第5回定例会議(令和元年6月17日開催)

開催概要

議決事項

1

令和2年度使用教科用図書採択基準及び選定資料について(pdf 3555KB)

 <学校教育課>

 2   学校運営協議会の設置及び委員の委嘱、任命について(zip 915KB)   <人権・地域教育課>
 3   奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について(zip 184KB)   <学校教育課>

報告事項

1

 平成31年2月定例県議会の概要について(pdf 2512KB)  <企画管理室>
2  令和元年度奈良県社会教育委員の委嘱について(zip 224KB)  <人権・地域教育課>
 学校運営協議会の設置及び委員の委嘱、任命について(zip 315KB)  <人権・地域教育課>
 

その他報告事項

 1

 国連世界観光機関駐日事務所、奈良県立国際高等学校及び奈良県教育委員会の連携協力に関する協定について(pdf 148KB)  <教育政策推進課>
 2  特例非営利活動法人日本国際交流振興会、奈良県立国際高等学校及び奈良県教育委員会の連携協力に関する協定について(pdf 157KB)  <教育政策推進課>
 3  令和2年度奈良県立公立学校教員採用候補者選考試験の出願状況について(zip 137KB)  <教職員課>
 4  平成31年3月中学校卒業者の進路状況について(pdf 51KB)   <学校教育課> 
 5  奈良県立高等学校における有給によるインターンシップの実施について(pdf 66KB)  <学校教育課> 
 6  一般社団法人奈良経済産業協会、奈良県立情報商業高等学校及び奈良県教育委員会の連携協力に関する協定について(pdf 61KB)  <学校教育課> 
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令和元年度第5回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
令和元年6月17日

14時30分

<閉会>
令和元年6月17日

16時00分

<会議場所>
教育委員室

<委員出欠>
花山院弘匡(欠席)
佐藤進(欠席)
森本哲次(出席)
高本恭子(出席)
上野周真(出席)

 

議案及び議事内容

<議案> 

議決事項1 令和2年度使用教科用図書採択基準及び選定資料について(可決)

議決事項2 学校運営協議会の設置及び委員の委嘱、任命について(可決)

議決事項3 奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について(可決)

報告事項1 平成31年2月定例県議会の概要について(承認)

報告事項2 令和元年度奈良県社会教育委員の委嘱について(承認)

報告事項3 学校運営協議会の設置及び委員の委嘱、任命について(承認)

<議事内容> 

○吉田教育長「森本委員、高本委員、上野委員おそろいですね。花山院委員と佐藤委員は欠席ですね。それでは、ただ今から、令和元年度第5回定例教育委員会を開催いたします。本日は花山院委員と佐藤委員が欠席ですが、定足数を満たしており、委員会は成立しております。」

○吉田教育長 「議決事項1『令和2年度使用教科用図書採択基準及び選定資料』について、説明をお願いします。」

○学校教育課長 「令和2年度使用教科用図書採択基準及び選定資料について、ご説明します。令和2年度に使用する教科用図書の採択が、適正かつ公正に行われるために、採択基準及び選定資料を作成いたしました。
 なお、この採択基準及び選定資料は、奈良県教科用図書選定審議会の答申によるものです。
 まず、採択基準についてですが、採択権者である市町村教育委員会の権限と責任のもと、教科書の内容について十分な調査研究を行うとともに、適正かつ公正な採択の確保を徹底し、開かれた採択を一層推進することなどを指導するため、県教育委員会として、この採択基準を示しております。
 続きまして選定資料についてですが、本年度は、小学校において全ての教科用図書の採択を行うことになります。県教育委員会では、平成30年度に検定に合格した教科書について調査・研究し、選定の参考となる資料を作成し、採択権者に送付することにより助言、援助を行うこととしております。
 選定資料については、新学習指導要領の目標及び内容の実現を図るために、例えば主体的・対話的で深い学びを実現するための工夫や現代的な学習の基盤となる資質・能力を育成するための工夫などを基本的な観点として、49名の調査員が教科用図書の調査研究を行い、5月29日の教科用図書選定審議会にて精査し、作成いたしました。また、小・中学校特別支援学級及び特別支援学校(小・中学部)において、検定教科書を使用することが適当でない場合、一般図書を教科書として採択することができることとなっています。一般図書は、毎年採択替えができることから、選定の参考となる資料を作成し、採択権者に送付することにより助言、援助を行うこととしております。
 中学校における「特別の教科 道徳」を除く教科用図書については、本年度が4年に一度の採択替えの年に当たっていますが、平成30年度検定において新たな図書の申請がなかったため、平成26年度検定合格図書等の中から採択を行うこととなります。
 県教育委員会として、本選定資料の提示をもって公正な採択事務への助言、援助としてまいりたいと考えております。
 また、県立中学校及び特別支援学校(小・中学部)で使用する教科書については、各学校の選定委員会で調査し、選定した結果を基に、8月の定例教育委員会で採択することになります。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「採択基準の内容の説明はないのですか。4年前の内容と同じですか。」

