第10回定例会議(令和5年1月17日開催)

開催概要

議決事項

 1  奈良県教育委員会委員の議席について(pdf 374KB) <企画管理室> 
 2  県費負担教職員定数条例等の改正について <教職員課> 
3 奈良県教育委員会優秀選手賞等の受賞者について(pdf 599KB) <健康・安全教育課> 

リンクのない事項は、非公開で審議されたものです。

報告事項

1

奈良県いじめ対策委員会委員の委嘱について(pdf 585KB) <高校の特色づくり推進課>
 2 

奈良県幼保小接続ガイドラインについて

1(pdf 4238KB)><2(pdf 4759KB)><3(pdf 3152KB)><4(pdf 2911KB)

<学ぶ力はぐくみ課> 

 

その他報告事項

1

令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰について(pdf 37KB) <教職員課>
2 「奈良県立高等学校入学者選抜検討委員会における意見に関するとりまとめ」について(pdf 2693KB) <高校の特色づくり推進課>
3 令和6年度奈良県立高等学校入学者選抜の日程について(pdf 226KB) <高校の特色づくり推進課>
4

「令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果について

1(pdf 2800KB)><2(pdf 2371KB)

<健康・安全教育課>

令和4年度第10回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
 令和5年1月17日 
 14時30分

 

<閉会>
 令和5年1月17日
 16時30分

 

<会議場所>
 教育委員室

 

<委員出欠>
 伊藤忠通(出席)
 上野周真(出席)
 田中郁子(出席)
 伊藤美奈子(出席)
 三住忍(出席)

議案及び議事内容

<議案>

議決事項1 奈良県教育委員会委員の議席について(可決)

議決事項2 県費負担教職員定数条例等の改正について(可決)

議決事項3 奈良県教育委員会優秀選手賞等の受賞者について(可決)

報告事項1 奈良県いじめ対策委員会委員の委嘱について(承認)

報告事項2 奈良県幼保小接続ガイドラインについて(承認)

 

<議事内容>

○吉田教育長「伊藤忠通委員、上野委員、田中委員、伊藤美奈子委員、三住委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和4年度第10回定例教育委員会を開催いたします。本日は、委員全員出席で、委員会は成立しております。
 はじめに、私から教育長の職務代理者についてご報告します。職務代理者は、これまで花山院委員に勤めていただいておりましたが、先月の退任に伴いまして、新たな職務代理者として伊藤忠通委員を指名させていただきました。」

○吉田教育長 「議決事項2については、議会の議決を経るべき議案についての意見の申出に関することであり意思形成過程であるため、当教育委員会においては非公開で審議すべきものと考えます。委員の皆様にお諮りします。いかがでしょうか。」

     ※ 各委員一致で可決

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、本日の議決事項2については、非公開で審議することとします。」

○吉田教育長 「議決事項1『奈良県教育委員会委員の議席』について、ご説明をお願いします。」

○香河教育次長 「奈良県教育委員会委員の議席について、ご説明いたします。
 奈良県教育委員会会議規則第5条によりまして、委員の議席は委員の任命があった都度、委員会の議決により教育長が定めるものと規定されています。
 このたび三住委員が任命されましたので、委員の議席について提案をさせていただきます。
 委員の議席については、過去から慣例として、教育長、教育長職務代理者、委員の任命順としているところです。
 つきましては、このたびも慣例に従いまして、お配りしております資料のとおり定めたいと考えております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項1については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項3『奈良県教育委員会優秀選手賞等の受賞者』について、ご説明をお願いします。」

