古事記ゆかり地マップ

伊耶那岐命・伊耶那美命

二柱の神が国を生む/黄泉国に妻を追う

天地のはじまりのとき、まず高天原(たかあまのはら)に天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)が単独で生まれました。その後に男女の神が生まれ、その最後に生まれたのが伊耶那岐命と伊耶那美命です。二柱の神は天の神から、まだ生まれたばかりで海上にただよっていた大地を固めることを命じられました。海を矛(ほこ)でかきまぜると、その矛の先からしたたり落ちた海水がつもって淤能碁呂島(おのごろしま)ができました。そこで夫婦の契りを交わし、淡路島や四国、九州、本州などを生みました。しかし、火の神を生んだことによって、伊耶那美は火傷で亡くなります。死んだ妻に会おうとした伊耶那岐は黄泉国(死者の国)を訪ね、妻を連れ帰ろうとしますが、その際、私の姿を見てはならないという伊耶那美の禁を破ったことにより、現世と死者の国の間にある黄泉比良坂(よもつひらさか)で、二柱の神は夫婦別れをすることになりました。

いざなみ挿絵

伊耶那岐命・伊耶那美命に関するゆかり地

番号 府県 市町村名 名称 ゆかり地説明
1 兵庫 淡路市 絵島[えしま] 淤能碁呂島伝承地のうちのひとつ
2 兵庫 南あわじ市 沼島[ぬしま] 淤能碁呂島伝承地のうちのひとつ。島全体が勾玉[まがたま]状の景観を有するという
3 兵庫 淡路市 岩楠[いわくす]神社 水蛭子[ひるこ]が岩屋の浜から流され、西宮神社の祭神になったと伝わる
4 兵庫 西宮市 西宮神社 水蛭子[ひるこ]を祀るえびす神社の総本社
5 兵庫 洲本市 先山[せんざん] 国生み神話で最初にできた山とされている
6 島根 安来市 比婆山[ひばやま] 伊耶那美命の御陵だと言い伝えられている
7 広島 庄原市 比婆山[ひばやま] 伊耶那美命の御陵だと言い伝えられている
8 島根 松江市 イザナミ御陵伝承地(岩坂陵墓参考地) 伊耶那美命の御陵だと言い伝えられている
9 島根 松江市 揖夜[いや]神社 伊賦夜坂[いふやさか](黄泉比良坂) 黄泉国への入口とされる場所
10 宮崎 宮崎市 阿波岐原[あわきはら]伝承地 伊耶那岐命が禊[みそぎ]を行った所と伝えられている
11 福岡 福岡市 志賀海[しかうみ]神社 海神である綿津見神[わたつみのかみ]を祀る安曇[あずみ]氏の本拠とした地
12 大阪 大阪市 住吉大社 住吉神社の総本社。伊耶那岐命の禊[みそぎ]で生まれた住吉三神を祀る
13 滋賀 多賀町 多賀大社 伊耶那岐命が鎮座したと伝えられる地のひとつ
14 兵庫 淡路市 伊弉諾[いざなぎ]神宮 伊邪那岐命の「幽宮」が起源と伝える神社(伊弉諾神宮の説明による)
15 静岡 浜松市 秋葉山[あきはさん]本宮秋葉[あきは]神社 火之迦具土神[ひのかぐつちのかみ]を祭神としている
16 宮崎 都城市 東霧島[つまきりしま]神社 霧島六社権現のひとつで、伊耶那岐命を祀る
17 兵庫 淡路市 石屋[いわや]神社 国之常立神[くにのとこたちのかみ]、伊耶那岐命、伊耶那美命を祀る