第9回定例会議(令和3年10月26日開催)

開催概要

議決事項

1 教育委員会に提出された請願について(pdf 390KB) <企画管理室>
2

令和3年度 奈良県教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書(令和2年度対象)について

1(pdf 4287KB)><2(pdf 3925KB)

<教育政策推進課>
3 12月県議会予算外議案の提案について <学校支援課>
4 令和4年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目について(pdf 130KB) <教職員課>
5 奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について(pdf 341KB) <学校教育課>
  リンクのない事項は、非公開で審議されたものです。  

報告事項

1 令和3年度奈良県公立学校優秀教職員被表彰者の決定について(pdf 297KB)

<教職員課>

2

令和4年度使用高等学校用教科書の採択について

1(pdf 4351KB)><2(pdf 4458KB)><3(pdf 4186KB)

 <学校教育課>

その他報告事項

1

監査結果報告について(令和3監査年度第1回)(pdf 595KB) <企画管理室>
2 公立大学法人大阪大阪府立大学、奈良県立国際高等学校及び奈良県教育委員会の教育連携に関する協定について(pdf 165KB) <教育政策推進課>
3 県立高等学校適正化の推進に係る検証の報告書案について(pdf 898KB) <教育政策推進課>
4 令和4年度奈良県公立学校教員採用候補者選考第2次試験の結果について(pdf 406KB) <教職員課>
5 令和3年度学校保健・学校安全・学校給食表彰及び養護教諭制度80周年記念学校保健功労者表彰(文部科学大臣表彰)について(pdf 152KB) <保健体育課>
,,

令和3年度第9回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
 令和3年10月26日 
 14時30分

 

<閉会>
 令和3年10月26日
 17時15分

 

<会議場所>
 教育委員室

 

<委員出欠>
 花山院弘匡(出席)
 高本恭子(出席)
 上野周真(欠席)
 伊藤忠通(出席)
 田中郁子(出席)

議案及び議事内容

<議案>

議決事項1  教育委員会に提出された請願について

議決事項2  令和3年度 奈良県教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書(令和2年度対象)について(可決)

議決事項3  12月県議会予算外議案の提案について(可決)

議決事項4  令和4年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目について(可決)

議決事項5  奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について(可決)

報告事項1  令和3年度奈良県公立学校優秀教職員被表彰者の決定について(承認)

報告事項2  令和4年度使用高等学校用教科書の採択について(承認)

 

 

<議事内容>

○吉田教育長 「花山院委員、高本委員、伊藤委員、田中委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和3年度第8回定例教育委員会を開催いたします。本日は、上野委員が欠席ですが、定足数を満たしており、委員会は成立しております。奈良県教育委員会会議傍聴規則第2条の規定に基づきまして、1名の方が傍聴券の交付を受けられています。」

○吉田教育長 「議決事項3については、議会の議決を経るべき議案についての意見の申出に関することであり意思形成過程であるため、当教育委員会においては非公開で審議すべきものと考えます。委員の皆様にお諮りします。いかがでしょうか。」

     ※ 各委員一致で可決

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、本日の議決事項3については、非公開で審議することとします。」

○吉田教育長 「それでは、議決事項1『教育委員会に提出された請願』について、でございます。本日は、合計6件の請願についてご審議いただきたいと思います。それぞれの請願について、1件ずつ順にご審議いただきたいと思います。
 1件目の請願書について、ご説明をお願いします。」

○香河教育次長 「1件目の請願について、ご説明いたします。
 県立高校再編について(1)『現役高校生とその保護者へのアンケート』実施の請願です。請願内容は、請願書に記載のとおりです。」

○吉田教育長 「1件目の請願について、調査した内容を報告してください。」

○熊谷教育政策推進課長 「ただいまの請願について、調査結果を報告します。教育委員会では、策定の時期・方法等や、高校教育改革、教育環境整備についての視点で、県立高等学校適正化推進方針及び県立高等学校適正化実施計画の検討から実施に至るまでのプロセスの検証を行うこととしております。また、前回の県立高校再編を実施する途中で、次期再編の参考とするためのアンケート調査は実施しておりません。
 以上です。」

○吉田教育長 「1件目の請願について説明をいただきました。特に、検証委員会の目的、それから今、アンケートをするということについての調査の結果を述べていただきました。では、ただいまの調査結果に基づき、採択についてのご意見も併せてお願いします。」

○花山院委員 「説明にあったように、前回の高校再編では途中でのアンケートは行っていないということなので、今回もそのように計画を進めていっています。例えば、生徒数の減少等については事前に報告され、考えて進めていきました。今、アンケートを行う必要はないのではないでしょうか。」

○吉田教育長 「次期の適正化に生かすためには、この計画を実施してからの検証が必要だと思っております。不採択というご意見ですが、他にご意見、ご質問はありませんか。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、本請願は不採択としてよろしいですか。」

     ※各委員一致で不採択

○吉田教育長 「それでは、本請願については不採択とします。」

○吉田教育長 「2件目の請願書について、ご説明をお願いします。」

○香河教育次長 「2件目の請願について、ご説明いたします。
 県立高校再編について(2)『公立中学生とその保護者へのアンケート』実施の請願です。請願内容は、請願書に記載のとおりです。」

○吉田教育長 「2件目の請願について、調査した内容を報告してください。」

○熊谷教育政策推進課長 「ただいまの請願について、調査結果を報告します。こちらの方も策定の時期・方法等や、高校教育改革、教育環境整備についての三つの視点で、方針及び計画の検討から実施に至るまでのプロセスの検証を行うこととしています。同様に、前回の県立高校再編を実施する途中で、次期再編の参考とするためのアンケートの実施調査は行っておりません。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤委員 「1件目の請願と同じということでよいのではないですか。」

○吉田教育長 「1件目と同様に不採択というご意見ですが、他にご意見、ご質問はありませんか。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、本請願は不採択としてよろしいですか。」

     ※各委員一致で不採択

○吉田教育長 「それでは、本請願については不採択とします。」

○吉田教育長 「3件目の請願書について、ご説明をお願いします。」

○香河教育次長 「3件目の請願について、ご説明いたします。
 県立高校再編について(3)『パブリックコメントの再実施』の請願です。請願内容は、請願書に記載のとおりです。」

○吉田教育長 「3件目の請願について、調査した内容を報告してください。」

○熊谷教育政策推進課長 「ただいまの請願について、調査結果を報告します。当該パブリックコメントは、奈良県パブリックコメント手続実施要綱に基づき実施いたしました。要綱には『県の政策形成過程における透明性及び公平性の向上を図ること』を目的とし、『県の施策に関する基本的な計画、指針等の策定及びこれらの重要な改定』が対象となることが示されております。また、大阪高等裁判所の判決におきましても、推進方針についてパブリックコメント手続きを実施し、実施計画についてはパブリックコメントを実施しなかったとしても、『県の施策に関する基本的な計画、指針等の策定及びこれらの重要な改定』についてパブリックコメント手続の実施を要するものとした奈良県パブリックコメント手続実施要綱の趣旨に反するということはできないと判断されております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。これは大阪高等裁判所の判決でしたか。」

○熊谷教育政策推進課長 「はい。大阪高等裁判所の判決です。」

○伊藤委員 「平成30年3月から4月に行われたパブリックコメントは高等学校再編に関する県の施策の意思形成過程の中で行われたということでよろしいですか。」

○熊谷教育政策推進課長 「はい。」

○伊藤委員 「そして、その意思形成過程の中で行われたパブリックコメントについては、本来のパブリックコメントの考え方、趣旨に反しないということでよろしいですか。」

○熊谷教育政策推進課長 「はい。」

○伊藤委員 「従って、パブリックコメントを再度行うことは必要ないということでよいのではないでしょうか。」

○吉田教育長 「推進方針を2月議会に、実施計画を6月議会に提出しております。推進方針の段階でパブリックコメントを行ったことに対して、趣旨に違反しているとまでは言えないという大阪高等裁判所の判決です。原告側の主張は実施計画段階で、校名も全て挙げた上でパブリックコメントを行うべきであったというものですが、法令違反にはあたらないという結果です。検証
委員会では、より県民に分かりやすく、より意見を求められるようなパブリックコメントの在り方がふさわしいという声がございました。今後は具体的な学校名を示し、パブリックコメントで意見を求めるという方向性が示されています。他にご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、本請願は不採択としてよろしいですか。」

