第9回定例会議(令和元年9月12日開催)

開催概要

 ◆場所 県庁東棟2階 教育委員室

 ◆会議録(pdf 165KB)

 ◆テキスト版はこちら

議決事項

 1 奈良県教育委員会の職務権限に属する事務の管理及び執行の特例に関する条例の一部を改正する条例にかかる

  県議会からの意見聴取について

<企画管理室>     

 2 令和元年度教育委員会選奨候補者について

<企画管理室>       

リンクのない議決事項は、非公開で審議されたものです。

報告事項

 1 令和2年度使用高等学校用教科書の採択について(zip 3466KB)

<学校教育課>     

 2 学校運営協議会を設置する学校の委員の委嘱、任命について(pdf 396KB)

<人権・地域教育課>

その他報告事項

 1 県立高校の耐震未完了建築物の耐震化対策、耐震化完了までの安全対策(進捗状況)(zip 236KB)

<学校支援課>     

 2 畿央大学と奈良県教育委員会との連携協定に関する事項について(pdf 76KB)

<保健体育課>     

 3 令和元年度全国中学校体育大会奈良大会について(pdf 250KB)

<保健体育課>

,

令和元年度第9回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>

令和元年9月12日

14時30分

<閉会>

令和元年9月12日

15時50分

 

<会議場所>

教育委員室

<委員出欠>

花山院弘匡(出席)

佐藤進(欠席)

森本哲次(出席)

高本恭子(出席)

上野周真(出席)

議案及び議事内容

<議案>

 議決事項1 奈良県教育委員会の職務権限に属する事務の管理及び執行の特例に関する条例の一部を改正する条例

      にかかる県議会からの意見聴取について(可決)

 議決事項2 令和元年度教育委員会選奨候補者について(可決)

 報告事項1 令和2年度使用高等学校用教科書の採択について(承認)

 報告事項2 学校運営協議会を設置する学校の委員の委嘱、任命について(承認)

<議事内容>                                                                                 

○吉田教育長「出席者の点呼をとります。花山院委員、森本委員、高本委員、上野委員おそろいですね。佐藤委員は欠席ですね。それでは、ただ今から、令和元年度第9回定例教育委員会を開催いたします。本日は佐藤委員が欠席ですが、定足数を満たしており、委員会は成立しております。」                                                                    
                                                                                    

○吉田教育長 「議決事項1については、12月定例県議会提案予定案件にかかる知事からの意見聴取に対する回答であり意思形成過程であるため、議決事項2については、候補者選定に必要な資料に多くの個人情報が含まれているため、当教育委員会においては非公開議案として審議すべきものと考えます。委員のみなさまにお諮りします。いかがでしょうか。」                                   
                                                                                 
