第1回臨時会議(令和元年10月4日開催)

開催概要

議事案件

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 奈良高校の仮設体育館について(pdf 69KB)  <学校支援課>
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令和元年度第1回(臨時)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
令和元年10月4日
14時25分

<閉会>
令和元年10月4日
14時50分

 
<会議場所>
県立奈良情報商業高等学校


<委員出欠>
花山院弘匡(欠席)
佐藤進(出席)
森本哲次(出席)
高本恭子(出席)
上野周真(出席)

議案及び議事内容

議事案件  奈良高校の仮設体育館について

<議事内容>

○吉田教育長 「佐藤委員、森本委員、高本委員、上野委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和元年度第1回臨時教育委員会を開催いたします。本日は花山院委員が欠席ですが、定足数を満たしており、委員会は成立しております。
 なお、本日の臨時会については、奈良県教育委員会会議規則第2条第3項前段の規定に基づき、2名の教育委員より、『9月27日に、奈良高校の仮設体育館を検討するにあたり、知事に無断で「知事からの指示」とする事務連絡を県教委が発出していた旨の報道があったが、そのような報道に至った経緯の説明を求める』ことを、会議に付議すべき事件として、書面により会議の招集の求めがありましたため、同項後段の規定に基づき招集し、開催するものです。」

○吉田教育長 「それでは本日の案件に入ります。『奈良高校の仮設体育館』について、ご説明をお願いします。」

○中西学校支援課長 「資料の『奈良高校仮設体育館について』をご覧ください。これは、先だって新聞報道で、仮設体育館をめぐって、『知事の指示』ということを無断使用したというタイトルでの報道がありました。これは、奈良高校に対して出したメールの中にそのような言葉が入っているというものです。そのメールは、昨年10月10日に私ども学校支援課から学校へ送信したメールで、当課の課長補佐から奈良高校の事務長宛にタイトルが、『至急依頼』体育館の代替仮設施設の検討について、というものです。メールの内容は、県のイベントで利用を検討している大型木製テントの利用ができないか検討せよと知事より指示がありました、という文面で、木製テントを体育館の代替仮設施設として設置可能かどうかの検討を奈良高校に依頼したものです。この際に、農林部作成のテント型のもののイメージ図(検討中)を添付しております。その翌日、奈良高校の事務長から当課の課長補佐に返信のメールがあり、検討結果を報告しているというものです。このメールのその後の経過ですが、10月15日に奈良高校に対する情報開示請求があり、その中で学校が収受したメールを開示するように、というものがあり、この文面が含まれていました。この仮設体育館についてですが、11月8日の定例教育委員会の中で、耐震化までの安全対策について、Is値0.3未満の建物については、使用停止するという対応を確認させていただきました。その中で、使用を停止する体育館の代替施設の確保をしっかりやっていきます、ということでその代替施設の確保の一つに、仮設体育館も含めて検討していきます、ということを申し上げました。その後、情報開示の決定をして、奈良高校からこのメール文書について開示されました。その後、実際に代替予定施設としての奈良高校の仮設体育館については、11月21日の定例教育委員会の中で、平成30年度補正予算案についてご承認いただく際に、木製仮設体育館を採用させていただくことをご承認いただきました。直近のメールに関わっては、6月28日の文教くらし委員会の中で、今井委員長から、このメールについて、『知事からの指示だったのですか』という質問がありました。その際は、『知事からの指示ではない』という答弁をさせていただきました。次に9月24日の文教くらし委員会の請願審議の中で、10月10日付けのこのメール『知事の指示について』の説明が紹介議員からありました。この請願は、この委員会の中では不採択となっています。それから、9月26日の予算審査特別委員会において、今井委員から、当該メールに係る知事の指示について質問がございました。その際、私から、資料に記載のような内容の答弁をさせていただきました。その後、9月27日に今申し上げた内容のことについて報道がありました。そして、9月30日に予算審査特別委員会総括審査で今井委員から知事の指示はあったのか、との質問に対して、知事からは、指示したとは認識していない旨、また、教育長はこのことをいつ知ったのかとの質問に対して、教育長からは、開示決定が決まった日より後に知った旨、等々の質疑がなされたところです。以上です。」

