第7回定例会議(令和2年7月9日開催)

令和2年度第7回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>

令和2年7月9日
14時30分

<閉会>

令和2年7月9日
15時20分

 
<会議場所> 
教育委員室

<委員出欠>
花山院弘匡(出席)
森本哲次(出席)
高本恭子(出席)
上野周真(出席)
伊藤忠通(出席)

 

議案及び議事内容

 

○吉田教育長「花山院委員、森本委員、高本委員、上野委員、伊藤委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和2年度第7回定例教育委員会を開催いたします。本日は委員全員出席で、委員会は成立しております。」

○吉田教育長 「本日は議決事項、報告事項はございません。その他報告事項について、報告をお願いします。」

○山内学校教育課長 「令和3年度奈良県立高等学校入学者選抜において新たに募集する学校等について、ご報告します。
 まず、奈良商工高等学校です。現奈良朱雀高等学校を奈良商工高等学校として、来年度1年生を迎えます。全日制・定時制とも、学科名は変わりませんが、特に商業と工業の二つの分野の学科を持つ学校としての強みを発揮して、スペシャリストの育成を目指し実学教育の推進を図ってまいりたいと考えます。2つ目は、高円芸術高等学校です。現高円高等学校が来年度の入学生から高円芸術高等学校として再出発します。特に芸術に関する探究的な学びを強めることを目指し、普通科と芸術科に関係する学科を併せ持つことを強みにして学校づくりを進めてまいります。3つ目、添上高等学校です。現在の添上高等学校に普通科はすでにありますが、その普通科の中に人文探究コースというコースを新たに設置したいと考えております。このコースでは、人文科学に特化し、文系4年制大学への進学を意欲的に目指して学ぶという目標を持っている生徒を募集して、人材の育成を図りたいと考えております。人文という分野を幅広く捉え、英語等の語学の学習も十分に取り組んでまいりたいと考えています。続いて、商業高等学校です。現在の奈良情報商業高等学校を商業高等学校と改めて募集を開始いたします。これまで規則改正等で学科名等についてご意見をいただきました。新たに設置した会計科では、1年生から、将来会計士等を目指す生徒たちを育てていきたいと思います。また、新たに経営ビジネス科という名前も付けていただきましたので、マーケティング等の学習に重きを置いた学科づくりを進めてまいりたいと思います。最後に奈良南高等学校です。現在の大淀高等学校、吉野高等学校、この2校が統合して、来年度4月新たに生徒を迎えます。学科構成としては、普通科、情報科学科、総合学科となっております。特に総合学科では、森林科学、建築、土木、こども、看護という例示をしております。このような様々な分野について専門科目を置き、多様な学びができる、そのような学科を目指したいと考えております。普通科においても、地元の生徒がこの学校で学びたい、また他の地域からも呼び寄せられるような普通科にしてまいりたいと考えています。これらの内容を整理し、明日15時から記者発表を考えておりますので、ご報告いたします。併せて、来年度の募集について、ご報告をいたします。入学者選抜概要を、明日には教育委員会のホームページにアップしたいと考えております。大きな変更点といたしましては、入学者選抜の基本方針に基づき、適正化に関する奈良南高等学校、そして榛生昇陽高等学校の全ての学科を特色選抜で募集しております。また加えて、国際高等学校は、昨年度、特色選抜と一般選抜に分けて募集しておりましたが、全て特色選抜で募集するということになっております。なお、これまで募集しておりました西の京高等学校については、来年度から募集はございません。そこで、募集人数が減少するのではという懸念については、来年度も中学校の卒業者数が大幅に減る年であることと、一部の学校の募集定員の見直しによって対応してまいりたいと考えております。
 以上です。」

○山内学校教育課長 「令和3年度奈良県立青翔中学校入学者選抜実施要項について、ご報告します。適性検査、面接は1月30日のこれまでどおり土曜日に実施したいと考えております。願書の締切、持参による受付の最終日は1月26日という設定をしています。募集人員につきましては、ここ数年と同じ80名で募集いたします。それ以降、手続き、検査の内容等はこれまでどおりで、昨年と同じような募集を行っていきたいと考えており、この実施要項で進めていきたいと思っております。
 以上です。」

○中井特別支援教育推進室長 「令和3年度奈良県立特別支援学校幼稚部・高等部等入学者選抜・選考実施要項について、ご報告します。応募資格は学校教育法施行令第22条の3にあてはまるもの、高等養護学校については自力通学ができる等一定の社会的適応力を有する知的障害者です。募集する部及び科、募集する学科は記載のとおりです。盲学校とろう学校には幼稚部を設置しています。募集人員については、高等養護学校は88名、他の特別支援学校については別に2月末で定めます。交付期間、選抜選考期日は記載のとおりです。障害の状態に応じた検査を実施する予定です。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