○稲葉健康・安全教育課長 「奈良県教育委員会優秀選手賞等の受賞者について、ご説明いたします。
 資料1枚目は、平成29年度に公布されました奈良県教育委員会優秀選手賞等表彰規則です。本表彰はこの規則に基づき表彰されるものですが、今年度は第3条の特別優秀選手に該当する者はいませんでしたので、第2条に該当する優秀選手賞の表彰となります。
 資料2枚目の選考要綱の第3条優秀選手賞の選考基準をご覧ください。優秀選手賞は、当該年度において、第1号から第7号までに掲げる大会において優勝した個人もしくは団体、または第8号に該当する者に対して与えられるものとなっております。先ほど申し上げましたとおり、第4条の特別優秀選手の該当者はおりませんので、第3条の優秀選手賞につきましてご審議をいただきたいと思います。
 第5条の選考の手続きについてですが、優秀選手賞または特別優秀選手の選考にあたっては、奈良県中学校体育連盟会長、奈良県高等学校体育連盟会長、奈良県高等学校野球連盟会長及び奈良県特別支援学校長会会長からの推薦に基づき行うものとしており、各団体から推薦された候補者について、奈良県教育委員会優秀選手賞等審査会において選考をいたしました。
 それでは資料3枚目の受賞者案をご覧ください。先ほど述べましたように、特別優秀選手は、対象者がいません。優秀選手賞受賞者案をご覧ください。
 本年度は高等学校体育連盟、中学校体育連盟、特別支援学校長会から推薦された6団体と個人16名となります。一番右端の選考基準は、資料2枚目の選考要綱の(1)から(8)を記載しております。(1)から(7)につきましては選考要綱記載の大会に該当し、(8)につきましては、特に顕著な功績があると教育委員会が認める個人又は団体として挙げております。
 まず、団体の部です。6団体が今年度全国大会で優勝をしております。大和高田市立高田商業高等学校のソフトテニス部男子が国民体育大会で、天理高等学校第二部のバレーボール男子及び女子、バスケットボール部の女子が全国高等学校定時制通信制体育大会で、天理高等学校第二部の軟式野球部が全国高等学校定時制通信制軟式野球大会で優勝しております。特別支援学校の陸上競技の部では、県立ろう学校の陸上部の4人が、第59回全国聾学校陸上競技大会の4×100メートルリレーで優勝しております。
 続いて、個人の部の16名です。自転車競技で、県立榛生昇陽高等学校の犬伏輝斗君が、全国高等学校総合体育大会のポイントレースにて優勝です。ソフトテニスで、大和高田市立高田商業高等学校の野口快君、菊山太陽君が、同じく全国高等学校総合体育大会の男子個人ダブルスで優勝しております。
 陸上競技では県立添上高等学校の3名が優勝しました。武田光里さんは、アンダー20日本陸上競技選手権大会女子砲丸投げで、嶋本美海さんは、アンダー18陸上競技大会の女子ハンマー投げで、矢野結衣さんは、国民体育大会の少年女子円盤投げでそれぞれ優勝しました。
 続きまして馬術競技です。県立山辺高等学校の2名が国民体育大会にて優勝しております。砂川成弘君が国民体育大会の少年ダービー競技、渡辺明君が少年トップスコア競技で優勝しております。
 クライミング競技では、県立青翔高等学校の吉田智音君が、IFSCクライミングワールドカップという世界大会におきまして、男子リード5位の成績を収めました。新体操におきましては、奈良文化高等学校の中村知花さんが、第39回世界新体操選手権大会にフェアリージャパンのメンバーとして出場し、種目別フープで5位でした。
 続きまして中学校体育連盟関係です。柔道で、五條市立五條東中学校の2名が、第53回全国中学校柔道大会で優勝しております。大井彩蓮さんが女子52kg級で、森田七海さんが女子57kg級で優勝です。
 体操では、生駒市立緑ヶ丘中学校の横石優萌さんが、第29回世界年齢別トランポリン競技大会の女子シンクロナイズド15歳~16歳の部で優勝です。これは世界大会での優勝になります。
 特別支援学校からは3名が各大会で優勝しております。卓球の部で、県立ろう学校の林拓海君が、第22回全国障害者スポーツ大会いちご一会とちぎ大会個人の部で優勝です。
 陸上では、県立ろう学校の平野航君が、第2回日本デフアンダー18陸上競技選手権大会200メートルと第59回全国聾学校陸上競技大会の400メートルで優勝です。平野君は先に紹介しました団体の4×100メートルのメンバーであり、個人、団体の両方で優勝しております。
 県立奈良養護学校の松下晃都君が、全国障害者スポーツ大会いちご一会とちぎ大会で陸上競技の中のビーンバッグ投げで優勝しております。
 本日議決をいただきましたら、本来でしたら2月8日に県立教育研究所おいて表彰式を行う予定でしたが、新型コロナウイルスの感染が現在拡大しており、中学生につきましては入試も控えておりますので、事務局から受賞者に表彰状をお配りするという形で表彰させていただければと考えております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「アンダー20の大会は、20歳以下が対象ですよね。高校生でアンダー20の大会の優勝者は過去に出ていますか。」

○稲葉健康・安全教育課長 「過去にも優勝者は出ています。この大会は学年ではなく年齢で行います。開催時に18歳になった生徒は、アンダー20という19、20歳の部門に出場できますので、学年で出場する大会とは違うカテゴリーになります。大学の2年生ぐらいまでの方と競技して優勝されたので、特に価値のあるものだと思います。」

○吉田教育長 「トランポリンは体操競技になるのですか。」

○稲葉健康・安全教育課長 「種目は体操連盟の管轄の中に入っており、体操連盟から推薦が上がってきています。」

○三住委員 「表彰は、例年どの様な形で行っていますか。」

○稲葉健康・安全教育課長 「例年は、教育研究所の大講座室に集まり、教育長と教育委員代表者に参加いただき表彰しておりますが、今回は当課から各学校に賞状等をお配りさせていただきたいと思います。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項3については可決いたします。」

○吉田教育長 「報告事項1『奈良県いじめ対策委員会委員の委嘱』について、ご報告をお願いします。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「奈良県いじめ対策委員会委員の委嘱について、ご報告します。
 配布資料のとおり、いじめ防止対策推進法の規定に基づき、条例設置により本委員会を設置しているところです。名簿に記載のとおり、委嘱期間が本年の1月8日に一旦終了になるため、5つの職能団体等に推薦の依頼をお願いしていたところです。任期終了を迎えるにあたり、4団体から推薦が届きましたので、委員不在の空白期間を設けるべきではないとの認識のもと、緊急やむを得ない場合と判断いたしまして、奈良県教育委員会の権限に属する事務の一部委任と臨時代理に関する規則第4条第2項に基づきまして教育長による臨時代理により委嘱をさせていただきました。同条第3項の規定によりまして本日報告をさせていただきます。氏名等は資料に記載しておりますが、4名とも全て再任です。残りの奈良弁護士会にも推薦依頼をしておりますが、間もなく届くと聞いております。推薦をいただきましたら、その1名について委嘱したいと考えていますので、改めて次回以降に議決をいただこうと思います。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「弁護士会から推薦をいただく委員は交代になりそうですか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「推薦を待っているところですが、今のところ代わられるとは聞いていません。最終の奈良弁護士会からの推薦を待ちたいと考えています。」

○吉田教育長 「委員長は、再任して継続という手続きをとらなかったのですか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「通例、任期が終了するごとに職能団体等に推薦のお願いをし、同じ方を推薦してもらえれば、再任する手続きをとっています。」

