第8回定例会議(令和4年11月21日開催)

開催概要

議決事項

 1  令和4年度一般会計補正予算案について <企画管理室> 
 2  令和4年度奈良県教員等育成協議会委員の委嘱(任命)について <教育研究所> 

リンクのない事項は、非公開で審議されたものです。

報告事項

1

令和5年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目の一部変更について(pdf 92KB) <教職員課>


その他報告事項

1

監査結果報告(令和4監査年度第1回)について(pdf 1726KB) <企画管理室>
2 奈良県立高等学校入学者選抜検討委員会における意見に関する中間まとめについて(pdf 1303KB) <高校の特色づくり推進課>

3

令和5年度奈良県立高等学校入学者選抜における新型コロナウイルス感染症罹患者等対象追検査の実施について(pdf 55KB) <高校の特色づくり推進課>
4 令和4年度優良PTA文部科学大臣表彰被表彰団体について <人権・地域教育課>

5

令和4年度社会教育功労者文部科学大臣表彰について(pdf 129KB) <人権・地域教育課>
6 令和3年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果の概要及び令和3年度「奈良県公立学校における生徒指導の課題に関する諸調査」結果の概要について(pdf 811KB) <教育研究所>

令和4年度第8回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
 令和4年11月21日 
 13時30分

 

<閉会>
 令和4年11月21日
 15時20分

 

<会議場所>
 教育委員室

 

<委員出欠>
 花山院弘匡(出席)
 上野周真(出席)
 伊藤忠通(出席)
 田中郁子(出席)
 伊藤美奈子(出席)

議案及び議事内容

<議案>

議決事項1 令和4年度一般会計補正予算案について(可決)

議決事項2 令和4年度奈良県教員等育成協議会委員の委嘱(任命)について(可決)

報告事項1 令和5年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目の一部変更について(承認)

 

<議事内容>

○吉田教育長「花山院委員、上野委員、伊藤忠通委員、田中委員、伊藤美奈子委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和4年度第8回定例教育委員会を開催いたします。本日は委員全員出席で、委員会は成立しております。」

○吉田教育長 「議決事項1については、議会の議決を経るべき議案についての意見の申出に関することであり意思形成過程であるため、議決事項2については、各種委員の委嘱に関する案件のため、当教育委員会においては非公開で審議すべきものと考えます。委員の皆様にお諮りします。いかがでしょうか。」

     ※ 各委員一致で可決
○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、本日の議決事項1及び議決事項2については、非公開で審議することとします。」