     ※各委員一致で不採択

○吉田教育長 「それでは、本請願については不採択とします。」

○吉田教育長 「4件目の請願書について、ご説明をお願いします。」

○香河教育次長 「4件目の請願について、ご説明いたします。
 県立高校再編について(4)『県立高校再編のプロセス検証』についてです。請願内容は、請願書に記載のとおりです。なお、添付資料については、個人情報保護等の観点から配付をしておりませんが、教育委員の皆様には事前にご確認をいただいております。」

○吉田教育長 「4件目の請願について、調査した内容を報告してください。」

○熊谷教育政策推進課長 「ただいまの請願について、調査結果を報告します。県立高等学校適正化の推進に係る検証の実施につきましては、検証委員会の設置も含め、令和3年6月4日に報道発表を実施し、6月10日の第4回定例教育委員会会議で必要な事項については報告をさせていただいています。2の重大課題の検証の(1)から(3)につきましては、策定の時期・方法等や、高校等の教育改革、教育環境整備についての視点で現在検証を進めています。請願者が主張する内容等について検証を行う目的で実施しているものではありません。今後、高校入試改革を進めていく検討の中で検証していく予定です。(4)のプロセスについては検証委員会からの意見を聴取し、教育委員会において検証を進めています。なお、請願書に記載の県教育委員会幹部がその立場を悪用して極めて恣意的に高校再編を行い、教育行政を私物化し、公務員として違法的行為を行ったことはございません。3のパブリックコメントの実施経緯については、先ほど申し上げましたように、奈良県パブリックコメント手続実施要綱に基づいて実施し、大阪高等裁判所の判決において、実施要綱の趣旨に反しているということはできないと判断されています。ただ、県立高等学校適正化の推進に係る検証委員会におきましては、当該パブリックコメントは学校名が明らかではなく、県民が具体的に理解することが難しかったというご意見もいただいています。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「今の報告にありましたように、定員についてや、この学校にはこの特色をもたせるということについて、普段の教育委員会で常日頃検討し、意見が出され、それが収斂されたものとして今回の再編が行われています。具体的な学校名も、各々の学校の特色とともに教育委員会で検討され、それが蓄積されて出てきたものです。普段から行っていることなので、ここであえて行う必要はないと思いますし、これからも検証結果を確認しながら進めていくことです。」

○吉田教育長 「これについてはもっともな部分もあります。例えば入試の検討委員会を立ち上げて検証を進めていくというご意見を挙げておられます。委員の人選及び選任と人数については公表をしています。また、1についてはすでに実施している部分があり、2以降については今後行おうとしている部分もあります。この請願については、すべてを今すぐ検証をするということについては、花山院委員が言われたように不採択ということではないですか。委員の皆さまはどうですか。」

○伊藤委員 「この2について、全部請願を受け付けないということではなく、一部は検証委員会の報告を受けて、今後検討されるかもしれないということですね。全部をまとめて検証を受け入れないという、全否定ではないということですね。」

○吉田教育長 「全否定ではありません。検証委員会に県民が参加し意見を述べる公開の場を設置してほしいという部分について、教育委員会として責任をもって行うことですので、今の検証委員会ではここまでを行うことはできません。パブリックコメントの実施経緯については、パブリックコメントの在り方を今後どうするかについて、検証委員会でも議論されています。いろいろ混在していますので請願として考えた場合、受け入れられるのだろうかと思います。」

○伊藤委員 「請願として一括して取り上げられることはないということですね。」

○花山院委員  「これまでも検証されてきたことだと思います。生徒数減による定員割れをどうするのかということは、毎回検討されてきたと思います。」

○吉田教育長 「公表はしていないが、議論はされています。今後は、表に出て行く議論の在り方を検討していかねばならないと考えています。」

○伊藤委員 「議事録は公表されていますが、皆さんが読まれるかどうかわかりませんので、何らかの形で必要ということですね。」

○吉田教育長 「表に出て行く議論の在り方を考えていかなければなりません。高校教育について議論していただくような場をつくりたいと思います。10年毎に県立高等学校適正化を行いますので、外部の有識者を入れて議論していただくことがよいのではという意見もあります。時代はどんどん変わりますので、次の適正化に繋げていくのがいいのではないかと思います。」

○花山院委員 「県民に開かれた教育行政が求められています。実際に教育委員会を傍聴していただければ、毎回大変多くの意見が出ており、委員が現状をより良くしていこうと議論していることが分かっていただけるのですが。」

○田中委員 「適正化は、継続してこれからも起こることであり、広く県民に知っていただく必要があるのではないでしょうか。せっかく計画を緻密に進めていても、公開が遅くなっては同じことが起こります。今、10歳や8歳ぐらいの子どもにとっては、高校生になるまで遠いことなので考えにくいという面はあるのですが、小出しでよいので少しずつ出していくことが大切なのではないでしょうか。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、本請願は不採択としてよろしいですか。」

     ※各委員一致で不採択

○吉田教育長 「それでは、本請願については不採択とします。」

○吉田教育長 「5件目の請願書について、ご説明をお願いします。」

○香河教育次長 「5件目の請願について、ご説明いたします。
 県立高校再編について(5)『県立奈良高校と県立平城高校の統合』の請願です。請願内容は、請願書に記載のとおりです。なお、添付資料は、著作権の観点から配付をしておりませんが、教育委員の皆様には事前にご確認をいただいております。」

○吉田教育長 「5件目の請願について、調査した内容を報告してください。」

○熊谷教育政策推進課長 「ただいまの請願について、調査結果を報告します。平成30年10月5日に県議会で議決された県立高等学校適正化実施計画に則り、魅力と活力あるこれからの高校づくりを推進する目的で、実施計画を進めているところです。
 以上です。」

○吉田教育長 「県立奈良高校と、県立平城高校を統合せよとの請願ですが、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですが、本請願は不採択としてよろしいですか。」

     ※各委員一致で不採択

○吉田教育長 「それでは、本請願については不採択とします。」

○吉田教育長 「6件目の請願書について、ご説明をお願いします。」

○香河教育次長 「6件目の請願について、ご説明いたします。
 県立高校再編について(6)『高校生の県外流出対策の実施』の請願です。請願内容は、請願書に記載のとおりです。」

○吉田教育長 「6件目の請願について、調査した内容を報告してください。」

○山内学校教育課長 「ただいまの請願について、調査結果を報告します。高校生の県外流出低減対策の請願でございます。その事実関係のみを確認しました。この請願書の下部に、本県から他府県への流出率が示されていますので、ここでは、全国の平均流出率をお知らせします。平成30年3月は4.8%、平成31年3月は5.0%、令和2年3月は5.4%、令和3年は未発表となっています。このように、全国、本県とも県外への流出率は増加傾向にあります。他府県への進学者の多くは私立高校への進学者と考えられ、その流出増加の要因の一つとしては 令和2年4月からの私立高校授業料実質無償化の影響が考えられます。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤委員 「請願が出ていますが、これは今まで教育委員会でも議論した内容です。できれば県内の高校に進学してもらうことが好ましいのですが、奈良県は多くの私立高校がある京都と大阪と隣接していて、地域的な影響もあろうかと思います。首都圏なら、東京に隣接している埼玉県なども同様と思います。どこの高校を選択するかは子どもたちの自由であり、いろいろ理由があると思いますが、できれば県内の高校に進学することが好ましいと考えます。これは、請願があるなしにかかわらず、教育委員会で検討していただきたい内容と考えます。」