○大石学校教育課長 「答申によるものですが、今回、採択基準につきましては道徳の内容が入ったこと以外は大きな変更はありません。ただ、小学校の教科用図書の内容が変わっているため、選定資料の内容が大きく変わっています。」

○吉田教育長 「選定資料の『内容の程度・組織・取扱い等の特徴』の各項目は、前回から変更していますか。」

○大石学校教育課長 「はい、変更しています。例えば、前回にはなかった項目として『主体的・対話的・深い学び』に関わる内容について各教科で記述しています。」

○吉田教育長 「『内容の程度・組織・取扱い等の特徴』の各項目や項目順は、教科によってそれぞれ違うのですね。ただ、各項目をどう設定するのかについては、各教科間で共通理解を図りながら選定資料を作成したということでよろしいですか。」                             

○大石学校教育課長 「はい。そのように聞いています。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項1については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項2『学校運営協議会の設置及び委員の委嘱、任命について』について、ご説明をお願いします。」

○大山人権・地域教育課長 「今般、県立西和清陵高等学校から奈良県立学校における学校運営協議会の設置等に関する規則第2条第1項により、学校運営協議会を設置し、第5条第2項により委員を委嘱、任命することについて申し出がありました。設置日は令和元年7月1日、設置する理由、委員は資料に記載のとおりです。つきましては、学校運営協議会の設置及び委員の委嘱、任命を行ってよろしいか、お諮りします。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○森本委員 「本県の学校運営協議会は、これを含めていくつ設置されたのですか。」

○大山人権・地域教育課長 「昨年度まで5校でしたが、後ほど報告で説明します2校と、西和清陵高校を合わせて、8校となります。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項2については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項3『奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正』について、本件につきましては、会議の招集通知及びホームページの案内に記載をしておりませんでしたが、来年度の入学者募集に係る緊急を要する案件であるため奈良県教育委員会会議規則第3条第3項の規定に基づき本日の会議に付議をさせていただきます。それでは議決事項3『奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正』について、ご説明をお願いします。」

○大石学校教育課長 「奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則につきまして、学科の設置・廃止に関する改正を行うことを提案させていただきます。お手元の資料をご覧ください。
 令和2年度より、奈良北高等学校の『理数科』を『数理情報科』とすることといたします。今まで理数科で培われてきた教育を生かしつつ、併せて高度な情報に関する教育も目指すことから『数理情報科』という名称で設置をしたいと考えております。新設の『数理情報科』におきましては、数学や自然科学への興味・関心を伸ばしつつ、情報に関する学びについて、奈良先端科学技術大学院大学と連携した学習等により高度な情報活用能力を育み、将来の科学技術を支える人材の育成を目指します。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。