○吉田教育長 「報告事項1『令和5年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目の一部変更』について、ご報告をお願いします。」
○東村教職員課長 「令和5年4月人事の教職員人事異動方針及び重点項目の一部変更について、ご報告します。
  10月の定例教育委員会で異動方針について、『小・中学校においては、県内全域の他市町村への異動を基本とする。』という部分を削除しました。これは、小中学校の重点項目にある『採用後10年以内に特別支援学校教諭二種免許状取得など特別支援教育を複数年経験することを推進する』ため、年限を4年から7年までとする従来の初回異動の考えを廃止することによります。
 しかし、11月15日に行われる市町村教育長会議の事前調整において、初回異動を廃止すると県内での活発な人事異動ができなくなること、また、初回異動を廃止しなくても初回異動対象年限を延長することで、目的である採用後10年以内に特別支援教育を複数年経験することは達成できるとの意見があり、初回異動を存続し対象年限を10年にすることにしました。令和5年度の人事異動方針を11月15日の会議で知らせなければならない関係で、やむを得ず教育長臨時代理で一部変更しました。                                           
 以上です。」
○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」
○吉田教育長 「補足しますと、市町村の教育長は人事を活性化したい思いが強く、初回異動は残して欲しいとの意向でした。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」
     ※各委員一致で承認
○吉田教育長 「報告事項1については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項1について、ご報告をお願いします。」
○香河教育次長 「地方自治法の規定により、令和4監査年度第1回報告書が提出されましたので、その内容についてご報告させていただきます。
  この報告は、令和4年3月から令和4年8月にかけての定期監査等の結果報告となっております。
 4ぺージをご覧ください。部局別の指摘事項等の一覧でございます。『合計』欄をご覧いただきますと、全体で『指摘』事項が47件、『注意』事項が39件、『意見』事項が2件の合計88件の指摘等がございました。このうち、教育委員会関係ですが、表の下から5行目の記載のとおり、合計18件で、内訳として、『指摘』が9件、『注意』が8件、『意見』が1件でした。
 23ぺージをご覧ください。教育委員会事務局の各所属の概要については、23ページから24ページに記載がございます。また、各県立学校の概要については、32ページから36ページに記載がございます。
 内容につきましては、支出負担行為及び契約書作成の遅延や、支出関係等における事務処理の誤りなどについて指摘等を受けています。
 なお、この監査結果報告が出るたびに教育委員会にご報告をさせていただいております。ここ数回、ご報告のたびに指摘件数が多いと、委員の皆様からもご指摘をいただいているところでございます。今回は18件指摘等がございました。参考までに、昨年度同時期の監査結果における指摘等の件数につきましては、30件でございました。
 検査の対象所属数などが異なるため一概に言えない部分がございますが、一定、改善傾向が見られるのではないかと考えております。今後も、管理職向け及び担当者向け研修会の実施や、校長会での周知徹底を行うなど、指摘件数の減少に向けた取組を粘り強く行っていきたいと考えております。
 以上です。」
○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」
○花山院委員 「23ページの教職員課の注意事項は、賃貸借契約とありますがどのようなものですか。」
○香河教育次長 「旅費の支給システムの関係で、支出負担行為額に誤りが生じたものです。」
○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、次に、その他報告事項2と3について、ご報告をお願いします。」
○山内高校の特色づくり推進課長 「『奈良県立高等学校入学者選抜検討委員会における意見に関する中間まとめ』について、ご報告します。

 同委員会に関しては、昨年度より5回の会議を重ねてまいりました。一定の方向性がまとまりつつあるので、事務方のとりまとめとして作成しました。
 まず、第1として、本県における現行の入学者選抜における現状と課題を整理しています。特色選抜において倍率の低下が続いていること、また、一般選抜で毎年不合格者数が相当数出ていること、この委員会でも指摘をいただいています。その状況を受け、赤字で記載していますが、『県内の子どもを、県内の初等・中等教育で、県教育振興大綱の基本的な方向性の中で、豊かに育む』ということが教育行政への期待だというご意見をいただいているところです。
 次に、第2として、具体的な入学者選抜の改善の方向性や内容についてですが、選抜方法・日程について記載しております。内容としては、特色選抜、一般選抜の日程を原則一本化します。この一本化に当たっては、これまで複数の選抜があったことを踏まえ、一つの選抜の中で複数の選抜を設定できるような制度の検討が必要ではないか、また、特に専門学科等に対し第2希望校を設定するということも必要ではないか、更に一本化の際には、現在の一般選抜より早期の日程設定も検討すべき、という意見をいただいているところです。
 右側の欄に移り、選抜に用いる資料で、まず調査書に関するものです。中学校において観点別学習状況の評価がありますので、この活用をいかにすべきかご意見をいただきました。また、調査書成績が、現在、2年生が『1』、3年生が『2』という比率になっておりますが、この比率についても検討が必要だということで、次回の検討委員会で再度、検討がなされることになっています。さらに特別な措置の実施につきまして、合理的配慮の提供、また帰国生徒、外国人生徒等及び社会人への負担軽減、更には県外生徒の受け入れ、これら等につきまして、引き続き実施すべきというご意見もいただいているところです。その他についても、中学生や保護者への情報提供、制度変更時の周知期間の確保、これらにつきましてもご意見をいただいております。特に調査書の取扱いが変わる場合には、中学校に入る段階、早くても現在の小学6年生の学年から制度変更の周知が必要でないかというような意見もいただいています。最後に赤字で記載しておりますが、ご検討いただく中で、入学者選抜以外の高校教育全般についての検討も必要ということで、県の審議会を設置すべきというご意見もいただいております。
 以上の中間まとめにつきましてはホームページ等で公表しており、12月6日を締め切りとして現在意見募集をかけているところです。この意見を踏まえて、最終12月末に検討委員会を開催し、年明けには最終のまとめを行い、2月の定例教育委員会において、教育委員会として、どのような方向性を持つのかという内容について提案し、議決をいただければと思っております。
 続いて、令和5年度奈良県立高等学校入学者選抜における新型コロナウイルス感染症罹患者等対象追検査の実施について、ご報告します。
 現在検討を行っているところですが、その方向性についてご報告します。まず、昨年度の実施状況の確認でございますが、特色選抜において10校17名、一般選抜においても10校13名が新型コロナウイルス感染症の追検査対象者となりました。現在、まだ感染症法上の取扱いが2類から5類に移っていないという状況を踏まえ、基本的な考え方としては、昨年同様の実施と考えています。ただ罹患者の行動制限が解除される、また濃厚接触者の待機期間も短縮されていますので、昨年度の実施状況も鑑みて、特色選抜につきましては昨年度と同様、学校独自検査、口頭試問で実施したいと考えています。そして、一般選抜におきましては、先ほど申し上げましたとおり、自宅待機の期間が短縮されていますので、3月23日に予定している追検査までに間に合うという判断をし、予定している元々の追検査と同じ学力検査を実施して判定に用いたいと考えております。ただ、今般の感染者数の状況を見ますと、時期によっては、昨年度より多くの受検生が追検査に回る可能性があるため、共通事項と記載しておりますが、コロナ追検査の適用申請者が募集人員の5%を超えた場合には、追検査以外の合格者数を募集人員より減ずることができるという制度設計をしたいと思います。つまり、合格者数を按分できる規定を設けたいと考えています。今後、県立校長会等で方針説明の上、12月10日頃に要項としてまとめて発表する予定です。