○花山院委員 「伊藤委員がおっしゃるように、県内の高校に進学してもらう、倍率の高い高校と定員割れをおこしている学校の是正など、これまでも議論していることです。それがわかりやすい形で出ていなかったわけで、教育長が先程言われた入試の検討委員会で、これらの点をきちんと議論して、わかりやすく表に出して、この請願のとおりに行っていくのは当たり前のことと考えます。」

○吉田教育長 「この請願で、県内公立中学校3年生へのアンケート調査では、約9割の生徒が公立高校への進学を希望しているとありますが、毎年調査しているのですか。」

○山内学校教育課長 「2年前まで、1学期6月の時期に調査を実施していました。昨年度はコロナの影響で登校していない期間もあり実施しませんでした。また、分析をしますと、実際の出願状況と比較して乖離も見られるため、調査方法等を再検討した方が良いと考え、この2年間は実施していません。」

○吉田教育長 「具体的にどのようなことを聞いているのですか。」

○山内学校教育課長 「実際に県立高校のどの学科を希望しているか、公立か私立か、定時制か、県外を希望しているか等も聞いています。」

○吉田教育長 「6月段階で、高校への進学の際、公立、私立のどちらを希望しているかも聞いているのですね。」

○山内学校教育課長 「はい、公私の別、全定の別、学科の別等を聞いていました。」

○吉田教育長 「どのような理由で聞いていたのですか。」

○山内学校教育課長 「当時、募集人員を策定する際の参考にというところですが、実際の出願との差に乖離がございました。アンケートの実施目的と合わせて整理が必要と考え、現在は実施していません。」

○花山院委員 「子どもたちがそれぞれの学校の特色を望むことは自由です。しかし、ここは県立学校を管轄しているところであり、なるべく奈良の高校に進学してほしいと考えるのは当然のことです。子どもたちが、どのような希望を持っているかアンケートをとって、資料として持っておくことは悪いことではないと考えます。」

○吉田教育長 「6月ごろに調査したら、多くの生徒が公立第一希望となりますね。どの時期になったら、私立を考えるようになるのでしょうか。」

○山内学校教育課長 「明確にはわかりませんが、高校への進路調査を秋に実施している他府県の事例もあり、秋に向けて希望が固まっていくのではないかと考えます。」

○吉田教育長 「秋には固まっていくかと思いますが、秋では募集人員策定の参考にはなりませんね。その他、ご質問等ございますか。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、本請願は採択としてよろしいですか。」

     ※各委員一致で採択

○吉田教育長 「それでは、本請願については採択とします。
 以上で、議決事項1『教育委員会に提出された請願』についての審議は終了とします。」

○吉田教育長 「議決事項2『令和3年度 奈良県教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書(令和2年度対象)』について、ご説明をお願いします。」

○熊谷教育政策推進課長 「『令和3年度 奈良県教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書(令和2年度対象)』について、ご説明いたします。この報告書は地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条第1項の規定に基づき、県教育委員会が令和2年度に行った施策についての点検・評価の結果をまとめたものです。定例教育委員会で承認いただいた後、12月の定例県議会文教くらし委員会において、概要説明を行います。その後、ホームページ等で公表する予定です。この点検・評価に関わりましては、8月6日の第6回定例教育委員会において、基礎資料の説明をいたしました。その後、8月27日に開催した教育評価支援委員会において教育評価支援委員よりご意見をいただきました。主な内容は、42ページから46ページにまとめております。いただいたご意見と、各課・室・所におけるこれまでの取組や今後の予定等につきましても、あわせて説明をさせていただきます。
 資料の6ページをご覧ください。『1-1 基礎を培う乳幼児期における保育・教育の充実』では、就学前教育の充実のためには、未来を見通すカリキュラム編成や保護者等と力を合わせて活動することが重要であること。幼稚園・保育所・認定こども園等が合同で取り組む発想や視点も必要であること。また就学前教育アドバイザーについては、多様性も考慮し、世代や性別を超えた発想が出てくるような偏りのないアドバイザー育成に取り組んでもらいたい、とのご意見をいただきました。現在、教育研究所就学前教育センターで、就学前教育施設類型を越えた一体的な研修を行っています。奈良県版就学前プログラムを基にした研修や市町村や研究会を対象にした講座も実施しているところです。

 10ページをご覧ください。『1-3 高等学校教育の質の向上』では、高等学校の中途退学率が改善しているが、どのような対策が効果的だったのかとのご質問をいただきました。県教育委員会としましては、スクールカウンセラーの配置による生徒の支援の効果、高校紹介の充実等による中学生の進路選択の適正化が図られたことが一つの要因だと捉えています。
 12ページをご覧ください。『1-4 特別なニーズに対応した教育の推進』では、県立高等学校と特別支援学校の交流及び共同学習の推進にあたり、『共同学習』の教育的意図を相互に明確にすることや、多様性とお互いの違いを尊重し合い、認め合うプログラムの検討などの工夫により、単なる交流に滞まらないようにしてほしいとのご意見をいただきました。
 14ページをご覧ください。『2-1 規範意識の向上と地域ぐるみで課題に取り組む仕組みづくり』では、規範遵守は非常に重要だが、社会・時代の変化に合わせて規範そのものが変わってきていることに気付き、校則を見直していくことも大切ではないかとのご意見をいただきました。校則につきましては、近年『ブラック校則』に対して問題提起がなされるなど注目されています。県立高等学校では、そのような校則に対して、教員側だけではなく生徒会連絡会を含めた生徒自身の取組として検討していくような動きを考えています。それらと並行して、生徒の内的な規範を高める教育を進めていきたいと考えています。
 18ページをご覧ください。『2-3 いじめや不登校など生徒指導上の諸課題への取組の徹底』では、全国平均と比べて、県のいじめの認知件数は多く、暴力行為の発生件数が少ない傾向にあることについて、暴力行為に関しては学校から申告しやすい雰囲気を作り、厳格に認定して指導する必要があるとのご意見をいただきました。いじめの認知件数についてはどんな軽微なものも捉えるという姿勢をもちつつ、いじめの発生件数や暴力行為の発生件数の陰に隠れた状況もしっかりと認識していきたいと考えています。
 21ページをご覧ください。『2-4 人権教育の推進』では、LGBT等に関わり、子どもたちの理解が深まるような指導を心がけてもらいたい。また、子どもたちの教育の中でどのような配慮があるか、とのご意見とご質問をいただきました。多くの学校では、女子の制服でスカートとズボンの選択制を認めています。服装面を含めて多様な生徒を受け止める風土を学校全体のものとして作りたいと考えています。生徒の学習や教職員研修において性的マイノリティに関わる人権教育の機会は増えています。県教育委員会としても、丁寧な説明により生徒一人一人が大切にされる学習環境を作っていきたいと考えています。
 23ページをご覧ください。『2-5 健やかな体の育成と生涯スポーツの推進、青少年の健全な育成』では、部活動も非常に重要な教育だと考えるが、部活動指導員の制度も含め、県としてどのような対応を考えているのかとのご質問をいただきました。現在、部活動指導員の導入が全国的に進んでいます。本県でも175名の指導員の方に中学校の部活動で専門的な指導を行っていただいています。これは教員の働き方改革にもつながります。また、合同部活動や地域スポーツの推進等の動きを広めながら子どもたちが輝ける部活動の在り方を研究してまいります。
 27ページをご覧ください。『2-7 社会的・職業的自立に向けたキャリア教育・職業教育、就労支援の充実』では、高卒者の3年以内離職率が高いことについて、就労前教育が重要であるとのご意見をいただきました。県としては、離職率が全国と比べて高いことは重く受け止めています。今後も詳細に追跡し、対策を考えてまいりたいと思います。
 33ページをご覧ください。『2-10 安心・安全で質が高い教育環境の整備』では、本県の場合、過疎は非常に大きい問題です。全校生徒が数十人というような地域の学校に対する教育の質の維持、安心・安全の確保についての検討も必要であるとのご意見をいただきました。特に南部東部地域において学校の小規模化が進んでいます。教育の質の維持、安心・安全の確保に関しては、学校の統合を含めた取組が進められています。校舎やスクールバスの整備といったハード面については、主に町村の努力によって行われています。また、小・中学校を統合して義務教育
学校に移行するモデルを示し、教育内容の充実を図る支援を行っていきたいと考えています。

