奈良新聞掲載記事集

令和5年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和4年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和3年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和2年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成31年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

お茶の品評会

 みなさんはお茶にも品評会があるのはご存じでしょうか。
 よくテレビではお酒の品評会、きき酒などの様子が紹介されています。飲まずに口に含み、その味を評価するもので、お茶でもそのようなことがなされています。そして、奈良県内でのお茶の1位を決める奈良県茶品評会、関西地域でのお茶の1位を決める関西茶品評会、国内での1位を決める全国茶品評会などがあり、これらは毎年開催されています。
 今回はその中でも、関西茶品評会について、ご紹介したいと思います。
 この関西茶品評会は、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府そして奈良県の各府県で順番に開催されています。この府県の範囲ですが、岐阜県、愛知県と三重県は天気予報などでは東海・中部地域となるのですが、お茶の品評会では関西地域に属しています。そして、来年度は奈良県で開催されます。
 品評会での審査方法ですが、外観、内質にわけてお茶の点数をつけます。外観とはお茶の葉の形、色を評価します。ポイントはお茶の葉の形が細くよれているか、形がそろっているか、粉が少ないかということです。上位の茶は細く、形がそろっており、つやのある緑色をしたもので、お茶を購入される時の目安にもなります。内質はお茶の浸出液の色、味、そして茶葉にお湯を注いだ香りで点数をつけます。浸出液は3gのお茶に100℃のお湯を注いで5分待ち、茶葉を網ですくい取ったものです。浸出液の色は赤みがなく、青みがあること、味はうまみ、苦み、渋みのバランスの良さなどで評価します。お湯を注いだ時の香りは製茶するときの失敗がなかったか、お茶のさわやかなよい香りがするかで評価します。
 そして1位のお茶には農林水産大臣賞が与えられます。来年の秋には山添村で関西茶業振興大会というお茶のお祭りが開催されます。その中で、品評会で1位になったお茶をみることができます。ご興味がありましたら、ぜひいらしてください。

 

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         お茶の品評会の様子

 

【豆知識】

 お茶で新年のお祝いを
 今年も残すところ、あとわずかとなりました。そろそろ、お正月のご準備をされている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、お正月に飲むお茶についてご紹介したいと思います。
皆さんの中にはお正月に梅干し、結び昆布をいれたお茶でお祝いされる方がおられるのではないでしょうか。
この、お正月に飲むお茶は「福茶」といわれています。これは、平安期の村上天皇の時代に京の町に病が流行し、空也上人が梅干し・昆布とともに庶民に茶を振る舞って疫病よけとしたことに由来し、その後無病息災を祈って飲まれるようになったものです。
 なお、俳句の新年の季語に「大服」というものがあるようです。元旦、若水を沸かして淹れた茶に、結び昆布、梅干し、山椒などを入れて飲むお茶で、大福、御福茶、福茶、大福茶とも表すようです。
 令和最初のお正月、大和茶でお祝いしてみてはいかがでしょうか。

平成30年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」



奈良新聞で第2日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。