○三住委員 「各市等でいじめ問題対策委員会が行われていますが、その集計内容は県に報告されているのですか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「文部科学省が実施しています『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』では、県で市町村分をまとめ国に提出しています。その資料をもとに本委員会でも県全体の対策を検討しますし、知事部局でも別途委員会が設置されていますので、そこでも議論がされることになっています。」

○三住委員 「いじめの重篤な事案を把握することが重要と考えています。学校側が重篤な事案の兆候を見つけて深刻化しないように対応するために、実際に起こった重篤な事案の分析等はされていますか。」

○山内教育研究所長 「いじめに関しては、学校に対して『いじめ早期発見・早期対応マニュアル』を配布しており、日頃からいじめの兆候に注意するようにお願いしています。また、年2回いじめのアンケートを実施しており、その中でいじめの事象等がありましたら、全ての学校で速やかにいじめ対策委員会を開催し、その中で調査した結果、もし重篤な事案でしたら、その情報を報告してもらうことにしています。このような流れで対応しています。」

○三住委員 「学校が気付いていなかった事案を分析して、どのようにすれば気付けたか等について文部科学省で何らかの整理や指導等はされているのでしょうか。重篤な事案と分かれば報告されてくるとしても、重篤事案がまだ隠れていて危ないという段階でどう見つけるかが課題だと思います。」

○伊藤(美)委員 「奈良県では、アンケートを実施していただき、注意が必要な児童生徒には星印がついて、先生方に指導してもらう取組をしているので、そこで発見される児童生徒もいるかもしれません。また、来年度から『いじめモニタリングシステム』が実施され、先生方の気付きを助ける仕組みが出来ると聞いています。」

○山内教育研究所長 「『いじめモニタリングシステム』は、いじめ対策連絡協議会の会長代理である大阪教育大学戸田教授の発案で、本年度は五條市の小学校1校と、河合町の小学校2校で先行実施しています。先生方の気付きに関する基準を設け、データ入力していくシステムを現在開発中で来年度4月から実施します。さらに、実際にいじめ等を発見した場合の事案対応記録表をセットにして実施します。アンケートは子どもからの声を聞く、モニタリングシステムは先生方の気付きの力を高めることにより、いじめの早期発見・早期対応をしていく方向です。」

○三住委員 「最近、スマートフォンやインターネットのいじめをよく聞きますが、メールやLINE等の使用方法について、子どもたち自身がルール作りをすることについても積極的に関わっていただいて、何らかの案を示してほしいと思います。」

○山内教育研究所長 「高等学校では生徒会連絡会において、スマートフォンの取り扱いについて子どもたち自身が考え、そのことを校内で発信し、より良いスマートフォンの取り扱いができるようにしていく取組を進めているところです。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項1については承認いたします。」

○吉田教育長 「報告事項2『奈良県幼保小接続ガイドライン』について、ご報告をお願いします。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「奈良県幼保小接続ガイドラインについて、ご報告します。
 このガイドラインは、就学前教育で育まれた『学ぶ力』、『生きる力』の土台を受け継ぎ、『奈良県教育が目指す方向性』のもと、県内の各小学校等において小学校教員等が共通の意識をもって切れ目ない接続を図ることができるよう作成しました。
 ガイドラインの作成に向けて、学識経験者、市町村教育委員会教育長の代表、公立幼稚園・こども園長会の代表、小学校長会の代表等で組織する『奈良県幼保小接続ガイドライン作成委員会』を立ち上げ、計2回の委員会を開催しました。また、小学校教員や就学前教育アドバイザー等で組織するワーキンググループも立ち上げ、ガイドラインの内容について検討を重ねました。お手元のガイドラインは、作成委員会やワーキンググループで出された意見を反映させ、事務局で整えたものになります。
 目次をご覧ください。まず、幼保小接続の必要性や重要性等とともに、現在、県で進めている取組についての理解が深まるよう、『奈良県における幼保小接続について』説明しています。そして、各小学校がスタートカリキュラムを作成する際の参考となるよう『奈良県版「スタートカリキュラム」について』具体例を示しながら説明しています。
 1ページをご覧ください。はじめに、幼児期の教育と小学校教育を円滑に接続させるとともに、教育全体を通して『知識及び技能』、『思考力、判断力、表現力等』、『学びに向かう力、人間性等』の3つの資質・能力を育むことについて図も示しながら説明しています。次に、奈良県の就学前教育において活用が進められている奈良県版就学前教育プログラム『はばたくなら』について紹介し、幼保小の円滑な接続の手掛かりとなる『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』について説明しています。続いて、幼児期の教育と児童期の教育の特色や、それぞれの時期をつなぐ接続期において、アプローチカリキュラムやスタートカリキュラムを編成することが大切であることを説明しています。
 10ページからは、スタートカリキュラムについて掲載しています。まず、スタートカリキュラムをデザインする基本的な考え方やスタートカリキュラムをデザインする手順について説明し、全ての単元を配列し俯瞰することができるよう、単元配列表の1学期の例を示し、小学校においてスタートカリキュラムを作成する際の参考となるよう、週案例を第1週~第5週まで示しています。22ページからは、単元等の活動例を示し、授業を実践する際の参考となるようにしています。
 本ガイドラインにより本県の就学前教育と小学校教育の円滑な接続が積極的に進められることを目指しています。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤(忠)委員 「13ページの単元配列表がありますが、ひらがなで書いてあるのは、子どもに向けてということですか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「先生向けではありますが、単元名がひらがなで表記されているので、ひらがなで書いています。」