     ※ 各委員一致で可決                                                   
                                                                                 
○吉田教育長 「委員のみなさまの議決を得ましたので、本日の議決事項1、議決事項2については、非公開議案として審議することとします。」           

○吉田教育長 「報告事項1『令和2年度使用高等学校用教科書の採択』について、ご説明をお願いします。」

○大石学校教育課長 「『令和2年度使用高等学校用教科書の採択』について、ご報告します。県立学校の教科書は、『奈良県立高等学校等の管理運営規則第17条』により、県教育委員会が校長の内申を受けて採択をします。事務委任により、教育長が採択を行いましたので、その内容を報告いたします。
  高等学校及び特別支援学校高等部が使用する検定教科書は、学科等の違いから多岐にわたっており、文部科学省の高等学校用教科書目録(平成32年度使用)には、803点の教科書が挙げられています。
 これらの検定教科書の中から、生徒の実態に即し、教育効果が高まるような教科書を採択するため、教育委員会において、『県立高等学校及び特別支援学校高等部用教科用図書の採択に関する基本方針』を定め、各学校に対して、県立教育研究所内におく教科書センターの利用や文部科学省が公開している『教科書編修趣意書』の活用を促すとともに、この『基本方針』に沿って公正な選定を行うよう、指導を行ってきました。
 それでは、資料1-1をご覧ください。『令和2年度使用高等学校用検定済教科書選定状況一覧』です。新規に選定した教科書、継続して選定した教科書の数を学校ごとに示しております。また、資料1-2は『令和2年度使用特別支援学校高等部用教科書(一般図書)選定状況一覧』でございます。これは学校教育法附則第9条に基づく一般図書の数を学校ごとに示しております。資料1-3は、新規に選定を行った教科書の数を新規率とし、過去4年間について教科別にまとめた表です。今回の令和2年度使用教科書の新規率は、改訂が行われない年度での採択であるため、13.4%と低くなっています。
 次の資料2『令和2年度使用高等学校用検定済教科書選定一覧』及び資料3『令和2年度使用特別支援学校高等部用教科書(一般図書)選定一覧』は、各学校長から選定理由を付して内申された検定済教科書でございます。県立国際高等学校が来年度開校いたしますが、これに関しましては県立国際高等学校開校準備事務管理者であります教育政策推進課長の内申を受けたものです。
 このように、各学校から出された教科書の選定結果について、その選定理由等がそれぞれの学校の教育課程に照らして適切であるかどうかなど、事務局として審査・検討したところ、適切と考え、教育長の決裁をいただいて採択することとしましたので、ご報告申し上げます。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「県立国際高等学校の教科書について、この選定一覧表にはない教科書はこれから選定していくということですか。英語の教科書が選定一覧表にはありません。」

○大石学校教育課長 「国際高等学校においては、普通教科の外国語ではなく、専門教科の『総合英語』を実施します。『総合英語』の教科書は設定されていないので、他の国際高校の場合、一般的には『コミュニケーション英語1.』の教科書を使うことが多いのですが、県立国際高校は、より専門的な英語教育に取り組むことから、検定済教科書でないものを使用しますので、選定一覧表には載っていません。」

○花山院委員 「検定済教科書ではないものを教科用図書として選定したときは、もう一度教育委員会に報告があるのですか。」

○大石学校教育課長 「それについては、教育長の承認となるので、教育委員会に附すということはありません。」

○森本委員 「専決ということですか。報告はするのですか。」

○大石学校教育課長 「奈良県立高等学校等の管理運営規則第18条で『校長は、検定教科書のない教科・科目の教科書にかわるものとして未検定のものを使用させようとするときは、あらかじめ教育長の承認を受けなければならない。』とあります。」

○吉田教育長 「検定教科書でない場合は、管理運営規則に事前に教育長の承認を受けなければならないとあるのですね。検定教科書の場合は、どうなるのですか。」

○大石学校教育課長 「『校長の内申を受け委員会が採択するものとする。』と第17条に書かれています。」

○花山院委員 「第18条は、どういう事例を想定したものなのですか。」

○大石学校教育課長 「各学校で学校設定教科・科目を設定するなど、検定教科書がない場合に各学校で教材を選んでいただいています。そういったことを想定しています。」

○吉田教育長 「教材の使用の承認ということですね。」

○大石学校教育課長 「そうです。国際高校の『総合英語』の場合は、どのページを開いても日本語が出てこないものを選定いただいています。」

○吉田教育長 「ここにありますか。」

○大石学校教育課長 「はい、私の手元にあります。後ほどご覧ください。」

○森本委員 「国語や数学で扱う内容は、数年経っても大きな変化はないかと思いますが、地理歴史や公民は法律や情勢、社会の変化があると思います。その変化に応じて教科書は内容が変わるのですか。」

○吉田教育長 「学習指導要領が10年に1度改訂される時には大きく改訂されます。それまでの間には、何度か改訂されます。義務教育は4年間採択した教科書を変えることはできませんが、高等学校の教科書は毎年採択しています。つまり、毎年変えることができます。」

○大西教育次長 「学問的・社会的に大きな変化があった場合には、教科書会社が付録や別紙等の形で教科書に追加してくれたり、改訂版が発行されたりします。」

○吉田教育長 「『政治・経済』なら何訂まで出ますか。」

○大西教育次長 「状況によってだと思います。歴史などで新しい遺跡が発見されたときなどは、付録等が付けられます。」

○花山院委員 「資料集などの教材は、話題やトピックなど、教科書より柔軟に対応して内容が載りますよね。」 

○森本委員 「選挙権年齢が変わったりすると改訂されますか。」

○花山院委員 「そのような場合は教科書が変わると思います。男女平等機会均等法のときなどは教科書に掲載されましたが、法律が通る前には資料集に掲載されます。教員は資料集等を活用しています。」