 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤委員 「以前にも申し上げましたが、教育評価支援委員からの意見について、教育委員会としてどう対応するのかということを書いていただいていますが、一部対応が書かれていないところがあります。例えば44ページ2-2のところです。教育委員会として、例えば郷土学習を実際にされているようですが、未来のことを考えるにあたり過去を振り返るということが大事であって郷土学習の中で奈良の地域的な歴史の話をやっていることや、最後の46ページの全体のところにも例えば、点検・評価の対応に対してどのようなプロセスで進んでいくのか、データの活用に関してもデータをグラフや数字で表すだけでなくて、分析結果をどうやって生かしていくのか、そのあたりも書いていただければと思います。」

○熊谷教育政策推進課長 「県教育委員会としての考え方や今後の対応について示させていただこうと思います。ありがとうございます。」

○吉田教育長 「『奈良TIME』は実施していないのですか。」

○山内学校教育課長 「実施しております。高等学校の新学習指導要領では『総合的な探究の時間』となりましたので、さらに『奈良TIME』の中身を取り扱いやすくなっていると考えています。継続して実施したいと考えています。」

○花山院委員 「これはフィードバックされて、さらに生かされるためにやっていると思います。意見を聞いて、こうですよだけで終わってしまうのはもったいないです。最終的に、奈良県の教育にどのように生かされていくのかということが、全体としてのまとめにないと分かりにくいと思います。」

○吉田教育長 「来年度もこのままの形になりますか。」

○熊谷教育政策推進課長 「来年度は『奈良の学び推進プラン』に基づくものになりますので、このままの形ではなくなります。年度毎に『アクションプラン』を作り、それに基づいて取組をまとめます。第1期教育振興大綱では施策分野1と2に分かれていましたが、第2期教育振興大綱では五つの大きな柱があり、その柱に合わせて教育委員会として『奈良の学び推進プラン』を策定しましたので、それに基づく『アクションプラン』による評価を検討していきたいと考えています。」

○花山院委員 「総括とこれからの問題点と反省点、良くなった点も多数あります。それらをまとめておかないと『変わりました』では分かりにくいと思います。教育振興大綱は変わるけれども、こういう総括でこういう形で引き継がれています、というようなものがある方が、取り組んできたことの意味と、これからへの蓄積になると思います。」

○熊谷教育政策推進課長 「いただいたご意見を基に、全体として教育委員会の総括を載せさせていただきたいと思います。」

○吉田教育長 「全体と書いてあるところに総括を入れるのですね。」

○花山院委員 「そうしないと、全部確認しなければならなくなり、県民にとって分かりにくいと思います。」

○伊藤委員 「次からの点検評価では、行動指標や施策指標、つまりABCD評価がありますよね。総括してABCD評価では良くなっているのか、悪くなっているのか、現状維持のままだということを結果として見るだけではなく、なぜそうなったのかというプロセスが大切です。こういう取組を行ったから良くなった、まだ取組ができていないからこのまま現状維持になっている、それがPDCAサイクルで次のプランにどう繋がるのかを総括として、根拠となるデータを使い資料にまとめていますが、そこの工夫はありませんか。」

○田中委員 「グラフは全て事務局で作成しているのですか。すごい仕事量だと思います。資料を作るシンクタンクのようなところへお願いしたら、総括部分を検討する時間が十分にとれるのではないかと思います。データを取ることは大事なことですが、シンクタンク的なものがあればそこにお願いして、課題として上がってきたものを検討していく方が良いかもしれません。資料の作成について、費やした時間と労力はすごいなと感心しておりますが、もっと前向きに検討する時間を皆さんに与えてあげてくださいということをお願いしたいです。」

○吉田教育長 「田中委員のおっしゃることをよく聞いてください。」

○熊谷教育政策推進課長 「次期のものについては、焦点を絞って作成させていただきます。」

○吉田教育長 「来年度は変更するのですね。今回は続いているから変えられないということですね。」

○熊谷教育政策推進課長 「第1期教育振興大綱の重要業績指標があり、令和2年度まで続いており、変えることは難しいです。次の第2期教育振興大綱に基づく『奈良の学び推進プラン』では、その点を反省し、生かしていきたいと思います。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項2については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項4『令和4年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目』について、ご説明をお願いします。」

○上島教職員課長 「令和4年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目について、ご説明いたします。
 人事異動方針は、平成27年11月に見直しを行いました。この方針に従い、令和4年4月の人事異動を進めていこうと考えております。
 2ページ目をお願いいたします。県立学校の重点項目です。重点項目については変更はございませんが、昨年、項目の3でありました『管理職及び県教育委員会事務局指導主事等への若手教員等の登用を図る。』を項目の2としております。昨年、項目の2でありました『特別支援学校については、新規採用後4年以上の者の異動や異校種間の交流』については、交流が定着しつつありますので、項目の3といたしました。次のページをお願いいたします。小中学校の重点項目です。これも項目については変更がございませんが、昨年項目の3でありました『管理職及び県教育委員会事務局指導主事等への若手教員の積極的な登用を進める。』を項目の1としております。今後一層、管理職及び県教育委員会事務局指導主事等への若手教員の積極的な登用を進めてまいります。また、昨年項目の1でありました『新規採用後、初回の異動について多様な経験を積ませるため、採用後4年以上の初回異動者の積極的な異動』については、取組も7年目となり定着しつつあると考えられますので項目の3といたしました。
 それぞれの重点項目の充実に向け、小中学校においては市町村教育委員会で、県立学校においては学校長に対して積極的に働きかけ、適切な人事異動に努めてまいります。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項4については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項5『奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正』について、ご説明をお願いします。」

○山内学校教育課長 「奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について、ご説明いたします。まず、改正の経緯でございますが、国の動き、県の動きそれぞれがございます。(1)国の動きでございますが、中教審の答申を受けまして、学校教育法の施行規則が一部改正されております。三つの方針を高等学校でも定め公表するものとして、学校教育法施行規則が改正されました。一方、本県の動きでございますが、奈良県教育振興計画にあたる奈良の学び推進プランを定めました。この中に各高等学校が担うミッションを明らかにした上で、教育の充実に取り組むため、中期計画を策定することを取組内容の一つとして盛り込んだところでございます。これらを受けまして、(2)の内容を教育委員会規則の内容に落とし込みたいと考えております。県立学校の運営に必要な一連のプロセスであるという位置付けを明確にするために規則に書き込むという考え方です。9ページ以降は新旧対照表ご覧ください。まず、第1章に新たに第3節を加えたいと考えております。中期計画と学校評価及び情報提供という節でございます。中身はまず第12条の2を起こしまして、中期計画の規定をしています。この第2項において中期計画の中に、先ほど申しました三つの方針、そしてそれらを受けた目標、これらを中期計画に入れるよう規定しています。第3項につきましては毎年の学校経営計画を校長が定めるという意味合いの項がこれまでの規則にもございましたが関連して位置付けています。続きまして、第12条の3という条も起こしております。これはこれまでありました条項を改正の上移動したものです。中期計画と学校評価は一体的に運用していくことが求められていることから、この場所に移動しました。その際に、学校教育法施行規則で自己評価や学校関係者評価が規定されている点等の法令のこれまでの改正も踏まえて一部条項を変更させています。なお、学校評価の関係する第12条の3には、第4項で、校長が第1項及び第2項の規定により評価の結果を踏まえて学校運営の改善を図るための強い措置を講ずるものとするという点を加えたところが大きな変更です。これらの改正を踏まえまして、それぞれ要項を定めまして、各学校へ通知をし、来年度からの中期計画または学校評価との学校運営の一体的な運用を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤委員 「中期計画の期間は何年ですか。」