○伊藤(忠)委員 「33ページについて質問です。GIGAスクール構想で、タブレット端末を小学校でも一人一台配布しています。ここで、活動例として上がっていますが、実際にタブレットの利用状況はどうなっているか分かりますか。ガイドライン中の例としても、学校の中で、教師が子どもたちにタブレットの利用を教えてみたり、子どもたち自身でタブレットを利用したりしています。学校や学級、クラスで差はあると思いますが、どれぐらい活用されているのですか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「手元に資料がなくて申し訳ないのですが、1年生において、生活科の授業の中で植物が生長していく様子をタブレットで撮影し、記録して残していく等の活用をされているという実践報告を聞いています。1年生の調査ではありませんが、全国学力・学習状況調査で6年生を対象としたタブレットの活用についての調査結果はございます。」

○山内教育研究所長 「先生方の活用については、文部科学省がICTの活用状況を調査しておりまして、令和元年度の統計によりますと、奈良県は全国46位でしたが、GIGAスクール構想をいち早く始めたところ、令和2年度には、全国で12位まで上がってきました。例えば、『ICTを使って指導ができる』や、『ICTを使って子どもたちの意欲を高めることができる』という項目に関しては、先生方の力量が上がってきていると思っています。
 また、子どもたちのタブレットの使用状況につきましては、9割以上の子どもが、一日に一回はグーグルのアカウントを使ってタブレットにログインしています。」

○伊藤(忠)委員 「今の子どもたちは、いわゆるデジタルネイティブの世代なので、このような機器の使用を避けて通れない環境にあると思います。そういう意味でも、学校で設備が整った機会に、上手く活用ができるような環境を作っていただければと思います。」

○吉田教育長 「全国学力・学習状況調査のICTの活用状況で、例えば奈良県の小学6年生の活用率等のデータがあったように記憶しています。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「今、手元に資料はありませんが、ICTの活用状況は調査項目に入っていました。」

○吉田教育長 「もう一度見直して、データで報告してください。」

○三住委員 「幼稚園や保育所ではプールの利用状況はどうですか。小学校の水泳指導は、猛暑の中、熱中症対策のために中止となることがあります。地球温暖化の影響があり、今後、水泳の学習がなくなっていくのではないかと心配しますが、奈良県下のプールの利用状況はどうなっていますか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「コロナ禍の影響で、水泳指導の取扱いについては弾力的にしていた学校が多いと思いますが、小学校において水泳指導は行われています。」

○三住委員 「今後、猛暑であっても大丈夫ということですね。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「猛暑を避けるためにプールサイドにテントを立てたり、休憩時間を設けたり、水筒を持って行って水分補給をさせたり、各学校で工夫しています。水泳指導の実施時期についても、猛暑を避けて、学校によっては9月中旬まで水泳指導をしている学校もあります。子どもたちの健康には配慮をして指導をしているところです。」

○稲葉健康・安全教育課長 「熱中症対応として、WBGT測定器を設置しています。WBGTが上がると、アラームが鳴って活動を停止するように警告するものです。」

○三住委員 「それは水温ではなく、気温のことですね。」

○稲葉健康・安全教育課長 「はい、まずは気温を計測します。」

○三住委員 「屋根付きのプールで、使っていない時は太陽光を入れて水を温め、使用時には屋根を閉じ、全天候で入れるようにしている学校はありますか。開閉式にすると費用が掛かるので難しいと思われますが、猛暑下でも、子どもたちが屋外で身体を動かす機会となる水泳の学習ができるように考えていただければと思います。」

○稲葉健康・安全教育課長 「民間施設の活用ということについても、文部科学省からガイドラインが出ていますので、それらも参考にしながら進めています。」

○三住委員 「教育については、教え育てることが中心であると思いますが、豊かな子ども時代をつくる、子ども時代の思い出を大切にするという発想は国の方でもあるのでしょうか。幼稚園、小学校、中学校等、それぞれ異なる子ども時代の思い出があります。スローガン的なものだけではなく、また、育てるだけではなく、それぞれの年代で豊かな子ども時代になるよう、大人が見守り尊重し、豊かにするという発想はあるのでしょうか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「第2期教育振興大綱では『本人のための教育』を大切にしています。今までは、教え込むことが教育の中にもあったと思いますが、『はぐくむ』ことを大切に、一人一人の学ぶ力や生きる力を幼児期から育てていくために、就学前教育プログラム『はばたくなら』が作られました。『はばたくなら』を引き継ぎつつ、今回の幼保小接続ガイドラインを出しています。ガイドライン中にもありますが、スタートカリキュラムにおいても、幼児期の経験を大切にしながら、教え込みや、枠にはめることなく、個に応じて大切に育んでいきたいと思っています。」

○三住委員 「『はぐくむ』という言葉をひらがなで使っていますが、漢字で書くと『育む』と『羽包む』の両方の意味でひらがなにしているのですか。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「教育振興大綱では、ひらがなで『はぐくむ』と表記しているので、ひらがなにしています。」

