歴史文献で訪ねる奈良
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大和名所図会で見る
絵の右側の俳句には「秋さびし 問答石に 鳩ふたつ」とあります。問答石とは、聖徳太子と達磨大師が出会ったとき、
この石の上で歌を詠み交わしたとの伝説によるものです。本堂の下に描かれた一本の木の右側にあるのが「太子石」、
木の左上にあるのが「達磨石」です。本堂の右上には「ちんじゅ」と記された神社が見えますが、この神社は明治時代に
他の場所に移され、今はありません。その他は、図会が描かれた江戸時代とほぼ変わりのない境内を、
今でも見ることができます。
雪丸は聖徳太子の愛犬です。図会では本堂の上方に描かれており、「こまつか」(狛塚)
と記されています。図会の刊行が1791年なので、少なくとも200年以上も前から
存在していることになります。なお、現在では、本堂側の覆い屋内に移されています。