〇花山院委員 「令和3年度新たに募集する学校についてですが、学校の形が新しく変わっていく時期なので、県民の皆様の思いもあると思います。例えば、高円高等学校が高円芸術高等学校になり、奈良県で唯一の芸術の名が付いた県立高等学校になります。入学してくる生徒も奈良県民ですので、この生徒が勉強していることが奈良県の地域全体のいろいろなことにフィードバックできれば良いのではないでしょうか。今までは、例えば、郡山地域では郡山高等学校の生徒が描いたものが飾ってあるなど地域の学校が担っており、それはそれで素晴らしいことなので続けていくべきだと思うのですが、高円芸術高等学校では奈良県民全体で共有していけるような活動を学科の中ですることができたら、すごく意味があるのではないかと思います。次に奈良南高等学校についてですが、奈良県の地理的条件から南部は人口が少ない地域です。奈良南高等学校は南部の基幹学校にあたる学校だと思いますので、例えばAIの導入など南部でも最新の教育を受けられるようにすることが、奈良にとって意味が出てくるのではないでしょうか。ここにはありませんが、青翔についても同じことが言え、青翔中学校はある程度、形ができてきましたが、奈良で唯一の県立の中学校で、しかも理系であることを私たちは知っていても、県民の皆様がそれをどれだけ知っているのでしょうか。今は科学の時代ですし、中学生や高校生が地域で発表する場面、地域にフィードバックするような機会があると、県立学校として奈良県下全体に青翔中学校・高等学校はこういったものだと印象付けられると感じます。質問というより要望ですが、以上3点よろしくお願いします。」

〇山内学校教育課長 「高円芸術高等学校については、ご質問のとおり県民の皆様に、その高校の在り方がよく見えるように、という観点から、様々な取組をしていきたいと思います。例として、ちょうどこの前の議会でも奈良大文字送り火という行事についてポスターを描くという、現高円高等学校での取組について質問に答えさせていただいたのですが、このような地元密着の取組を高円芸術高等学校に変わっても続けてまいりたいと考えております。」

〇花山院委員 「わかりました。」

〇山内学校教育課長 「奈良南高等学校についてですが、南部の基幹学校というようなお言葉をいただいたところです。適正化推進方針においても総合学科を置くことにより学校の活性化を行うことが出発点でありますので、学校を多様化して、いろいろなことを学びたい子供たちが集まるという意味で基幹となる学校としていきたいと思っております。青翔高等学校はSSHの指定も2期目となっておりますが、中学校を併設していることを踏まえ、SSHの取組をより特化していきたいと常に考えています。しかし、PRが足りないところがあるので、地元での取組も増やしていきたいと考えています。」
 
〇森本委員 「新しい学校、コースについて、昨日の新聞に今の奈良朱雀高校についての記事がありましたが、このようなことは良いアピールになると思いました。それに加えて高円高等学校について芸術、添上高等学校については人文、商業高等学校についてはインターンシップ、奈良南高等学校についてはICTを使った新しい取組などが出ていますので、これは適正化の中での成果ですから県民にアピールして記者会見でも教育委員会として発信をお願いしたいと思います。」

〇伊藤委員 「今度新しい高校で入学者を募集するわけですが、全体的に今の時代のニーズや、地域の特性をうまく生かしていると考えます。奈良南高等学校では、森林とか建築とか土木とか、高円芸術高等学校ではこれまでのものをさらに高めた形でアート、パフォーマンスをできるようなもの、それから情報化の時代なので、どの高校も情報関連の教育を充実させていて、地域の特性を生かしながら新しい高校教育を考えていく面で良いと思います。一点質問があります。先ほど、来年度の中学校卒業生が減るとお聞きました。西の京高校は募集を停止するので、その分をある程度カバーでき、カバーできないところは、一部募集定員を見直すとありましたが、具体的にどのように見直すのでしょうか。」

〇吉田教育長 「添上高等学校は、もう少し進学を意識したコースを作りたいということで、今回人文探究コースを特色選抜で募集することとなりました。また、国際高等学校を特色選抜で全て募集することとなりました。一般選抜では、普通科志望の受験生との競合になることもございますので、特色選抜で、国際科で学びたい生徒を一本化して募集し、3校再編した子供たちの受入れを、先に特色選抜で募集していくこととなります。普通科がある他の学校で、定員増ができないか考えています。これまで西の京高等学校を希望していた生徒を受け入れていくような学校の普通科を1クラス程度増やせないか、このように対応したいと考えています。」