○吉田教育長 「ただいまメールの件について説明がありました。まず、委員の皆さんから、ご質問がございましたらお願いいたします。」

○佐藤委員 「一連の『知事の指示』という言葉が一人歩きしているような感じがするのですが、どこでそういうことになったのか、教育委員会事務局内部での連絡や相談がうまくいっていないのではないでしょうか。なぜそのような『指示』という言葉が出たのか、教えてください。」

○中西学校支援課長 「議会の委員会でも答弁させていただきましたが、もともと木製の仮設施設というものを、農林部で検討されていた事実があり、それを私は聞き及んでおりまして、農林部の担当課から、どのようなものかという情報を得ました。その情報について、学校でどのように使えるのか、ということを含めて学校に確認してもらうために、私から担当に指示をしました。そのときに、農林部での木製の仮設施設というのは知事もすすめられているものだというように思っており、その指示をするときに、知事の名前を出してしてしまいました。それが結果的に、教育委員会が知事から指示を受けたかのようになっており、それが一人歩きをしてしまっているというところです。実際に私が知事からこれを検討しろとか、これを使いなさいというような指示を受けたわけではありません。担当は学校の方に、確認をしてくれという指示で、担当はこういうメールを送っているわけですが、学校に確認する前に、やはり教育委員会事務局の中で十分な調整をできておれば、こういうことはなかったのかな、まず、こういったものについて、教育委員会事務局の中での議論があればよかったな、と今は思っています。」

○吉田教育長 「要するに、中西学校支援課長が、農林部から、木製の大型のドーム型のものが農林部内で検討されているということを知って、そして、それを仮設体育館に使えるかどうかということの指示を、担当補佐に伝えるときに、知事の名前を出した、ということですね。」

○佐藤委員 「ということは、今迄から教育委員会内部で打ち合わせしていかなければならない場面で、課長の判断が一人歩きしたりすることが、頻繁にあったかどうかはわかりませんが、あったと。そういうところが原因なら、それは改めていかねばならないのではないでしょうか。」

○中西学校支援課長 「こういった、十分な事務局内での協議や情報共有は必要だと思います。部分部分ではそういったことはさせていただいておりますが、それをどの程度のものまで共有するか、というのは慎重にしていかなければならないと思います。」

○吉田教育長 「知事の名前を出したということですが、それが知事の指示であるという言い方をしたのか、どういう言葉で担当課長補佐に伝えたのか、というのはどうですか。」

○中西学校支援課長 「今となっては、メールだけを見ておりますので、そのような言葉を使ったかどうか、記憶しておりません。どんな言い方をしたのか、いろいろ巡らせていますが、知事がおっしゃっているような事なのだからとか、そういうことも言ったのかどうか、具体にどのような言葉で指示したのかは覚えていません。ただ、知事の名前を使って指示したことには間違いありません。」

○森本委員 「おそらく、あの時期はさまざまな事象があり、錯綜していた時期だったと思っています。そのような中で、さまざまな事案を判断しなければならない中、課長がおっしゃったように、どういう指示をしたかというのを忘れるということはわからなくもないです。しかし、このような場合には、全体が一丸となって業務を行うような、情報については皆が同じように持っている、少なくとも課長は皆持っている、というようなガバナンス機能を高めないと、このような事象が、今後また起こってくる可能性があると思います。そのあたりのことは、内部でどのような検討がされたのか知りませんが、もし思い出してわかることがあれば教えていただきたい。」

○中西学校支援課長 「時期の前後はよくわかりませんが、その頃に、体育館としての使い方なので、体育施設としてどうかということで、保健体育課に聞きに行ったりしたことはございます。そこの最初の部分で情報共有をできておれば、学校に確認するよりも先にそういうことができる機会があればよかったなと思っています。」

○塩見教育次長 「今、森本委員からガバナンスの話が出ておりました、また、メールの取り扱いについてはどうかということですが、実態として、たとえば今回のケースでは、木質仮設体育館のことについて、その規模が授業や部活に使えるかどうかということを、奈良高校の方へメールで検討依頼を送っているわけです。本来内容的には保健体育課が関係して、実態としては学校支援課と保健体育課の情報共有をしていたわけでは、なかったということです。」

