第7回定例会議(令和4年10月25日開催)

開催概要

議決事項

 1  令和5年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目について(pdf 677KB) <教職員課> 
 2 

令和4年度 奈良県教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書(令和3年度対象)について

<1(pdf 4817KB)> <2(pdf 4857KB)> <3(pdf 5084KB)>

<学ぶ力はぐくみ課> 
 

報告事項

1

令和4年度奈良県公立学校優秀教職員被表彰者の決定について(pdf 1456KB) <教職員課>
  

その他報告事項

1

令和5年度奈良県・大和高田市・県立大附属高公立学校教員採用候補者選考2次試験の結果について(pdf 566KB) <教職員課>
2 令和5年度奈良県立高等学校入学者募集人員について(pdf 295KB) <高校の特色づくり推進課>
3 令和4年度学校保健・学校給食表彰(文部科学大臣表彰)について(pdf 105KB) <健康・安全教育課>

令和4年度第7回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
 令和4年10月25日 
 14時30分

 

<閉会>
 令和4年10月25日
 15時45分

 

<会議場所>
 教育委員室

 

<委員出欠>
 花山院弘匡(欠席)
 上野周真(出席)
 伊藤忠通(出席)
 田中郁子(出席)
 伊藤美奈子(出席)

議案及び議事内容

<議案>

議決事項1 令和5年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目について(可決)

議決事項2 令和4年度奈良県教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書(令和3年度対象)について(可決)

報告事項1 令和4年度奈良県公立学校優秀教職員被表彰者の決定について(承認)

  

<議事内容>

○吉田教育長「上野委員、伊藤忠通委員、田中委員、伊藤美奈子委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和4年度第7回定例教育委員会を開催いたします。本日は、花山院委員が欠席ですが、定足数を満たしており、委員会は成立しております。」

○吉田教育長 「議決事項1『令和5年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目』について、ご説明をお願いします。」

○東村教職員課長 「令和5年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目について、ご説明いたします。
 異動方針について、昨年度の方針にあった『小・中学校においては、県内全域の他市町村への異動を基本とする。』という部分を削除しました。これは、小中学校の重点項目にある『採用後10年以内に特別支援学校教諭二種免許状取得など特別支援教育を複数年経験することを推進する』ため、従来の初回異動の考えを廃止することによるものです。また、昨年度県立学校の重点にあった『特別支援学校については、新規採用後4年以上の者の異動』は定着してきたので削除しました。その他は昨年度と同様です。重点項目の達成に向け、小中学校は市町村教育委員会へ、県立学校は学校長へ積極的に働きかけ、適切な異動に努めます。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤(忠)委員 「県内全般的に年齢構成の偏りはありませんか。」

○吉田教育長 「特に40代は少ない現状があります。」

○伊藤(忠)委員 「ミドルリーダーが少ないので若手の育成に支障がでますね。また、上の世代が抜けると次へうまく繋げていけないですね。」

○吉田教育長 「管理職不足になる心配もあります。採用人数について、昔は退職人数を基準にしていましたが、今は将来の年齢構成を考え、計画的な採用に努めています。」

○伊藤(忠)委員 「方針を立て、計画的な採用に努めてください。校長・教頭候補者名簿登載の基準は何ですか。」

○吉田教育長 「試験に合格したら登載されます。」

○伊藤(忠)委員 「試験を受ける人数は減っていますか。」

○吉田教育長 「減ってきています。教頭の業務負担も原因ではないかと考えています。」

○伊藤(忠)委員 「役所でも民間でも管理職になりたがらない人が多くいます。教育の世界でも校長・教頭になりたい人が育っていかないのは今後課題であると思います。」

○香河教育次長 「県立学校など40代の教員が少ないため管理職になっていく層も少なくなってしまいます。また、女性管理職についてもなかなか増えていかない実態があります。小学校は女性の人数が多いのに管理職になる人は少ないです。今後、多くの女性教員にも試験を受けてもらえるよう取り組んでいきたいと思っています。」

