第7回定例会議(令和3年9月6日開催)

開催概要

議決事項

1 令和3年度教育委員会選奨候補者について <企画管理室>
2 県立高等学校等における2学期開始時の対応について(pdf 587KB) <学校教育課>
   リンクのない事項は、非公開で審議されたものです。  

報告事項

1 住民訴訟の提起について

<企画管理室>

<学校支援課>

2 人事について(学校関係)(pdf 111KB)  <教職員課>
3 奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部を改正する規則について(pdf 478KB)  <学校教育課>
4 学校運営協議会を設置する学校の委員の委嘱、任命について(pdf 642KB)  <人権・地域教育課>
   リンクのない事項は、非公開で審議されたものです。  

その他報告事項

1

教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律の公布への対応について(pdf 697KB) <教職員課>
2 令和3年度全国学力・学習状況調査調査結果の概要について(pdf 1046KB) <学校教育課>
3 『教育セミナー2021』の実施状況について(pdf 561KB) <教育研究所>
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令和3年度第7回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
 令和3年9月6日 
 14時30分

<閉会>
 令和3年9月6日
 16時40分

<会議場所>
 教育委員室

<委員出欠>
 花山院弘匡(出席)
 高本恭子(出席)
 上野周真(出席)
 伊藤忠通(出席)
 田中郁子(出席)

議案及び議事内容

<議案>

議決事項1 令和3年度教育委員会選奨候補者について(可決)

議決事項2 県立高等学校等における2学期開始時の対応について(可決)

報告事項1 住民訴訟の提起について(承認)

報告事項2 人事について(学校関係)(承認)

報告事項3 奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部を改正する規則について(承認)

報告事項4 学校運営協議会を設置する学校の委員の委嘱、任命について(承認)

<議事内容>

○吉田教育長 「花山院委員、高本委員、上野委員、伊藤委員、田中委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和3年度第7回定例教育委員会を開催いたします。本日は委員全員出席で、委員会は成立しております。奈良県教育委員会会議傍聴規則第2条の規定に基づきまして、1名の方が傍聴券の交付を受けられています。」

○吉田教育長 「議決事項1については、候補者選定資料に多くの個人情報が含まれているため、報告事項1については、教育委員会が関係する争訟中の案件のため、当教育委員会においては非公開議案として審議すべきものと考えます。委員の皆様にお諮りします。いかがでしょうか。」

     ※ 各委員一致で可決

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、本日の議決事項1及び報告事項1については、非公開で審議することとします。」

○吉田教育長 「議決事項2『県立高等学校等における2学期開始時の対応』について、ご説明をお願いします。」

○山内学校教育課長 「県立高等学校等における2学期開始時の対応について、ご説明いたします。現在、県立中・高等学校及び高等養護学校においては、9月12日まで夏期休業を延長する措置を取っております。それが明けまして、9月13日から2学期がスタートいたしますが、その際、感染症専門医の奈良県立医科大学の笠原先生の指導によります3つの感染、エアロゾル・飛沫・接触、この経路を遮断するということを基本にいたします。それぞれ対策としましては、エアロゾル対策としては換気、飛沫対策としてはマスクの着用及び距離の確保、接触感染に対しては消毒の実施といった基本的なことを、これまで以上に徹底して参りたいと考えております。その上で、ここに掲げております(1)から(5)までの措置を取りたいと考えております。
 (1)につきましては、2学期の課業期間でございます。通常2学期は、12月23日までとなっていますが、12月28日までを課業期間、冬期休業を29日からに改めたいと考えております。これによりまして実質3日間の授業期間の確保ができます。
 (2)9月13日から当面24日までの間、分散登校を実施したいと考えております。方法といたしまして、ICTを活用した同時双方向型授業を展開します。このことによって、例えば各学級をA班、B班の2分割にしまして、登校している生徒数を通常の約50%に制限することで、生徒間の接触低減を図りたいと考えております。登校しない生徒につきましては、自宅でオンラインで、オンタイムで受講します。なお、自宅で学習する生徒が50分間、画面を通して授業を受けるということは集中しづらい面もありますので、例えば、30分の講義に、20分の演習・活動を加えるというように授業時間の配分を工夫したいと考えております。
 (3)でございます。生徒へのオンライン支援といたしまして3つの例を挙げております。これまでから実施しております健康観察の他、朝の会もオンラインで実施をしたいと考えております。また、欠席が多い生徒への面談等もオンラインを十分に活用して取り組んで参りたいと考えております。
 (4)学校行事でございます。学校行事につきましては、やはり教育的な効果も考えまして、一律に延期・中止すべきではないという考えを持っておりますので、可能な限りの接触低減を図りながら実施したいと考えております。ただ、全校生徒による学校行事を実施する場合は、学年間で時差をつけることや、各会場の入場制限などを実施して感染症対策を実施したいと考えております。
 最後に、(5)部活動の取り扱いです。9月13日より、当面の間ですが、部活動は原則として引き続き不可ということにさせていただきます。ただし、公式大会及び発表会等への出場は可能とし、その際、4週間前からの練習等は認めることとしております。なお、9月23日に総合開会式を予定しております第74回奈良県高等学校総合体育大会は中止としております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「今まで、高校でコロナの感染事例が結構あったと思います。その中で、家族感染が1番多いのか、それとも別の感染が多いのか、その細かい分析はどうでしょうか。千差万別だと思いますが、実際にどういう形で学校で感染が起こっているのか分かっていれば、注意すべきところや、現実に起こった事例から感染を予防する一般論を笠原先生に定義してもらえると思います。」