○山内学校教育課長 「奈良の学び推進プランと同じ期間とさせていただきます。」

○吉田教育長 「計画期間というのは、第12条の2ですか。」

○山内学校教育課長 「そうです。」

○花山院委員 「中教審の答申を受けて改正しなければならないということですね。」

○伊藤委員 「大学も中期計画を作っています。高等学校の場合は各高校がスクールミッションを明確にして、4年間でどういったことをするかということですね。校長は学校経営のトップとして、要項を中期計画の中に落とし込んで、ミッションをどうやってクリアしていくかということを進めていかなければならないという、かなり大変な作業です。」

○吉田教育長 「評価等に関し、必要なことは教育長が別に定めると書いていますが、評価のガイドラインを別に出すのですか。」

○山内学校教育課長 「それぞれの最終項に、別に定めるとございます。まず、学校評価につきましては既に学校評価の運用の方法論を定めた要項がありますので、今回の規則改正に合うように改正が必要かと思います。前半の第12条の2の方の要項は、今回新たに作成することを考えております。」

○吉田教育長 「中期計画の策定に関する要項は定めますか。」

○山内学校教育課長 「新たに定めます。例えば第12条の2の2項で方針としか書いていませんので、要項でより具体的に示します。」

○吉田教育長 「名称は何としますか。」

○山内学校教育課長 「まだ検討中ですが、今のところ、県立高等学校における中期計画策定要領です。」

○吉田教育長 「要領で定めようとしているんですね。」

○花山院委員 「結局、校長が行い、教育長に報告して、教育長がそれを確認することを定めるのですね。教育長は報告されたら、それに対して意見するわけで、校長と教育長の間で行ったり来たりするということですね。」

○吉田教育長 「これは、1回出したら終わりですか。」

○山内学校教育課長 「はい、中期計画としては4年に1回です。」

○吉田教育長 「経営計画であれば毎年教育委員会に出させていましたが、それは毎年ではないのですか。」

○山内学校教育課長 「経営計画につきましては、第12条の2の第3項にあたりますが、年度当初に提出いただきますので、年度毎に出していくことになります。学校評価につきましても、毎年1年を単位としてのPDCAサイクルですので、毎年出していただくことになりますが、大もとにある中期計画については4年に1回です。」

○伊藤委員 「4年間の中期計画の中に各年度計画を作り、4年で総括をして当初の中期計画が達成されたかどうか、そのプロセスを毎年見ていくのですね。」

○花山院委員 「労力がかかることですが、法律で決められたことですから実施すべきですね。」

○田中委員 「中期計画4年ですが、1人の校長先生で4年間ですか、代わりますか。そうすると前任者の決めたことを踏襲して進めていかなければならないですね。校長先生を4年間継続したらそれなりの成果が上がるのではないでしょうか。」

○花山院委員 「本来はそうあるべきですね。」

○伊藤委員 「大学でも途中で交代することはあります。」

○花山院委員 「しかし、責任を持たないといけませんね。本来であれば開始から実施した人が責任を持たないといけませんね。」

○吉田教育長 「校長が代わったら、方針を変える人がいますね。しかし、ある程度変わっても4年間の方向性というのはこれで定まります。メリットとデメリットがありますね。12条の3の5号は、何を視野に入れていますか。」

○山内学校教育課長 「学校教育法施行規則に学校評価の条の次の条に情報提供の条があり、全く同じ内容が規定されております。学校評価いわゆる点検評価にとどまらず、それを積極的に情報提供するという省令の規定がございます。」

○吉田教育長 「具体的に想定しているのは、どのようにですか。」

○山内学校教育課長 「学校評価の中で行われることだと思いますけれども、ここに書いてあるとおり保護者・地域住民さらには地域の関係機関との情報共有、つまり点検した結果を共有で
きるようにここで規定したいと考えています。」

○吉田教育長 「それは学校運営協議会になりますね。これをどうするのかという時にホームページに載せるとか、協議会を別に持つかなど、きちんと校長として決断するというイメージでいいのですか。」

○山内学校教育課長 「4年間の中期計画から始まりまして、毎年の学校評価につきましても、学校運営協議会で取り扱うべきものと考えます。」

○花山院委員 「学校運営協議会で、これだけのことをやったと公開することになるのですか。」

○吉田教育長 「例えば今後、年2回、高校教育改革推進会議というようなものを持つとした場合、進捗状況も含めて報告されることになります。学校教育課は、これを再編に関連付けようと考えています。目標が達成できていないとか、課題があるのであれば学科改編をするなどです。例えば、高校教育改革推進会議を立ち上げるとするのであれば、そこで各学校の状況などが報告され、そして適正化や再編ということに繋がります。」

○花山院委員 「学校の評価は、総括されて資料としてまとまった段階で、例えば学校がホームページなどに公開するのですか。」

○吉田教育長 「学校が公開しますが、学校が公開するだけではあまり着目がされない可能性があります。」

○花山院委員 「せっかくの資料なので活用すればいいと思います。学校が公開して、奈良県の教育ビジョンを出して、それが数のことを含めて全部出していけば、次はどうなるという話にならざるを得ないですね。」

○吉田教育長 「学校が公開した後、適正化や再編に繋がっていくという話ですね。人口減少対応をどうするか、という時に、それぞれの学校の目標が達成できているかどうかということも検証しながら、世間のニーズに合わせてどう変えていくのかということになります。」

○伊藤委員 「特色ある教育をスクールミッションとして示していく。それが反映されているか検証していくのですね。」

○吉田教育長 「ある意味定員割れが起こっていくとかですね。こういったことも含めて検証していくことが必要かと思います。」

○花山院委員 「必ずしも学校の評価が悪いから適正化にあたるかどうかは別です。資料として良いことも悪いことも出した上でそれをどのようにこれからに生かすかということだと思います。必ずしも悪いからと言って絶対適正化していくというわけではないのではと考えています。」

○吉田教育長 「どう変えていくかということに使いたいということです。」

○伊藤委員 「有用なデータであるということですね。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項5については可決いたします。」

○吉田教育長 「報告事項1『令和3年度奈良県公立学校優秀教職員被表彰者の決定』について、ご報告をお願いします。」

○上島教職員課長 「令和3年度奈良県公立学校優秀教職員被表彰者の決定について、ご報告します。
 10月5日に、奈良県公立学校優秀教職員表彰選考委員会を開催いたしました。そこで、小学校から4名、中学校から2名、県立学校から3名の計9名が選考されました。取組内容等、詳細につきましては資料添付のとおりです。なお、新型コロナウイルス感染症の関係で昨年度に引き続き、今年度も表彰式を行う予定はございません。
  以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「県立高校は2校で、小学校は3校となっておりますが、学校数が全然違うので、母数の割には小学校の表彰数が少ないということになります。将来的には考えていかなければならないかと思います。」

○吉田教育長 「この表彰制度は、今後も続けなければならないものなのでしょうか。」

○香河教育次長 「文部科学省でも優秀教職員表彰がされており、現在は、県で表彰した教職員を翌年に文部科学省に推薦しています。同様の表彰が混在していることになりますので、今後の在り方は検討が必要かと思います。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項1については承認いたします。」