○田中委員 「管理職と一般職員の給与が大きく違っていると管理職希望が増えるかもしれませんが、今の若い子はステータスが欲しいとは思っていないのではないでしょうか。人事方針を読むと、人事異動の難しさが滲み出ています。優秀教職員の審査をしていて思うのは、保護者にとっては一部のスポーツ系で結果を出している教員の人気が高く、そういった教員を異動させることの大変さを感じます。また、10年で異動というのは長いのではないでしょうか。10年もいるとなかなか次に異動しにくいのではないかと思います。はじめから6年で必ず異動することを告げ、学校も6年で育てるといった意識を持つべきではないでしょうか。会社でもあまり同じ部署が長いと、他に異動できなくなってしまう事があります。」

○吉田教育長 「田中委員の仰るとおり進めていましたが、文部科学省から採用後10年で特別支援教育を複数年経験させることを推進する通知があり、それに対応するためには異動まで10年というように考えざるを得ません。また、田中委員の仰る長期いることの弊害もありますので市町村教育委員会と連携をとり考えていく必要があります。必ず10年まで異動させないというわけではありません。全国大会で金賞を取った先生やラグビーで実績を挙げた先生など異動が難しい例もあり、また、指導者が替わると部活が弱くなることもよくあります。」

○上野委員 「小中学校で女性管理職の積極的な登用を進めるということについて、先ほど香河次長のお話で、小中学校では、女性管理職の登用がなかなか進められていないということでしたけど、逆に県立学校では重点項目に入っていないということは割と積極的に進められているということでしょうか。」

○香河教育次長 「小学校で6割程度、中学校で4割程度が女性教員なのですが、管理職の女性割合が2割程度になっており課題であると考えています。全体のバランスからすると、小中学校の女性管理職の割合を増やしたいと思っていますので、重点項目に入れております。」

○吉田教育長 「全国に比べてどうですか。」

○東村教職員課長 「県立学校は全国平均を上回っています。小中学校は下回っています。」

○伊藤(美)委員 「女性が管理職にならない要因は個人的なこと、例えば子育て、介護などか、あるいは職場でのいろいろな要因があるのではないでしょうか。大学でも女性管理職については課題になっています。」

○吉田教育長 「一番の要因は教頭の働きぶりかと思います。朝早くから夜遅くまで忙しくしている様子を見て、なりたがらないのではないでしょうか。小学校管理職の経験がある熊谷課長どうですか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「勤務時間の長さや介護等が重なるのが大きな要因ではないかと思います。」

○伊藤(美)委員 「学校の中だけではなく、社会全体のシステムを変える必要があるかもしれません。」

○伊藤(忠)委員 「学校の中の業務分担を工夫し、教頭の負担を軽くすることはできませんか。」

○吉田教育長 「県立学校では行っていましたが、学校の開閉業務など日直を決めて輪番制でできないのでしょうか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「自分が勤務した学校では、校長と教頭で分担し、一般教員を入れることはありませんでした。」