 以上です。」
○吉田教育長 「ただ今の2件について、何かご意見、ご質問はございませんか。」
○花山院委員 「入学者選抜検討委員会の中間まとめは、まとめてあることを書いてあると思うのですが、おそらく受検生や保護者は、どういうことが平等で、どういうことが自分たちの子どもたちの希望や能力向上に関わる受検方法かと、漠然と考えると思います。具体的なことは、ここに書いてある一本化するということにあると思いますが、1つは、私は必ずしも偏差値教育が悪いとは思わないのですが、悪いというイメージがある中で、そういうものをどう是正していくのかです。同時に、学力のある程度高い子は、高い子がある程度集まって切磋琢磨して自分の能力を上げていくことが成立できるのかどうか。
 もう1つは、どの教科も点数が高い子が、倍率の高い学校に行く傾向がありますが、ある教科の学力が高いが他の教科は苦手という生徒について、英語専門の学校や理数系専門の学校でその能力を伸ばすようにしているけれど、そういうものがしっかり伸びるような形が、この受検できちんと対応できているか。
 もう1つは、将来的には何か達成できるであろう意欲が高い生徒が受検で通ることが、入学者選抜の一本化の中で保護者に見えてくる形かどうか。保護者や本人たちが、奈良県の高校に行ったら、楽しい、自分の能力を伸ばす高校生活ができるんだというイメージがはっきりすべきと考えます。」