〇伊藤委員 「志願状況によって募集定員を調整するということですね。」

〇吉田教育長 「特色選抜の募集人員を増やすことも、先に募集して入ってもらいやすくするということであり得るかと考えます。全体の募集は減るのですね。」

〇山内学校教育課長 「はい。中学校卒業者数としては、383名減ることとなります。」

〇吉田教育長 「県立高校への出願率をかけて想定したら6~8クラス分が減ることになりますが、それを西の京高校の減る分だけではなく、子供たちの通える、学力にあった学校を考え、全体で増やしたり、減らしたりしていくことになります。」

〇伊藤委員 「今年度の受験生にとって、進路選択が難しい部分も出てくるのかもしれませんが、それは進路指導の先生が上手に指導いただければと思います。」

〇吉田教育長 「特色選抜で不合格でも、一般選抜を受験できます。県立大学附属高等学校の開校が1年先送りになりました。これは設置者が違うので、元々別問題です。県立大学附属高等学校が募集するしないからといって、西の京高等学校の生徒の受入れが変わるものではありません。県立大学附属高等学校は、独自のコンセプトがあって、互いに切磋琢磨していくことになります。」

○森本委員 「特別支援学校の高等養護の募集人員88名について、知的障害のある児童生徒が増えてきていると聞いているので、例年と比較して説明してください。」

○中井特別支援教育推進室長 「高等養護学校募集人員88名のうち、平成30年度の入学者は77名、令和元年度は62名、令和2年度は63名で、減少傾向です。中学校3年生の知的障害特別支援学級在籍の生徒数と、高等養護学校の入学者数の推移は、連動していると考えられ、今年度は中学校3年生の知的障害特別支援学級生徒が147名と前年度に比較して多いため、例年同様88名の募集人員としました。」

○森本委員 「昨年度はどうでしたか。」

○中井特別支援教育推進室長 「昨年度の中学校3年生の知的障害特別支援学級の生徒数は141名でした。平成29年度は124名、平成30年度は123名です。高等養護学校の入学者は、平成29年度は88名、平成30年度は77名、令和元年度は62名、令和2年度は63名です。令和2年度入学者数については、これまでの状況と変化があるため、今後どう捉えていくか課題です。」

○森本委員 「88名の募集人員ですね。」 

○中井特別支援教育推進室長 「88名の募集人員については、昨年度の県立高等養護学校分教室評価会議において、特別支援学級の生徒数が増えているため、状況を見て慎重に判断していくべきというご意見をいただき、それを踏まえて設定しました。」

○森本委員 「知的障害特別支援学級の児童生徒数が増えてきています。新型コロナウイルス感染症の影響もあります。できるだけ支援をし、生徒たちの将来に生かせるような取組をお願いします。」

○中井特別支援教育推進室長 「昨年度の県立高等養護学校分教室評価会議で、中学校への分教室のコースや、卒業後の進路等の情報提供を充実させるとともに、学習内容やコースの再検討も必要ではないかとまとめられていますので、その支援に努めます。」

○高本委員 「特別支援学校高等部の生徒は、地域の中学校に通っていたときに、特別支援教育支援員の支援が必要な場面がたくさんあったと思うがいかがでしょうか。」

○中井特別支援教育推進室長 「特別支援学級に入級している生徒がほとんどですが、特別支援教育支援員の支援を受けながら、特別支援学校への進学を目指して取り組んでいると考えます。」

〇花山院委員 「学校の形が従来から変わってきました。奈良テレビは県のことを多く放映しているテレビ局ですよね。最近はKCNが吹奏楽の関係のことを流しています。奈良テレビにおいて、教育的な内容を情報発信するような番組があっても良いのではないかと考えますが、現状いかがですか。」

〇山内学校教育課長 「奈良テレビに教育に関する時間枠をいただいております。その中で、実学教育の取組等テーマごとで放送をしていただいているものがありますが、学校ごとというものは今のところありません。今後、テレビや動画といったものはインパクトが大きいと思いますので、新たなメディアを活用できないかなどを考えてまいります。」

〇花山院委員 「芸能人が中学校を訪問する番組があります。県立高等学校においても、活発な活動を紹介するような番組があっても良いと思いました。今おっしゃったように、みんながスマートフォンを持っており、動画で発信もできる時代になっております。ホームページも今では古いツールとなってしまって、相当欲求があれば調べて見に行きますが、普段何かを見て楽しむツールではないと思います。子供たちに聞いて、子供たちに企画させてあげるというのも面白いですね。」