○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項3については可決いたします。」

○吉田教育長 「報告事項1『平成31年2月定例県議会の概要について』について、報告をお願いします。」

○塩見教育次長 「『平成31年2月定例県議会の概要について』についてご説明します。
 最初に、議会の日程を報告します。
 本会議は、2月19日に開会、3月15日に閉会しております。
 会期中、2月25日から27日に本会議代表質問、2月27日、28日、3月1日に一般質問、3月5日に文教くらし委員会、3月11日に予算審査特別委員会が開催されました。
 続きまして、概要についてご報告いたします。
 本会議及び委員会での質問・答弁等の概要をご報告いたします。
 平成31年2月定例県議会の概要の1ページをご覧ください。
 まず、2月25日から3月1日に行われました、本会議の代表質問と一般質問の概要です。
 記載のとおり、代表質問は5人の議員により8項目、一般質問は8人の議員により16項目について質問と答弁がありました。
 1ページが代表質問の概要です。「今後の高等学校教育のあり方について」他、記載のとおりの質問がありました。詳細は、32ぺージから37ページに添付しております。
 次に、一般質問の概要についてです。「県立高等学校及び県内公立小中学校における空調設備の設置について」他、記載のとおりの質問があり、37ページから40ページにその答弁を添付しております。
 次に、3月5日に開催されました会期中の文教くらし委員会の概要です。2ページをご覧ください。「文化財保護行政の知事部局移管について」他、記載のとおりの質問がありました。詳細は42ページから48ページに添付しております。
 次に、3月11日に開催されました予算審査特別委員会です。2ページから3ページをご覧ください。「日本遺産について」他、記載のとおりの質問がありました。詳細は50ページから58ページに添付しております。
 最後に委員長報告です。
 議会閉会日の3月15日には、各委員長報告が行われ、教育委員会の関連議案は可決成立いたしました。文教くらし委員長報告は59ページに、予算審査特別委員長報告は61ページ以降に添付しております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項1については承認いたします。」

○吉田教育長 「報告事項2『令和元年度奈良県社会教育委員の委嘱について』について、ご説明をお願いします。」

○大山人権・地域教育課長 「奈良県社会教育委員の任期が、令和元年5月31日で終了することから、社会教育団体等に依頼しましたが、5月の教育委員会でお諮りできなかったため、教育長臨時代理で委員の委嘱を行いましたので、報告します。
 社会教育委員は、奈良県社会教育委員条例第3条に『委員の任期は1年とする。ただし再任は妨げない』とされています。
 今回の改選では、6の公民館連絡協議会より胎中会長が、9の中学校校長会より吉岡会長が新たに委員に就任いただいております。その他名簿1から8までの方は再任です。併せて10から14については、委員の推薦をお願いしております社会教育団体等の総会の日程が6月に集中しているため、昨年と同じく、総会等が終了後に推薦をいただき、改めて選任のお願いをする予定です。以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項2については承認いたします。」

○吉田教育長 「報告事項3『学校運営協議会の設置及び委員の委嘱、任命について』について、ご説明をお願いします。」

○大山人権・地域教育課長 「県立郡山高等学校及び県立高取国際高等学校から、奈良県立学校における学校運営協議会の設置等に関する規則第2条第1項により、学校運営協議会を設置し、第5条第2項により委員を委嘱、任命することについて申し出がありました。
 なお、この2件は申請が遅れたこととと、設置校が6月に1回目の協議会を開催したいことから、5月の教育委員会にお諮りできなかったため、教育長臨時代理で決裁のうえ、報告するものです。
 設置日はいずれも令和元年6月1日、設置する理由、委員は資料に記載のとおりです。以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項3については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。まず1番目熊谷課長。」

○熊谷教育政策推進課長 「『国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所、奈良県立国際高等学校及び奈良県教育委員会の連携協力に関する協定書(案)』についてご説明いたします。この協定は、三者が持続可能で責任ある観光の促進と国内外で活躍するグローバル人材の育成に寄与するために連携協力することを目的としています。国連世界観光機関は観光分野の主導的な国際機関であり、1995年に観光成長が著しいアジア太平洋地域の観光促進等を目的として駐日事務所が設置され、唯一の地域事務所が奈良に開設されています。具体的な連携内容としては、国際高校における学校設定科目『グローバル探究』のカリキュラム共同開発や課題研究の指導助言、高校生のインターンシップの実施、高校生国際会議の開催などを想定しています。協定書の内容につきましては、駐日事務所と協議の上、作成いたしました。UNWTOでは、すでに締結内容を承認されております。締結式は8月1日に実施いたします。
 続きまして、『特定非営利活動法人日本国際交流振興会、奈良県立国際高等学校及び奈良県教育委員会の連携協力に関する協定書(案)』についてご説明いたします。この協定は、日本国際交流振興会と奈良県教育委員会が、奈良県立国際高等学校における交換留学生の受け入れについて連携協力し実施することを通して、高校生の国際化を推進することを目的としています。国際高校では、海外留学を積極的に推進してまいりますが、国内にいながらもグローバルな視野を身につけるため、多くの留学生を受け入れていくことを検討しています。日本国際交流振興会からは、毎年度4名を上限として、交換留学生を受け入れていく計画をしております。そのための三者の役割分担について協定書に記載しております。国際高校では、このほか、公益財団法人日本AFS協会の交換留学生についても2名程度受け入れを計画しています。協定書の内容につきましては、日本国際交流振興会と協議の上、作成いたしました。振興会の方では、締結内容を承認されております。7月12日には、締結式を実施する予定をしています。
 以上です。」

