第15回定例会議(令和4年3月23日開催)

令和3年度第15回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
 令和4年3月23日 
 15時30分

 

<閉会>
 令和4年3月23日
 16時45分

 

<会議場所>
 教育委員室

 

<委員出欠>
 花山院弘匡(欠席)
 高本恭子(出席)
 上野周真(出席)
 伊藤忠通(出席)
 田中郁子(出席)

議案及び議事内容

<議案>

議決事項1 奈良県立高等学校等職員及び奈良県県費負担教職員の標準的な職を定める規則等の改正案に係る知事への協議について(可決)

議決事項2 奈良県校長の資質向上に関する指標の策定等について(可決)

議決事項3 人事について(事務局関係)(可決)

報告事項1 令和4年度公立学校・園の設置・廃止等について(承認)

 

<議事内容>

○吉田教育長 「高本委員、上野委員、伊藤委員、田中委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和3年度第15回定例教育委員会を開催いたします。本日は、花山院委員が欠席ですが、定足数を満たしており、委員会は成立しております。」

○吉田教育長 「議決事項3については、人事に関する案件のため、当教育委員会においては非公開で審議すべきものと考えます。委員の皆様にお諮りします。いかがでしょうか。」

     ※ 各委員一致で可決

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、本日の議決事項3については、非公開で審議することとします。」

○吉田教育長 「議決事項1『奈良県立高等学校等職員及び奈良県県費負担教職員の標準的な職を定める規則等の改正案に係る知事への協議』について、ご説明をお願いします。」

○上島教職員課長 「奈良県立高等学校等職員及び奈良県県費負担教職員の標準的な職を定める規則等の改正案に係る知事への協議について、ご説明いたします。今申し上げた規則と、奈良県立高等学校等職員の人事評価に関する規則、奈良県県費負担教職員の人事評価に関する規則の3規則の改正についてになります。
 令和4年4月1日に、副校長の職が設置されることに伴いまして、副校長の職制上の段階に応じた標準的な職について明記するもの、人事評価における評価区分表に副校長を明記するための所要の改正をしようとするものです。改正にあたりましては、地方公務員法第15条の2第3項の規定及び第23条の2第3項の規定により、予め知事に協議する必要がありますので、協議を行うことについて提案させていただくものです。
 なお、知事への協議を経た改正案につきましては、次回の定例教育委員会に提案させていただく予定です。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項1については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項2『奈良県校長の資質向上に関する指標の策定等』について、ご説明をお願いします。」

○大石教育研究所長 「奈良県校長の資質向上に関する指標の策定等について、ご説明いたします。昨年度までに『教員等の資質向上に関する指標』を策定しており、『校長』に関しては、その同じ指標の中でキャリアステージの最後に位置付けていましたが、校長の役割を明確に示すということで、ご意見をいただき、それを反映して『奈良県校長の資質向上に関する指標』を新たに作成いたしました。また、教頭につきましても同様に指標を作成いたしました。
 まず、『奈良県校長の資質向上に関する指標』ですが、区分といたしまして、上から『基礎的素養』そして『資質・能力』となっております。校長の職責を踏まえ、この『資質・能力』のところは『組織マネジメント(つくる・生み出す)』、『人材育成(そだてる)』、『信頼構築(つながる)』の三つの区分とし、各項目についてはご覧のとおりにさせていただきました。

 続いて、教頭の指標ですが、区分や項目につきましては、校長の指標とほぼ同様でございますが、『基礎的素養』の上から二つ目の項目、校長は『決断力・発信力』とさせていただいていますが、教頭は校長の指示の下で学校運営に参画することがございますので、『判断力・コミュニケーション力』とする等、多少の文言の変更等をしております。
 また内容としましても、教頭は、校長を助け、校務を整理するとありますので、指標には『校長を補佐する』、『校長の方針に基づく』等を入れて作成させていただいています。それに伴い、従来の『教員等の資質向上に関する指標』につきましても、一部改訂させていただきました。先程申し上げましたように、『校長』を別に示しましたので、それを外した形で改めて作成いたしました。また新しい要素としまして、一番下『マネジメント力』の『人材育成・職能成長』の項目に今回初めて『ワークライフバランス』についての内容を入れさせていただきました。後は特に大きな変更はございません。
 『教頭の資質向上』の次の資料ですが、『教員等研修計画』(グランドデザイン)をリニューアルしております。これは、奈良県教育振興大綱や今進めていただいている『奈良県教員等の資質向上に関する指標』等を踏まえて作成をさせていただきました。上から『校外研修』、そして『校内研修等支援』、『自己研修』の大きな3つの柱とし、教員の研修を表しています。『校外研修』は主に教育研究所で行うものとして書かせていただいている関係で少しボリュームが大きくなっています。
 今年度も、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、ICTを活用した研修を数多く取り入れてまいりました。来年度以降もこの校外研修におきましては、そのような手法の研修の充実を目指して参りたいと思っております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤委員 「グランドデザインに教員免許状更新講習がありますが、教員免許状更新講習はいつから無くなりますか。」