○吉田教育長 「感染経路について、分かっていますか。」

○稲葉保健体育課長 「感染経路は、不明で調査中が非常に多いのですが、傾向としましては、家族感染が多かったです。ただし、夏休みの後半ぐらいから、生徒のアルバイト先や、友達との交流での感染が散見されてきました。」

○花山院委員 「そのような中で、どのように学校の中で感染をしていくのでしょうか。特別なことはないと思いますが、どこに注意したらよいのでしょうか。家族感染が多いということですが、やはり生徒は友達と遊ぶ、また、学校によってはアルバイトを許可する場合は感染しないように注意したり、感染する原因をなるべく取り除く努力をどうすればいいのでしょうか。実際に学校の中で感染したケースを分析して、結果を共有して、気をつけましょうなどとは言ってもよいのかと思います。」

○吉田教育長 「学校内で感染したケースはどういうケースですか。」

○稲葉保健体育課長 「夏休み中は、学校内において広がっている例はありません。ただ、夏の後半になってきて、講習や文化祭の準備で登校した時に接触をして、PCR検査の対象になった生徒も出てきております。」

○吉田教育長 「これまでにクラスターになったなど、学校内で感染が起こったのはどういった状況ですか。」

○稲葉保健体育課長 「家庭内感染をした生徒が、その発症に気付かなかったり、無症状だったりで、そのまま登校をして、部活動内でマスクを着用せず感染しました。これがクラスターの1つです。」

○吉田教育長 「他にはありませんか。」

○稲葉保健体育課長 「他には、体調が悪かった先生が出勤されて、その中で感染を広げてしまった事例があります。先生方・生徒は、体調が悪い場合は絶対に登校をしない、毎日の健康観察をする、また、ご家族の中で体調不良が起こった場合も登校しないということを徹底することで、校内にウイルスが入ることをかなり防げるのではないかと思われます。」

○吉田教育長 「それから食事で感染した事例が何件かあったと思います。今回は、笠原先生が3つの感染経路を遮断することを徹底して指導して欲しいとおっしゃっています。徹底するには、物理的に1~2m空けることが必要になってきます。思い切って教室には20名程度の生徒を入れるにとどめ、1~2mの間隔を食事の時も、授業の時も空けることで、感染経路の遮断を徹底できます。」

○花山院委員 「黙食は子どもたちにはかわいそうなことですが、徹底するしかありません。」

○伊藤委員 「2つ確認があります。1つはオンライン授業について、(2)で書いているところです。50分授業を30分の講義と20分の演習・活動とありますが、この演習・活動とは何をするのですか。」

○山内学校教育課長 「一方的な教員からの講義以外のもの全てを含めようといたしましたので、演習のみとは言い切れないと思いまして、活動という言葉も入れさせていただきました。」

○伊藤委員 「例えば、30分の講義を受けて分からなかった場合、質問をしていいのですか。あるいは30分の講義の中で、生徒に課題を出して、ただやりなさいということですか。活動とは何でしょうか。講義の内容に関して生徒が何か探究的なことをするのですか。」

○吉田教育長 「教科によっていろいろ違いがあります。山内課長が説明した演習は、数学であれば1番馴染みますよね。でも、他の教科になるとあまり演習という言葉は使いません。」

○伊藤委員 「心配なことが(5)部活動のことです。公式大会・発表会の出場は可能ということですが、公式大会や発表会の予定は分かっていて、出場するかしないかは誰が判断するのですか。」