○吉田教育長 「数学も、大きくは変わりませんが、改訂版、三訂版と改訂されます。」

○吉田教育長 「選定一覧表の作成の事務作業は大変かと思うが、継続使用でも理由は必要ですか。」

○大石学校教育課長 「継続使用するには、継続使用する理由が必要かと思います。」

○花山院委員 「学校現場でも面倒だと思われていると思います。」

○吉田教育長 「教育委員会は事務を合理化すればよいと思います。」

○大石学校教育課長 「検討いたします。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、報告を承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項1については承認いたします。」

○吉田教育長 「報告事項2『学校運営協議会の設置及び委員の委嘱、任命』について、ご説明をお願いします。」

○吉田人権・地域教育課長補佐 「『学校運営協議会の設置及び委員の委嘱、任命』について、ご説明します。
 学校運営協議会の設置等に関する規則第5条第2項で協議会の委員は、校長の推薦により教育委員会が委嘱し、又は任命することとされています。
 また、規則第6条で、委員の任期は1年以内とし、再任を妨げないとなっております。昨年度までに協議会を設置した山辺、高田、五條、大淀、十津川の5校の各県立高等学校について、委員選任の申し出がありました。
 委嘱及び任命される委員および期間につきましては、お手許に配付の資料のとおりです。
 なお、今年度新たに学校運営協議会を設置した、郡山、高取国際、西和清陵の3校を加え、現在、県立学校では8校が学校運営協議会を設置しております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項2については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項について、報告をお願いします。」