○吉田教育長 「小学校は教頭が雑務に追われることが多いと思います。定数に余裕がないから小学校の人員はかなり大変です。定数改善については国にも要望していきたいと思います。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項1については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項2『令和4年度奈良県教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書(令和3年度対象)』について、ご説明をお願いします。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「令和4年度奈良県教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書(令和3年度対象)について、ご説明いたします。
 お手元の冊子をご覧ください。この報告書は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条第1項の規定に基づき、県教育委員会が令和3年度に行った施策についての点検・評価の結果をまとめたものです。定例教育委員会で承認いただいた後は、12月の県議会、文教くらし委員会において概要説明を行います。その後、ホームページ等で公表する予定です。
 報告書(案)について説明いたします。2ページをご覧ください。点検・評価の概要として、点検評価の目的、対象、実施方法等について掲載しています。
 3、4ページをご覧ください。令和3年度教育委員会の活動状況を記載しています。委員の方からは、 5ページに記載していますように、本人のための教育という表現は、当たり前のことではあるが、誰のための教育なのかという観点を明確に示している。子どものため、社会のため、という限定ではなく、教育に関わるすべての人自身のための教育であればと願う。また、条件が揃うならば、過年度実施されていた視察等の交流機会をあらためて実施いただけるとよい。との意見をいただきました。
 続いて、6、7ページをご覧ください。令和3年3月に策定された第2期奈良県教育振興大綱に示された教育施策の基本方針に基づき、本県の教育振興基本計画として『奈良の学び推進プラン』を策定したこと、さらに『奈良の学び推進プラン』の実現目標達成のために、年度毎の取組内容と目標を掲げた『奈良の学び』アクションプランを令和3年7月に策定したことを記載しております。施策評価シートの構成についても説明しています。
 本年度の点検・評価は、アクションプランを規準とした初めての点検・評価となります。7月15日の第4回定例教育委員会において点検・評価の基礎資料について説明させていただき、その後、8月31日に開催しました教育評価支援委員会において、教育評価支援委員より多数のご意見とご感想等をいただきました。
 8ページから48ページまでが、その内容となります。ご覧いただきやすいように、左側の偶数ページに7月に策定した点検・評価の基礎資料を記載し、基本的には右側の奇数ページに委員の評価・意見とそれに対する県教育委員会の考え方をまとめております。
 一つを例にあげて説明します。24、25ページをご覧ください。二つ目の教育施策『2 学ぶ力、考える力、探究する力をはぐくむ』の(4)ICTを活用した教育の推進です。24ページの実現目標から、25ページの成果と今後の展開までが点検・評価の基礎資料となっています。これに対して、有識者による評価・意見として三ついただいています。
 一つ目が、県立学校の全学年の電子黒板の導入を進めると明言する根拠は何か。
 二つ目に、接続する端末がタブレットパソコンなどの場合、機能として操作は端末側でできるので、電子黒板である必要はそれほどなく、より大きく薄く安価な大型提示装置を導入し、数を入れていくことが重要なのではないか。
 三つ目に、ICT環境の整備、教員の質向上、更には学校における組織的促進の環境という点も変革ということでは求められてくる。各学校の確かな学びの変革を進めていただきたい。というご質問、ご意見をいただきました。
 令和4年8月末に指導用端末の県立学校職員への配布が完了し、9月からは第1学年でのBYOD端末を使った授業が始まっています。これらの機器と電子黒板を用いることで、相乗効果を生み、ホワイトボード機能を用いて思考ツールとして利用したり、児童生徒の端末をワイヤレスで直接画面に投影させたりする双方向でより質の高い学びが生み出されるものと考えています。今回、電子黒板を選択したのは、ICT機器の操作に不慣れな教員に対して、電子黒板であれば従来の黒板の延長として利用することが可能であり、より活用度が高まるという検証によります。子どもたちがどのような姿を達成するのが1番良いかを考えながら、その達成のために有効な手段としてICTを使っていこうと考えています、という県教委の考え方をお示ししています。
 以上のような形で、教育評価支援委員よりの評価・意見とそれに対する県教育委員会の考え方を示しております。他の19の主要施策についても、同様の構成で示しています。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤(忠)委員 「5ページで、教育委員会全体の活動に対する評価意見に対する県教委の考えがないのはなぜですか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「ご意見のとおりにさせていただけばと考えていますので、ここには県教委の考えは示していません。」

○伊藤(忠)委員 「意見があったので、意見に対する県教委の回答として、例えば、おっしゃるとおりです等、何か書いておいた方が良いと思います。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「書かせていただくようにします。」

○伊藤(忠)委員 「29ページですが、これは評価意見が無かったということですか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「はい。28、29ページ『安全安心な教育環境の整備』については、ご意見がございませんでした。他にもそのようなページがございます。」

○伊藤(忠)委員 「大体を拝見して、概ね評価いただいていると受け止められました。」

○吉田教育長 「25ページについて、電子黒板は、コンピューターを提示するだけでなく、OSも入って交流もできるという目的もあるのではありませんか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「ホワイトボード機能を用いて、思考ツールとして利用したり、ワイヤレスを直接画面に投影させたりする形で双方向でも質の高い学びが生み出されることを記しています。」

○吉田教育長 「ワイヤレスで直接画面に投影させるというよりも、青翔中学校では電子黒板同士でタイ国と交流をしていたのではないですか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「交流はできます。」