○山内高校の特色づくり推進課長 「本文には、例えば、1、2、3学年の比を1:1:2を標準とするなど、という具体例はこの中には書かせていただくよう心がけました。」
○花山院委員 「もう少し表題を分かりやすくしないと、書いたけど分かりにくいとなるのではないですか。」
○吉田教育長 「最終まとめは、意見の最終まとめですか。入試の案になりますか。」
○山内高校の特色づくり推進課長 「この最終まとめは、検討委員会からいただいた意見のまとめであり、それを踏まえて教育委員会としての方針を決めていくことになります。」
○吉田教育長 「最終まとめを1月に出し、2月の定例教育委員会で決めるということですね。」
○花山院委員 「広範な県民の皆様の意見も聞いて理解した上で、教育委員会が決めたとすることが必要ではないですか。」
○吉田教育長 「中間まとめの今の段階での県民の皆様からの意見はありますか。」
○山内高校の特色づくり推進課長 「とりまとめ中であくまで例でありますが、入試の一本化に対して賛成の意見をもらっています。」
○伊藤(忠)委員 「今、プロセスの問題が出ていますが、今回すでに中間とりまとめについて広く県民の皆様へ意見を求めています。それで検討委員会で議論をしますよね。それから、最終とりまとめをすると、中間とりまとめと意見が変わることもありますね。ですので、最終とりまとめの後から広く意見を聞く必要があります。それを聞いて、教育委員会で議論する必要があると思います。」
○吉田教育長 「最終まとめでも、具体的な意見ではないということですね。要するに教育委員会として、こういう意見をもらった、ということなので、それに対して議論するのは、最終まとめを県民の皆様に出して、いただいた意見を教育委員会で議論して、そこで決定したものも県民の皆様へ出して、というのが伊藤委員の考えかと思います。」
○山内高校の特色づくり推進課長 「今回の11月から12月に行っている意見募集は、検討委員会としての最終の議論を行うための意見募集になります。この意見募集が終了して、年末に検討委員会を開催します。そこで、この委員会は終了しますので、あくまでも、本日のご報告は検討委員会で出た意見の中間とりまとめで、年末に最終のとりまとめはできるだろうと、担当課としては考えております。その次のプロセスとして、入学者選抜検討委員会からのご意見をいただいた上での、まず最初の教育委員会としての案をご提示させていただく訳ですけれども、それについて、再度、県民の皆様へ意見募集を行った上で、また別途その次の定例教育委員会で、最終ご判断をいただくというプロセスを検討したいと思います。」
○花山院委員 「県民の皆様にどこまでを聞いて、どういう風にして成立していくのかというプロセスが見えにくいですね。プロセスが決まっているのであれば、最初から提示すべきだと思います。」
○山内高校の特色づくり推進課長 「まず、適正化をこれまで行ってきた中でも、偏差値による学校選びは当然否定されたのですが、それを継承しています。単なる偏差値だけではなく、各学校が特色づくりをして、どのような学習をするかを示すことができるだろうと考えています。その上で、特別な能力、特化された能力を持つ子どもたちへ、今回の制度変更で対応できるのではないかと思っています。各校で、今でも複数の選抜方法があり、学力検査と調査書のバランスは3割から7割の間で変えられますが、その重点化をより可能にします。それを一部の合格枠に当てはめることで、そういった子どもを受け入れることができるのではないかと思っています。
 また、意欲がある生徒の受け入れについてですが、1つの方法として、観点別の学習状況の評価を活用するという方法があるのですが、まだまだ中学校現場としては難しいというご意見もいただいています。面接等でその点を重視した入試ができないかと考えております。
 いずれにせよ各学校で入学生の受け入れの方針を今年定めたところですので、学校ごとにその方針が前面に出せるような入試制度になればと考えています。生徒・保護者に自分の能力を伸ばせる、というイメージをどう見せるのか、今後十分検討します。」
○吉田教育長 「この中間まとめは具体的にはなっていませんね。最終どのように出そうとしていますか。」
○山内高校の特色づくり推進課長 「12月末に検討委員会を開き、この中間まとめの一部追加、修正という形で行い、最終まとめになろうかと思います。1月中に検討委員会としての意見のまとめを終え、教育委員会にいただいたという位置付けで、2月の定例教育委員会で実施方法も含めた方針を検討、議決をいただきたいと考えています。」
○吉田教育長 「例えば、内申は3つの学年を活用する等を決めていくのですね。それに関しては、もう県民の皆様への意見は聞かないということですか。」