○吉田教育長 「報告事項2『令和4年度使用高等学校用教科書の採択』について、ご報告をお願いします。」

○山内学校教育課長 「令和4年度使用高等学校用教科書の採択について、ご報告します。新学習指導要領が、来年度高等学校でスタートいたしますが、高等学校及び特別支援学校高等部の教科書採択でございます。先月に採択を行いましたので、その内容を報告いたします。資料1-1をご覧ください。各高等学校での新規・継続の一覧表でございます。1年生につきましては、全て新しい教科書になりますので、新規のものが多くなってございます。資料1-2 特別支援学校高等部の選定の教科書一覧でございます。これにつきましては、学校教育法附則第9条に基づく一般図書の数を示しております。資料1-3でございます。例年、新規の率を参考にお示ししております。太線の枠で高等学校の分をお示ししておりますが、今年度は1年生が全て新規になりますので、高くなっております。詳細につきましては、お手元に新しい教科書の例をおいてございます。各学校の資料につきましては、かなり多い資料となりますが、この資料の続きに付けておりますので、ご覧いただければと思います。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「教科書は検定を通ったものなのですが、選定理由は書かないといけないのですか。書いた方が理にかなっていますが、教えている者からすると書くための理由を探してこなければならないというのが現実ではないでしょうか。先生方はこっちの方が教えやすいと思ったり、図版が多いなあと思ったりで選ぶのではないでしょうか。」

○吉田教育長 「これの法的根拠はどこにありますか。」

○山内学校教育課長 「規定文を手元に置いておりませんが、高等学校長は選定を行い、教育委員会に内申を行うことになっています。その内申の様式を教育委員会で定めておりますので、その中で選定理由を書いていただいております。ご意見いただきました点につきまして申し上げれば、検定を通っておりますので、もちろんどの教科書を使ってもよいということではございますが、それぞれの教科書に趣意書というものがございまして、それを基に検討しておりまして、どの根拠でということを対外的に説明できる資料として作成しております。ただ確かに事務量もかなりございますので、その点も踏まえてこの報告について、何らかを簡略化できるか検討してみます。」

○花山院委員 「先生方は他にも仕事があると思いますので、検討をお願いします。」

○吉田教育長 「新規の場合は仕方がないですが、継続の場合になぜ理由を求めるのですか。」

○山内学校教育課長 「あわせて検討します。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項2については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」

○香河教育次長 「監査結果報告(令和3監査年度第1回)について、ご報告します。監査の結果につきましては、地方自治法の規定により、各行政委員会へも報告が提出されることとなっております。この第1回報告書が、9月16日付けで提出されましたので、その内容についてご報告させていただきます。なお、この報告は、令和3年3月から8月にかけての定期監査等の結果報告です。
 まず、『監査の結果』についてご報告いたします。4ぺージをご覧ください。部局別の指摘事項等の一覧でございます。『合計』欄でございますが、全体で『指摘』事項が50件、『注意』が58件、『意見』が5件、合計113件ございました。このうち教育委員会関係は、25の所属が監査を受けております。表の下から5行目に記載のとおり、合計30件の指摘等がございました。内訳は、『指摘』が16件、『注意』が14件となっております。
 各所属別の概要ですが、事務局分については、32ページから36ページにかけて記載がございます。また、県立学校等については、42ページから47ページにございます。
 指摘の内容につきましては、支出負担行為及び契約書作成の遅延や、支出関係等における事務処理の誤りなどについて指摘等を受けています。
 なお、今後の対応についてですが、会計局にも協力をいただきながら、各県立学校及び事務局を対象とした会計事務研修を実施するなど、各職員の会計事務能力の向上を図っているところです。また、今まで以上に事務局と各学校との連絡・調整を密に行うことで、事前に状況を把握し、未然に防ぐよう取り組んでまいります。
 以上です。」

○熊谷教育政策推進課長 「公立大学法人大阪大阪府立大学、奈良県立国際高等学校及び奈良県教育委員会の教育連携に関する協定について、ご報告します。この協定は、三者が教育活動全般において交流及び連携協力することを目的としています。
 大阪府立大学は、大阪府堺市に本部を置く公立大学法人大阪が運営する大学で、令和4年4月には、大阪市立大学と統合され大阪公立大学となります。
  現在、大阪府立大学は、現代システム科学域、工学域、生命環境科学域、地域保健学域の四つの学域で構成されており、中でも現代システム科学域は、知識情報、環境及びマネジメントの三つの要素を融合させ、持続可能社会の実現をリードする人材を育成する学域です。同学域では、文理の枠を越え、これまでに大阪府立大学にあった異なる複数の学部の学びを融合させたカリキュラムにより、持続可能な社会を実現する人材を育成しています。
  これは、現在、文部科学省の採択を受け、奈良県教育委員会が奈良県立国際高等学校を拠点校として行っているWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業の取組と類似しており、この連携により、本事業の推進はもとより、県内の総合的な探究の時間等のカリキュラム開発やそれらの授業を担当する教員の指導力向上が見込まれます。
  具体的な連携内容として、大阪府立大学の高度な専門知識を持つ大学教員による、高等学校教員へのセミナー、高校生に対する出前授業などが想定されます。また、高校生が大阪府立大学主催の特別講義へ参加することで、大学の単位先取り制度構築の足がかりになることを期待しています。 
  協定書の内容につきましては、過日、大阪府立大学の方でも大学執行会議にて承認され、教育研究審議会に報告されました。教育委員会において了承いただきましたら、締結式の日程を調整してまいります。
 以上です。」

○熊谷教育政策推進課長 「県立高等学校適正化の推進に係る検証の報告書案について、ご報告します。その前に、先日10月14日に検証委員会の第4回会議を、教育委員室において開催をいたしました。当日は検証委員会委員、4名全員のご出席をいただきました。また、会議は公開で行い、3名の傍聴と報道関係から1社が来られました。議事の内容については、第3回までの検証委員会からいただいたご意見等を基に作成した『県立高等学校適正化の推進に係る検証について』という表題での報告書案(未定稿)を資料として出させていただき、ご意見をいただきました。本日皆様にお配りしております資料は、第4回の議事内容も踏まえた上で、さらに加筆修正を行ったものです。
 それでは、報告書の構成について簡単に説明いたします。
 2ページをご覧下さい。こちらには、『1 検証の目的等』として、検証実施の目的や、検証委員会の設置、委員会の開催状況について、記しております。
 3ページをご覧下さい。『2 検証事項と視点』として、今回の検証の対象が『県立高等学校適正化推進方針』と『県立高等学校適正化実施計画』であり、主な視点を、策定の時期・方法、教育環境整備、高校教育改革の三つとして、検証を進めたことを記載しています。
  4ページ以降をご覧下さい。『3 検証の結果』につきましては、推進方針と実施計画の二つの検証の対象について、視点毎に検討の経緯、検証委員会からの主な意見、検証課題、検証と今後の方向性の順に記載をしております。例えば4ページの(1)『県立高等学校適正化推進方針』についての検証、(1)策定の時期・方法等についての視点では、まず検討の経緯として、検証委員会で資料に基づき確認いただいた、会議や意見聴取の機会を、大まかな時系列で記載をしています。
 8ページの検証委員会からの主な意見では、4回の検証委員会の中でいただいたご意見のうち、検証の対象と視点に該当するものを整理して記載しております。
  9ページの検証課題では、今回の目的であるプロセスの検証の対象になるであろう事項を記載しています。
  また10ページの検証と今後の方向性では、検証課題に関する教育委員会としての検証したまとめと今後の方向性を報告しているところです。
  このような構成で、三つの視点でまとめました。ただし、高校教育改革の視点については、推進方針と実施計画を併せてまとめ、掲載しています。
 10月14日の第4回検証委員会をもって、検証委員会は終了しております。引き続き、教育委員会事務局において報告書をまとめるにあたり、皆様のご意見をいただきますようよろしくお願いいたします。
 以上です。」