○吉田教育長 「外国との交流を電子黒板同士で行っていたと記憶しています。コンピューターを通してではなく、電子黒板からの発信ができませんでしたか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「機能的にはOSが入っていますから、直接は可能かと思います。」

○吉田教育長 「この部分の回答としては、電子黒板にはOSが入っていて、電子黒板自体がインターネットにつながっているという点で検討してください。」

○伊藤(美)委員 「内容については、問題点になるようなところはありませんが、1点だけ、いじめと不登校については、私自身が専門ということもあり、気になって読ませていただいています。資料でも高校の不登校が全国に比べても多いと感じます。高校の不登校対策というのは難しいと思っています。小・中学生は地域で支援の場が多いのですが、高校になると、急にそのような場が減ったり、かつ出席日数などの縛りがあって更に精神的な病理面でも重い子が増えてきたりと、難しいと思っています。その辺り、教育研究所でも高校生向けの居場所づくりをされておられたかと記憶しています。奈良県のそうした仕組みについて知りたいです。」

○山内教育研究所長 「高校生の不登校対策というのは重要なものだと認識しております。特に県立の生徒に関しましては、教育研究所がコントロールしていかなければならないと考えています。
 まず、スクールカウンセラーを現在全校に配置しており、週1回、これは昨年度よりも時間数を増やして配置しています。
 次に、子どもたちが相談できる窓口の充実ということで、電話相談、メール相談、あるいはSNSを使った期間限定の相談窓口等を設けています。先ほど委員がお述べのように、居場所等でもしっかりとコントロールしています。今後は、もっと気軽に相談できる窓口を考えています。高校生の支援サイトが立ち上がりますので、その中で一人一台端末を使って子どもたちが気軽に、直接、相談できるような窓口を開設して、できるだけ早期発見の上で対応できるような取組を今後していきたいと考えています。」

○伊藤(美)委員 「支援サイトはとても期待できそうな取組だと思っています。どういった方が悩み相談を聞く立場として入り、どのような形でされるのですか。」

○山内教育研究所長 「現在の予定では、教育研究所に滞在している教育相談担当者とスクールカウンセラーが窓口となり相談に対応する予定です。もし必要であるならば、学校に戻しまして、学校のスクールカウンセラーにつなげていきたいと考えております。」

○伊藤(美)委員 「奈良県は先手を打ってやっていただいていると感じました。」

○吉田教育長 「高校生の不登校指導は難しく、カウンセラーで解決できるのかと思います。1年生で入学しても来れなくなる生徒が必ずいます。」

○山内教育研究所長 「高校1年生については、高校の実態を知らないで入学してしまったというケースもありますので、高校の特色づくり推進課と連携しながら、高校の情報提供としてeオープンスクールという機会を設けて徹底をしています。2、3年生になると人間関係や進路の悩みが増えてくると考えています。」

○吉田教育長 「1年生で最初から来ない子や学業不振、勉強が嫌い、アルバイト希望という子が多いですが、どうしたらいいのだろうと思います。」

○田中委員 「毎日学校へ行くものだという我々の概念が、今の時代はそうではないという気がします。23ページなどを見ていると、様々な手立てをもって救おうとしても救いきれない部分というのが出ていると感じます。そのような時に、公立と私立との棲み分けとして捉えてはどうかと考えます。私立の得意とするところ、逆に公立の得意とするところで、任せたり、委託したりなどすれば、お互いうまくいくのではないかと思います。」

○吉田教育長 「私立から転学をしたいと言えば、県立は受け入れています。しかし、公立から転学したいという子は、どうしたいと思っているのでしょうか。」

○山内教育研究所長 「大変難しいことであり、一人一人ケース・バイ・ケースで違います。高校に残る者、通信制の学校に転学する者、高卒認定試験で資格をとって大学を目指す者もおります。そういった者に、カウンセラーを含めてどの選択が一番適しているのかを提案しています。」

○吉田教育長 「それで成功しているのですか。」

○山内教育研究所長 「通信制に転学した後、大学へ進学したというケースがありました。学校で抱えたまま進級できないよりは良いというケースはあります。」

○吉田教育長 「それは入学後1年以内のケースですか。1年が経過して進級できないとなると、籍を置いておいておくことを希望する親もいます。子どもの思いと親の高校に通ったという思いは違います。1年間で何単位かを取得していれば通信制に進路を変更するという指導はできますが、1年以内の場合は難しいです。」