○香河教職員課長 「令和2年度奈良県公立学校教員採用候補者選考試験の出願状況について、報告いたします。
 資料1枚目の1をご覧ください。出願者総数は1912名で、昨年比192名の減となりました。全体倍率は昨年比0.4ポイント減の5.7倍となっています。各募集種別ごとに見ても概ね昨年度倍率からは減少傾向にありますが、採用予定数が減少した小学校及び特別支援学校並びに出願者が増加傾向にある栄養教諭では、昨年度よりも倍率が上昇しています。
 次に、その下の2では、年齢別出願数を示しています。出願数割合は昨年度とほぼ同じ状況でした。
 2枚目の資料は、各教科ごとの詳細な出願状況を示しています。倍率が3倍以下となっているのは、中学校の美術と技術家庭、高等学校農業と福祉です。逆に倍率が10倍を超えているのは、中学校及び高等学校の保健体育、高等学校の地歴、美術、商業、さらに養護教諭となっています。
 第1次試験は、7月6日に一般教養、教科専門と実技試験、7月13日から15日の間で集団面接を実施してまいります。
 以上です。」

○大石学校教育課長 「平成31年3月中学校卒業者の進路状況につきまして、説明を申し上げます。この報告資料は、4月12日現在で当課の方で調査したものです。
 まず、1の進路状況について申し上げます。本年3月の中学校卒業者は12847人で、昨年に比べて110人の減となっております。高等学校への進学者は昨年に比べて90人減の12625人でございます。特別支援学校への進学者は100人、就職者は10人、専修・各種学校進学者は42人、『その他』が70人となっておりますが、内訳といたしましては、再受検の準備をしている者が14名おります。そして就職を希望している者が9名、海外の学校への進学準備をしている者が8名おります。その他、施設等に入所している者が2名、『その他』の『その他』ということで37名おります。この37名を確認をさせていただきますと、いわゆる不登校・ひきこもりが26名おりまして、これ以外が11名でございました。
 続きまして、2の進学率等の推移について申し上げます。まず、(1)の進路状況別進学率等の推移についてですが、本年3月の卒業者の高等学校への進学率は98.3%、昨年度に比べて0.2ポイントの増となっております。また、特別支援学校への進学率は0.8%、専修・各種学校への進学率は0.3%であり、ともに昨年度に比べ0.1ポイントの減となっております。なお、就職率は0.1%と昨年度に比べて増減なしとなっております。次に、(2)の県内高等学校への進学率の推移についてです。県内高等学校の全日制課程、定時制課程への進学率は85.5%、昨年に比べて0.2ポイントの減となっております。次に、(3)へき地(準特地以上)中学校卒業者の高等学校進学率の推移についてです。へき地指定されている月ヶ瀬中学校や曽爾中学校といった12の中学校から高等学校への進学率は96.6%でございました。昨年に比べて2.8ポイントの増となっております。最後に、(4)ですが、1の進路状況にございます高等学校進学者数12625人の内、全日制課程に進学した、12186人についての状況です。県内の全日制課程には10799人が進学しており、『県立高校』には、7421人が進学いたしました。また、私立高校には、2577人が進学しております。一方、県外の全日制課程には、1387人が進学し、内、県外の私立高校には、1271人が進学しております。なお、県外の中学校から奈良県内の全日制課程の高等学校への進学状況を参考として掲載してございます。国公立には159人、私立には701人が進学してまいりました。
 以上です。」