○吉田教育長 「例えば、調査書なら調査書、日程を一本化するなら一本化する。その二つの項目について議論をしてもらって、公表する。そういう作業をしなくてもよいのか、ということですね。そこは慎重に進めるようお願いします。」
○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、次に、その他報告事項4と5について、ご報告をお願いします。」
○大橋人権・地域教育課長 「令和4年度優良PTA文部科学大臣表彰被表彰団体について、ご報告します。
  文部科学省では、PTAの健全な育成と発展に資することを目的として、毎年度、優秀な実績を上げているPTAに対し、『優良PTA文部科学大臣表彰』を行っています。
 本年5月27日の選考検討委員会を経て推薦いたしました『奈良県立高円高等学校・高円芸術高等学校育友会』と『大和高田市立菅原小学校PTA』がお手元の資料のとおり、被表彰団体に決定いたしましたのでご報告いたします。県立高円高等学校・高円芸術高等学校育友会については、『高円高等学校内に高等養護学校高円分教室が設置されたことを契機に、高等養護学校PTAとの交流を積極的に行っていること』や『役員や委員選出に関するアンケートを実施し、選出に係る業務改善に努めていること』などが高く評価されたものです。また、大和高田市立菅原小学校PTAについては、『本部役員を中心に、PTAの運営をすべて会員の手により自主的に実施していること』や『通学路における子どもの緊急避難場所「こども110番の家」設置箇所を大幅に増やす取組』などが高く評価されたものです。
 高等学校部門の表彰式は、第71回全国高等学校PTA連合会大会石川大会で、小学校部門の表彰式は、東京都で開催された日本PTA全国協議会の年次表彰式にて執り行われました。
 以上です。」
○大橋人権・地域教育課長 「令和4年度社会教育功労者文部科学大臣表彰について、ご報告します。
  本表彰は、地域における社会教育活動を推進するため多年にわたり社会教育の振興に功労のあった者及び全国的見地から多年にわたり社会教育関係の団体活動に精励し社会教育の振興に功労のあった者等にその功績を称え文部科学大臣が表彰するものです。
 令和4年度は、地域における『青少年教育』の分野で奈良市の松本安嘉氏と、地域における社会教育功労者『社会教育計画』分野で斑鳩町の大山俊雄氏が受彰しましたのでご報告いたします。
 なお、表彰式については、11月2日に行われ、新型コロナウイルス感染症予防のため、受彰者105名のうち希望者は式典会場に参加し、本県の受彰者2名は、オンラインで参加されたことをご報告申し上げます。
 以上です。」
○吉田教育長 「ただ今の2件について、何かご意見、ご質問はございませんか。」
○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですので、次に、その他報告事項6について、ご報告をお願いします。」
○山内教育研究所長 「令和3年度『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』結果の概要及び令和3年度『奈良県公立学校における生徒指導の課題に関する諸調査』結果の概要について、ご報告します。

