奈良新聞掲載記事集

令和6年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和5年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和4年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和3年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和2年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成31年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成30年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

手作りジャムを楽しむ

  食生活の洋風化に伴い、ジャムは私たちの身近な存在になっています。原料には果実を用いるのが一般的ですが、野菜や花びらを原料としたものもあります。種類も豊富になり、甘さを控えめにしたものや、プレザーブスタイルという果実の原形を残すようにしたジャムも増えてきました。
 一般的なジャムの作り方は、果実に砂糖を加えて煮詰め、最後にレモン果汁を入れたら完成!です。では、なぜジャムはとろっとした粘りがあるのでしょうか。果実にはペクチンという水溶性の食物繊維が含まれています。含有量は果実の種類や部位によって異なり、かんきつ類の皮には約4%、イチジクでは1~2%、リンゴやイチゴでは0.5~1%です。この果実中のペクチンが加熱によって溶け出し、糖や酸との作用により粘りが出るのです。砂糖を控えたジャムを作る場合は、ゼリー化しにくいため、食品添加物のペクチンを加えてください。ペクチンはスーパーや製菓材料店で入手できます。
 多量にジャムを作った場合は、ビン詰め殺菌し保存しましょう。殺菌方法はまず、事前に煮沸殺菌したビンに熱いジャムを入れ、ふたを軽く締めます。これを蒸し器で蒸すか、ビンが半分以上浸かるくらいの湯量で20分くらい鍋で湯煎します。火傷しないようにトングなどでビンを取り出してふたをきつく締め、逆さにして30分くらい静置します。これで殺菌完了です。殺菌後は速やかに水につけて冷却することにより、色よい製品ができます。完成後もジャムの色を保つため、冷暗所にて保存してください。
 果実の旬は短いですが、手作りジャムなどの加工を行うことにより、より長い間楽しむことができますね。
 農業研究開発センターでは、県産農産物を利用した低カロリージャムのレシピの開発など新たな加工品開発に取り組んでいます。

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            手作りイチゴジャム

【豆知識】

 ジャムの原料には、ブルーベリーやリンゴ、イチジクなど色々ありますが、今回はこれから生産量が増えてくるイチゴを原料としたジャムをご紹介します。

[イチゴジャム]
・原材料
イチゴ 500g(ヘタを取ったもの)
グラニュー糖 250g(原材料の5割程度)
レモン果汁 25ml(約1月2日個分)

・作り方
 イチゴはヘタを取り、軽く水で洗って水切りして鍋に入れ、弱火で加熱しながらグラニュー糖を1月3日ずつ3回に分けて加え、やさしく攪拌しながら煮詰めます。アクが出たらこまめに取り除き、最後にレモン果汁を入れて完成です。長く煮すぎると色が悪くなったり、ペクチンが分解して固まりにくくなるので、煮詰める時間は20~30分とします。程良く煮詰めることができれば、約600g(糖度50度)のジャムになります。熱いうちはさらっとしていても冷えるととろみが増しますので、煮詰め過ぎには注意しましょう。



奈良新聞で第2日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。