第2回定例会議(令和3年5月12日開催)

開催概要

議決事項

 1  奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について(pdf 206KB) <学校教育課> 

 

報告事項

1

退職手当支給制限処分取消事件の判決について <教職員課>

   報告事項1は、資料なしで報告したものです。

 

その他報告事項

1

奈良県立国際中学校開校準備委員会の設置について(pdf 57KB) <教育政策推進課>
2

令和4年度奈良県・大和高田市・県立大附属高公立学校教員採用候補者選考試験の実施について

1(pdf 141KB)><2(pdf 890KB)><3(pdf 2911KB)><4(pdf 551KB)

<教職員課>
,,

令和3年度第2回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
 令和3年5月12日 
 10時30分

 

<閉会>
 令和3年5月12日
 11時40分

 

<会議場所>
 教育委員室

 

<委員出欠>
 花山院弘匡(出席)
 高本恭子(出席)
 上野周真(出席)
 伊藤忠通(出席)
 田中郁子(欠席)

議案及び議事内容

<議案>

議決事項1 奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について

報告事項1 退職手当支給制限処分取消事件の判決について(承認)

 

<議事内容>

○吉田教育長「花山院委員、高本委員、上野委員、伊藤委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和3年度第2回定例教育委員会を開催いたします。本日は、田中委員が欠席ですが、定足数を満たしており、委員会は成立しております。」

○吉田教育長 「議決事項1『奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正』について、ご説明をお願いします。」

○山内学校教育課長 「奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について、ご説明いたします。
 管理運営に関する規則の一部改正の提案です。県立高等学校適正化実施計画、また、設置条例の一部改正をしたこと等に基づいて、令和4年度の入学者選抜を行うにあたって、この時点で規則改正をしたいと考えています。
 (1)宇陀高等学校の設置です。学科名については、普通科、情報科学科と、現在の榛生昇陽高等学校と同様に総合学科として、こども・福祉科を設置したいと考えています。
 これに伴い、(2)榛生昇陽高等学校については、令和6年3月末をもって廃止となります。卒業の見込みが得られない者については宇陀高等学校に在学するものとするという附則も付けたいと考えています。
 (3)高等学校の学科の設置及び廃止です。奈良商工高等学校につきまして、現在の観光ビジネス科を観光科に変えたいと思います。趣旨としては、従来の観光ビジネス科を発展的に解消し、観光により特化した学科にしたいと考えています。次は山辺高等学校です。現在は普通科と農業に関する学科、生物科学科が設置されていますが、それを改めて、普通科、生物科学探究科、さらに自立支援農業科という学科を設置したいと考えています。生物科学探究科については、これまでの生物科学科の学びをより探究的なものにし、発展的にこの科を設けたいと考えます。一方、自立支援農業科は、知的障害を持つ生徒を受け入れる学科として位置付けたいと考えています。これまで、山辺高等学校には高等養護学校の分教室が設置されており、生物科学科の生徒と共に学んできたという実績もありますので、高校として知的障害をもつ生徒を受け入れたいと考えます。
 (4)高等学校専攻科の設置です。令和4年4月1日から、宇陀高等学校に介護福祉科、奈良南高等学校に建築学科、土木学科を設けたいと考えています。宇陀高等学校ですが、すでに榛生昇陽高等学校に今年度から専攻科を設けていますので、その介護福祉科を引き継いで国家資格の受験を目指す学科として、同じ20名の定員で宇陀高等学校としてスタートしたいと考えています。これに関係し、先に(5)のご説明をいたします。宇陀高等学校の専攻科を設置するに伴って榛生昇陽高等学校の専攻科を廃止しますが、本年度に入学した専攻科の生徒は、来年度の宇陀高等学校の開校に合わせて宇陀高等学校の専攻科へ学籍の異動をしたいと考えています。高等学校の専攻科の介護福祉を学んだ生徒はすべて宇陀高等学校の卒業生でそろえたいという趣旨です。
 (4)の2つ目に戻ります。奈良南高等学校には、建築学科、土木学科の2つの専攻科を置きたいと考えています。建築については、技能者を育成する趣旨で設置します。土木については、土木技術者を育成するところですが、資格の取得を重視したいと考えています。建築ならば2級建築士、土木であれば土木の施工管理技士、また測量士補の資格を目指せるような専攻科を設置したいと思います。なお、この専攻科は、大学への編入も可能な条件を満たした専攻科として設置をする方向で検討しています。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「奈良商工高校の観光ビジネス科を観光科にする理由が分かりにくいです。また、山辺高校の生物科学探究科も生物科学に探究がつく理由は何ですか。」

○吉田教育長 「山辺高校の農業に関する生物科学探究科については、新教育課程において探究活動を重視しているので、農業における探究活動を指導要領以上に取り入れていくという趣旨です。観光については、学習指導要領に観光ビジネスという科目があるので、それを観光ビジネス科として小学科として位置付けるより、もっと観光全般の勉強をして大学進学も目指すという趣旨で、科目名を幅広く観光科にしてはどうかということです。」