〇伊藤委員 「奈良商工高等学校の全日制と定時制の学科名が違っているのはなぜですか。」

〇山内学校教育課長 「全日制の方は、工業に関する学科、商業に関する学科の中で、さらに細分化して特色化を図ろうというものです。定時制の方は、工業に関すること、商業に関することと、できる限り幅広く、というコンセプトがあります。」

〇伊藤委員 「ということは、全日制と定時制のカリキュラムは違うということですね。」

〇山内学校教育課長 「はい。」

〇花山院委員 「そのとおりだと思いますが、スタンスとしてこれから変えてやっていこうと思っている中で、定時制には何もしていない、というイメージを県民の皆様に持たれる可能性がありますね。実際そのようなことはないのですが、全日制を変えるのであれば誤解を受けないようにする方がいいですね。」

〇伊藤委員 「選択肢は、全日制と同じようなものがある、ということは難しいですか。」

〇山内学校教育課長 「定時制は生徒の数が少ないので、多様な科目を選べるというのは難しい部分があります。」

〇伊藤委員 「何か一つぐらいプラスアルファがあればいいですね。」

〇花山院委員 「定時制のビジネス科も、全日制の総合ビジネス科と同じことをやってもよいのではと思います。」

○花山院教育長代理 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項について、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○花山院教育長代理 「その他報告事項については承認いたします。」

○花山院教育長代理 「その他、連絡・報告事項はございますか。」

○香河教育次長 「一件ご報告をさせていただきます。新型コロナウイルスに関連してですが、昨日、県立の高等学校の生徒で、新型コロナウイルスの感染者が確認されました。症状は軽症で、現在入院をしております。学校での対応は、本日と明日は臨時休業になっておりまして、現在、保健所の指導もいただきながら消毒、それから、濃厚接触者の確認をしているところです。今後、生徒、職員に対しまして、PCR検査を実施していく予定にしております。感染経路などは現在調査中という段階です。」

○森本委員 「今、ご報告いただきましたけれども、感染者が発生して、その対応として、今日と明日は休日にしましょう、そして消毒をしましょう、とのことでしたが、その次に述べられたPCR検査は、そこの高校におられる全員の先生と生徒が検査を受けるという理解で良いのでしょうか。」

○香河教育次長 「全員ではありません。例えば、接触があったとか、同じような行動をしていた方が検査の対象となります。該当者を特定した上でPCR検査を受けることになります。」

○森本委員 「何人ほどいますか。」

○香河教育次長 「今のところ、70名ほど該当者がいると聞いております。この数字は今後動くかもしれません。」

○森本委員 「昨日ニュースに出ていた近畿大学の病院がありますけども、濃厚接触のかなり多くの方にPCR検査を行っていましたが、全然違うところから感染者が出てきて、そうであれば全員検査をしようかということなっているようです。そういう事例もありますので、極力対応できたら良いのではないかと思って確認をさせていただきました。」

○香河教育次長 「保健所とも連絡を取り合いながら対応していきたいと思います。」

○森本委員 「できるだけ後手後手にならないように防いだ方がいいのではないかと思います。」

○伊藤委員 「休業は、2日間ですか。」

○香河教育次長 「はい。休業は2日ですが、土日を挟みますので、結果的に4日空きます。」

○伊藤委員 「月曜日から再開するかどうかの判断はいつ時点でするのですか。」

○香河教育次長 「休業としては、この2日間が確定しており、今後保健所の指導もあるのですが、例えば、一定の生徒に自宅待機ということになれば、その結果を受けて、学校の方は再開できないことになる可能性はあると思います。」

○伊藤委員 「PCR検査の結果を踏まえてということですね。おそらく、生徒の皆さんもそうですが、保護者の皆さんに一体どうなるんだろうかという不安があると思います。その不安を解消するための判断、周知を検討しておく必要があると思います。今、調査中なので、結果が明らかになってからで良いと思うのですが、ある程度予定をしておかないといけないと思います。その段取りだけはしておいていただきたいです。」

○花山院教育長代理 「今の伊藤委員の話と重なりますが、仮に今後のPCR検査で陽性者が出ると、そのご家族もまた次に検査をしなくてはいけなくなると思います。学校の先生に陽性者が出たとしても、そのご家族でも検査が必要になると思いますし、あまりないと思うのですが、美術の先生などは学校を兼務していることもあり得ると思います。それは一つ一つ検査しながら、状況を見ていくしかないと思います。検査の結果、周りの生徒に感染者が出れば、この学校だけが休校が続くということになると思いますので、当然皆さんもお考えだと思いますが、学習が遅れないように何らかの対処を検討し、保護者の方にできるだけ早い段階でご説明などをされる方が良いと思います。」

○花山院教育長代理 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○花山院教育長代理 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」