第5回定例会議(令和2年6月11日開催)

開催概要

議決事項

1

新型コロナウイルス感染症にかかる対応方針(案)について(zip 637KB)

 2   奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について(zip 44KB)   <学校教育課>
 3 

令和3年度使用教科用図書採択基準及び選定資料について

         (1) (pdf 2719KB)  (2) (pdf 2856KB)

  <学校教育課>
 4   行政訴訟の提起について   <教職員課>

 リンクのない議決事項は、非公開で審議されたものです。

その他報告事項

 1

 令和2年3月中学校卒業者の進路状況について(pdf 117KB)  <学校教育課>
 2  奈良県立榛生昇陽高等学校専攻科の入学者選抜実施要項について(zip 299KB)  <学校教育課>
   
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令和2年度第5回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
令和2年6月11日

14時30分

<閉会>
令和2年6月11日

17時10分

<会議場所>
教育委員室

<委員出欠>
花山院弘匡(出席)
森本哲次(出席)
高本恭子(出席)
上野周真(出席)

伊藤忠通(出席)

議案及び議事内容

<議案> 

議決事項1 新型コロナウイルス感染症にかかる対応方針(案)について (可決)

議決事項2 奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について(可決)

議決事項3 令和3年度使用教科用図書採択基準及び選定資料について(可決)

議決事項4 行政訴訟の提起について(可決)


<議事内容> 

○吉田教育長「花山院委員、森本委員、高本委員、上野委員、伊藤委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和2年度第5回定例教育委員会を開催いたします。本日は委員全員出席で、委員会は成立しております。奈良県教育委員会会議傍聴規則第2条の規定に基づきまして、2名の方が傍聴券の交付を受けられています。」                                   
                                                                                    
○吉田教育長 「それでは、議決事項1の『新型コロナウイルス感染症にかかる対応方針(案)』について、私からご説明をさせていただきますので、議事進行は花山院教育長代理に交代をさせていただきます。」                                                       

○花山院教育長代理 「議決事項1『新型コロナウイルス感染症にかかる対応方針(案)』について、ご説明をお願いします。」       

○吉田教育長 「新型コロナウイルス感染症にかかる対応方針(案)について、ご説明します。本日は前回予告のとおり、学力検査の出題範囲の設定等、県立学校e-オープンスクールの開催、部活動の全国大会の代替地方大会についての3つについて審議をしていただきたいと思います。                                                                                
 学力検査の出題範囲の設定等について、前回お示ししたアンケート結果を整理したところで、中学3年生の71.8%が学習に対して何らかの不安を感じています。その不安の内容について、進度面での不安、中学校3年生で学ぶ内容についての不安、入試の範囲についての不安でクロス集計しています。パーセント等は表のとおりです。全体的には英語・数学に関して不安感が強いという結果が出ています。   
 対応の方針は、社会・数学・理科の一般選抜で出題範囲を減らしたいと考えています。特色選抜に関しては、数学の範囲をさらに減らしたいと考えています。なお、国語・英語に関しては、学習する教科書での範囲を削減することはいたしません。                     
 まず、一般選抜について、社会の公民的分野「私たちと国際社会の諸課題」は、中学校3年生の最後に学ぶ内容ですが、これを入試範囲から減らします。数学では、特色選抜で「三平方の定理」と「標本調査」、一般選抜で「標本調査」を除きたいと考えています。理科については、一般選抜で第1分野の「科学技術と人間」、第2分野の「自然と人間」を除きます。これら3つの教科については、最後に学習する範囲・分野について、入試の出題範囲から外す方向で検討しました。                                                     
 除いた範囲について、私立高校受験者が不安に思うということや、学習の質が低下する、薄っぺらくなる、といった問題等も考えられるので、学習の質を保証するためにも、オンラインでの授業を子供たちに提供したいと考えています。オンラインでの授業を提供する時期は、12月1日を想定しています。あまり早くから最後に学ぶ内容について提供すると、子供たちに逆に不安や焦りを感じさせることにもなりかねないため、この時期に適切に提供してまいりたいと考えております。                                                   
 範囲を減らさなかった教科の英語に関しては、中学校で学ぶ単語を、用例とともに示したいと考えています。単語と単語を用いる例、文例よりも短文になるため、用例という言い方をしています。さらに、単語については、発音についても音声データで子供たちに提供したいと考えています。これも12月1日を想定して、全員に提供していきたいと考えています。
 国語の対応は、1学期末の指導状況を市町村教育委員会を通じて把握をしながら、2学期以降の指導計画例を提示してまいりたいと思っています。国語の身に付ける力は4つの技能がありますが、その技能を身に付けるために、教科書の全てを授業で指導する必要はないと国からも示されているので、どのような教材を扱い、どのような力が付くか、ということを指導計画例、モデル例として示させていただきたいと思っております。
 続いて、中学校3年生の12.8%が、部活動の大会等がないために自らの進路選択に不安を感じている、と訴えています。そのことへの対応は、体育や芸術に関する学科においては、実技講習会を検討いただいています。実技講習会の全ての日程に参加した生徒に対して修了証等を発行し、入試で大会の実績を加点している学校に関しては、こういった修了した実績等をもって、入試での加点対象になるかどうかの検討も、今しているところです。
 アンケート調査の結果で、中学校3年生の子供たちが、自分の希望する学校がよく分からないといった声もたくさんあげています。そういった声に対応するために、また、コロナウイルス感染症予防も含め、YoutubeやGoogleのフォームを利用して、動画を用いた学校紹介や質問への回答を行う「e-オープンスクール」を8月24日から開催したいと思います。もちろん、従来の学校へ子供たちが行って参加するオープンスクールは、このe-オープンスクールを開催しながら、コロナ感染対策も踏まえて、9月以降に実施するかどうかも含め、学校に検討してもらうことになっています。もちろん、e-オープンスクールと同時にオープンスクールも開催できるという学校が出てくれば、感染症予防対策を踏まえて認めてまいりたいと思っています。                                           
 部活動全国大会の代替地方大会について、前回の教育委員会で、支援をするということで議決をいただいています。今回は、高体連、高野連、高文連等の、高校3年生に対する行事・大会等が今後実施される場合には、県教育委員会として共催をしてまいりたいと考えております。その際、優秀選手等や団体等に知事表彰を実施するということを具体化してまいります。今日は、各教科の指導主事も出席していますので教科の内容等についても質問等があればお願いします。」                                                           
                                                                                    