○吉田教育長 「校長が判断します。」

○伊藤委員 「部活動顧問や部長と相談してですか。」

○吉田教育長 「そうですが、最終的には校長が判断します。」

○伊藤委員 「4週間前ということは1か月前ですよね。事前に予定は分かっているのでしょうか。」

○吉田教育長 「だいたい6月がインターハイ予選で、3年生の引退試合です。10月ぐらいが、近畿大会それから全国大会につながる新人戦という大会があります。それがただ種目によって違っていて、例えば、サッカーでしたら常時その試合がリーグ戦からスタートしてトーナメントになって、そして選手権につながります。」

○稲葉保健体育課長 「主に選手権のトーナメントが始まるのは10月の上旬くらいからです。」

○伊藤委員 「ということはすでに1か月前ですね。」

○吉田教育長 「つまり、行っている部活動もありますね。例えば、野球も行っているのでは。」

○稲葉保健体育課長 「野球は、秋季大会が始まっています。」

○伊藤委員 「ある程度予定されているのであれば、県教育委員会で事前に状況把握をしておく必要があるのではないでしょうか。何か状況を把握する方法はありますか。」

○稲葉保健体育課長 「運動部に関しましては、大会日程を高体連が把握しています。細かい学校の日程につきましては、各抽選会が終わりましたら一覧表が出てきますので、それを提出してもらえば全て把握できます。」

○伊藤委員 「どの高校が、どの大会・発表会に出たのかということが把握できるということですね。」

○吉田教育長 「今の時期に、奈良県独自に総合体育大会という大会がありますが、今回は中止します。昨年度はこの総合体育大会に3年生の出場を可能として開催しましたが、今回はインターハイの予選などに3年生の生徒が参加して行われましたので、この大会は中止とすると決めました。」

○伊藤委員 「できる限り、予定を把握しておけば、何か事前に対策の可能性がありますね。」

○吉田教育長 「部活動での感染ですね。夏休み中の部活動での感染はどのくらい起こっていますか。」

○稲葉保健体育課長 「今、1件だけ、感染原因が部活動なのかクラス活動なのか分からないものがあります。それ以外は、部活動の感染はありません。」

○伊藤委員 「9月以降に部活動が始まったら、可能性はどうですか。」

○吉田教育長 「9月中は、部活動の半分は活動休止になりますね。10月のいつ頃からスタートしますか。」

○稲葉保健体育課長 「10月上旬から開始されるのは、サッカーです。また、野球はすでに始まっています。後は10月の半ば、中間考査が終わる頃の開始になります。」

○吉田教育長 「そうなると9月の下旬に練習ができるかどうですね。これは一応、24日までの対応ですので、緊急対処措置を延長するかしないかにかかわらず、2週間はこれで行うということですね。」

○伊藤委員 「そうすると、文化祭はどうなりますか。」

○吉田教育長 「文化祭は、すべての学校で延期をすると、3年生の進路に関わってきますので、文化祭を行う場合は学年ごとに時差登校をします。そして、文化祭の活動エリアが、例えば、体育館や展示の教室、校舎外があるので、その3つを時間を決めてローテーションを組んで、一定の入場制限をすることによって、密を避けることができます。」

○花山院委員 「県高等学校総合文化祭はどうなりますか。」

○山内学校教育課長 「10月24日~11月28日の期間で、11月23日が総合発表です。現段階では実施する方向だと思います。」

○吉田教育長 「今のところは実施予定ですね。それが、最終的にオンライン開催になるか、などは今後検討していくということですね。」

○花山院委員 「部活動は、1人が感染して辞退する場合が発生しているなど、結構厳しくなっているので、一生懸命に練習等をしている部活動ほど感染に対して神経質になっていると思います。
 また、3年生は受験が近く、学校の授業以外でも、いろいろな意味で対応していく必要がありますので、分散登校が延びるようであれば3年生には何か考えていかなければならないということになっていくでしょう。」

○吉田教育長 「今回も、3年生だけ毎日登校させて、1・2年生を交互に登校させ、人流を3分の2に抑える案も考えました。最終的には、今の状況でしたら2分の1にしようとなりました。ですから、状況が良くなれば、3年生をベースに毎日の登校できるようにして、1・2年生を交互に登校させるということも考えられます。」