○高本委員 「どんなに混乱していても、やはり体育館の事なので、保健体育課に相談しなければいけなかったのではないですか。どういうふうになっていたのか聞きたいです。」

○塩見教育次長 「今となっては、委員おっしゃるとおりかと思います。そのときに保健体育課と情報共有していれば、というのはあったかも知れませんが、通常は連絡事項で、担当課同士あるいは学校でもそうですが、こういうメールを送りますよ、というようにひとつひとつ上司の指示を仰ぐとか、決裁をとるということはしておりません。」

○吉田教育長 「他に質問はございませんか。」

○森本委員 「今世間ではメールでさまざまな問題があるように思いますが、メールの取り扱いはどのようになっていますか。」

○塩見教育次長 「委員がおっしゃったように、メールの問題では他の自治体でもさまざまなことがありますが、たとえばメールを職員の間でどのように送るかというルールの話ですが、現状では、書式や形式など明確な取り扱いや取り決めはございません。しかしながら、メールが行政文書となるケースがございますので、取り扱いについては、しっかりそれを意識してするべきであると思います。」

○吉田教育長 「それでは、委員からそれぞれこの件についてご意見いただきたいと思います。今日何かを決定するという会議ではございませんので、まずこの問題の課題をしっかり洗い出していただき、委員の先生方に意見をお聞かせいただいて、今後事務局の方で対応してまたご報告することになろうかと思います。」
○上野委員 「メールで知事の名前を使うというのは適切ではないと思いますが、やはりメールの扱いは非常に気をつけなければならないと思います。学校支援課と保健体育課との情報共有がなされていなかったというのが一番の問題ではないか、ガバナンスに問題があったと言えると思います。これを受け止めまして、今後良くなるように検討していくべきだと思います。」

○森本委員 「こういう事象が発生して、他にも迷惑かけているわけですね。今聞かせていただいた中でいいますと、ややもすると今後も発生するかもしれないと感じました。やはり、ガバナンス、統治機能をきっちりと自覚しながら教育委員会が一体のものとして対応していく、という心構えについて再度徹底してほしいと思います。」

○佐藤委員 「知事や上の職位の人の名前を軽々に出すことが問題となっていると思います。あたかもその人の指示があったような内容となって問題になっています。普段、職員間でメールをすることに対してひとつひとつ決裁を取っていたら前に進まない。ですから、重要なことに関してどうするのかを決めていけばよいのではないでしょうか。」

○高本委員 「やはり教育委員会が関係していることは、教育委員会の中の横の連携もスムーズにやっていっていただかなければならないと思います。再発してはいけないので、そこをよろしくお願いいたします。」

○吉田教育長 「私は教育委員会事務局のトップでございますので、私自身の思いを伝えさせていただきますと、この時系列でもございますように、平成30年11月8日に、体育館の使用停止、いわゆるIs値0.3未満のものは使用停止にすることと、あわせて、次の教育委員会で補正予算をどのようにしていくか、ということの検討がございました。2週間足らずほどの間で、予算も含めて決定していかなければなりませんでした。そのような中で、私自身が中西課長に適切な指示ができていないがゆえに、こういう誤解を与えるような指示を課長補佐にしてしまったということは、やはり私の、事務局に対するガバナンスに課題があったのではないか、という思いは持っています。それは、焦っていたという言葉で議会の委員会等では述べておりますが、焦っていたという事は言い訳にしかならないかもわかりませんので、如何に短期間で処理をしなければならない事象であっても、事務局のトップとして、適切な対応をする必要があったと思っています。この件に関しまして、いろいろな混乱を招いておりますし、そのことを真摯に受け止めて、今日委員の皆様から意見をいただきました、特にガバナンス面や、メールの取り扱いにかかる留意事項等を含めたものを、どのように明確にしていくのか、ということを、事務局で検討して対策を講じてまいりたいと思っております。またその対策を講じた場合にはご報告させていただきたいと思っております。」          

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員のみなさまにお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員のみなさまの議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」