○花山院教育長代理 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。私の方から3点お聞きします。大変素晴らしい対応だと思います。学校が休校していたことは事実です。その間オンライン等で授業があったとはいえ、範囲を少し絞るということは、不公平感、不安感を取り除くには大変よいと思います。社会、数学、理科については、削ったところはオンライン授業でフォローするということなので、入試の軽減、コロナの不安感の軽減ということはよく分かりました。英語についての説明もよく分かりましたが、国語はどういうことを覚えたから解答ができるというよりも、思考能力を養って読解して試験を受ける、ということなので、出題範囲の設定が難しいと思いますが、他の教科が範囲を少なくしたり、不安感解消のためにフォローアップなどをしているので、国語もできれば何か、もう少し試験への不安感が、はっきりと軽減されていることが分かるようなものを出していただいた方がいいのでは、と思います。       
 2点目は、ここには出てきませんが、入試には調査書があります。子供たちには大変大きなものです。休校中が調査書にどのように評価されるのか、もう少しご説明いただきたいです。
 3点目はお願いですが、除外された範囲を理解せずに高校に進学してくるので、進学後にもこの部分を何らかの形による高校でのフォローの考えを伺いたいです。」                    
                                                                                    
○川西学校教育課指導主事 「国語科の範囲が絞りにくいのは、学習指導要領で定めている中学校3年生で身に付ける力を、どの教材を用いて身に付けるかは、授業者が計画していくものだからです。このため、1学期に学習が終えた内容と考え合わせて、2学期以降の進め方について例を示していきたいと考えております。」                                                
                                                                                    
○吉田教育長 「例えば9月以降になると、進度が順調であるならば、全ての教材を取り扱うことができるかもしれません。教材というのは、教科書のそれぞれの章、素材のことです。ところが我々が今想定しているのは、小説の教材が3つあったとき、この1つを取り扱わなくても力は付けるようにできる、という風に指導計画を作るということです。ただ、そのことに対する逆の不安で、ここを削除したら、ここは学ばなくてもよいのか、という子供たち、保護者の不安が起こる可能性があります。そこは、子供たちが自主的な学習ができるように、子供たちへの支援を提供することが必要だと思います。学ぶ教材の支援をするのか、学ばない教材に対して何らかの
支援を子供たちにするのかのどちらかしかないと思うのですが、学ばない教材に対して何らかの支援をオンラインでできるような工夫をしていきたいと思います。」
                                                                                    
