奈良新聞掲載記事集

令和6年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和5年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和4年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

ミョウガで食卓に彩りを

 色鮮やかで独特の香りとシャキシャキした食感が魅力のミョウガは、冷や奴やそうめんなどの薬味に欠かせない野菜です。原産地は東アジアで、日本をはじめ中国、朝鮮半島の温暖な地域に自生しています。中国のミョウガは主に漢方薬に使われ、食材としてミョウガを栽培しているのは、日本の他、台湾と韓国の一部だけとされています。今回は、そんな私たち日本人の食卓を陰で支えるミョウガについてお話します。
 ミョウガはショウガ科の多年草で、ショウガの仲間です。私たちが普段食しているのは、「花ミョウガ」で、ミョウガのつぼみの部分です。地上に茂っている葉の部分ではなく、地中に伸びた地下茎から直接つぼみが出てくる部分を摘み取ります。栽培は、露地栽培とハウス栽培に分けられ、露地栽培では夏から秋にかけて、ハウス栽培では年間を通じて収穫されます。また、若い茎の部分を、日光が当たらないよう土をかけて軟化させて育てたものを「ミョウガタケ」と呼びます。その名のとおり、白く細長いタケノコのような見た目をしており、ミョウガよりも一足早く、春に出まわる食材ですが、栽培が難しく、お店で見かけることはそれほど多くありません。
 ミョウガの国内生産量は高知県がその約9割を占めていますが、奈良県でも主に五條・吉野地域で古くから栽培されてきました。露地栽培での「花みょうが」は大和野菜(大和の伝統野菜)に認定されています。高知県などで行われるハウス栽培のおかげもあり、現在ではスーパーで一年中ミョウガを見かけることができますが、旬は通常6月から10月過ぎの間です。その中でも夏に採れる「夏ミョウガ」と秋に採れる「秋ミョウガ」に分けられ、おおむね「秋ミョウガ」の方がふっくらと大きくなります。夏と秋で食べ比べをしてみても面白いかもしれませんね。いつものおかずにミョウガをプラスして、食卓を彩ってみてはいかがでしょうか。

【豆知識】

 ミョウガの、あの独特の香りの正体は「α-ピネン」という香気成分です。ストレスの緩和をはじめ、血液循環の改善、免疫機能の改善などの効果があるとされています。スーパーなどで、ミョウガを購入される際は、固く引き締まっているものを選ぶと新鮮で香りが高くおいしいでしょう。調理の際は、香りや辛みといったミョウガ本来の特徴を逃さないように水にさっとさらすだけにして料理に加えるのがおすすめです。切り方については、ミョウガはタテに繊維が走っているので、その繊維を断ち切るようにヨコに切ると香りが引き立ちます。繊維に沿ってタテに切るようにすれば、シャキシャキした食感がいっそう楽しめます。保存する際は、乾燥しないようにラップなどで包んで冷蔵庫の野菜室に入れておきます。4~5日は持ちますが、香りや食感が魅力的な食材なので、なるべく早く食べると良いでしょう。

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令和3年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和2年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成31年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成30年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」



奈良新聞で第2日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。