○大石教育研究所長 「現在の国会で審議されまして、可決されますと、7月1日から施行されます。」

○伊藤委員 「ということは、この講習も無くなりますか。」

○大石教育研究所長 「そういうことになります。」

○伊藤委員 「自己研修という表記がありますが、自己研修を実施したという報告はあがってくるのですか。」

○大石教育研究所長 「免許状更新講習は無くなりますが、研修が無くなるわけではありません。令和5年度から教員の研修履歴を残していくことが新たに導入されます。そこには、自己研修も含まれ、校長に報告することになります。それを履歴として蓄積するということになると考えております。」

○伊藤委員 「自己研修とは、具体的にどのようなものか教えてください。」

○大石教育研究所長 「例えば、研究所指導主事の例ですが、土日を利用して、大学の講座やGoogleのソフト等を使用できる資格取得のような講習を受講している職員は、私が知っているだけで5人くらいいます。」

○伊藤委員 「研修履歴を残していくのであれば、どのような項目で、どのような研修をするのか、何が効果的な研修かということをある程度考えておかないといけないと思います。研修かどうか分からないものを履歴として蓄積するのはいかがかと思います。」

○吉田教育長 「研修計画のグランドデザインは以前からありましたか。また、この自己研修はこれまでも入っていたのですか。」

○大石教育研究所長 「ありました。」

○吉田教育長 「大分変わりましたね。」

○大石教育研究所長 「整理をさせていただきました。」

○吉田教育長 「自己研修を入れる必要があるのですか。研究所の研修計画の中に自己研修を位置付けたいのですね。」

○大石教育研究所長 「そうです。」

○吉田教育長 「別に位置付けなくてもいいのではないですか。位置付けると伊藤委員が言われたように、報告を求めたり、研修の管理をすることとなるのでしょうか。」

○伊藤委員 「資料を見ると、自己研修はグランドデザインの枠の外にあります。」

○吉田教育長 「なぜ枠の外にあるのですか。」

○大石教育研究所長 「枠内は教育研究所が担当する研修でまとめています。小さくはなりましたが、教員には学び続けることが求められておりますので、自己研修はしっかりと取り入れていきたいということからそのようにさせていただいております。」

○伊藤委員 「ここは義務ではなくて任意で努力するということですか。」

○大石教育研究所長 「法で定められています。」

○吉田教育長 「研修をどれだけ行うのかですが、大石教育研究所長は、教諭のときに自己研修をしたことはありますか。夜などに教材研究等はしていたと思いますが。」

○大石教育研究所長 「私は国語の教員ですので、有名な方が来られたときに、お誘いを受けて、いっしょに話を聞かせていただくような研修はしていました。」

○吉田教育長 「今なら、インターネットで良い講義を聞くなど頻繁にできそうな気がします。自己研修の書き方は、県・連携大学・県内市町村・教育委員会以外の組織・外部機関が実施する研修講座等というのは古くないですか。何か調べものをしたり、インターネットで行われている授業を聞くとかできるのではないですか。」

○大石教育研究所長 「できます。そういったものも含めています。」

○吉田教育長 「履歴を残すために、自己研修という項目を入れているのですか。」

○大石教育研究所長 「履歴のためにではありませんが、結果的には令和5年度から履歴として残していくことが決まっています。」

○吉田教育長 「令和5年度ですか。何を履歴に残すのか整理をお願いします。」

○田中委員 「いろいろな研修を受けたことを履歴に残すだけではなくて、その成果を発揮することが一番だと思います。研修した後、その人の中で、何か形のようなものができるので、それをただ単に自分の中に押し込むのではなくて、披露するようなことができればやりがいも出てくると思います。単に研修しただけではなく、アウトプットする機会や、授業のようなものに反映するような制度はあるのでしょうか。」