○花山院教育長代理 「今仰ったように、じゃあ、いらないんじゃないか、となるのは間違った考え方だと思います。その中でフォローしていく具体的なことを出していただいた方が、子供たちの不安、誤解を招かないのではないかと思います。調査書についてはどうでしょうか。」  
                                                                                    
○吉田教育長 「調査書については、臨時休業が続いている時期から、調査書の算出方法について市町村教育長に説明をしています。通知は出していますか。」                          
                                                                                    
○山内学校教育課長 「いえ、通知は特に出していません。」                            
                                                                                    
○吉田教育長 「従来、3年生の調査書は、1学期と2学期の成績を同等と見なして、9教科を足し、それを2倍します。奈良県は、1年生の内申は調査書には使わずに、2年生3年生の内申を調査書に使い、2年生と3年生の比率を1対2にしています。できる限り子供たちの直近での力を重視しようという考え方です。他府県では、1年生、2年生、3年生を1対1対1で調査書に反映させるケースがありますが、本県は2年生と3年生を1対2で調査書に反映するという方法をとっています。その際に、1学期と2学期を1対1で内申処理ができないというケースが起こることが予想されますので、1、2学期を通じて内申点を出していただくという方向でいかがかと考えています。ただ、学校によっては臨時休業が少なく、1学期と2学期の授業日数を確保できている等の場合については、1学期と2学期を同等に扱うこともあると思います。」    
                                                                                    
○花山院教育長代理 「それでよいと思いますが、生徒たちの不安は、普段であれば皆が同じ方法で、自分の内申が決められていきますが、この市町村ではこうだったから自分は不利になったのではないか等の誤解が生じないように、決められたルールを公開して皆さんに御理解していただくことをお願いします。」                                                          
                                                                                    
○吉田教育長 「県のPTA協議会でも、内申に対する不安を毎年挙げられているので、それぞれの市町村教育委員会を通じてしっかり発信していきたいと思います。3つ目の高校に入った後のフォローについては、オンライン授業というものを提供したいと思っています。例えば、社会の『私たちと国際社会の諸課題』は試験には入れないが、やはり身に付けるべき分野だと思います。可能性として、試験範囲に入らないからギリギリに学習したとか、あるいは学習を飛ばしたとかいうことがあると思います。そういった時のために、自学自習できるように、指導主事によるオンライン授業を提供します。おそらく子供たちが1台のパソコンを持って使えるようになっていくと思いますし、家でオンライン学習が行えない場合は学校で自学自習できるような状態を作っていきたいと思います。国では、2割を家庭で学習するというような方向性を出しているので、自分で学習するための授業を発信すること、あるいは課題を発信すること、そういったことで、高校に上がって行く際の子供たちの学びに、いろいろな差異が無いようにしていきたいと思います。」                     
                                                                                    
○花山院教育長代理 「オンライン授業でフォローされていくとのことですが、高校に入ってからもフォローをお願いしたいと思います。」                                            
                                                                                    
○吉田教育長 「高等学校でもそういうことを踏まえ、授業を丁寧にやっていくということですね。」                               

○森本委員 「部活動のことに関して、自らの進路選択に不安を感じている人が12.8%という数値が出ています。3つ目の部活動の全国大会の代替地方大会についてですが、高体連、高野連、高文連と教育委員会として共催をしていくことは、進路選択にも関係しているのでしょうか。」
                                                                                    
○吉田教育長 「まず、高校生に対しての部活動ですが、高体連で、従来9月下旬に実施している奈良県高等学校総合体育大会というものがありますが、インターハイがあったときには、ほとんど3年生が出ないという実態がありました。今回は3年生がインターハイ予選、インターハイに出られなかったということで、この県総合体育大会で、団体競技では1位を決めていくような大会にしていきたいということが過日の新聞報道にもされています。高体連もまだ大会の日程などは出していませんが、そういった1位を決めていくというような方向で検討されているというように聞いています。そういった奈良県で優秀な成績を修めた高等学校の生徒が、それを活用して大学進学や、将来いろいろな方面で活躍してくれることを期待しています。中学3年生の部活動に対しては、中体連からはほとんどの大会は中止をしたままになると聞いています。ニュースでは全国の陸上競技大会が10月、11月に実施されるとも聞いていますが。」
                                                                                    