○上島教職員課長 「令和4年度奈良県公立学校教員採用候補者選考第2次試験の結果について、ご報告します。合格者は、小学校教諭110名、中学校教諭100名、高等学校教諭58名をはじめ、全体で308名でした。全国的に倍率が低下していると言われておりますが、奈良県では昨年度5.0倍、一昨年度5.1倍、本年度が5.2倍ですので、5倍は確保できている状況です。
  以上です。」

○稲葉保健体育課長 「令和3年度学校保健・学校安全・学校給食表彰及び養護教諭制度80周年記念学校保健功労者表彰(文部科学大臣表彰)について、ご報告します。表彰につきましては学校保健及び学校安全の普及と向上に尽力し、多大の成果をあげた個人、学校及び団体並びに学校給食の普及とその充実を図るため、学校給食の実施に関し、優秀な成果をあげた学校、共同調理場、功績のあった個人及び団体を文部科学大臣が表彰します。
 また、本年度は養護教諭制度80周年を記念し、長年にわたって学校保健の普及と向上に顕著な功績のあった養護教諭を文部科学大臣が表彰します。
 本県の受賞者をご紹介いたします。まず、令和3年度学校保健・学校安全・学校給食表彰被表彰者でございます。
 学校保健関係の個人といたしまして、学校医の大澤英一氏、学校歯科医の藤本𠮷孝氏、学校薬剤師の北川惠昭氏が表彰されました。それから、養護教諭としまして、香芝市立関屋小学校の上村陽代氏が受賞をされました。
 次に、学校給食関係の個人といたしまして、奈良市立大宮小学校の栄養教諭であります山中淳代氏が受賞をされました。
 続きまして、養護教諭制度80周年記念学校保健功労者表彰被表彰者でございます。川西町立川西小学校養護教諭の喜多絹子氏、学校法人奈良育英学園育英西中学校・高等学校養護教諭の長岡令子氏、葛城市立當麻小学校養護教諭の澤井美智氏、王寺町立王寺南中学校養護教諭の浅芝好子氏が受賞されました。
 各個人の活動内容、取組及び経歴については、資料に記載のとおりです。なお、表彰式及び表彰場所については、本年11月に北海道で開催予定でありました『第72回全国学校給食研究協議大会』及び、岡山県で開催される予定でありました『令和3年度全国学校保健・安全研究大会』においてそれぞれ表彰される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、いずれもリモート開催となりましたので、表彰伝達につきましては各推薦団体に一任しております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○花山院委員 「監査結果報告(令和3監査年度第1回)について、教育委員会への指摘等が毎年多いと思うのですが、なぜでしょうか。」

○伊藤委員 「関係機関が多いからでしょうか。」

○香河教育次長 「教育委員会の場合、学校も対象になりますので、対象数が多いということはあります。今回受けた指摘等は30件で確かに多いのですが、1所属の件数で見ても少なくありません。内容的には、支出負担行為などの遅延がかなりの数を占めています。原因をいくつか聞き取ったのですが、『失念していた』という答えが少なからずありました。4月の人事異動の時に上手く引き継げていなかったり、会計に詳しくない職員が担当することになり対応し切れず遅延してしまったことなどが考えられます。
 今後の一つの対策として、今年はコロナウイルスの影響で出来なかったのですが、年度初めに何らかの形で注意喚起をしたいと考えています。また、校長への研修も計画しております。それらを繰り返し行っていきたいと思っております。」

○伊藤委員 「会計処理を行うのは事務職員ですよね。ただ、支出に教員も関わると思いますので、教員が準備する書類が遅れるなど、事務職員と教員の連携が上手くいっていなくて、このような問題が起こるのではないでしょうか。」

○吉田教育長 「遅延の原因は何ですか。」

○香河教育次長 「例えば、伊藤委員がおっしゃったように、書類が上がってこなくて処理ができなかったとかいうことがあると思います。」

○花山院委員 「いろいろな理由は分かりましたし、対応もされていることも理解していますが、件数の数字だけを見られたら毎年多いので、何もせずに是正していないと思わないか心配です。数字的に減らした結果が必要なのではないでしょうか。」

○吉田教育長 「注意書を出し、それでも改善がされない場合は処分を出すという可能性はどうでしょうか。」

○香河教育次長 「今回指摘等を受けているような会計処理の遅延による処分の事例はありません。」

○吉田教育長 「4月当初に、事務を遅れないように注意をすることはできないのでしょうか。」

○香河教育次長 「監査で、一昨年くらいから遅延を重点的に確認されていますので、定期的に注意を行っています。」

○伊藤委員 「指摘を受けた学校の内部統制がどうなっているか確認していけば良いと思います。」

○吉田教育長 「管理主事が、学校訪問をした時に、いろいろな話をしますが、監査の指摘の話もきちんとするようにしてはどうでしょうか。」

○香河教育次長 「校長に対しては会計局も研修を考えてくれています。」

○吉田教育長 「今後も様々な対応で改善を図ってください。」

○花山院委員 「公立大学法人大阪大阪府立大学、奈良県立国際高等学校及び奈良県教育委員会の教育連携に関する協定についてです。現在、奈良教育大学と連携していますが、県民に見える化されていないと思います。どのようなことをしているのかと言われたら、教員への指導や、生徒への出前授業くらいしか分かりません。奈良県教育のために取り組んでいるのですが、見える形にしないと何のためにしているのかも分かりません。だから、きちんと見える化して、効果として素晴らしいことがあることを伝えないといけないのではないかと思います。」

○吉田教育長 「教育プログラムの共同開発というのはどのようなプログラムですか。」

○熊谷教育政策推進課長 「現在、探究的な学びを国際高等学校で実施しています。その取組について、大阪府立大学の先生に興味をお持ちいただいており、これまでに数回、プログラムのアドバイスをいただいているようです。最終的には共同開発という形になればよいと思いますが、今は、大学からご支援をいただいているのが現状です。」

○吉田教育長 「探究活動とは、総合的な探究の時間のことですか。」

○山内学校教育課長 「国際高等学校では教育課程の特例を実施しております。」

○熊谷教育政策推進課長 「『グローバル探究』という科目で探究活動を行っております。」

○吉田教育長 「新たな科目を作り、取り組んでいるのですね。そのグローバル探究のプログラムの共同開発ということですね。」

○熊谷教育政策推進課長 「グローバル探究の授業では、六つのテーマで探究活動を行っています。そのテーマが大阪府立大学が進めている研究の内容と近いものがあるということで、大学の先生が興味を持ち、指導に来てくださっているようです。」

○花山院委員 「それは素晴らしいことだと思います。協定を締結して、どのようなことをアドバイスしてもらい、どのような活動で生かし、どのような意味があるのか、というものがないと、単に教えに来てもらっていますという話では、説明を受けても分かりにくいように感じます。そういうところを『見える化』すべきだと思います。国際高等学校では特色のある教育を実施していて、それが他の学校でも生かされることで、将来の奈良県民の教養のアップにつながると思います。そのために努力しているということを『見える化』していかなければならないと思います。」

○吉田教育長 「この協定の内容について、大阪府立大学は了解しているのですか。」

○熊谷教育政策推進課長 「了解してくださっています。将来的には、高等学校の教員の大学院派遣を考えてもよいのではないか、という話にもなっています。」

○伊藤委員 「昨年、県立大学と奈良教育大学が同じような協定を結んで、高校生と大学生が一緒に学ぶ、大学の教員と高校の教員がチームとなって高校生に教える、あるいは研究を行う、ということを具体的に行おうとしています。」

○花山院委員 「具体的に何をするのですか。」

○伊藤委員 「同じように探究科目があります。その探究課題について、大学生と高校生がチームになって活動するというものです。」

○花山院委員 「それは主に理系ですか。」

○伊藤委員 「いいえ、文系です。同じことを分野問わずできます。もう一つは単位取得です。大学で授業を受けると単位取得ができます。例えば大阪府立大学に入学することできたら、その単位が認定されます。単位の先取りができるわけですね。」