○伊藤(美)委員 「不登校になっている子が、1、2ヶ月ですぐに次の進路を決められるとよいですが、なかなかふんぎりはつきません。他に可能性はないかと考えるうちに、やはり無理だということが多いと思います。通信制の学校は多様になっているので、スクールカウンセラーとして高校に出向くと、転学生が大変多くなっているという現実を目の当たりにします。転学指導が不十分で、どの学校が合うかが分からないまま、広告を見たら楽しそうだからという理由で学校を選んで、結局続かないという子も現実にはいます。上手にマッチングしてあげて、その子に合っている学校を、丁寧に、進路指導、転学指導することを大事にしていただいたら、大学まで進学できる子もいますが、そこが難しければ、また次の学校も不登校になるということもあります。」

○吉田教育長 「転学制度についてはどのようになっているのですか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「受け入れ側の制度的なご説明をしますと、他府県からの一家転住の場合は可能です。それ以外に教育的配慮が必要だという場合には、県内でも公立間の転学はございます。特に最近出てきていますのは、公立の中での通信制への転学です。全日制と通信制のよさを生かして、子どもたちをもっと受け入れるようにしていきたいと思っています。」

○吉田教育長 「2学期からの転学制度はあるのですか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「転学の試験に関しては各学期前に行いますので、一家転住の場合は基本的に定期の転学試験を行います。それから、緊急に受け入れなければならない場合は、別設定で試験を行ってもらいます。特に通信制の場合は学期が半期になり、全日制の学期と時期が合いませんので、特に試験を設けて実施しています。」

○吉田教育長 「その緊急を要する場合についてはどうですか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「制度化はされていません。」

○吉田教育長 「伊藤委員が転学指導について話をされましたが、制度がないので指導はできません。例えば公立学校で2学期から受け入れる制度がないので、結局は前期・後期制の私学に転学指導するという道しかありません。十津川高校は誰でも受け入れるのですが、やはり一人で生活するという課題があるので、現実にはなかなか進みません。専門学科への転学は1学期のみだという制度はなくなっていますか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「転学元と転学先の教育課程が合うという前提がありますが、特に1学期までという運用はしていません。」

○吉田教育長 「専門学科で教育課程が合わない場合でも、1学期なら転学できると思いますが、それは2学期でも可能でしょうか。普通科から専門高校に転学を希望することはできるのですか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「教育課程に関する細かいルールは、より柔軟に適用すべきだと考えます。」

○吉田教育長 「不登校の子が公立の中で転学する制度を作ったら、2学期以降の入学になります。2、3学期に勉強すれば認定は校長裁量で可能ですが、それが3学期の転入となると現実問題として難しくなります。不登校の子どもの転学ということに関して検討しておいて欲しいです。公立間での転学はどうでしょうか。」

○伊藤(美)委員 「最近は私立の通信制がたくさんできているので、そこへ転学する生徒がとても増えたと思います。仕組みを変えることは、大変だと思いますが、その子にどのような学校が合っているのか、例えば通信制でも毎日登校する学校があれば、年に数回のスクーリングで単位が取れるという学校があります。その子の求める学校像によっても全然違うと思うので、選択肢が増えた分、それを分かった上で提示してあげることが望まれます。最近でしたら通信制の学校が集まって学校説明会を大規模に開催しています。それらを上手に活用して、次の場所につながると良いと思っています。」

○吉田教育長 「通信制は本来、年間何回か登校することで単位は与えられる制度ですが、奈良県の通信制は硬直化していて、年間ではなく、基本的には毎週登校することを条件とする通信制になっています。通信制の学校を山辺高校へ移すことにして、年間で決まった回数登校すれば単位を認定するという通信制に変えていこうとしています。不登校の子どもに対して、転学の指導をどうするか支援サイトでそのような支援ができるかどうかは課題です。」