○山内学校教育課長 「そういう報道はありました。」                                  
                                                                                    
○吉田教育長 「出場資格がどうなのかということもあります。陸上競技なので、タイムで出場を決めることになるかもしれませんが、不透明なところがあります。実際に中学3年生が部活動で上位の成績を出すという大会は実質無いので、これまでそういった大会実績で高等学校の進学を考えていた生徒に対しては、例えば、添上高等学校のスポーツサイエンス科や大和広陵高等学校の生涯スポーツ科であったり、高円高等学校では美術科、デザイン科、音楽科という芸術科を有しているので、それぞれの専門学科を有する高校で実技講習会を何回か実施することによっ て、その修了証を与えることによって、加点を含めて検討したいと考えております。」      
                                                                                    
○森本委員 「進路選択に不安を持った生徒がいるので、教育長が述べたようなことも、きっちり評価できるようなことであればしてあげて欲しいと思います。」                        
                                                                                    
○吉田教育長 「実施の検討と書いていますが、実施する方向でしっかりと調整していきたいと思います。」                         

○伊藤委員 「確認です。社会、数学、理科のテスト範囲を除外することについては、市町村教育委員会が休校になった分の学習を取り戻すために夏休みを10日ほど短縮する中で、この除外する前の部分までは確実に進捗するということが前提ですか。」                 

○吉田教育長 「もちろんです。」                                                    
                                                                                    
○伊藤委員 「国語で、2学期以降の指導計画例を提示するということは、具体的に中学生にとって、ここまでこういう学びができますよ、ということを中学生に知らせるということですか。」                                                                              
○吉田教育長 「この指導計画例は中学生にというよりは、教員に提示するものになると思います。例えば、小説を全ての3種類を授業しなくても、この2つをやることで学習指導要領の目的に沿った力を付けることができるということを示します。」                   
                                                                                    
○伊藤委員 「結果、指導計画例を示された教員は中学生に対して教育をすることになりますが、中学生本人に対してはどのように伝わるのですか。」                                
                                                                                    
○吉田教育長 「中学生にとっては、ただ教科書をやらなかったという風に伝わる可能性はあります。中学生自身がどのような力を学習指導要領で付けるかということは、子供自身はあまり理解していないところもあるので、先生が飛ばしたという単純な発想になる可能性があります。ですので、それが不安を解消するのか、逆に不安になるのか、ということは分からないです。ただ、速く3つをやって力が付くのか、じっくり2つをやって力を付けるのか、というと、県教委としては、ただ速くやればいいだけではなく、やはり2つをじっくりやる方がいいと考えます。それに対する指導計画の中にどんな力を付けるかということについてもしっかりと発信すべきだと思っています。さっき申し上げたのは、飛ばした教材に対しては、自学自習する生徒も出てくると考えられるので、自学自習する生徒に対するフォローアップは、先ほど述べたように、授業としてするべきではないかと考えています。」

○森本委員 「全国大会の代替地方大会には、教育委員会としても共催の形で関係していくということですか。」                     
                                                                                    
○吉田教育長 「高野連であれば、いろいろな関係で教育活動、特に学習活動を重視するということも踏まえて、1校1試合という対戦で方針を出したわけですが、共催ということを受けて、別の実施方法がないか検討されます。別の実施方法というのは、トーナメント方式をできる方向で、会場や試験日程などの観点から協議して、具体化していくことです。高体連の方も、例えば共催することによって、何らかの教育委員会の支援を必要とすれば、教育委員会の方から学校に対してお願いをしていきます。3年生を中心に、大会に参加できなかった子供たちが、やはり充実した運動部活動や文化部活動を終えるということができるように共催をし、支援していきたいと考えています。」                                                                  
                                                                                    
○森本委員 「高校生の生徒たちはそういうところが気になっています。部活動をしっかりと終えることは心に残ると思うので、それぞれの連盟と協力してお願いしたいと思います。」    
 