○花山院委員 「3年生は、自分の受験や人生のことはコロナのことと並ぶくらい大きなことだと思いますので、分散登校が延びるようであれば、何かを考えて対策をした上で対応に当たらないといけないと思います。」

○田中委員 「同時双方向型授業ということですが、どちらかというと学校側から生徒にということばかりで、生徒側からが弱いと思います。先生に相談したい生徒は当然いると思いますが、その時に登校している生徒はいいと思いますが、自宅にいる生徒からも何か相談できる方法を作ってあげないといけないのではないでしょうか。学校側から流すばかりで、生徒からのレスポンスの受け方が弱いのではないでしょうか。」

○山内学校教育課長 「実際、13日からスタートしますが、今までにオンラインでの授業の経験がある教員はいいのですが、まだ経験が足りない教員は、どうしても学校から生徒へ情報を流す方が増えてしまうと思います。1人で授業する中で、自宅学習をしている20人の生徒たちをどうフォローするかということは、かなりの慣れや経験が必要だと思いますので、この授業を積み重ねながら、その情報量が均等までとはいかないですけれども、一方的にならないようにしていきたいと思います。」

○吉田教育長 「今までは、ビデオ撮りしてYouTubeで流すやり方でしたが、今回はカメラで取りながら、その場の授業を生徒に提供します。だから、まだ先生は、家に居る20人の生徒と授業の中で会話できるというところまでいけないのではないでしょうか。この2週間で、そこまでいけるようになれば、田中委員がおっしゃるような双方向に近い授業ができあがっていくと思います。ただ、メールで相談を受けるなどいろいろな方法もありますので、学校によって温度差が出ないような対応をしてもらいたいと思います。 」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項2については可決いたします。」

○吉田教育長 「報告事項2『人事(学校関係)』について、ご報告をお願いします。」

○上島教職員課長 「人事(学校関係)について、ご報告します。
 令和3年8月31日付けの退職に伴う人事異動です。御所市立大正中学校長から8月31日付けで退職願が提出されたことにより、9月1日からの2学期開始に向けて、校長不在の状態を回避するため、緊急を要し、教育委員会を開催する暇が無かったため、奈良県教育委員会の権限に属する事務の委任と臨時代理に関する規則第4条第2項の規定に基づき、教育長の臨時代理により処理したので、ご報告いたします。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「大宇陀高校の教頭には、後任が就くのでしょうか。」

○上島教職員課長 「県教育委員会事務局から異動して着任します。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項2については承認いたします。」

○吉田教育長 「報告事項3『奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部を改正する規則』について、ご報告をお願いします。」

○山内学校教育課長 「奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部を改正する規則について、ご報告します。8月27日付けの『夏期休業の延長について』の資料をご覧ください。このような形で、先程の報告事項第2号と同規則同条項の教育長の臨時代理により管理運営規則を改正させていただき、8月27日に夏期休業の延長を決定させていただきました。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

〇吉田教育長 「冬期休業についての改正はどうなりますか。」

〇山内学校教育課長 「冬期休業については、先程の議決事項第2号で期間変更の方針を可決いただきましたので、後日、管理運営規則の改正についてお諮りします。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項3については承認いたします。」

○吉田教育長 「報告事項4『学校運営協議会を設置する学校の委員の委嘱、任命』について、ご報告をお願いします。」

○大橋人権・地域教育課長 「学校運営協議会を設置する学校の委員の委嘱、任命について、ご報告します。奈良県立学校における学校運営協議会の設置等に関する規則第5条第2項により、資料のとおり、学校運営協議会を設置する県立山辺高等学校など高等学校計13校と、県立盲学校など特別支援学校計3校の合計16校から、学校運営協議会の委員について各校長からの推薦がありました。各校の推薦者はいずれも、奈良県立学校における学校運営協議会の設置等に関する規則第5条第2項の要件を満たしていると認めるため、奈良県教育委員会の権限に属する事務の教育長専決に関する規則の専決事項第2条第3項により、委員の委嘱、任命を行いましたのでご報告いたします。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤委員 「要件区分5の対象学校の教職員が委員として入っている学校と入っていない学校があるのはなぜですか。」

○大橋人権・地域教育課長  「学校長が委員として入っている場合もありますし、委員でなくても会議に事務局として携わっていますので、対象学校の教職員が必ず委員になるかどうかまでは求めていません。」

