただきます。

美術講座「田中一光の造形感覚:デザインの幸福」 
講師:深谷 聡(当館主任学芸員)
日時:6月4日(日)14時~(13時30分開場)
会場:当館レクチャールーム 定員:60名 (先着順・当日13時より受付にて整理券配布)

当館学芸員によるギャラリートーク
4月29日(土)、5月20日(土)、6月10日(土) 14時~ 展示室

※上記イベントへの参加には当日の観覧券が必要です。
※新型コロナウイルス感染拡大防止にご協力をお願いいたします。


《次回の展覧会》

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開館50周年記念 企画展   
富本憲吉展のこれまでとこれから

2023年7月8日(土)-9月3日(日)

開館記念展から半世紀、改めて振り返る巨匠・富本憲吉の生涯と県立美術館の歩み。
 1973(昭和48)年3月、竣工した奈良県立美術館の開館を飾ったのは「富本憲吉展」でした。約400点もの作品により奈良県出身の日本近代陶芸の巨匠・富本憲吉(1886―1963)の足跡を振り返ったもので、開館記念としてふさわしい展覧会であったと言えましょう。それから半世紀の間、当館では継続して富本の活動を取り上げ、作品の収集に努めてきました。
 富本の陶業は、楽焼制作を皮切りに土焼・白磁・染付と多様な創作活動を展開した大和時代(安堵時代)、それまでに培った技術を洗練させ、かつ色絵磁器へと作域を広げた東京時代、そして金銀彩技法を完成させ華麗にして品格ある作品を作り出した京都時代という3つの時代に分類されます。この50年にわたる陶業は、独自の模様の探求、造形を通した美の表現、量産の試みといった課題に取り組んだ道のりでもありました。
 これまでに多くの展覧会が開催されるなかで、陶芸家としての業績はもちろんのこと、陶芸に留まらない創作活動の全容にも目が向けられるようになり、デザイナーの先駆者としての側面や窯業地に赴いての活動の様子など、多角的に研究が進んでいます。また日本近代美術において富本の果たした役割を考える視点からも、今後の研究の広がりが期待されます。
 開館50周年にあたり開催する本展覧会では、富本憲吉をテーマとする当館の展覧会歴をたどりながら、彼の生涯と活動を改めて振り返ります。あわせてその軌跡が示す富本憲吉研究の展望を考える機会となることを目指すものです。

■富本憲吉のプロフィール
1886(明治19)年、現在の奈良県生駒郡安堵町に生まれました。1904(明治37)年に東京美術学校(現・東京藝術大学)図案科に入学し、1908(明治41)年からはロンドンに留学。帰国後は木版画や書籍の装幀、染織品や革製品の制作などを手がけ、図案を軸にした芸術活動を展開しました。やがて親友のバーナード・リーチの影響で1913(大正2)年に楽焼の制作を始め、ほぼ独学で陶芸の道を歩み始めました。1926(大正15)年、東京に転居。白磁や染付を中心に充実した作陶を続け、1936(昭和11)年の九谷滞在以後は華麗な色絵磁器の作品を次々と発表します。終戦後は安堵への一時帰郷を経て京都に拠点を移し、金銀を同時に焼き付ける色絵金銀彩の技法を完成させました。1955(昭和30)年、「色絵磁器」で重要無形文化財技術保持者(いわゆる人間国宝)に認定され、1961(昭和36)年には文化勲章を受章しました。1963(昭和38)年逝去。「模様から模様をつくるべからず」という信条のもと、既成の模様によらず、独自の模様を創案することに情熱を注ぎました。また造形による美の表現にも着目し、作者自身が成形することの重要性を説きました。陶芸の近代化を牽引した作家の一人です。

■本展のみどころ

1.富本の初期から晩年までを名品とともに紹介
 当館所蔵・寄託作品に館外からの作品を加えて富本憲吉の生涯を紹介します。大和時代(安堵時代)の代表作として知られる白磁壺や染付陶板は当館では25年ぶりの出品、また国立工芸館が所蔵する京都時代の金銀彩の代表作など、ひさびさに奈良にお目見えする作品に注目ください。

2.富本憲吉の多方面にわたる活躍を紹介
 現在までの研究により、図案家(デザイナー)としての活動や量産品製作の試みといった富本の多彩な活動が明らかにされてきました。展覧会の後半では富本が創作した模様のバリエーション、また地方の窯業地での活動という観点から、富本の仕事を紹介します。

3.半世紀にわたる奈良県立美術館の活動をたどる
富本憲吉展の開催と富本作品の収集は、今日まで継続的に展開されてきた奈良県立美術館の活動の柱です。富本憲吉にまつわる展覧会歴とともに当館の歩みをたどります。

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上左《白磁八角蓋付壺》1932年、国立工芸館蔵、撮影エス・アンド・ティ フォト
上右《色絵椿模様飾箱》1941年、京都国立近代美術館蔵
下左《色絵四弁花更紗模様大鉢》1949年、文化庁蔵
下右《色絵金銀彩羊歯文八角飾箱》1959年、国立工芸館蔵、撮影アローアートワークス

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●会期:2023年7月8日(土)~9月3日(日)
●開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
●休館日:月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)
●観覧料:一般=400(300)円、大・高生=250(200)円、中・小生=150(100)円 カッコ内は団体料金(20人以上) 
*次の方は会期中無料でご観覧いただけます
 - 教職員に引率された奈良県内の小・中・高校及びこれに準ずる学校の児童・生徒
 - 身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と介助の方1人
 - 65歳以上の方
 - 外国人観光客、留学生
*毎週土曜日、小・中・高校及びこれに準ずる学校の児童・生徒は無料で観覧できます
●主催:奈良県立美術館
●特別協力:国立工芸館
●後援:NHK奈良放送局、奈良テレビ放送、奈良新聞社、西日本旅客鉄道株式会社、近畿日本鉄道株式会社、奈良交通株式会社、公益社団法人奈良市観光協会、奈良県教育委員会
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【会期中のイベント】

◆講演会「富本デザインの魅力―初期の創作活動を中心に―」
講師:山田俊幸氏(元帝塚山学院大学教授) 
日時:7月23日(日)14時~(13時30分開場・約90分)
場所:当館1Fレクチャールーム(60席・当日13時15分から整理券配布、先着順

◆美術講座「奈良県立美術館と富本憲吉」 講師:飯島礼子(当館指導学芸員)
日時:8月20日(日)14時~(13時30分開場・約90分)
場所:当館1Fレクチャールーム(60席・当日先着順)

◆当館学芸員によるギャラリートーク
日時:7月15日、8月5日、8月26日(いずれも土曜日)14時~  展示室にて
※上記イベントへの参加には当日の観覧券が必要です。
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■ギャラリー展示(入場無料)
8月1日(火)-9月3日(日)
奈良・町家の芸術祭 はならぁと「はならぁと meeting 特別展」
公式サイト等 https://hanarart.jp/
2011年から続く芸術祭「はならぁと」。10月の本祭に向けたプレイベントを、奈良県立美術館ギャラリーをはじめ奈良市内各所(9月2日・3日)で同時開催。


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