農業研究開発センター

農業研究開発センターでは、5つの重点目標に研究資源を重点的に配分し、これらの重点目標に向けた具体的な研究課題を設定して、研究開発に取り組んでいます。

1. 新たな奈良県農業の取組を支える

2. 「奈良の食」の魅力を活かす

3. 新技術に取り組む特定農業振興ゾーンを支援する

4. 大規模産地の継続的な発展を支える

5. 将来の環境変化に対応する

新着情報

季節の風景

(令和7年12月22日更新)

5~6月咲き小ギクの育苗/本所 栽培・流通科

 当センターでは、開花時期が早い56月咲き小ギクの育種に取り組んでいます。お盆や秋の彼岸に開花する小ギクは春に挿し芽を行い、その苗を定植します。一方、56月咲き小ギクの場合は秋に定植する必要があり、親株から「かぎ芽」とよばれる独特の方法で挿し穂をかぎ取って育苗箱に挿し、苗を養成しています。

   

 (写真左から:親株ほ場、かぎ芽育苗)

柿の新品種育成/果樹・薬草研究センター

 奈良県の柿産地では「刀根早生」や「富有」といった品種が多く生産されており、果樹・薬草研究センターでは、約200品種の柿を遺伝資源として維持するため、場内の見本園で栽培しています。大きさや色、形、甘渋性および収穫時期などが異なるこれらの品種を素材として、新しい品種の育成に取り組んでいます。

    

 (写真左から:柿品種見本園で収穫した果実(柿博物館にて展示)、育成中の新品種

ヨモギの種子生産技術の開発/大和野菜研究センター

 ヨモギの種子は、法面の崩落を防ぐための吹き付け資材として緑化業者から需要があり、大和野菜研究センターでは、ヨモギの種子生産技術に関する研究を行っています。そこでは、水稲用バインダーを活用した収穫作業の省力化などに取り組んでいます。

   

    (写真左から:バインダーを用いたヨモギの収穫、収穫後の採種用ヨモギの乾燥)

季節の風景

(令和7年9月24日更新)

水稲奨励品種決定調査/本所 栽培・流通科

 当センターでは、奈良県の気象・土壌条件に適した水稲の新品種を探索するため、奨励品種決定調査を行っています。このうち早生品種は一足早く成熟するため、スズメによる食害に遭うことがあります。これを防ぐため、早生品種を植えている水田では防鳥網を張り、その中で調査を行っています。

  

 (写真:防鳥網を張った水田)

アザミウマ類防除技術の検討/本所 環境科

 近年、アザミウマ類の殺虫剤抵抗性の発達が問題になっており、代替技術の開発が必要になってきています。ネギ栽培では、赤色防虫ネットをトンネル被覆することで、アザミウマ類の被害を抑制できるとの報告がありますが、被覆作業に手間がかかります。そこで、当センターではネギ栽培において、赤色防虫ネットのより簡易な設置方法とその防除効果について検討しています。

  

 (写真:ネギ栽培での赤色防虫ネットの設置

ハウス柿の収穫/果樹・薬草研究センター

 果樹・薬草研究センターでは、露地栽培より一足早くハウス柿の収穫が始まりました。奈良県のハウス柿は栽培面積が全国1位で、主要品種の「刀根早生」については、産地で7月から収穫が始まり、全国へ向けて販売されています。当センターでは「刀根早生」以外に様々な品種の試験栽培を行っています。

  

 (写真:8月のハウス柿)