○高本委員 「野球については、1試合でもさせてもらえれば嬉しいという声がたくさんの保護者から上がっていました。その次に、真の力を付けるには、やはり勝ち上がる力が必要であるからトーナメントで実施して欲しい、という声がいっぱい上がってきています。それも皆さんのお耳に入れておきたいと思います。」                                                    
                                                                                    
○花山院教育長代理 「高校の夏休みが10日ほど少なくなっている中で、試合と授業と日程を思案していくのは高度な判断になります。本来は各団体と各高校の先生との問題だと思いますが、今回はこういう状況なので、県教委がある程度音頭を取らざるを得ないと思います。文化部活動も含め、それぞれの種目で分かりやすく出していただきたいと思います。」                
                                                                                    
◯吉田教育長 「それぞれの団体が主体的に検討するということが基本的になると思いますが、高文連は全国大会、それから近畿大会もオンラインの展示を中心とした大会になっていくと思いますが、高文連の会長から3年生の作品をもう少し見て欲しいという思いもあり、写真、絵画、書道などの作品展など実際に見てもらう展覧会を開催したいと聞いています。それに対して我々も支援していきます。高体連は、9月下旬の大会を3年生が入って優勝まで決めるような大会にしていきたいと聞いています。高野連は、明日、常任理事会が行われ、大会の見直しを提案し、トーナメント方式というものを具体に検討していく、と聞いています。」                  
                                                                                    
○花山院教育長代理 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」


          ※各委員一致で可決                                                        
                                                                                    
○花山院教育長代理 「議決事項1については可決いたします。議事進行を吉田教育長に交代をさせていただきます。」                  
○吉田教育長 「議決事項4については、教育委員会が関係する争訟中の案件のため、当教育委員会においては非公開議案として審議すべきものと考えます。委員の皆様にお諮りします。いかがでしょうか。」                                         
                                                                                 
     ※ 各委員一致で可決                                                   
                                                                                 
○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、本日の議決事項4については、非公開議案として審議することとします。」     
○吉田教育長 「それでは、議決事項2『奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正』について、ご説明をお願いします。」    
                                                                                    
〇山内学校教育課長 「奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について、ご説明します。先週の6月4日付けの新型コロナウイルス感染症に係る対応方針で、夏期休業の期間について方針を定めていただいたとおりです。それに伴いまして、所要の改正を行う内容を書かせていただいております。附則に1項を加えまして、第9項として、令和2年度に限り、8月1日から8月31日を夏期休業日とする改正をしたいと考えております。
 以上です。」                                                                      
                                                                                    
○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」            
                                                                                    
○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」  
                                                                                    
          ※各委員一致で可決                                                        
                                                                                    
○吉田教育長 「議決事項2については可決いたします。」                              

○吉田教育長 「それでは、議決事項3『令和3年度使用教科用図書採択基準及び選定資料』について、ご説明をお願いします。」     

〇山内学校教育課長 「令和3年度使用教科用図書採択基準及び選定資料について、ご説明します。過日、この2点について奈良県教科用図書選定審議会から答申をいただき、内容を精査の上、本日提案をします。                                                     
 選定資料についてですが、まず、内容ごとに配当ページを確認し、編集上の工夫等を整理しています。また、新学習指導要領に基づき、各教科について共通的に、『「主体的・対話的で深い学び」を実現するための工夫』、『学習の基盤となる資質・能力を育成するための工夫』、『現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を育成するための工夫』の3つの項目で『内容の程度・組織・取扱い等の特徴』をまとめました。選定資料の後半は、特別支援学級又は特別支援学校で使用する教科用図書の一覧になっています。この採択基準及び選定資料を各採択地区や学校での採択の際の参考にしていただくこととなります。なお、各採択地区において、8月末までに採択が行われます。
 以上です。」                                                                      
                                                                                    
○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」            
                                                                                    
○花山院委員 「検定教科書は、検定を受けるときに検定基準があると思いますが、今回採択をするにあたって、各会社によって内容に大きな違いはありますか。」                      
                                                                                    
○山内学校教育課長 「検定を経ていますので、内容については基本的に統一されていると考えています。配列や教材の表記の仕方など編集上の工夫について整理をした資料となっています。」                                                                       