○大石学校教育課長 「今年度から、奈良県立高等学校に在籍する生徒を対象とした、有給によるインターンシップを試行実施するに当たり、実施要項を作成しましたので、ご報告いたします。
 有給によるインターンシップは、より実践に近い業務内容を雇用契約を結び、有給で行うことで、生徒が責任感をもって臨み、高い勤労観、職業観の育成が期待され、主体的な進路選択や、就業後の定着率の向上に資することを目的としております。
 実施に際しては、無料の職業紹介事業を行う許可を得ている、県立教育研究所キャリアサポートセンターが、有給によるインターンシップの受入れを承諾した事業所と、実施を希望する高等学校及び生徒の仲介役となり、募集及び実習生の決定、連絡調整等を行います。
 実施時期や期間については、長期休業中や、学期末考査の後の家庭学習期間などを想定しており、詳細については、キャリアサポートセンターが各学校の事情に応じ、事業所等と協議して決定します。
 今年度は、本格的な実施に向けての試行実施と位置付け、この取組が、生徒の高い職業意識の育成につながり、よりよい職業選択や就業後の定着率の向上につながるように、関係機関とも連携しながら進めて参ります。
 続きまして、『一般社団法人奈良経済産業協会と奈良県立奈良情報商業高等学校及び奈良県教育委員会の連携協力に関する協定書(案)』についてご報告いたします。
 この協定は、奈良情報商業高等学校が、商業などの産業分野において、一般社団法人奈良経済産業協会と連携したインターンシップなどの教育活動を行うことにより、地域社会に貢献する有為な人材の育成に寄与することを目的としています。
 具体的には、高校2年生の生徒が、奈良経済産業協会の会員である企業や事業所において、インターンシップを実施することを想定しています。また、産業分野に関わる出前授業などを高等学校で実施することを計画しております。
 なお、県立高等学校適正化実施計画に基づき、2021年度に開校する県立商業高等学校においても、締結された協定内容を発展的に受け継ぎ、産業分野の教育内容の更なる充実に生かしてまいりたいと考えています。」

○森本委員 「令和2年度奈良県公立学校教員採用候補者選考試験の出願状況について、実習助手の採用予定がありますが、理科などは座学だけでなく実習を多くしようということからの採用ですか。」

○香河教職員課長 「今回採用を予定していますのは、そういった一般の実習ではなく、専門学科の工業と理療の実習助手です。」

○吉田教育長 「小中学校では、実習助手という職はありません。今回は、目的が工業、理療とはっきりしているということです。」

○森本委員 「平成31年3月中学校卒業者の進路状況について、その他の進路状況が70名で昨年に比べて3名増えているということですが、37名中26名が不登校であるとご説明がありました。不登校については、全国でもよく論じられることでございまして、この方々に対する教育の形や方針、位置付け、いわゆるフリースクール等の話も多く出ております。学校に合わないという方もいるし、勉強についていけない方もいるし、いろんなパターンがあるようですけれども、そういう方々に対する教育、義務教育としての扱いをどうしていくのか、フリースクール的なところで勉強を積んでいくという部分については、今はどういう形で考えておられるのか教えていただけますか。」

○大石学校教育課長 「先程ご説明申し上げた入所生徒2名の内の1人はフリースクールで勉強されているということを聞いております。それ以外の方につきましては、なかなか外にも出られないような状態の子どもさんもたくさんいらっしゃると聞いております。学校に来られない子どもにとっての教育をどうしていくのかというのは、おっしゃっていただいたとおり課題になっています。私どもの方では、県立学校に入学はしたけれど、なかなか来られないというような子どもたちについて検討を進めているところです。通信制課程のように高校の場合にはいろいろなメニューもありますが、実際に全日制課程の中で学校に来られない子どもたちがいる場合にどうしたらよいのかにつきまして、教育課程の弾力化など、少しでも卒業しやすい環境、あるいは制度的に整備ができないかを考えているところです。中学校の場合は義務教育でございまして、休んでいても卒業というのは担保されている部分があり、なかなか大きな問題になりにくいところもあるのですが、学習が遅れているということは同じでありますので、併せて考えていきたいと思っているところです。」

○森本委員 「おっしゃったように高校に入られても学校に来られない状態を引きずっている子どもについて、いろいろな選択肢が出てきていますが、今日的な社会問題では中年高齢者の引きこもりについても言われております。中学生や高校生のときの社会になじむなじめないという部分が人生に影響するようなら心が痛みます。できるならば教育委員会で何かの足がかりになるような教育的な発想、方針を考えていくのも一つの手かなと思い、聞かせていただきました。すぐにできるわけではないのですが、いろいろな手を考えていくのもいいのではないかと感じております。」