○中西学校支援課長 「『県立高校の耐震未完了建築物の耐震化対策、耐震化完了までの安全対策(進捗状況)』について、ご報告します。応急補強工事後のIs値再調査の結果についてご説明します。これは耐震化が完了するまでの間の安全対策として、応急補強工事を行い、引き続き建物の使用を行うものでございます。応急補強工事後のIs値がそれぞれどのように改善したのかを把握するために調査を実施しました。配布資料の上の表が応急補強工事前のIs値を示したものでございます。下の表が応急補強工事後の数値を示したものでございます。水色の箇所が数値が変わった所です。
 まず、奈良高校『管理特別教室棟(1)』ですが、1~3階の極脆性柱6本にスリット工を実施し、階段室の窓やトイレ等の一部開口部を閉塞し、壁にして、強度の向上を図りました。その結果、最もIs値が低かった3階Y方向は、『0.32』から『0.72』となり、『0.40ポイント』の上昇となりました。その他の部分についても若干上昇しております。最小のIs値は『0.32』から『0.37』となり、『0.05ポイント』と数値上は若干の上昇でありますが、3階部分は比較的大きく上昇しているので、今後、教室の使い方などについて検討してまいりたいと考えています。
 次に、大宇陀高校『普通教室棟(3)』ですが、極脆性柱6本にスリット工を実施し、先程と同様に階段室の窓等の一部開口部を閉塞し、壁にして、強度の向上を図りました。最もIs値が低かった1階X方向は、『0.30』から『0.37』となり、『0.07ポイント』の上昇、2階X方向は、『0.10ポイント』上昇し、『0.45』、3階X方向は、『0.07ポイント』上昇し、『0.63』となっております。
 3つ目の王寺工業高校ですが、『教室棟(2)』については、最もIs値が低かった1階X方向は、『0.62』まで上昇しております。2階X方向は『0.61』まで上昇、3階X方向は『0.67』まで上昇しており、最小のIs値は『0.61』となっております。
 文科省の基準の『0.7』以上ではないですが、かなり高い数値となっております。次に、『屋内運動場(21,25)』ですが、最もIs値が低かったゾーンXdの2階短辺壁柱は、『0.58』から『0.77』まで上昇しています。コンクリート強度が『9.7N/m平方メートル』しかありませんので改築が必要ということになります。
 この数値だけで見ますと、建物の強度、安全性はわずかではありますが、一定向上はしているという結果がでております。なお、この情報については、特に奈良高校の保護者の方が非常に関心を持っておられますので、この教育委員会が終わりましたら、学校を通じてホームページでお知らせしたいと思っています。
 次に全体の、耐震化対策と耐震化完了までの安全対策の進捗状況についてご報告します。以前にお示した表を時点修正しております。進捗について前回の報告から取組が進んだところを中心にご説明します。
 まず、奈良朱雀高校ですが、耐震補強工事の契約について、すでに議案で報告しておりますが、議会の議決を経て、10月に契約を締結し、令和2年度(2020年度)に完了させる予定です。耐震化完了までの安全対策は、仮設校舎を2棟設置し、うち1棟はこの9月からの利用開始しています。もう1棟は、来年1月からの利用開始を予定しています。
 次に、奈良高校ですが、仮設校舎を6棟設置し、この9月から利用開始しています。うち1棟は、すでにご報告していますが、6月から先行して利用を開始しています。仮設体育館については、この9月に工事発注を行い、令和2年(2020年)1月から利用開始できるよう進めていいるところです。工事の入札公告を、先日9月10日にしております。管理特別教室棟(1)の応急補強工事は、先程の説明のとおり、8月に完了しております。
 なお、奈良高校については、表の一番下の、『学校の管理運営面の工夫による対応』になりますが、仮設校舎の利用を開始しましたので、8月末をもって城内学舎を利用を終了し、法蓮学舎で3学年揃っての授業が始まっております。
 次に、郡山高校ですが、耐震性のある別の建物に教室を確保する工事をさせていただきましたが、この8月に完了しています。
 次に、山辺高校ですが、仮設校舎を2棟設置しますが、うち1棟はこの9月から先行して利用を開始しています。
 次に、磯城野高校ですが、耐震性のある別の建物に教室を確保する工事をさせていただきましたが、この8月に完了しています。
 次に、大宇陀高校ですが、仮設校舎を1棟設置しますが、この11月からの利用開始に向け、8月から設置工事に着手しています。また、管理特別教室棟(1)の応急補強工事は先程の説明のとおり、この8月に完了しています。
 次に、王寺工業高校ですが、先程の説明のとおり、応急補強工事を8月に完了しています。
 最後に、高田高校については、普通教室棟(23)について、耐震補強工事の一部先行実施分として、柱の補強等を実施し、この8月に完了しています。
 以上が、県立高校の耐震未完了建築物の耐震化対策と耐震化完了までの安全対策の進捗状況です。今後とも、遅滞なくすべての耐震化を完了できるよう、鋭意進捗管理を徹底するとともに、生徒が安全に安心して学べる環境づくりを進めてまいります。
 以上です。」

○栢木保健体育課長 「『畿央大学と奈良県教育委員会との連携協定に関する事項』について、ご報告します。この協定は、学校給食において、地場産物の活用促進並びに伝統的食文化に根ざした献立の充実及びその開発に相互が連携協力し取り組むことで、学校給食の業務手順や実施方法等の仕組みを再構築することを目的としています。
 具体的な連携内容としましては、
 (1) 学校給食において、地場産物を使った給食レシピの開発
 (2) 学校給食におけるレシピ集の作成
 などです。
 畿央大学を選定した理由としましては、昨年、一昨年と国の委託事業『社会的課題に対応するための学校給食の活用事業』において、再委託先の河合町の給食レシピ開発やレシピ集作成にかかわっていただいた実績があり、また、以前、中央市場と連携協定を結び、地場産物活用に積極的に取り組まれた実績や特別支援学校で栄養教諭として勤務された経験がある教職員がおられることから、本年度は、連携協力して特別支援学校で進めている『社会的課題に対応するための学校給食の活用事業』において、畿央大学のノウハウを活かして事業を進めることとしました。
 協定書の内容につきましては、畿央大学と協議の上、作成しております。また、締結式については、今後、調整して進めて参ります。
 以上です。」

○栢木保健体育課長 「引き続きまして、『令和元年度全国中学校体育大会奈良大会について』について、ご報告します。今年度は、近畿ブロック2府4県で18競技が開催され、本県では、相撲・サッカー・新体操の3競技が行われ熱戦が繰り広げられました。サッカーには、全国から32校・572人。新体操には、団体28校、個人47人、合わせて240人。相撲には、団体48校、個人142人、合わせて283人の選手が参加しました。 
  熱中症等も心配されましたが、大きな事故もなく無事に終了しました。
 以上です。」