○伊藤(美)委員 「ガイドラインは非常に濃厚な、密な情報量で『小一プロブレム』と言われる移行期の難しい時期を丁寧に、具体的に、示していただいていると思います。これを学校で上手く活用していただけると良いと思います。『幼保小』ということで、幼稚園と保育所から、子どもたちは小学校に上がってきます。幼稚園と保育所だけでなく、保育所の中でも差があり、幼稚園の中でも差があります。スタートラインが同じではなく、それぞれの子どもの特性や、受けてきた教育や環境の違いがあります。先生方にも様々な子どもがいて、様々な力の違いや経験の質の違いがあることを見取った上で、スムーズな移行期が必要であるということを示していただきたいところです。大切なところがたくさん示されているので、本当にこのガイドラインを生かしていただきたいと思います。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「保育所、幼稚園、こども園という違いもあれば、さらに公立・私立の違いもあります。施設類型等に関係なく、全ての子どもたちがスムーズに小学校生活をスタートできるようにしたいと考えています。38、39ページの巻末資料に、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を示しています。これらは施設類型に関係なく、この姿を目指すことが就学前教育において共通理解されています。小学校の教員も10の姿をイメージしながら、円滑な接続に向けた取組を進めてほしいと考えています。もちろん、保育所、幼稚園の先生にも説明させていただきたいと考えています。」

○伊藤(美)委員 「保育所、幼稚園、こども園の先生方にも、このガイドラインを読んで、見通しを持っていただきたいです。そうすることで、幼保小の連携がより密になるのではないかと思います。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項2については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」

○東村教職員課長 「令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰について、ご報告します。
 令和4年10月6日に開催しました奈良県公立学校優秀教職員表彰選考委員会での選考の結果、令和3年度の奈良県表彰者の中から資料に記載の7名を令和4年度の文部科学大臣優秀教職員表彰の候補者として推薦していましたが、その7名が表彰者に決定されました。表彰式については、本日、対面とオンラインの併用で行われています。
 以上です。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「『奈良県立高等学校入学者選抜検討委員会における意見に関するとりまとめ』について、ご報告します。
 11月の定例教育委員会で中間まとめについてご報告したところですが、その後意見の募集を行い整理をし、寄せられた意見をもとに検討委員会にて最終の議論を行っていただきました。これを受けて、定例教育委員会での議論に移ることになります。進め方ですが、本日この案のポイントとなる点をご説明し、2月の定例教育委員会で本日頂戴する意見をもとに教育委員会としての今後の方針の骨子をご提案し、議論をいただきたいと思っています。
 今後の方針の骨子について、2点取り上げてご説明します。9ページをご覧ください。選抜方法と日程についてです。検討委員会の方では方向性がまとまりつつありました。特色選抜と一般選抜を共通選抜として一本化してはどうか、という点が1つ目です。一本化の際には、各学校のアドミッションポリシーに沿った選抜が実施できるような一定の裁量を認めるべきであるとし、一定の裁量を認める場合は、各学校に複数の選抜方法があると過度に複雑になるため、複雑な入試制度にならないようにするべきという意見をいただいています。一本化に関しては、複数校志願の制度を導入することが適当であるという意見をいただいているので、まず特色選抜、一般選抜というこれまでの選抜制度の一本化、その際どのような裁量を学校に与えるのか、複数校志願の在り方、このあたりについて骨子としてまとめていきたいと考えています。
 もう1点は、12ページです。選抜に用いる資料について記載をしています。特に調査書の取扱いについて検討委員会でも様々な議論をいただいたところです。県教育委員会が子どもたちの主体的な学習の態度を重視する方針を示しているとした上で、調査書の中で主体的に学習に取り組む態度、この観点を入学者選抜で活用する、このことが教育委員会として、育成したい資質・能力をより明確化することができるのではないかという意見をいただいています。現状としては、評価について、中学校間での共通理解にまだ課題はあるという意見もあり、慎重な検討が求められるという意見もいただいています。合わせて、調査書の学習成績の取扱いについては、これまで2年生、3年生の比率を1:2と行ってきましたが、中学校における学習状況全体を反映することが望ましく、1年生を含めた3学年全体を活用することを検討すべきというご意見もいただいています。これらを踏まえて、本日ご意見を頂戴し、次回には、日程の一本化、調査書の取扱いについて、具体的にご提案したいと考えます。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「続きまして、令和6年度奈良県立高等学校入学者選抜の日程について、ご報告します。
 現行とあまり変更せず実施したいという方針で日程を組んでいます。中学校及び高等学校との調整も終え、ほぼこの形で決定をし、年度内には公表したいと考えています。一部例年と異なるところがあります。特色選抜、一般選抜ともに願書の受付が、期間を示さずに最終日のみを示しています。次年度からは出願を電子化し、これまでの出願日より期間を長く設けて受付をしたいと考えています。また、令和6年度の入学者選抜になるので、通信制課程の選抜については、山辺高校の通信制課程として選抜を行います。
 以上です。」