○伊藤委員 「要件区分4の対象学校の校長が入っていない学校が2校あるのはなぜですか。」

○大橋人権・地域教育課長  「来年度からは各学校の校長については委員に参加していただくように調整しています。」

○吉田教育長 「奈良県の規則には要件区分についてどのように記載されているのですか。」

○大橋人権・地域教育課長 「第5条2項で、委員は、次に掲げる者のうちから校長の推薦により教育委員会が委嘱し、又は任命する。ただし、第一号から第三号までに掲げる者については、必ず委員に含めるものとすると規定されていて、要件区分の第一号から第三号までを必ず委員に含めるということになっています。」

○吉田教育長 「要件区分の第三号までは必ず入れるという文部科学省の方針に基づいて奈良県も定めているのですね。来年度、校長を委員に含めるかについてはどう考えていますか。」

○大橋人権・地域教育課長 「来年度に新規設置する学校につきましては、前回の定例教育委員会でもご意見をいただきましたので、入っていただこうと考えています。」

○花山院委員 「校長も委員に入って、同じ場で会議を運営する方が民主的ですね。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項4については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」

○上島教職員課長 「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律の公布への対応について、ご報告します。8月6日の定例教育委員会において、その対応案を承認いただきました定期調査及び通報相談窓口の共同設置について、都市教育長協議会及び町村教育長会と協定を締結しスタートいたしました。また、全教員にメッセージを送り、窓口の設置の周知と啓発を行いました。今後は、市町村と連携し、児童生徒性暴力の根絶を目指していきます。
 以上です。」

○山内学校教育課長 「令和3年度全国学力・学習状況調査調査結果の概要について、ご報告します。資料1ページに教科に関する調査結果がございます。小学校国語の平均正答数は、全国9.1、本県8.6、中学校国語は、全国9.0、本県8.7です。算数・数学においても全国平均を下回っており、全ての教科で下回る結果となっています。この現状については、重く受けとめ、今後2か月をかけてデータの分析を行い、原因を探ってまいりたいと思います。
 資料5、6ページに、児童生徒質問紙調査における特徴的な結果を示しています。特に『自己有用感、挑戦心』に関わる項目について、統計的な分析はしていませんが、見かけ上、有意に下がっています。今後、このようなことも含めて検討し、改めて報告させていただきます。
 以上です。」

○大石教育研究所長 「『教育セミナー2021』の実施状況について、ご報告します。本年度は、『次世代の子どもたちの学びのために』をテーマとしてオンラインで開催いたしました。
 第1部は、7月21日(水曜日)にZoomによるライブ配信で、東京学芸大学准教授の高橋純氏による『生涯にわたって能動的に学び続けるための1人1台端末の活用』と題する全体講演を行いました。
 第2部は、7月21日から8月20日までの1か月間、新学習指導要領ワンポイント講座等の動画をオンデマンド配信し、各学校での指導に生かせる情報を提供しました。
 実施状況については、お手元の資料のとおりです。参加申込み数は、第1部と第2部を合わせて512アカウントでした。
 参加者に対するアンケートの結果から何点か取り上げご報告します。(1)申込者の年代別、校種別割合は資料のとおりです。
 (2)7月下旬の開催時期については、90.5%が「適切である」と回答しています。校種によって状況が異なりますが、夏期休業中は研修に参加しやすいため、肯定的な回答になったと思われます。教育セミナーの講演等を受けて、夏期休業中の校内研修や自己研修にも活用していただくことが期待できるため、次年度以降もこの時期の開催を検討していきます。
 実施形態については、54.3%が『今回同様、ライブ配信・オンデマンド配信で実施するのがよい(オンライン型)』と回答しています。『気軽に多くの先生が参加できる』、『研究所までの往復の時間がかからずありがたい』、『職務上学校を離れることが厳しかったが、オンラインはとても助かった』との意見がありました。
 また、39.7%が『オンライン型と集合型を合わせて実施し、参加者がどちらかを選べるようにするのがよい(ハイブリッド型)』と回答しています。以上のことから、次年度以降も集合型開催にこだわることなく、ICTを活用した形での教育セミナーを企画していきます。
 (3)第1部の全体講演については、お手元の資料にあるように、いずれの問いに対しても、概ね肯定的な回答を得ました。自治体や学校の実態を踏まえた上で、1人1台端末活用におけるポイントや活用例等を、実践事例を交えながら具体的に解説していただいたことが、教職員が今、直面している悩みに合致していたと思われます。
 また、実際に校内研修として活用いただいた学校があったほか、『学校の全体研修として視聴したかった』、『校内研修等で生かせそう』といった感想もあり、次年度は校内研修の一部として計画していただけるよう、教育セミナーの開催について、本年度よりも早い時期の周知を図ります。
 (4)第2部でオンデマンド型配信した新学習指導要領ワンポイント講座について、いずれの問いに対しても肯定的な回答を得ました。また、『期間内ならいつでも見られるので、研修が受けやすい』、『何度も聞いたり複数の発表を聞いたりすることができて良かった』という感想が得られました。
 本年度の総括を踏まえ、次年度の教育セミナーについても、本県教育の課題解決を目指した企画を検討してまいります。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「全国学力・学習状況調査調査結果の概要についてですが、一般論として、奈良県の小・中学生の成績が他の県と比べて悪いとは思いません。この後、分析を行い、学力向上に向けた取組が必要ではないでしょうか。また、教員が、この調査の意義付けを子どもたちに理解させていくことが必要だと考えます。」