○花山院委員 「以前、教科書採択に関して問題がありましたが、今はどうですか。」      
                                                                                    
○山内学校教育課長 「数年前、教科書会社が副教材を配布していた事案が本県においても見られました。その後、毎年、教科書採択に対する留意事項が文部科学省から示され、公正確保の徹底を図っており、現在はそのような事案は確認されていません。」             
                                                                                    
○森本委員 「世界的にも昨今、実験等が重要視されています。理科の『教材・資料等の分量』に『実験・実習の例示数』が示されているが、この数字は選定に生かされますか。」         

○山内学校教育課長 「数字の多い少ないのみで教科書の優劣を決めるのは難しいので、それぞれの内容を検討して採択することになると考えています。」
                                                                                    
○吉田教育長 「『内容の程度・組織・取扱い等の特徴』がこの3つの観点になっているのはなぜですか。」 
           
○山内学校教育課長 「新学習指導要領の趣旨や『教科等横断的な視点に立った資質・能力』に示されている2つの資質・能力を参考にして設定しました。」                            
                                                                                    
○花山院委員 「ほとんどの教科でSDGsの記述があり、今日的な大きな課題であると感じました。」                                 
○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」
                                                                                    
          ※各委員一致で可決                                                        
                                                                                    
○吉田教育長 「議決事項3については可決いたします。」                              

○吉田教育長 「その他報告事項について、報告をお願いします。」                      
                                                                                    
○山内学校教育課長 「令和2年3月中学校卒業者の進路状況について、ご報告します。中学校卒業者数の総数は、対前年433名の減です。2(1)進路状況別進学率等の推移は、大きな変化は見られません。2(2)県内高等学校への進学率については、これまで同様の数値で推移しておりましたが、本年度は-2.7%と減少しております。この動きを全日制課程で詳しくみたものが(4)の表です。県立高等学校の57.4%が昨年度は60.9%でしたので、3.5%の減です。一方で、県外私立高等学校12.7%となっておりますが、これが2.3%の増、県内私立高等学校22.2%が、1.1%の増となっておりまして、私立高等学校への進学者が増加したという結果となりました。この要因につきましては、一部高等学校において不合格者数が増えた学校がございます。例えば郡山高等学校で77名増、高田高等学校で43名増です。これらの生徒が私立高等学校に進学したとも考えられますが、不合格者全ての数を調べますと、前年度が565名、本年度は496名、率を計算いたしましたが、率と不合格者数はともに減少しておりました。そこで、別の要因を探しますと、特色選抜、一般選抜ともに出願者数が、前年度より率として減少しており、このことが県立高等学校への出願者数が減った直接的な要因として考えられます。背景要因としては、近府県の入試倍率が低下傾向にあるということを踏まえますと、就学支援金がこの年度で増額され、県内私立高等学校には更に授業料等軽減補助金も支給されており、これらの影響が大きかったのではないかと考えております。
 以上です。」                                                                      
                                                                                    
○山内学校教育課長 「奈良県立榛生昇陽高等学校専攻科の入学者選抜実施要項について、ご報告します。いよいよ榛生昇陽高等学校に専攻科が設定されます。次年度には宇陀高等学校が開校いたしますが、その宇陀高等学校に引き継がれる専攻科です。介護福祉科として、20名の募集でスタートしたいと考えています。その選考方法ですが、資料の1枚目の下欄に書いております。9月に特別入学者選抜及び前期選抜を実施したいと考えております。特別入学者選抜については、県内の高等学校を指定いたしまして、一定の評定平均値をもっている者で、校長からの推薦を受ける者について、書類選考で選考していきたいと考えております。同時期に実施します前期選抜についても、一定の評定平均値を定めまして、校長からの推薦を受け、作文、面接を受け合否を決定したいと考えています。それで、約半数の募集を行って、残り半数については11月に実施します後期選抜で募集したいと考えております。この選抜については、外国の方も対象に全ての方が受験できる選抜といたします。裏面以降、選抜の詳細についてお示ししているところです。  
 以上です。」                                                                      
                                                                                    
○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」            
                                                                                    
○高本委員 「指定校の校長に推薦された者とありますが、指定校はどんな学校ですか。」  
                                                                                    
○山内学校教育課長 「まだ、決定はしておりませんが、県内の県立高等学校のうち、介護福祉士に係る進学者等が多い学校を数校選考して、指定校を決定していきたいと考えております。」
                                                                                    