○大石教育研究所長 「今おっしゃっていただいたような研修の成果が通常の教育活動に出てくる場合、褒賞ということで言いますと優秀教職員の表彰制度があります。そういう方々には教員研修でもご指導をいただいています。」

○吉田教育長 「できるかどうかは別にして、優秀教職員に人事評価をリンクさせたら、モチベーションは上がるのではないでしょうか。優秀教職員表彰者になった方は免許状更新講習の免除対象となり、免許状更新講習の費用も出す必要がありません。
 それは国が制度として保証していますが、そういったことはあってもいいと思います。優秀だと評価されるということは、短期間の取組だけではなく、継続して行っているということです。評価に反映するのは校長裁量になるのですか。」

○上島教職員課長 「評価をつけるのは校長です。」

○吉田教育長 「校長が評価して、その後市町村教育委員会や県教育委員会が評価する中で、昇給につながったりするのですね。」

○香河教育次長 「自己申告評価と総合評価で行っていますが、それぞれに評価項目があり、決まっているので、現状ではその中でどう評価するかということになります。」

○吉田教育長 「できないことはありませんよね。」

○上島教職員課長 「優秀教職員は、人事評価とは年度が違います。人事評価はその年度の1年間のものですが、優秀教職員は年度のはじめに過去1年間の実績について推薦してもらうので、時期がずれています。」

○吉田教育長 「それは単年度でずれているという話ではなく、優秀教職員として長い実績で、能力が高く表彰されたときに、評価にどう反映させるかを校長が考える話ですね。現場の教員が優秀教職員に表彰されたとき、その能力が高いと評価され、それが昇給に影響し、モチベーションが高まるといいですよね。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項2については可決いたします。」

○吉田教育長 「報告事項1『令和4年度公立学校・園の設置・廃止等』について、ご報告をお願いします。」

○山内学校教育課長 「令和4年度公立学校・園の設置・廃止等について、ご報告します。法令・例規に基づいて、各市町村の教育委員会から届出があったものを一覧表にしています。校種別にご説明いたします。
 まず幼稚園です。奈良市立富雄第三幼稚園などの5園が幼保連携型こども園への統合による廃止です。奈良市立三碓幼稚園が園児数が確保できないため廃止です。高取町の2園が統合のため廃止され、高取町立たかとり幼稚園が設置されます。休園については、これまでの2園に加え、香芝市立志都美幼稚園が新たに園児数の不足のため休園です。
 次に、小・中・義務教育学校についてです。まず、奈良市立右京小学校と神功小学校が統合され、現在の平城西中学校の位置に移り、奈良市立ならやま小学校、ならやま中学校という施設一体型の小中一貫校になります。続いて、王寺町内の3つの小学校及び2つの中学校が王寺町立王寺北義務教育学校、王寺南義務教育学校という2つの義務教育学校になります。また、吉野町立吉野小学校、吉野北小学校の2校が統合し、吉野町立吉野小学校になります。さらに、下北山村立下北山小学校と下北山中学校が統合し、下北山村立下北山小中学校になります。また、奈良市立一条高等学校附属中学校が新設されます。
 最後に、中学校の二部授業については、本年度と同じく奈良市立春日中学校、天理市立北中学校、橿原市立畝傍中学校の3校で実施されます。
 まとめますと、幼稚園が9園、小学校が6校、中学校が2校減り、義務教育学校が新たに3校設置されます。合計、学校・園として14の減となります。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤委員 「義務教育学校で、○○義務教育学校、○○小中学校と名称が違うのはなぜですか。」

○山内学校教育課長 「制度上の名称は義務教育学校ですが、実際の学校名は設置者の判断になります。」

○伊藤委員 「中学校夜間学級は、どのような人が対象となっていますか。」

○山内学校教育課長 「現状としては、外国籍の方が半数を超えています。」

○吉田教育長 「中学校夜間学級は、毎年届けが必要ですか。」

○山内学校教育課長 「学校教育法施行細則にそのように定められています。」

○上野委員 「奈良市立一条高等学校附属中学校には何名くらい入学しますか。新たな校舎は建設されますか。」

○山内学校教育課長 「1学年2クラスの80名が入学する予定です。入学者選抜には435名の出願がありました。令和4年度から新しい校舎を建設し始めますが、完成するまでは現在の高校の校舎を使用します。」