○稲葉健康・安全教育課長 「『令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査』の結果について、ご報告します。
 資料1枚目のとおり、県内の小学校第5学年と中学校第2学年を対象に調査を行っています。調査内容につきましては、実技に関する調査がどちらも8種目となっていますが、中学生に関しては、持久走と20メートルシャトルランのどちらかを選択し8種目です。それから、運動習慣等の質問紙調査を行っています。
 2枚目の資料1をご覧ください。体力・運動能力の状況です。体力合計点につきましては、小学校男子、中学校男子及び女子で全国平均を上回りました。中学校女子につきましては昨年度、調査開始以来初めて全国平均を上回り、今年度も全国平均を上回ることができました。小学校女子につきましては、全国平均をやや下回ったものの、全体的に全国平均レベルを維持しています。また、4つのグラフ全体から、コロナ禍で令和2年の調査が無くなりましたが、そのコロナ禍の影響もあって低下傾向にある状況が見てとれます。
 続きまして資料2をご覧ください。小学校5年生のそれぞれの種目別の表です。赤四角で囲んでいる部分が全国平均以上の種目ですが、男子で6種目、女子で3種目が全国平均を上回ることができました。ただ、男子の50メートル走とソフトボール投げと、女子のソフトボール投げにつきましては過去最低値となっています。小学校全体では、コロナ禍の影響もあるためか、長座体前屈が、室内で1人でできる運動ということで数値が上がっていますが、50メートル走は平成30年度から見て低下傾向、またソフトボール投げにつきましても同じく低下傾向にあります。また、20メートルシャトルランと上体起こし、反復横跳び等につきましても、コロナ禍以降、低下傾向にあります。今後、これらの種目について対策を検討していかなければいけないと考えています。
 中学校については資料3です。同じく全国平均以上の記録は赤四角で囲んでおり、男子が6種目、女子が8種目です。中学校男子は、立ち幅跳びが、過去最高値になりました。一方、中学校女子は持久走が過去最低値になっています。中学校も同じように室内できる長座体前屈の数値は上がっていますが、上体起こしや持久走、20メートルシャトルランにつきましては、低下傾向にあります。持久力の低下ということが顕著になっていると感じております。
 資料4以降は、運動習慣等調査になっています。資料4-1は、運動やスポーツをすることの好き嫌いを聞いています。小学校、中学校とも運動好きの児童生徒の割合は、令和3年度と比較すると増えていますが、平成30年以前の水準に戻っていないとともに、中学校男子以外は全国平均よりも低い結果になっております。
 資料4-2は、普段の1週間の総運動時間です。運動時間が60分未満の児童生徒の割合が、令和3年度と比較して中学校男子以外は減少しています。中学校女子に関しては、運動時間60分未満の生徒の割合が、年々減少しており、運動に取り組む姿勢が一定見られるようになってきました。しかし、全国平均に比べると、小学校男子以外は60分未満の児童生徒が多い傾向にあります。
 続きまして、資料4-3のテレビ、DVDやスマートフォン等の視聴時間です。小学校、中学校とも、全国平均よりも視聴時間が長く、小学校女子、中学校女子につきましては、平成30年度から見ると、5時間以上と回答した割合が年々増加しています。
 資料4-4の毎日の睡眠時間ですが、全国平均と比較すると小・中学校男女とも6時間未満の割合が高くなっており、先ほどのテレビ、DVD、スマートフォン等の視聴時間との関係があると考えています。生活習慣につきましては、家庭とも連携しながら、改善を呼びかけていきたいと思います。
 運動好きの児童生徒を育てるためにも、学校の体育授業の充実、指導者の授業力の向上に向けた取り組みを継続して行うとともに、小学校を対象とした外遊びみんなでチャレンジという外遊びを推奨する運動を広めたり、小学生の陸上記録会、水泳記録会の開催、また、中学校におきましては、部活動指導員の配置を促進しながら進めていきたいと思います。また、中・高の保健体育科の教員による小学校への体力テストの測定支援事業も継続して実施していきたいと考えています。なお、結果につきましは、2月3日に小・中学校の教員と市町村教育委員会の担当者に、オンラインにて説明会を開催し、今後の取り組みについても説明する予定です。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤(忠)委員 「運動習慣等調査の結果についての感想ですが、資料4-3のテレビ、DVD等の視聴時間が増えていることと、資料4-4の睡眠時間の減少は、多少関係があるのでしょうが、これは推測になりますが、おそらく受験勉強の影響かと思います。小学生は睡眠時間8時間以上の割合が結構高いのですが、中学生になると極端に減っています。テレビやスマートフォンだけでこんなに極端に減ることはないと考えます。中学校2年になると当然、高校受験を意識しますから、受験勉強で塾に行くなどで睡眠時間が減るのだろうと思います。これは今の受験制度がある中で、なかなかすぐに解決しない問題だと思います。
 次に、入学者選抜制度についてですが、調査書の扱いがいろいろ議論になるのでしょうが、主体的に学習に取り組む態度を評価するのは教員ですよね。評価をする側の一定の規準がないと客観的に評価できないと考えますが、そのあたりは何か考えられていますか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「どこまで客観性が保てるかということで、12ページの欄外の記載にも意見をいただき、その回答を記載しています。これまでから観点別の評価は指導要録に記載をしているので、各学校において適正に評価が行われているという認識を持っているところですが、平成29年、30年告示の学習指導要領においては観点が改めて整理されました。主体的に学習に取り組む態度について、粘り強く学習に取り組む態度と、自ら学習を調整しようとする2つの側面から評価を行うことになっています。その徹底を図るという視点から研修を行うことは必要だと考えます。学ぶ力はぐくみ課と協議をし、中学校向けの教科のガイドラインをお示しすることで、評価の妥当性を保護者、県民の方にご理解いただけると考えます。」

○伊藤(忠)委員 「実際に教員研修は行われているのですか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「学習指導研究会等で指導主事がこれまで何度も行っているところですが、今後も教科等研究会と連携を図って取り組んでいきたいと思います。」

○伊藤(忠)委員 「この調査書の問題は、高校入試だけでなく、大学入試でも調査書を見ますので関わりますね。中学校だけでなく、高校も含めて考えていく必要がありますね。」

○吉田教育長 「主体的に学習に取り組む態度の評価は、真面目に学習に取り組んでいれば良いという評価と捉えてしまうことがないように気を付けなければならないと思います。例えば、知識・技能がC、思考・判断・表現がCでも主体的に学習に取り組む態度がAというのはどうなのでしょうか。粘り強くということが真面目にすることと捉えがちになってしまいます。」