○花山院委員 「県内の高等学校への進学者数が2.7ポイント減りました。授業料の問題もあると思います。私立高等学校の授業料補助があると、私立高等学校と公立高等学校も同じ土俵に立っていて、ただ単に日程が違うところで募集しているだけということになってきているように感じます。そこのところをよく考えて、思い切ったことを考えていくことはできませんか。公教育なので、私立高等学校と違い、思い切ったことを考えるのは難しいとは思いますが、しかし、実際にこのような状況があって、このままで良いのかというと、そうではなくて、どうにかして、子供たちのニーズに応え、県立高等学校に行くというようにしていく必要があるのではないかと
考えます。」
                                                                                    
○吉田教育長 「前年度の不合格者数が565人で、本年度は前年度に比べて不合格者数は少ないけど、県外へ流れた数は多いわけですね。」                                            
                                                                                    
○山内学校教育課長 「はいそうです。繰り返しになるかもしれませんが、当初は、この不合格者数が、県外の私立高等学校に流れた数が増えたことにつながると思っておりましたが、それを確認できませんでした。」                        
○吉田教育長 「この不合格者数は、ほとんど私立高等学校に行っているのではないですか。」
                                                                                    
○山内学校教育課長 「不合格者数の496名はほぼ全員私立高等学校に行っていると考えます  が、昨年度より不合格者数が減っておりますので、それは県外私立高等学校に行った生徒が増えた要因ではないと考えます。」                                               

○吉田教育長 「県内進学率がマイナス2.7ポイントだから、県外進学者は増えているのですね。」                                  

○山内学校教育課長 「はい、増えています。」                                        
                                                                                    
○吉田教育長 「この不合格者数は、県内か県外のどちらへ進学したか分かりますか。」    
                                                                                    
○山内学校教育課長 「判別できません。」                                            
                                                                                    
○花山院委員 「施設のことや、教育の内容とかも考えると、県立高等学校も考えていかないといけないと思います。不合格者数はいつもどおりですから、お金の差があまりなくなったこともあり、最初から専願で私立高等学校を志している生徒が多いのではないでしょうか。」
                                                                                    
○吉田教育長 「手立てはありますかね。」                                            
                                                                                    
○山内学校教育課長 「今回の分析では、特色選抜も、一般選抜も出願者数全体が減っているというところです。私立高等学校への経済的な支援が手厚くなったことによって、私立高等学校が増えたと考えております。」                                               

○吉田教育長 「そう言い切れますか。」                                                                                                        
○山内学校教育課長 「現状を申し上げれば、中学からの全卒業者全体に対する出願者数の割合は、特色選抜の出願者が、前年度26%から本年度23.9%と前年度に比べ2.1%減。一般選抜の出願者が、昨年度45.6%から41.9%と3.7%減となっております。」 


○花山院委員 「出願しない割合が増えた。それは、県立高等学校の特色選抜の前に、すでに私立高等学校の進学先が決まっているという生徒が多いということですね。それはそれで、対策をしっかり考えていく必要がありますね。そのような生徒を拾っていく必要はありますね。」  
                                                                                    
○吉田教育長 「一般の出願者が3.7%減っているのですね。それは、特色選抜で合格する割合が高まっているという考え方はできませんか。」                                        
                                                                                    
○山内学校教育課長 「そこまでの詳細な分析はしていませんが、その要素は十分考えられます。」                                 

○吉田教育長 「なんらかの対策を考えていかないといけませんね。」                    
                                                                                    
○森本委員 「榛生昇陽高等学校の専攻科入学者選抜実施要項で後期選抜が10名程度とあるが、留学生も含まれるのですか。」       
                                                                                    
○山内学校教育課長 「はい。」                                                      
                                                                                    
○森本委員 「留学生は何人程度ですか。」                                            
                                                                                    
○山内学校教育課長 「留学生は、今の状況では来日できるかどうか不確かなこともあり、何人とは定めておりません。」   
                                                                                    
○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、承認してよろしいか。」             
                                                                                    
     ※各委員一致で承認


○吉田教育長 「その他報告事項については承認いたします。」

                                                     

非公開議案                                                                          
                                                                                    
議決事項4  行政訴訟の提起について                                                  
                                                                                    
 非公開にて審議                                                                    
                                                                                    

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」                      
                                                                                    
     ※各委員一致で承認                                                        
                                                                                    
○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」