○花山院委員 「こういう学科に魅力があるから変える、ということをもう少し分かりやすく丁寧に説明しないと、名前が変わっているだけに取られかねません。趣旨をもう少し分かりやすく提示されるほうが良いと思います。」

○伊藤委員 「確かに観光関係の学科は全国でかなり増えてきました。観光というのはホテルとか、宿泊業とか飲食業だけでなく、観光でまちづくりをするなど、もっと幅広く観光を学ぶことによっていろいろな分野で活躍できますよ、といった意味が出てくるようにしてみてはどうでしょうか。特化したいという趣旨だということでしたが、より幅広くなるイメージを持ちます。観光というのは広い概念なので、文章か何かできちんと説明されてはいかがですか。」

○吉田教育長 「何か良い学科名はありますか。」

○伊藤委員 「観光デザイン科などはいかがですか。ビジネスモデルをデザインしたり、地域のまちづくりをデザインをしたり、デザインというものは思考として発展、展開があります。観光という視点を通して、いろいろなものをデザインしていく。そこにはライフデザインも入ってきます。」

○山内学校教育課長 「再度検討させてください。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、学科名について再度検討していただくことでよろしいでしょうか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項1については、再度検討をお願いします。」

○吉田教育長 「報告事項1『退職手当支給制限処分取消事件の判決』について、ご報告をお願いします。」

○上島教職員課長 「退職手当支給制限処分取消事件の判決について、ご報告します。
 令和2年6月の定例教育委員会で報告しました、元中学校教諭が、懲戒免職処分及び退職手当の全額支給制限処分を受けたことに対しまして、退職手当支給制限処分の取り消しを求めて奈良地方裁判所に提起した訴訟についてです。
 第一審判決で原告の請求は棄却され、県の勝訴となりました。5月7日の控訴期限を過ぎても控訴がなかったことから判決が確定しました。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項1については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」

○熊谷教育政策推進課長 「奈良県立国際中学校開校準備委員会の設置について、ご報告します。県立高等学校適正化実施計画に基づき、令和5年4月に開校を予定している国際中学校の準備委員会を設置したいと考えております。国際中学校は、既に開校している国際高等学校に併設し、国際バカロレア認定を目指したカリキュラムの開発を進めてまいります。
 委員については、裏面の別紙の名簿(案)をご覧ください。委員長は前田景子教育次長、外国語教育に関する学識経験者として、奈良教育大学の前田康二教授、外国語教育に関する実務経験者としてアオバ・ジャパンインターナショナルスクール理事長の柴田巌氏に依頼をしたいと考えおります。
 柴田巌氏は、京都大学大学院で工学修士を取得後、イギリス、アメリカで学びMBAを取得されました。現在、株式会社ビジネス・ブレークスルーの取締役社長、その傘下で幼小中高の一貫教育を提供する国際バカロレア認定校『アオバジャパン・インターナショナルスクール』の理事長を務めておられます。文部科学省の事業である『国際バカロレアに関する国内推進体制の整備』事業を受託され、アオバ・インターナショナルスクール内に文部科学省IB教育推進コンソーシアム事務局が設置されています。コンソーシアムを通じて、関係者間の情報共有及びIB導入を検討する学校等に対し、積極的に支援をされております。
 また、小中学校校長会の代表、国際高等学校の代表及び教育委員会事務局からは学校教育課長、教職員課長に委員をお願いしたいと考えております。
 3月に策定しました『奈良の学び推進プラン』では第2期奈良県教育振興大綱の教育施策の基本方針『地域と協働して活躍する人を育てる』を実現するための教育委員会の主要施策として、グローバル人材の育成も掲げています。実現目標の1つである、国際中学校の設置が円滑に進められるよう、努めてまいりたいと考えております。
 以上です。」

○上島教職員課長 「令和4年度奈良県・大和高田市・県立大附属高公立学校教員採用候補者選考試験の実施について、ご報告します。
 出願日程につきましては、すでに始まっておりまして、4月30日から5月19日までです。インターネット出願のみとなっております。
 募集する校種等は、小学校110名、中学校100名、高等学校58名、特別支援学校25名、養護教諭10名、栄養教諭3名、実習助手・寄宿舎指導員2名の計308名程度となっております。昨年度と比べて23名少ない採用人数となっております。なお、高等学校の国語、商業については、大和高田市立高田商業高等学校の各1人と、高等学校の数学については奈良県立大学附属高等学校の1名を含んでおります。
 今年度の主な変更点は、小学校と指定された中学校の教諭普通免許状を共に所有し、義務教育学校や小学校・中学校両方での勤務を希望する人を対象とした義務教育学校特別選考を新設いたしました。また、小学校2次試験の実技試験において、音楽・体育のいずれかを受験者が選択する選択制に変更いたしました。また、小学校2次試験の模擬授業において、国語・社会・算数・理科・外国語のいずれか1つの教科を受験者が選択できる選択制に変更いたしました。また、障害者特別選考受験者のうち、全国障害学生支援ならネットに登録し、参加している学生は、1次試験の一般教養試験と集団面接を免除することといたしました。
 試験日程につきましては、6月26日土曜日に筆記試験、6月27日日曜日に中学校・高等学校の実技試験、7月10日、11日に集団面接を実施する予定です。1次試験結果発表は、8月2日に予定しております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「教員採用候補者選考試験の今年度の主な変更で、小学校の2次試験において音楽、体育のいずれかを受験者が選択できるようにしたということは、小学校で授業をされる時に、今までどおり担任が音楽と体育の両方を教えなければならないのか、それとも音楽と体育のいずれかは、例えば専科の先生が居て担任が教えなくても良いように変わったのか、どちらでしょうか。また、試験を選択制にして授業には支障がないのでしょうか。」