○吉田教育長 「この26人というのはいつの時点で調べましたか?」

○大石学校教育課長 「集計そのものは4月12日現在です。」

○吉田教育長 「4月12日現在で、進路状況のところで中学校が不登校とあげてきたのですか。今までそこまで具体的に数をあげてきましたか。」

○深田教育研究所副所長 「昨年度、森本委員からご質問があり、詳しい中身について今回は聞き取りをさせていただきました。実際には、『その他』の『その他』であがってきています。」

○吉田教育長 「『その他』の『その他』を詳細に分類して調査しているわけではないのですね。」

○大石学校教育課長 「中学校に電話で確認しています。」

○吉田教育長 「本来は、子どもが卒業する前に把握し、対応した結果を報告するべきですね。例えば、夜間中学校はこういった不登校生徒をもう一度受け入れることができると制度上なっていますが、この26人に対しては夜間中学校を紹介しているかはどうかはわかりませんね。」

○大石学校教育課長 「中学校の先生に聞きますと、まったく会うこともできないとか、あるいは保護者の方も進路の話にのってこないとか、そういう子どもさんたちもたくさんいらっしゃるようです。保護者の中には今はとにかく無理させないでとお話をされている方もおられます。その次のステップを全く何も考えていないのではなくて、例えば、入試に関しても調査書成績の方で配慮をできるような形にしております。一歩進めるという環境は少しずつではあるが整っており、あとは本人の状況待ちというところです。」

○森本委員 「家庭の事情も絡んできていますし、教育の場面だけでするのは難しいですね。」

○吉田教育長 「中学校2年生の終了段階では不登校の子どもはもっといたかもしれない。そこから進路指導を一年間かけて行い、何人かは進学したけれどまだ、ここに残ってきている可能性があるということですね。その子どもたちをどうすればよいのかを考えていく必要があります。 この前、森本委員が、河合第二中学校で不登校の存在や発達障害の存在といった、現場のさまざまな実態を聞かれました。今は引きこもりが相当数いるということで、不登校経験者も引きこもりになっている状態です。対応として何ができるかということですね。
 以前、教育研究所に教育相談があって、適応指導教室を開いていましたが、その後、教育相談だけを続けてきた時代がありました。それに対して、各市で適応指導教室ができてきました。市で適応指導教室ができていく過程の中で、町村では実際作れていない現状があるので、県で何かをすべきではないかと私は考えております。しかし、いつでも開いていていつ来ても何かの支援をしているのが適応指導教室であり、毎日それを教育研究所でするのは物理的に無理があります。そこで、毎日出来ない代わりに、教育心理プログラム、心理的なものと体験学習的なプログラムを組み合わせることによって改善の方向に少しでも向かうような、方向性を県が探ったらいいのかなと思っています。教育心理面のプログラムについては、公認心理士の資格を持っている方とか、専門性の高い人でないと、そういう心理の側面からどうのようなプログラムを実施すればよいのかはわからないのではないかと思います。何か学習体験させるようなプログラムで子どもたちが興味関心を持ち、ある時期だけでも来てくれれば、それに触発されて、次の興味関心に移る。場合によってはフリースクールにいけるようになるかもしれない。」