○田中委員 「今後、不登校の子どものために、Web上で通学できるネットスクールの設置を考えてはどうですか。」

○吉田教育長 「来年度、学ぶ力はぐくみ課が運営する支援サイトに、不登校支援のコンテンツを取り入れることも考えられます。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項1については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」

○春木学校支援課長 「令和3年度における高校生等への修学支援制度の実績等について、ご報告します。高校生等が安心して教育を受けられるよう実施している修学支援制度については、『1.制度の概要』に記載のとおり3つの制度があります。1段目の就学支援金は、授業料を国が負担するもの、2段目の奨学給付金は、非課税世帯を対象に授業料以外の教育費に充てられるようお金を給付するもの、3段目の奨学金は、教育費を無利子で貸与するものです。
 『2.各修学支援制度の予算と実績』をご覧ください。表の真ん中に実績を記載しています。
就学支援金については、令和3年度は19,459人が利用されました。次に奨学給付金については、2,929人に支給しました。奨学金については、393人に貸与しました。
 就学支援金と奨学給付金については、県立高校生徒における利用率は例年と比べあまり変化はありません。奨学金の利用者は平成21年度をピークに年々減少しています。
 いずれの制度も高校生等が経済的な不安なく、安心して教育を受けられるようにするために重要なものであり、学校支援課としては必要とする方に支援が届くよう、引き続き制度の周知に努めてまいります。
 以上です。」