○吉田教育長 「これらのことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「『県立高校の耐震未完了建築物の耐震化対策、耐震化完了までの安全対策(進捗状況)』について、奈良高校について一所懸命やっていただいていますが、最小のIs値が『0.37』で、これは、耐震性という意味ではどのくらい確保できたものなのか、どのくらいの地震でどのくらい耐えることができるものなのか、単純には分からないと思います。応急補強してみたものの、この結果を受けて、使用する側は、このあたりを気をつけて使用する、といった考えが必要になるのではと思います。
これが『0.7』を超えていたら良いが、現実論として、そのような話が出たときに、『県教育委員会としてどのような考えを持っていますか』といったことが問われてくると思いますが、そのあたりはどのようにお考えですか。」

○吉田教育長 「Is値0.3以上0.7未満の建物は使用するという方針で、奈良高校の本館は使う。北館は0.3未満だから使用停止にする。そこで、本館は使うけれども応急補強をして安全性を高めようとしたもの。この結果では、3階の数値が高まっている。3階は前は3年生が使用していた普通教室だった。2階は職員室や会議室、1階は家庭科室などの特別教室。3階はかなりIs値が高まったから安全だということで、例えば、今後、1階の特別教室をどのように利用していくのかということを検討することになる、ということで良いですか。」

○中西学校支援課長 「Is値0.3未満は『倒壊のおそれが高い』と、0.3から0.7までは『倒壊の危険性がある』と、これは、国交省が示している定性的な表現で、実際のところ、どのくらいの震度の地震があれば、このIs値だとどうなるのか、といった具体的なことまでの説明は中々ない。
 危険性はあるけれども、幾分かでも安全性を向上させるために工夫して対応するのが、0.3から0.7までの建物でしたので、この応急補強は一定の効果はあったと考えています。」

○花山院委員 「0.3未満が倒壊の危険性が高いから使用停止、0.3から0.7は倒壊の危険性がある、ということなので、0.3から0.7の建物は使うということですか。」

○中西学校支援課長 「確率性の話になってしまうが、0.3未満よりは幾分倒壊の危険性が低い。本来、使用しないことにこしたことはないですが、耐震化完了までの安全対策を行い、使用すると判断したところです。」

○吉田教育長 「奈良高校の家庭科室は何階にあるのですか。」

○中西学校支援課長 「家庭科室は1階。物理室と生物室も1階にあります。」

○吉田教育長 「1階にある家庭科室、物理室、生物室などの安全性はどうかということですね。普通教室はすべて仮設校舎に移ったのですね。」

○中西学校支援課長 「そのとおりです。特別教室については、本館を応急補強して使用するという方針です。普通教室は仮設校舎に移ったので、3階は普通教室以外でも使用できるようになっています。」

○吉田教育長 「例えば、物理室や生物室の2室を、3階で使用することも可能ではないですか。」

○中西学校支援課長 「設備の関係もありますが、例えば、利用頻度の高い特別教室は3階に移っていただくということも考えられます。」

○吉田教育長 「水回りが用意できるかということですね。」

○花山院委員 「保護者の方がこの調査結果を見て、質問されることに対して、県教育委員会はどのように言えるのか。『こういう結果になったから、十分じゃないけど一定の安全性は向上しました。』と説明すると、今度は『低いところはどうなのか』という質問が来ると思われます。この点について県教育委員会はどのように説明するのかという点が気になっています。」

○吉田教育長 「今後、どう対応していくのか。3階は一定安全性が向上した。3階を有効活用したら良いということになるのではないでしょうか。」

○中西学校支援課長 「委員のご指摘のとおりで、この調査結果は、逆に数値の低い所が浮き彫りになって、『では今後どうするんだ』というそもそも論になってきます。そこは繰り返しの説明になりますが、新たに対応できることと言えば、資料の『今後の対応』の2つ目に記載しているとおり、更なる安全対策として先程申し上げたような教室の運用をどうするのか、『安全性が向上した教室が増えたのです』というメリットの部分を説明させていただくことになるかと考えています。」