○吉田教育長 「資料5、6ページの質問紙調査の結果に示されているそれぞれの矢印が示す値は、どのように定義しましたか。」

○山内学校教育課長 「まだ、統計的に分散を確かめて、幅を決めるなどの作業は行っておりません。目安上の数値を示しただけのものです。」

○吉田教育長 「前年度と比較したということですね。今後は、学力向上のプログラムをしっかり考えたいと思っています。教員がどういう行動をすれば、子どもの学力が向上するのかをプログラム化してはどうでしょうか。他府県では、教科書の大事なところを重点的に指導できるようにその箇所を共有し、どの教員も意識して指導できるようにしているところもあると聞きます。」

○花山院委員 「高校では、子どもたちの進路などを考え、指導内容の重点化を図ることもあります。これまで、小学校は学習の基礎ということもあり、あまりそのようなことは求められていませんでしたが、それが求められる時代になったのではないでしょうか。」

○山内学校教育課長 「今後、分析に取りかかりますが、既に無答率の高さが見えてきています。意欲の問題なのか、授業で培うスキルが足りないのか、今後深掘りしていきたいと考えています。」

○伊藤委員 「学校で学んでいることが生活につながっていると実感できていないことが結果にも表れているのではないかと感じます。無答率が高いのは、分かっていないのか、やっても意味がないと考えているのかなどの理由が考えられるのではないでしょうか。」

○田中委員 「目的と出題内容が合っているのでしょうか。知識の詰め込みで答えられることではなくて、実生活に生かせるようなことを答えとするような設問はあるのでしょうか。」

○山内学校教育課長 「例えば、小学校国語で片付けをテーマにして文章を書かせる問題があります。ある意味生活と密着している問題ですが、無答率が高いです。書き方が身に付いていないのかもしれません。」

○田中委員 「答えを○か×かでしか書けないのではないでしょうか。答えは、多様な考え方があるということを指導することも大切だと思います。子どもが何に対しても疑問を持ったり、興味を持ったり、関心を示したりすることは当たり前ではないという思いをもって指導することが大切だと思います。」

○吉田教育長 「学校でディベートなどは行っていますよね。分析しないと分からないですね。漢字の書き取り問題の正答率も低いですね。」

○大石教育研究所長 「全国と比較して漢字の正答率が低いです。語彙力に課題を感じます。」

○花山院委員 「当たり前のことですが、日常生活で漢字自体を使うことが少なくなりました。これからは、必要なことはスマートフォンで調べられます。それよりも考えることに大きく舵が切られた時代になっています。学校では、まず覚えさせる、調べさせるということになりますが、実際にはスマートフォンを使って調べることができます。それをどう使うのかということが求められています。」

○吉田教育長 「人数が少なく学力が高い学校がありますね。どのような取組をされているのでしょうか。」

○熊谷教育政策推進課長 「義務教育プランというものを作り、小学校1年生から中学校3年生まで標準検査を実施して学習の変化を見取ったり、家庭学習や読書活動を行ったりしていました。人数が少ないだけに、1人1人の子どもを大事にしたいという意識があり、教員も保護者も1つの方向に向かっていたように思います。」

○吉田教育長 「やはり県で学力向上プログラムというものを打ち出すべきだと考えています。」

○田中委員 「基礎の上に応用があるわけだから、小・中学校でしっかり基礎学力を付けることが大切ですね。」

○花山院委員 「県教育委員会として、調査結果をしっかり分析してください。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「その他報告事項については承認いたします。」

非公開議案

議決事項1 令和3年度教育委員会選奨候補者について
報告事項1 住民訴訟の提起について

 非公開にて審議

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」