○田中委員 「ほとんどBになってしまうことはありませんか。真ん中の評価に陥りがちではないですか。」

○吉田教育長 「知識・技能が低い、思考・判断・表現も低い生徒が、真面目に学習に取り組んでいれば、主体的に学習に取り組む態度の評価が良いということは違うのではないでしょうか。」

○田中委員 「真面目というだけで、毎日学校に来ているからBということはないと思いますが、相対的にBを付けてしまうことがありますよね。」

○吉田教育長 「3年生の評定を点数化して90点満点とすることはどこの県でも行っていることですので、1、2年をどうするかということで議論していただきたいと考えております。私の提案は、主体的に学習に取り組む態度を点数化しようということです。それにより授業も変わっていくだろうと考えます。授業も変われば評価がしやすくなるという方向に持っていきたいと思います。」

○三住委員 「どういうものを主体的に学習に取り組むと言うのですか。学校の授業に関係のないことに興味を持って学ぶことですか。授業の内容について、先生に言われなくてもいろいろ調べるということですか。」

○吉田教育長 「主体的というのは、自主的と違って、何をなすべきかということを自分で課題を見つけることで、それを国は観点に入れて『主体的で対話的で深い学び』という、いわゆるアクティブ・ラーニングにより学びを変えていこうとしています。自分で課題を見つけて調整していけば、知識・技能や思考・判断・表現に変化が表れるという考え方です。次の機会にも、調査書として扱うことに対して皆様にご意見をいただいて議論を深めていきたいと思います。」

○田中委員 「高校受験についてはたくさん意見を頂戴していると思いますが、意見募集が21件しかないのですね。広報はされていますか。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「県のパブリックコメントの制度により実施しています。」

○田中委員 「しっかり広報をして、意見をくださいというアピールをすべきかと思います。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「ご意見を参考に進めます。最終の議決は3月にいただく予定です。十分に意見を集める努力をします。」

○田中委員 「現在の受検生の保護者だけでなく、この変更の影響が実際に関係する年代が分かりやすいように、広く受け止めてもらえるようにすべきと考えます。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「現在の小学校6年生からこの取扱いを変更したいと考えますので、今年の4月の時点で保護者に変更内容が浸透するように中学校と連携を図りたいと思います。」

○三住委員 「中学校のスポーツや体力に関連して教えてください。学校の先生や国の提言で、休日の部活動の指導員を一般の方から募集するという制度があります。奈良県についてはなかなかうまくいかないという話も聞きましたが、状況はどうなのでしょうか。」

○稲葉健康・安全教育課長 「現在、22市町村で部活動指導員を中学校に導入していただいています。希望する人数が導入できているかについては、市町村の現状にもよるのですが、概ねの希望されている市町村において部活動指導員が導入でき、特に専門外の部活動を担当している教員に対して、専門家としての指導を行ったり、休日の教員の働き方改革の一環で教員の代わりに部活動指導に入っていただいております。今後もどんどん広めていきたいと思います。あわせて、今後、部活動の地域移行が進んでいきますので、地域スポーツクラブなど民間の事業者等に呼びかけたり、それから、生徒の数がどうしても減ってきていますので、複数校での合同部活動や合同チーム編成などについても、今後進めていきたいと考えています。」

○吉田教育長 「今、教員が指導している部活動を教員の働き方改革もあるので、特に土日ですが、教員以外の方に指導してもらうということが重要になっています。その指導員が市町村教育委員会によって確保しているところと、全く動いていないところがある状況です。」

○三住委員 「部活動を民間事業者に頼んだら完全な有償になりますし、イメージ的には、私は有償でもボランティア的な人がいっぱい来てくれる形が良いのだろうと思うところですが、どういうイメージなのでしょうか。」

○稲葉健康・安全教育課長 「部活動指導員を会計年度任用職員という制度で採用し、報酬、手当をお支払いさせていただいております。その代わりに、指導に責任を持っていただき、それから学校長の学校の経営方針や部活動の方針についてもしっかり理解していただいて、当然体罰のことや熱中症の健康対策などの研修も受けていただいた上で、子どもたちの指導に従事していただいています。」

○吉田教育長 「部活動指導員は個人です。個人を雇用し指導してもらいます。部活動指導員は生徒の引率もできます。研修を受けなければならないことや、教育的な配慮を行ってもらうことも含めて学校と連携しています。」

○三住委員 「ボランティア的なイメージではなく、きちんと正当な報酬を支払うということですね。わかりました。」

○吉田教育長 「部活動を地域移行するにあたって、協力していただける方がたくさんいれば移行しやすくなります。中学校の部活動でしたら、剣道からバスケットボール、バレー、野球など、それらの部活動指導員が、各学校に必要だと思われます。」

○三住委員 「これからますます高齢化社会になりますので、テニスなどの高齢者のスポーツ団体に地域から連絡を取ってもらって、指導可能な高齢者に半分ボランティアみたいな形で来ていただいてはどうでしょうか。シニアスポーツフェスティバルという集まりがありますが、そういうところへ声をかけて、人を集めて、その地域と地域のおじいさん、おばあさんと子どもが活動するようなことができれば良いと思います。」

○吉田教育長 「部活動指導員と地域移行を今後どうするかは違います。部活動指導員は、個人登録した人が部活動の指導ができるということで、部活動に入られます。委員が仰ったのは、地域の力を借りようということなので、地域の社会スポーツの団体などに依頼して、土日の指導をしてもらおうという地域移行です。委員が仰るように地域移行するときに、例えば、ボランティアで教えてあげようという人がたくさんいれば、子どもはお金を払う必要ないですよね。しかし、そういう方はなかなかおられません。」