○上島教職員課長 「授業では、基本的に音楽と体育の両方を教えることになります。受験生の負担軽減という意味合いから選択制に変更させていただきました。」

○花山院委員 「保護者側に立つと、教員という仕事をしているので、音楽と体育の両方をできて当たり前と考えるのではないのでしょうか。」

○上島教職員課長 「音楽と体育の両方を教えることが基本かと思いますが、現実的には、棲み分けを行っていることもあると思われます。また、小学校の先生を目指している先生は、大学で音楽も体育も一定の勉強をしていると思います。」

○伊藤委員 「先ほどの説明で、受験者の負担軽減とありましたが、そのような配慮は必要なのでしょうか。実際に試験で、音楽と体育の片方の試験結果が悪くて合格しなかった例が多くて、今回の変更を考えたのでしょうか。」

○吉田教育長 「実際は、実技試験で音楽か体育の片方の点数が低い場合でも、そのことだけをもって不合格にはしていません。ボーダーラインを設定して、不合格にするという考え方もあると思いますが、今まではそうしておりません。ですから、得意な教科を選択させて点数を見てはどうかという考えに至ったものです。」

○伊藤委員 「今までどおり2科目の試験準備をしっかりしてもらうことにより苦手意識を持ってもらって、克服しようという気持ちになってもらった方が良いような気がしますが。」

○吉田教育長 「受験者は、大学等で勉強して教員免許を持っていますから最低限の実技はできます。そこに試験で点数を課してトータルでどう判断するかという時に、得意な科目を見てあげて、得意な科目を持っている教員が多くなった方が、例えばクラス間で先生のやりとりをしたときや、今後、教科担任制が入ってきたときとか、いろいろなことをやっていく上で有利ではないかと思います。」

○伊藤委員 「おっしゃるように、個性を伸ばしていくという良い面もありますが、学生が苦手意識をクリアしていくことも重要だと思います。今回選択制に変わって、受験者に楽になったと捉えられるのではなく、得意なところを見てくれるのだな、と積極的な意味で考えてくれたらいいのですが。採用された後の新任研修などではしっかりフォローされているのでしょうか。」

○吉田教育長 「個人別に、苦手な科目を特別フォローするようなメニューにはなっていません。」

○大石教育研究所長 「初任者研修では担当指導主事と個別に相談ができ、不得手なことに対してリクエストがあれば指導をしています。実際には、授業でもICT化がかなり進んでおりまして、過去に視察した授業でICTを用いた音楽の授業をされている先生がいらっしゃいました。その先生は、実際にオルガンは弾かれず画面上に映しながら子どもたちに鍵盤をどう動かすかを説明し、子どもたちはそれを見て熱心に学習をしておりました。実技が得意であればそれに越したことはないのですが、これからICTが普及していく中で、いろいろな形で授業の在り方が変わっていくのかなと思っているところです。」

○吉田教育長 「この試験を選択制にすることが、不得意な科目をしなくてもいいという発信になると、これは良くないと思います。伊藤委員のご意見は、試験をしない音楽や体育を初任者研修にきちっと入れるべきだろう、そして、苦手な科目は、研修をしっかり受けさせるべきだ、ということだと理解しました。」

○大石教育研究所長 「従来、音楽等については研修講座を設けており、その中で取り組んでおります。」

○吉田教育長 「実技試験を選択制にすることにより、教員の質が上がるのか、下がるのか、ですよね。私は、それほど下がらないと思っているのすが。」

○花山院委員 「教員の質は、それほど変わらないと思いますが、意識は変わると思います。」

○伊藤委員 「小学校の教員は、オールラウンドプレイヤーである必要があると思います。小学校に通う年齢の子どもたちは、いろいろなことを学ぶ機会を先生からいただくことになります。もし、先生が苦手なことをしなければ、子どもたちは、そんなものかと思うと思います。」

○吉田教育長 「高学年に教科担任制が導入される方向もありますので、小学校の先生に何を求めるかということも変わっていっていると思われます。今後は、オールラウンドプレイヤーが求められるとは限らないと思われます。」

○伊藤委員 「たしかに、子どもたちにとって、先生の素晴らしいところを見て憧れることもあると思いますので、スペシャリストも必要だと思います。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「その他報告事項については承認いたします。」

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」