○伊藤(忠)委員 「報告書5ページの二つ目の意見に、条件が揃うならば、過年度実施されていた市町村等の視察等交流機会を改めて実施していただけるとよいとあるのは、過年度実施されていたということですか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「コロナウイルス感染拡大までの状況では、委員の方々に学校に視察に行っていただいておりました。」

○伊藤(忠)委員 「県教育委員会としては、コロナウイルス感染拡大の問題が解決し、状況が緩和されれば実施するという方向性なのですか。」

○吉田教育長 「おっしゃるとおりだと思います。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項2については可決いたします。」

○吉田教育長 「報告事項1『令和4年度奈良県公立学校優秀教職員被表彰者の決定』について、ご報告をお願いします。」

○東村教職員課長 「令和4年度奈良県公立学校優秀教職員被表彰者の決定について、ご報告します。
 10月6日の選考委員会におきまして小学校から4名、中学校から1名、県立学校から4名と1団体の計10件が選考されました。取り組み事例の概要は添付のとおりです。なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため表彰式は昨年に続き行いません。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「以前は優秀教職員に対する免許更新講習免除がありましたが、免許更新自体がなくなりました。」

○伊藤(忠)委員 「年度によって表彰分野の数には偏りがありますか。10番の方はどういった表彰になるのですか。」

○吉田教育長 「各分野ごとの推薦を求めていないので、年度毎に分野は異なります。」

○東村教職員課長 「10番は、令和2年度に設けた『若手教職員等奨励賞』での表彰になります。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項1については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」

○東村教職員課長 「令和5年度奈良県・大和高田市・県立大附属高公立学校教員採用候補者選考2次試験の結果について、ご報告します。
 2次試験の結果を9月9日に発表したところですが、合格者は小学校130名、中学校90名、高等学校68名を始め、全体で340名でした。
 昨年に比べ、採用予定数を全体で32人の増とする中、受験者が30人減ったため、合格倍率は4.6倍と昨年から0.6ポイント減少しました。
 以上です。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「令和5年度奈良県立高等学校入学者募集人員について、過日発表しましたので改めてご報告します。
 考え方としましては、中学校卒業予定者数が昨年度とほぼ同数ですので、昨年をベースにしています。それに加えて、これまで審議いただいてきたように、まず国際中学校の設置に伴って、国際高等学校のクラス数を2クラス減としています。次に、十津川高等学校について、普通科から総合学科への学科改編に合わせて1クラス減、合わせて、全日制課程は3クラス減ということになります。また、定時制課程ですが、これもこれまで審議いただいたように、奈良商工高等学校において機械科、ビジネス科を工業科、商業科に学科改編し、まとめて合計40名を募集します。大和中央高等学校の3.部については募集停止としますので、定時制課程については72名減になります。通信制課程については昨年と同様です。
 以上です。」

○稲葉健康・安全教育課長 「令和4年度学校保健・学校給食表彰(文部科学大臣表彰)について、ご報告します。
 学校保健の普及と向上に尽力し、多大の成果をあげた個人、学校及び団体を文部科学大臣が表彰されます。また、学校給食の普及とその充実を図るため、学校給食の実施に関し、優秀な成果をあげた学校、共同調理場、功績のあった個人及び団体を文部科学大臣が表彰されます。
 次に、本県の受賞者をご紹介いたします。まず、令和4年度学校保健・学校給食表彰被表彰者です。学校保健関係 個人といたしまして、学校医 後藤寛氏、学校歯科医 岡本𠮷一氏、学校薬剤師 平井文吾氏、養護教諭 藤岡夏枝氏が受賞されました。
 また、学校給食関係 個人といたしまして、栄養教諭 横地博子氏が受賞されました。各個人の活動内容、取組及び経歴については、資料に記載のとおりです。
 表彰式及び表彰場所については、第73回全国学校給食研究協議大会、令和4年度全国学校保健・安全研究大会についてはリモート及び現地開催となりました。引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、表彰伝達につきましては各推薦団体に一任しております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤(美)委員 「文部科学大臣表彰に関してですが、学校薬剤師とは、どのような内容の仕事をされているのでしょうか。」

○吉田教育長 「環境衛生検査やプールなどの水質検査、検尿などをされています。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「その他報告事項については承認いたします。」

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」