○三住委員 「高齢者団体にアプローチはしているのですか。」

○吉田教育長 「市町村教育委員会がしていますが、なかなか受けてもらえないようです。そのあたりも含めて、土日の部活動の地域移行というものが上手くいかないので、国の当初3年間で完全移行しようとしていた姿勢が変わってきています。」

○稲葉健康・安全教育課長 「国は、当初、部活動の地域移行を令和5年度から3年間の改革集中期間という呼び方で完了させようとしていましたが、地域の人材がなかなか集まりにくいという現状もあり、現在は、改革推進期間と少しトーンダウンし、できるところからやっていきましょうという方針になっています。当課でも、年末にスポーツ協会と各競技団体のヒアリングが開催されましたので、その場で、今後地域の人材を集めていきたいという、人材バンクを作るための協力をお願いしました。各競技団体に人材の把握にこれから努めていただいて、それを県の方で集約しながら、人材に困ってるところに派遣するシステムづくりを進めていきたいと考えています。」

○三住委員 「私は、もう会社を引退されたような60歳を過ぎた人に来てもらうイメージもするのですがどうなのでしょうか。」

○稲葉健康・安全教育課長 「土日でしたらお仕事を持ちながら行っていただける方もいらっしゃると思いますので、現役で働いている方と、退職されている方の両方になってくると思います。退職された教員で、いろいろ力をお持ちの方もたくさんいらっしゃるので、そのような人材を是非とも活用していきたいと考えています。」

○吉田教育長 「現役の教員で、今、土日でも部活動を行っている方がいます。その教員が一切、もう土日の指導に関わらないと言ってしまったら、それは委員が仰るように、ボランティアをはじめいろいろな方に指導をしてもらったら良いということもありますが、それで子どもが納得するかどうかですよね。」

○三住委員 「教員の中には納得しないし、やはり自分で指導したいと思うこともありますね。」

○吉田教育長 「難しいのは、その点もありますよね。」

○三住委員 「でも一番の目的は、教員の負担軽減ですよね。」

○吉田教育長 「土日の部活動を行いたい教員には行ってもらう。例えば60歳を過ぎた人で指導できるような方がいるのであれば、地域の総合型スポーツクラブに登録してもらって、土日の部活動を地域に移行していこう、ということが今の流れです。」

○三住委員 「シニアスポーツフェスティバルで、シニアの方の団体が集まります。今、アピールされてるのはもっと若い年齢の方の団体かもしれませんが、シニアの団体にもアピールして、元気なお年寄りにどんどん入ってもらうと良いと思います。」

○稲葉健康・安全教育課長 「また、ネットワークを広げて、そのような方々にも働きかけをしていきたいと思います。」

○伊藤(美)委員 「体力・運動能力、運動習慣等調査の件ですが、中学生の数値を見て、コロナの影響がこんなにあるのか、ここ2、3年の下がり方がすごいなと感じました。今後、コロナによる制限が緩んで、回復していくのかもしれませんが、今の中学2年生が、このまま成長するとどうなっていくのか心配になります。横断的に見たら体力が上がるかもしれませんが、コロナによる影響を受けた子どもたちは、将来発達的に影響が出ないのか気になるところです。大学生への調査でも、今の3回生はコロナ禍の中で学生生活をしてきているので、精神的なストレスがすごく高かったり、孤独感を感じていることがあります。そういう意味で、学年による違いがあると思うので、今後コロナが落ち着き改善しました、ということではなく、今影響を受けた子どもたちを追跡するような調査ができると良いと思います。国が調査を行ってくれたらいいと思いますが、奈良県として調査してみることも意義があると感じました。」

○稲葉健康・安全教育課長 「国の全国調査に合わせて、県内の小中高等学校の調査をしていますので、今後の高校時の成績の追跡調査ができます。さらに、その後は、悉皆ではなく抽出調査になりますが、全国体力テストという70歳ぐらいまで続く調査もありますので、国でも追跡できると思います。奈良県につきましては、県内の調査で把握していきます。」

○吉田教育長 「今、このコロナの影響を受けた子どもたちが高校に行ったときの対応はどうしますか。」

○稲葉健康・安全教育課長 「投げる力や持久力が低下していますので、そのことを授業に反映しながら、体力向上に努めていきたいと思います。」

○吉田教育長 「コロナで体力が落ちている子どもたちに対して、体育の授業時間数を増やすなどはできるのでしょうか。今までの授業時間は何単位ですか。」

○稲葉健康・安全教育課長 「3学年で8から9単位です。」

○吉田教育長 「コロナの影響で小中学校時代に体力が十分養われなかったことに対して、高校において、場合によってはスポーツの機会を増やすとか、高校の教員が体力向上の意識を持つことによって回復することを行った方が良いのでは、と提案をいただいていると思います。」

○伊藤(美)委員 「体育の時間数を増やすこともなかなか難しいと思うので、例えば種目によって随分結果が違っていますから、コロナ禍の影響受けて低下した種目の運動を重点的に増やすなど、カリキュラムの組み合わせによって対応できることがあるのかな、と思います。」

○吉田教育長 「高校の体育の中で、その辺りを意識しながら、教育課程を編成し直すなどの色々な工夫ができそうですね。」

○稲葉健康・安全教育課長 「年間指導計画に反映できるように考えていきます。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「その他報告事項については承認いたします。」

非公開議案

議決事項2 県費負担教職員定数条例等の改正について

 非公開にて審議

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」