○吉田教育長 「そのようなことも考えているのですか。」

〇熊谷教育政策推進課長 「検討はしているのですが、すぐにというわけではありません。連携を進めていく中で、単位の先取りについても可能であれば、話を進めていきたいと考えております。」

〇花山院委員 「これは難しいのではないでしょうか。」

○高本委員 「SDGsについて、大学と高校の生徒が一緒に学ぶというものを読んだことがあります。それにより学生たちにエビデンスを理解させるといったことが書かれてありました。」

○吉田教育長 「連携協定の内容には、教育プログラムとか、具体性に欠けるところがあると思います。」

○伊藤委員 「たくさんある項目の全部を一度に行うのではなく、個々の部分に具体的な案があって、それが派生していくことになるのではないでしょうか。」

○吉田教育長 「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業の中に、グローバル探究に関わることがあるのですか。教育プログラムの共同開発を行うというのは、どのようなプログラムを開発するのですか。」

○熊谷教育政策推進課長 「大学側の希望は、ある程度大きなくくりの中で協定を結び、まずは一緒に始めようということです。その上で、単位の先取りや、県教育委員会の教員が研修を受けるという人事交流に発展するかもしれないです。すべてを固めてしまうのは難しいので、今はWWLコンソーシアム構築支援事業に関することが中心となると思います。」

○花山院委員 「『単位先取り』という言葉をあまり聞いたことがありません。」

○伊藤委員 「実際にはあまり例がありません。」

○花山院委員 「本当にそれが可能な時代になるのであれば、進学したい大学なら、生徒はとても一生懸命取り組むだろうと思います。」

〇吉田教育長 「高校生が大学の単位を取りに行くことは可能ですが、連携にまではなかなかいかないです。単位を取得して大学へ行くところまでは、なかなか進まないと思います。」

○大石教育研究所長 「学校外の学修の単位を取る場所として、大学をお借りしています。」

○花山院委員 「高校の単位を取る場所として大学を使うのは普通のことですね。」

○吉田教育長 「大学で聴講した単位を高校が認めて、大学も認めるということには、なかなかならないですね。」

○大石教育研究所長 「制度としては聞いたことがあります。」

○伊藤委員 「その可能性を検討するという段階ですね。」

○伊藤委員 「県立高等学校適正化の推進に係る検証の報告書案についてですが、これは次回まとめるまでに、意見があればということですね。」

○吉田教育長 「はい。」

○伊藤委員 「経緯をずっと時系列で書いてもらっていますね。」

○吉田教育長 「この経緯に、要望書の審議とか、書かれていないものがありますね。」

○伊藤委員 「その記録があるなら、ここに記載しておいた方がいいですね。
 検証委員会からの主な意見があり、教育委員会として検証すべき課題が9ページにあり、それに対してどうしていくかということが書いてあります。以下、同じような書き方になっています。まず、全体的なことを言いますと、次の適正化計画に検証を反映していくということになりますが、次の適正化計画は2028年頃ですか。」

○吉田教育長 「約10年後ということですね。」

○伊藤委員 「ということは、適正化計画を策定するどれくらい前から検討していかないといけないのでしょうか。今回の指摘に、検討するスケジュールに十分時間をとってください、という意見があります。」

○吉田教育長 「計画をつくるための検討をいつから始めるか、決めるのは大変なのです。そこで仮称『高校教育改革推進会議』という会議をつくり、毎年その会議で高校教育改革について議論していただくことを繰り返していきます。適正化を推進する際にその会議を使えばどうだろうかと考えています。」

○伊藤委員 「いろいろな議論を積み上げていくわけですね。意見の中にもありますが、常にウォッチしておく必要があると思います。何らかの組織を置いて常に検討していき、検討した内容については、できる範囲で外部にも情報提供していくということですね。」

○吉田教育長 「そうですね。会議を開いたら、まとめを出すなどです。」

○伊藤委員 「ご指摘にあるように、ほぼ決まってからではなくて、検討の段階でも出していくことになりますね。」

○吉田教育長 「実際に適正化をしなければならないような課題が見えてきたら、その会議で、『これは適正化を推進すべきじゃないか』となりますね。」

○伊藤委員 「そうですね、そのプロセスを見せれば説得力が出てきますね。」

○吉田教育長 「以前、年1回の教育懇談会という会がありました。これから始める入試の検討委員会が終わったら、そのような『高校教育改革推進会議』を定期的に開催していくことは可能だと思います。入試の検討委員会には文教くらし委員長や、PTAの方等、いろいろな立場の人を入れています。『高校教育改革推進会議』にも同じように、いろいろな関係者を入れます。例えば弁護士さんも入れるとかですね。そして、会議の中でいろいろな課題やテーマを出して、意見をいただくということを、継続的にできればいいと思います。入試の検討委員会とパラレルで行っていくには、学校教育課の負荷が大きくなるため難しいと考えています。」

○伊藤委員 「アドミッション、カリキュラム、グラデュエーション、三つのポリシーがありますが、高校教育の在り方の改革の中で、まずは入試改革だということですね。それが、教育内容の改革と繋がっていくような感じですね。会議体として、その協議や検討過程を少しずつ出していくということになりますね。方針はこう、それに沿った適正化計画がこうなりますよという形で示していければいいですね。」

○吉田教育長 「北部の適正化についての課題の検証もしながらです。再編成を検証する会議をもち、次の適正化へ繋げることができるだろうと思います。」

○伊藤委員 「これから同時進行で、耐震化対応が起こることはあるのですか。」

○吉田教育長 「耐震化対応は令和4年度で完成です。今後は、高校教育改革に絞って議論ができます。新しく専攻科を設置する宇陀高校や奈良南高校についても、検証していかないといけません。その検証は外部の意見をもらいながら教育委員会でするわけですが、そういう会議をもって、外部から意見をもらうという形が見えるように進めていったらどうかと思います。」

○伊藤委員 「高校教育に係る多様な意見を集めて、情報提供の在り方も見直すのですね。今まで情報公開に少し欠けていたという反省があります。」

○吉田教育長 「報告書のまとめ方として、一つ一つに方向性を書くのか、一番最後にこれらの方向性を書くのか、どちらがいいでしょう。」

○伊藤委員 「一つ一つ書くと重複してくるところがでてきますね。」

○吉田教育長 「そうですね。今おっしゃったように、例えば『高校教育改革推進会議』を持つことを、それぞれの視点で書くことになります。最後に教育委員会の方向性ということで、打ち出す方がいいですね。」

○伊藤委員 「検証の課題について全体的にこれからの会議で検討していくこと、高校教育の在り方と今後の適正化について取り組んでいくことを記載するのがいいですね。」

○花山院委員 「今の世の中の人々の考え方は、やはりいろいろなことを教えてもらいたい、だと思います。毎年行おうとしている『高校教育改革推進会議』は、何年度版かをはっきりさせるのが良いです。現代社会では、例えばICTが進んで、今までとは全然違うことが起こっているのに、日本はデジタル化が遅れているとか、ディベートができるような人を育てなければいけないとか言われるではありませんか。入試のこと、少子化による適正化のこと、地域の偏在性、情報教育、それから就職についてだと労働環境や求められている人材とか、これからは年々変わった形を求められるのではないかと、世の中の人は思っているわけです。だから、奈良県の改革推進のための会議は1年に1回まとめるとしても、その中身が変わっていってもいいと思います。翌年にはもっとこんな課題が出てきたから、こういうふうにやりますと。それを県民に提示をするか、もしくは教育長が訴える機会を設けます。誰でも受け取れるような状況にして、毎年やっていますということを見せます。この年度の課題はこうだったけれど、次の年度はこのように変わってきて、今はこうなっているということを示した上で、結果的に適正化に繋げていくという方法しかないと思います。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「その他報告事項については承認いたします。」

非公開議案

議決事項3  12月県議会予算外議案の提案について

 非公開にて審議

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」