○深田教育研究所副所長 「はい、生徒指導支援室とともに考えます。」

○吉田教育長 「植村生徒指導支援室長、それでよろしいですか。」

○植村生徒指導支援室長 「はい。研究所といろいろ相談させていただいて、不登校の支援について考えていきたいと思います。」

○高本委員 「ちょっと話がずれるかもしれないのですが、私がつとめている精神科の病院では、デイケアというのがあります。目的は、入院していた人が退院し、それからどのように生きていくかというのがすぐにできないので、その手助けをすることです。橿原神宮前駅の西出口の方に9時35分発のバスが来ます。大阪の方からの電車が入るし、八木の方からも電車が入るし、吉野からも入るし、一番電車がよく来る時間帯です。その時間帯にその人たちを乗せて、病院にきて、自分でちゃんと受付に行って、出席票もつけてもらうわけです。10時から私たちが挨拶して、じゃあこれから体操しましょうと言って体操します。10時30分になったら、コーヒーでも紅茶でも何でもいいから自分で作って飲みなさいと言います。その後、月曜日は習字を11時30分まで、火曜日は私が音楽療法をしています。水曜日はDVD。こんなのが見たいというのを事前に希望を聞いて、11時30分まで前半を見て、いったん休憩します。午後は13時30分から後半を見るわけです。木曜日は調理実習です。10時30分になったら調理実習をします。これは午前中で終わります。金曜日はもう一回音楽療法があります。午後から続きをするのは、水曜日のDVDだけで、その他の曜日の午後は、好きなことをしてよい。PCを使って作曲する子もいるし、一生懸命本を読んで、感想文をワープロで打つ練習する子もいるし、書いた習字を自分で室内に掲示するだとか、ほんとに好きにさせています。15時になったら今日の掃除場所は、と。毎日抽選なんですね。トイレ、カラオケルーム、スタッフルームの掃除と色々分かれています。15時30分になったら今日の反省会するんですね。16時になったら、気をつけてねと見送りをして、私たちの仕事は終わりですが、16時15分発の病院のバスで駅までみんな帰っていくわけです。それをすることで生活、ともかく家から出てくるということをさせているのです。大人で、また健康な人にはわからないでしょうが、本当にうつ症状をもっている人は苦しくて、プライドが高い。自分のことをみんながどのように見ているかすごく気にしています。だれもその人のことを笑ったりしていないけど、自分は笑われている、自分は学校に行ってなかったから何も知らないやつやと笑われていると、すごく口に出して言うようになってきました。普通の大人から見たらおかしな話かもしれませんが、小学校も行ってなくて、みんなと会話もできないと、ものすごく苦しんでいた子が、ここに通うようになってから明るくなってきて、自分の思いを人に伝えようと思って一生懸命するんです。平仮名と漢字は少ししか知らないが、一生懸命書こうとするのです。書いたら、赤で大きく丸してあげて、山という字は漢字でこう書くのですよと教えるのです。山へ行きたい、行くという漢字を書いてみようかと、こんな教え方をしているのです。」

○吉田教育長 「それは何歳の子ですか?」

○高本委員 「18歳です。」

○吉田教育長 「毎日来ますか?」

○高本委員 「週3日です。」

○吉田教育長「週3日は来るのですか。」

○高本委員 「はい。自分で日を選んで来ます。調理実習したい子は、木曜日に来るし、音楽が好きな子は、PCで曲を作ったり、カラオケがしたい子は、火曜日と金曜日に来ます。だからあまり学校という目で見ないで、色々なことを自分で好きにできますし、生活のリズムをつけることができます。このようなものが必要ではないでしょうか。」

○吉田教育長 「そのために、今指示を出しているのは、教育相談部と生徒指導支援室が合体して、生徒指導に教育相談マインドを入れていこうということです。その前までは、教育研究所に教育相談は教育相談部で別にありました。今は、統合しているので、例えば適応支援を統合した中で考えるのか、もう一度別にしてでも教育相談の方で、考えるとかいったところを議論してほしいと思います。森本委員が言われるような適応支援というものを県教委でどのよう考えていくのかということを具体化していって、メニュー化をすることで、ある曜日だけでも子どもたちが関心を持って来られるとか、そういった効果を考えたいですね。」

○高本委員 「はい。午後から縄跳びしたいと言った子が、運動場に行って縄跳びをして、みんなでしようと言ってソフトボールをする時もあります。だから、体も使います。」

○吉田教育長 「学校教育課も一緒に考えてください。」

○大石学校教育課長 「はい。」

○森本委員 「有給インターンシップの取組はいいことである。できるかぎり、報告いただいた形で進めていってもらいたいと思います。ただ、実施はいつになるのか、実施期間はどれくらいになるのかを教えてください。」

○大石学校教育課長 「実施については、希望生徒と事業所とのマッチングができてからということになります。実施期間については、これまでのインターンシップは3日程度のものでありましたが、有給であるので、最低1週間、試行実施の時期については長期休業中を考えています。」

○吉田教育長 「一般に広げる前に、試行として実施するということですが、現時点で試行を実施する学校は、榛生昇陽高校と聞いていますがどうですか。」

○大石学校教育課長 「榛生昇陽高校については、保育の補助で行いたいと聞いております。」

○吉田教育長 「絆カフェについても、事業所としての登録は可能ではないですか。実際に特別支援学校の生徒を長期休業期間に行かせることができるのか、分からない部分もありますが、インターンシップコーディネーターにも研究してもらいながら進めていけるのではないでしょうか。試行する場所などをイメージした上で、進めるのがよいと思います。」

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員のみなさまにお諮りします。本日の会議を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員のみなさまの議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」