○大橋人権・地域教育課長 「昨年11月30日に実施について発表をさせていただいたいじめやハラスメントのない学校にするために~人権を確かめあうアンケート~の結果について、集計結果がまとまりましたのでご報告します。
 実施については、県内の公立学校の児童生徒を対象に、Google Workspace for Educationを利用し、令和3年12月11日の『人権を確かめあう日』を基準日として、今年度4月からの状況を振り返る形で、無記名で実施しました。実施期間は、各学校からの要望もあり、令和4年1月下旬までとさせていただきました。回答した学校数、生徒数は、1ページに掲載のとおりで、有効回答数は合計99,587でした。義務教育学校、特別支援学校については、それぞれの課程や学部によって小・中・高等学校に含んで掲載しています。
 結果について、5つの内容に分けて報告させていただきます。
 『(1)いじめと感じるようなことをされて嫌な気持ちになったこと』、それを『被害』という言葉でまとめています。左側の青の囲みは『パソコンや携帯電話、スマートフォンなど』、機器を使ったものに関する回答を『スマホ等』としてまとめています。それ以外のことについては、右側の緑の囲みに『スマホ等以外』としてまとめています。問1と問4の『被害』について、『ある』と回答した児童生徒は、スマホ等以外の方が、どの校種でも割合が高くなっています。どちらの場合も、学校段階が進むにつれ、割合は下がる傾向にありました。その内容ですが、いずれの場合も『悪口やからかい』が最も多くなっています。その下に、被害の継続状況をまとめています。どの校種においても、スマホ等以外の方が継続割合が高い数値になっていました。小・中・高、いずれも3割程度の生徒が12月の段階で嫌な気持ちが継続していると回答しています。一番下に、スマホ等とスマホ等以外の被害の重なりの状況をまとめました。表の青のところを見ていただきますと、学校段階が進むにつれ、スマホ等での被害の割合が上がる傾向にあることが読み取れます。
 次に『(2)相手を嫌な気持ちにさせたこと』、いわゆる『加害』の状況についてです。左側がスマホ等によるもの、右側がそれ以外によるものを示しています。高等学校については、『ある』『あるかもしれない』と答えた生徒は、他の校種と違ってスマホ等の方が多くなっていることが分かります。『加害』の内容は、先ほどと同じように『悪口やからかい』が最も多くなっています。その下のクロス集計2は、加害の状況についての重なりです。スマホ等を使った形での加害が、学校段階が進むにつれ増えていることが見ていただけると思います。クロス集計3は、加害と被害の重なりの状況です。小学校で3,157人の加害があった生徒のうち、1,496人(47.4%)は被害も受けていて、同じように中学校で27%、高等学校で28%の生徒が、加害がある中で被害もあるということになります。 加害と被害は重なりがあることがデータでも示されたということになります。
 続いて(3)嫌な気持ちにさせたことに対する『今の気持ち』をまとめました。『しなければよかった』や『相手への謝罪の気持ち』、あるいは『自分のことが嫌である』といった自分を戒めるような気持ちなど、後悔や反省の気持ちをまとめると、小学校では60%、中学校では40%、高等学校では30%という結果になっています。これは低くなる傾向にありますが、逆に無回答が学校段階が進むにつれ増えることが分かります。
 続いて『(4)違いについて』です。『違い』については、8割程度の児童生徒が『認めることができる』と回答しています。中学校、高等学校では大きな変化はなくなるのですが、小学校の学年別集計を見ると、学年進行でその割合が次第に上昇していく様子が見て取れます。各学校でのこれまでの人権教育の取組の成果が出ているものと考えています。『違い』に対する考えと加害に関するクロス集計が4です。加害が『ある』『ない』で違いに対する考えがどう違うかということですが、いずれの校種においても、加害のある生徒については『違いを認めることができない』割合が高くなっているという結果です。
 最後『(5)教職員の言動』についてまとめています。教職員からの言動によって嫌な気持ちになったことが『ある』と回答した児童生徒は、いずれの校種においても大体5~7%とあまり差はありませんでした。その内容としては、一番多かったのが『不安な気持ちになるようなことを言われた』で、小・中・高と進むに従って割合が上がっているのが特徴です。また、『性的な冗談や質問』『不必要に体に触られた』についても、一定数の回答がありました。これらについては十分に気を付けなければいけないことだと考えています。逆に、教職員の言動によって嬉しい気持ちになった児童生徒の有無ですが、たくさんの児童生徒が『嬉しい気持ちになったことがある』と回答してくれている状況です。その内容について、『ある』と回答した児童生徒には、教職員に『してもらったこと』を、『ない』と回答した児童生徒には『してもらいたいこと』を問いました。いずれの場合も、どの校種においても『楽しく分かりやすい授業』が最も多くなっています。生徒たちは楽しく分かりやすい授業を最も求めているということが分かっていただけるかと思います。
 この結果を受けまして、教職員の人権感覚をさらに磨いていただきながら、指導の在り方を振り返ったり、教育環境を点検・改善したりするためのチェックシートと、アンケートの結果を簡潔に示した資料を全教職員に配付する予定です。チェックシートについては、新規採用職員には採用時の4月11日の『人権を確かめあう日』、全ての教職員には振り返りを含めて学期末となる7月11日と12月11日の『人権を確かめあう日』を基準日として実施し、指導の在り方についてチェックしていただきたいと思います。そして、校長面談等でこのシートを活用していただきながら、子どもたちを含めた全ての人の人権が守られた、『一人一人が大切にされる学校づくり』につなげていきたいと考えています。なお、チェックシートの最後の項目は、令和4年4月1日に施行される『教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律』に鑑み、性暴力等の防止を教職員に徹底するために設定しています。また、4月の『人権を確かめあう日』を基準日として、学年のスタートに、アンケート結果も活用していただきながら、より良い学校環境になるよう展開していただけるような資料をまとめました。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤委員 「奨学金の貸与実績が減少しているのは、就学支援金制度が始まったことと関係していると考えて良いのでしょうか。」

○春木学校支援課長 「お見込のとおり、関係しているものと考えております。」

○伊藤委員 「人権を確かめあうアンケートについての感想です。『嬉しい気持ちになったことがある』の回答が小学生の方が多く、中学・高校にいくほど下がっています。これは、小学生の頃はおそらく先生は絶対的な存在だが、中学・高校でだんだん色々な知識を付けていき、成長するにつれていろいろ考えるようになるからだと思います。
 もう一つ興味深いのは、加害と被害に重なりがあるということです。被害を受けると加害をしたことを考えたり、加害をすると被害を受けたことを考えたり、両方の側から考えることになるのかなと思います。そういう意味で、いじめをなくすときに、学校の中で、いじめた側・いじめられた側の気持ちになって考えるとか、そういう指導の仕方が大事であると、このアンケート等で気付いてもらえればと思います。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「その他報告事項については承認いたします。」

非公開議案

議決事項3 人事について(事務局関係)

 非公開にて審議

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」