○森本委員 「国交省の基準を参考にして、建物の使用停止や安全対策を決めた。それが議会でも承認されたわけで、その説明で良いのではないですか。元々、更なる対策はこれです、とか、プラスアルファの対策ががあったわけではないですよね。」

○吉田教育長 「Is値0.3から0.7の建物は使用を続けるが、できる限りの安全対策をしようと。安全対策をやった結果、3階のIs値が上がったが、家庭科室や物理室をそのままの状態で使用するのか。この結果を踏まえて、どのように教室を活用していくのかということは何か考えていますか。3階使う方が良いとなるのでは。仮に、使用停止となれば更なる仮設校舎が必要となるが。」

○塩見教育次長 「今後、校舎の使用差し止めの話が出てくる可能性もあります。本来は、できるだけ使用しないようにするのがベストです。使用頻度も問題になってきます。」

○花山院委員 「常識的に考えた時に、『ここの数値が高くてここが低いのだから、高い方を使ったら良いではないか』となると思います。『数値の良いところを使いません』といったら『何故』となるでしょう。」

○吉田教育長 「校長とも相談したほうが良いでしょう。3階の安全性が高まったから、3階を中心に利用することができるかどうか。それにしても、何故、部分的に数値が上がるという結果になるのでしょうか。」

○中西学校支援課長 「今回の応急補強は、完全な耐震補強ではなくて、短期間で可能な補強を行ったものです。そのため、補強の効果が最大限になる箇所を選んで工事をしています。なのでその箇所は部分的に数値が上がっている。全体で上がれば良かったのですが、こういう部分的に数値が上がるという結果になりました。」

○花山院委員 「科学的な根拠はありませんが、知っている映像のイメージから見たら、被害が起こった事例は、大体1階が潰れているように思います。そのイメージがあるから、一生懸命やったのはいいけど、こういう結果を見て保護者の方がどのように思われるのかを懸念します。」

○塩見教育次長 「昨年、この数値であれば地震があったらこういう倒れ方をするだろうという話をしていた。今回の結果を受けて、再度、地震があったらどういう影響があるのか確認して、それによっては、3階の安全性が高いのであれば、そういった運用の仕方をしても良いのかなと思います。」

○吉田教育長 「奈良高校の移転までは約3年。来年入ってくる生徒は1年、2年と今の学舎にいることになる。家庭科は1年、2年までだから、家庭科室を3階に持って行くということも考える必要があるかもしれないですね。」

○森本委員 「大宇陀高校の関係者からは、この件で話は出てきていないのですか。」

○吉田教育長 「出てきていません。」

○高本委員 「先日、大宇陀高校の全体の大きな同窓会があった時に、現状報告が校長からありました。その時には、今は一度に工事が入ってやかましく、授業に支障がでている状態。そこに今度は校舎の取り壊し工事も入ってくる、ということを述べておられました。9月の暑さを乗り切るためになんとかクーラーの設置をしてほしいということで、お願いしていたようです。」

○中西学校支援課長 「大宇陀高校は仮設校舎を設置するので、仮設校舎の教室は空調が入っています。ところが、その仮設校舎には特別教室が入って普通教室は入らないので、普通教室のクーラーをどうしましょう、ということで、応急的にクーラーを設置できないかという調整をしております。」

○森本委員 「王寺工業の場合、コンクリート強度が弱いから、改築、建て替えは必要ということですね。」

○中西学校支援課長 「王寺工業の体育館は、すでに基本設計が完了しておりまして、来年度中に改築、建て替えが完了します。」

○森本委員 「王寺工業の校舎も建て替えですか。」

○中西学校支援課長 「そのとおりです。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、原案どおり承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「その他報告事項については承認いたします。」

 

非公開議案                                                                          
                                                                                    
議決事項1 奈良県教育委員会の職務権限に属する事務の管理及び執行の特例に関する条例の一部を改正する条例

     にかかる県議会からの意見聴取について

議決事項2 令和元年度教育委員会選奨候補者について

                                                                                   

 非公開にて審議                                                                    
                                                                                    

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員のみなさまにお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員のみなさまの議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」