資料として、2種類の結果概要を配布しています。資料1は全国調査において全国と本県の結果の比較となり、対象は国公立私立全ての学校を含んでいます。資料2につきましては、本県の公立学校における調査結果を元に資料1の全国調査の内容に合わせて、作成したものになります。
 まず、資料1の1『(1)暴力行為の概況』をご覧ください。本県における発生件数は全国平均より低いものの、令和2年度から増加しました。全国平均も上昇しており、全国的に増加傾向が見られます。資料2の1『(2)暴力行為別』で見ますと、発生件数では『生徒間暴力』が大きく伸びていることが分かります。
 つづきまして、資料1の2『(1)いじめの概況』をご覧ください。いじめの認知件数は1,000人当たり60.0件で、前年度より増加しました。これにつきましても、全国も同様の増加傾向が見られます。その中で顕著なものとしては、『(2)校種別』のとおり、小学校において本県では全国より30.8ポイント高くなっています。いじめの認知件数につきましては、本県では平成27年度以降7年連続で全国平均を上回っております。その要因としましては、各学校に対して、些細な兆候であっても積極的に認知し、対応に繋げていくよう求めており、増加を肯定的に捉えています。また、『(4)いじめの現在の状況』のとおり、本県において『いじめが解消しているもの』は、83.2%で前年度から9.7ポイント増加し、全国平均を上回りました。『いじめが解消しているもの』が増加した要因としては、令和3年度から、毎年12月を『いじめ防止強化月間』と定め、各学校における『いじめ防止対策組織会議』の集中開催や、いじめに関するアンケートの2回目の実施によって、教員、子どもの意識が高まり、早期発見・早期対応を組織的に行えたことが要因と分析しています。資料2の2『(4)いじめの発見のきっかけ』では、『アンケート調査など』による発見が、小学校、中学校ともに非常に高い割合で、しかも全国比率より高くなっていることが特徴と考えています。
 次に、資料1の3『新型コロナウイルスの感染回避による長期欠席』児童生徒数をご覧ください。令和2年度調査から、長期欠席の理由に追加されたもので、特に小学校において多い結果となっています。
 次に、資料1の4『(1)不登校の校種別』をご覧ください。小、中、高のいずれの校種においても全国的に増加傾向となっていますが、特に中学校で割合として多くなっています。これについては、資料2の3『学年別不登校児童生徒数』から分かるとおり、小学校6年生から中学1年生にかけて大幅に増加していますが、そのうち『新規不登校』が多くなっています。さらに中学1年生から中学2年生かけては、新規に加えて『継続』も加わり、非常に大きな増加となっていることが特徴と考えています。不登校の対応としては、従来の支援・相談に加え、令和3年度から、特に出席日数が10日以下の生徒等の学習サポートとして、小学6年生や中学生を対象としたオンライン学習支援を開設し、サポートをしているところです。また、今後は、一人一台端末を活用し、『子ども応援サイト』を校種別に開設し、悩みを抱える子どもへの情報提供や気軽に相談できる窓口を設置し、より適切な支援につなげるきっかけをづくりにも努めていきたいと考えています。
 最後に、資料1の5『(1)中途退学率』をご覧ください。高等学校における中途退学率は、全国、奈良県ともに増加しました。特に、資料2の4『(1)課程別退学率』のとおり、県立高等学校全日制課程の中途退学率は、令和2年度0.8となり平成12年度からの統計で過去最少となりました。令和3年度は0.9と微増ですが、ほぼ横ばいと考えています。
 以上です。」
○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」
○吉田教育長  「通信制の退学率が増えている要因について分析する必要がありませんか。」

○山内教育研究所長 「分析します。」
○伊藤(美)委員 「通信制課程の生徒は、不登校経験者や不適応の子どもが選択することが多いので、退学のリスクもあると考えられますが、通信制の退学について、転学は入っていますか。」
○山内教育研究所長 「転学は入っていません。」
○伊藤(美)委員 「国も学校復帰が全てではないと明記しているので、多様な進路が保障されていると思いますが、積極的に職業を選択して頑張っているのか、どこにも行けなくて、最終的に社会的なひきこもりになっているのかで、意味が全く変わってきます。可能であれば、通信制の退学の状況について調査をすることが大切かと考えています。」
○山内教育研究所長 「分かりました。」
○伊藤(美)委員 「その理由として、最近、全日制から通信制に転学する生徒が増加していますが、その生徒の進路はどうなっているのか、データとしてあまりないのが現状です。一人一人の状況に応じた進路保障をどこがしているのか、大変気になっています。」
○吉田教育長 「一般論ですが、奈良県の通信制では、スクリーニングのために毎週登校しないといけない時間割自体が、不登校の生徒にとって辛い状況と聞いています。県立山辺高等学校に令和6年度から通信制を設置して、通信制の学習指導要領に則って運用できるようにすることを考えています。」
○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、承認してよろしいか。」
     ※各委員一致で承認
○吉田教育長 「その他報告事項については承認いたします。」

 

非公開議案

議決事項1 令和4年度一般会計補正予算案について
議決事項2 令和4年度奈良県教員等育成協議会委員の委嘱(任命)について

 非公開にて審議

 

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」